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アーサット王国
再会
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あの事件解決から数日経ち・・・臣下たちにはまだ遺恨が残るものの
アルファードの体調が回復しという朗報が城内を活気づけた
王城内にあるアルフォード前王の寝室ではアーサット王の姿があった
「ふふふ、すまなかったな。アーサットよ」
「父上よ何を仰るやら・・・この不甲斐ない私はラクシス殿がいなければ、何もできないままだった・・・」
まだ床に臥している父の手を握り話すアーサット王
呪病は解呪されたが、体力はまだ全快していてないので用心のためベッドに横たわっている
アルフォードは穏やかな表情をしている
「私は父を失わずに済んで本当に・・・本当に良かった。」
涙を浮かべ小刻みに震える唇・・・顔は皺くちゃになって小さな子供のように泣いた
「ふふふ、まだまだ未熟だなアーサットよ・・・一国の主がそう易々と泣くではないわ」
まだまだ子どもだなーと言わんばかりに嬉しそうに穏やかに話し、握られていない方で頭をポンポンと叩く
「グスッ・・・すまない」
「ふふふ、今だけお主は幼子よの・・・」
こうして2人だけの大切な親子の時間が流れていった・・・
しばらくして落ち着いた二人は談笑をしていた
そこへコンコンとノックの合図がしてラクシスとぎんただったので部屋に招き入れる
「改めてご無沙汰していますアルフォードさん」
軽く会釈をする
「お、おぉ・・・此度は本当に助かった!感謝する!」
「いやいや、たまたま立ち寄っただけですよ?」
ラクシスの返答にふふふ笑ってしまうアルフォード
「あーいや、すまぬ。あの時も同じような事を話しておったなと・・・少し懐かしくてつい笑ってしまった。すまぬ。」
「あっいえ、大丈夫ですよ。私の事を覚えてもらえてよかった」
ラクシスの言葉に驚くアルフォード
「ま、まさかっ忘れるなどと・・・あっいや、不老のあなたにとっては些細な事なのかもしれんな・・・」
「父上!改めて・・・」
アーサット王の声掛けに気づきラクシスに話す
「あぁそうだな、改めて英雄ラクシス殿!本当に助かった!ありがとう!」
「あっいえ、なんだか照れますね・・・大した事してないのに」
「た、大したこと・・・まったく大した方だ・・・」
ラクシスの言葉に目を丸くする二人
シュルっふわっ
突如、小さなつむじ風が起こり人型の透き通った緑の髪をし魅惑的な姿をした女神のような人が現れた
「突然の無礼・・・失礼します。私はドリヤード大地の精霊タイタンの眷属になります。こちらにラクシス様がいらっしゃると・・・命により参りました」
ドンッ
「こ、これは驚いた・・・私ら人の前にドリヤードが現れるとは・・・!?」
尻もちを付き驚きを隠せないアーサット王
「わ、私も始めて見た・・・」
目を丸くするアルフォード
「どうしたの・・・?ドリヤードさん」
二人をしり目に気にせず話すラクシス
「・・・自然の守護神様の代替わりが間もなくございまして、ぜひお手伝いをと守護神様より」
「あっ!そうか、そうか・・・もうそんなに経つんだね」
思い出したように話すラクシス
「いいよいいよ彼に会うのも久しぶりだし、会いに行くよ!あっでもあそこって案内役が必要だよね?」
ラクシスの前で跪いて右手を前に差し出す・・・ポワンと丸い光源が現れ小さな人の形ができはじめた
「ご安心ください。私は伺うことできませんので代わりに彼女を案内役としてお連れしました。」
手のひらの上には小鳥のようなサイズのそれは人型をしており背中には蜻蛉ような翅を生やしている・・・
「こ、これは・・・よ、妖精なのか・・・?」
ドリヤードの手に現れたそれをみて驚愕するアーサット王
