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守り神

旧友

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こちらから見ればさすが「嘘にゃ!こんな若い族長なんて居ないにゃ!」

「ん?失敬なケットシーじゃのぉ?わしこそ、族長ルリラビエルじゃ」

ぎんたが取り乱し落ち着きなく騒いでいるのはいつものことだからそっとしておこう

「ふふふ、懐かしいよのぉラクシス様!お主、相変わらず年を食わぬのぉ!」

「いえいえ、族長さんも相変わらずで・・・」

「ハハハッ!そうだといいのじゃが・・・わしはもう歳じゃよ!守り神様と一緒にいつぶっ倒れても良いと思うほどになっ!次の族長も次期に決まるじゃろうて・・・わしは早よう隠居したいものじゃよ!」

「ふふふ、何言ってるんだよ。族長さんの生命力はまだまだ満ち溢れてるよ」

「おっそうかい!?それはやはりこの森ここの加護のおかげじゃろうて!わしなんぞお主と違ってもう外に出れんわい!」

「す、すげぇ!あの若そうに見える人族!族長様が気を使っているぞ!?」
「というよりも、あの人族何歳なんだ!?」
「いやいや、それも気になるが、族長様の古い友人なんて珍しいし、しかも人族なんかと知り合いだとか!こりゃ守り神様も呼びつけるわけだ!ハハハハッ!」

周囲にいたエルフ族がボソボソと何か面白そうな話しをしている

「あー何にゃ!族長って案外、歳食ってるかにゃ!エルフ族も大変にゃねー!」
エルフの族長を小ばかにしたかのように話す

「失礼なケットシーは放っといて今日はもう遅いし、今夜はわしの孫の宿にでも泊まるがいい」

「にゃっ!?」

目をカッと見開きいて何かを言いたげなぎんたを族長が軽く一蹴する

なんだかここまであしらわれるぎんたを見ると妖精よりも上でエルフに恩恵を齎すもたら存在にもかかわらず、祖母が孫に構っているようでなんだか可笑しいものだ

当の本人も気にしていないようだし、族長の好意に甘えることにしよう

「ハッ!でもまだ暗くないにゃ!だから色んな所を見て回りたいにゃ!」

何かを閃き浅はかな思い付き・・・いや、希望を族長に提案するぎんた

「ふふふっそうじゃね!実際にまだ遅くなければ良いのじゃが、エルフの里ここは特別でのぉ・・・守り神様の恩恵なのか知らんが、昔から年中この明るさなんじゃよ。」

「にゃ!?」 「クスクスッ」とフェイにも笑われるぎんた

恥ずかしくなったのか、頬を少し赤くし耳はペタンッと閉じ目はキョロキョロと左右に動かしている

「ふふふっ仕方あるまいて、この里ははじめましてじゃろうし、叡智の精霊かて知らぬ事もあるじゃろう」

少しぎんたに視線を向けニヤリと悪戯娘のように口元を上げる

「にゃー!ラクシス様!この族長!ぎんたを小ばかにするにゃ!むかつくにゃ!」

「まぁまぁ、ぎんたもルリラビエルさんもそこらへんにしてお孫さんのとこに案内してくれるかい?」

ポッと赤面し少し同様する族長

「い、いきなり名前で呼ぶんじゃないよ?ラクシス様あんたみたいなイケメンに呼ばれたら年甲斐もなく恥ずかしいじゃろ?」

「いやいや、そんな恥じらう事もないでしょ?」

「ちぇっなんだい?やっぱりすべてお見通しかい?詰まんないねー!そういうところだよラクシス様!人間らしさがないよ!」

大人を揶揄からかうこどもみたいにラクシスに絡む

「え?そうかな?」

「ったく、まぁいいわい!ほら、さっさと行くよ?この年寄りについてきなっ!」

何ともマイペースでどこか掴み切れない相変わらず面白い性格をしていると感じるラクシス

「ほら、村人あんたたちもさっさと自分の所へ帰んなっ!」

一人キョトンとするエルフ何か言いたそうだ

「え?おばあちゃん、私の紹介は!?」

明らかにシマッタ!という表情を一瞬して

「やだねぇこの子は、わしがあんたを忘れると思ってたのかい?」と何もなかったかのような顔をした

「えっじゃ・・・なんで」

族長よりも一回り大きいだろうか、どこかルリラビエルの面影が見えるこのエルフは恐らくいや、間違いなく孫だろう・・・

「いやー家についてから紹介しようと思ってたんじゃよ。せっかちな子だねぇ」

「え、えぇ~!?」

「ルリラビエルさん・・・そこは謝ろう」

ラクシスに促され渋々謝る族長

「う”っ・・・すまぬ。本当は紹介し忘れ取った・・・そこのケットシーが・・・ゴニョゴニョ」

「お、おばあちゃん!人のせいにしない!」

「う”っ・・・」

「すいません。ちゃんとするときはちゃんとするのですが、こんな祖母で申し訳ないです。申し遅れました。私、ルリラビエルの孫、ルビエラビエルです。ちなみにエルフには名しかありません。」

しっかりしたエルフの登場に面を食らうぎんた

ルビエラビエルと名乗ったこの子の姿は祖母に似て美しい顔立ちをした白髪の緑の瞳をしている

「で、では参ろうか!」

気まずくなったのか少し慌てたようすの族長がルビエラビエルの家へ案内をする


二人の後ついていくと里の最深部付近に懐かしい旧日本家屋のような古い屋敷がみえ門を越えた先にある母屋に案内されていく

「ここはわしの家でもあり、孫の家でもあるのじゃよ。」

「さぁ、遠慮なさらずにお上がり下さい」

族長と孫に促され奥へ入っていく

「ありがとう。ではお邪魔するよ」

「ボロっちぃけど!いいところにゃ~!ご飯は何かにゃ~!」

ピクッと眉を動かし何だこの失礼な猫純獣人は!とルビエラビエルが思ったみたいで

明らかに表情にでているが、客人である以上グッと我慢しているのであろう・・・とそう感じるラクシスであった
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感想 3

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