「はじめまして。ラクシス様、木の精霊ドリヤード様の命によりご案内させていただきます。精霊のフェイです。よろしくお願いします。」
フェイは礼儀正しくどこかの王妃のように右手で小さなスカートの端を持ち右手を前にしお辞儀をする
「よろしく頼むよ妖精のフェイさん」
「それではさっそく人族には申し訳ないですが、時間が限られています・・・フェイよろしくお願いいたしますね?」
ドリヤードはそれだけを言い残し小さなつむじ風と共に消えていった
状況を掴みきれないアルフォードとアーサット王を置き去りにして要件だけを伝え消えたドリヤード
急用なだけに致し方ないとはいえ、少々強引な気もする
「それでは参りましょうかラクシス様・・・」
キッ!と二人を睨みつけ優しくラクシスに話すどうやらフェイは人族が嫌いなようだ
「ふぅ・・・私らとしてはもう少しゆっくりしてもらいたかったのだが・・・」
少しため息をして愚痴をこぼすアーサット王
「はぁ!?あんたらラクシス様に助けてもらって用事は終わったんでしょ?ならもういいでしょ!?人族なんかに構っていられないのよ!ラクシス様はこの世界の宝なの!分かる!?こぉ~んなちっぽけな寿命しかない人族に本当は干渉しなくてもいいくらいなんだけど、ラクシス様はほんっとぉ~に優しいから慈悲で!本当にお情けで助けていただいたのよ?だからこれ以上関わらないでくれる!?人族関わらないでくれる??」
フェイは全身を使って人族が嫌いという気持ちを手振り身振りでオーバーアクションに伝える
それもそのはず妖精にとっては人族なんて嫌悪の存在でしかない
時に捕えようとして観賞用にしたり、生命エネルギーの恩恵を受けようとしたり妖精の長い歴史の中で嫌というほどそれをしてきたのだ
ドリヤードの命でなければ、ラクシス様の前でなければ、本来人族の前になんて会う事すらないのだ
そういった黒歴史は二人も重々承知している
しかし、実際にこうも目の前でされると辛いものだ・・・
「う”っ・・・私ら人族の悪い部分だ。ぐぅの根もでない。いやはや耳が痛い状況だ」
「そうでしょ!?あんたら人族に何も「うるさいにゃ!もうグチグチとニャニャにゃにゃと今はそれどころじゃないにゃ!」
フェイの態度に我慢できずにしびれを切らしたぎんたが現れ怒りを露わにする
「いいかにゃ!?人族の中にもいいやついるにゃ!美味しい食べ物も作れるから正義にゃ!だからもうさっさと行くにゃ!フェイ!謝ってから行くにゃ!そしてちゃんとさようならをするにゃ!」
「まぁまぁ、二人(?)とも落ち着て!」
「「ラクシス様がいうなら仕方がないです」にゃ」
この後フェイは渋々人族の二人に謝った後、ラクシスとぎんたはフェイの案内で次の目的地へと向かった・・・
アルファードの体調が回復しという朗報が城内を活気づけた
王城内にあるアルフォード前王の寝室ではアーサット王の姿があった
「ふふふ、すまなかったな。アーサットよ」
「父上よ何を仰るやら・・・この不甲斐ない私はラクシス殿がいなければ、何もできないままだった・・・」
まだ床に臥している父の手を握り話すアーサット王
呪病は解呪されたが、体力はまだ全快していてないので用心のためベッドに横たわっている
アルフォードは穏やかな表情をしている
「私は父を失わずに済んで本当に・・・本当に良かった。」
涙を浮かべ小刻みに震える唇・・・顔は皺くちゃになって小さな子供のように泣いた
「ふふふ、まだまだ未熟だなアーサットよ・・・一国の主がそう易々と泣くではないわ」
まだまだ子どもだなーと言わんばかりに嬉しそうに穏やかに話し、握られていない方で頭をポンポンと叩く
「グスッ・・・すまない」
「ふふふ、今だけお主は幼子よの・・・」
こうして2人だけの大切な親子の時間が流れていった・・・
しばらくして落ち着いた二人は談笑をしていた
そこへコンコンとノックの合図がしてラクシスとぎんただったので部屋に招き入れる
「改めてご無沙汰していますアルフォードさん」
軽く会釈をする
「お、おぉ・・・此度は本当に助かった!感謝する!」
「いやいや、たまたま立ち寄っただけですよ?」
ラクシスの返答にふふふ笑ってしまうアルフォード
「あーいや、すまぬ。あの時も同じような事を話しておったなと・・・少し懐かしくてつい笑ってしまった。すまぬ。」
「あっいえ、大丈夫ですよ。私の事を覚えてもらえてよかった」
ラクシスの言葉に驚くアルフォード
「ま、まさかっ忘れるなどと・・・あっいや、不老のあなたにとっては些細な事なのかもしれんな・・・」
「父上!改めて・・・」
アーサット王の声掛けに気づきラクシスに話す
「あぁそうだな、改めて英雄ラクシス殿!本当に助かった!ありがとう!」
「あっいえ、なんだか照れますね・・・大した事してないのに」
「た、大したこと・・・まったく大した方だ・・・」
ラクシスの言葉に目を丸くする二人
シュルっふわっ
突如、小さなつむじ風が起こり人型の透き通った緑の髪をし魅惑的な姿をした女神のような人が現れた
「突然の無礼・・・失礼します。私はドリヤード大地の精霊タイタンの眷属になります。こちらにラクシス様がいらっしゃると・・・命により参りました」
ドンッ
「こ、これは驚いた・・・私ら人の前にドリヤードが現れるとは・・・!?」
尻もちを付き驚きを隠せないアーサット王
「わ、私も始めて見た・・・」
目を丸くするアルフォード
「どうしたの・・・?ドリヤードさん」
二人をしり目に気にせず話すラクシス
「・・・自然の守護神様の代替わりが間もなくございまして、ぜひお手伝いをと守護神様より」
「あっ!そうか、そうか・・・もうそんなに経つんだね」
思い出したように話すラクシス
「いいよいいよ彼に会うのも久しぶりだし、会いに行くよ!あっでもあそこって案内役が必要だよね?」
ラクシスの前で跪いて右手を前に差し出す・・・ポワンと丸い光源が現れ小さな人の形ができはじめた
「ご安心ください。私は伺うことできませんので代わりに彼女を案内役としてお連れしました。」
手のひらの上には小鳥のようなサイズのそれは人型をしており背中には蜻蛉ような翅を生やしている・・・
「こ、これは・・・よ、妖精なのか・・・?」
ドリヤードの手に現れたそれをみて驚愕するアーサット王
「はじめまして。ラクシス様、木の精霊ドリヤード様の命によりご案内させていただきます。精霊のフェイです。よろしくお願いします。」
フェイは礼儀正しくどこかの王妃のように右手で小さなスカートの端を持ち右手を前にしお辞儀をする
「よろしく頼むよ妖精のフェイさん」
「それではさっそく人族には申し訳ないですが、時間が限られています・・・フェイよろしくお願いいたしますね?」
ドリヤードはそれだけを言い残し小さなつむじ風と共に消えていった
状況を掴みきれないアルフォードとアーサット王を置き去りにして要件だけを伝え消えたドリヤード
急用なだけに致し方ないとはいえ、少々強引な気もする
「それでは参りましょうかラクシス様・・・」
キッ!と二人を睨みつけ優しくラクシスに話すどうやらフェイは人族が嫌いなようだ
「ふぅ・・・私らとしてはもう少しゆっくりしてもらいたかったのだが・・・」
少しため息をして愚痴をこぼすアーサット王
「はぁ!?あんたらラクシス様に助けてもらって用事は終わったんでしょ?ならもういいでしょ!?人族なんかに構っていられないのよ!ラクシス様はこの世界の宝なの!分かる!?こぉ~んなちっぽけな寿命しかない人族に本当は干渉しなくてもいいくらいなんだけど、ラクシス様はほんっとぉ~に優しいから慈悲で!本当にお情けで助けていただいたのよ?だからこれ以上関わらないでくれる!?人族関わらないでくれる??」
フェイは全身を使って人族が嫌いという気持ちを手振り身振りでオーバーアクションに伝える
それもそのはず妖精にとっては人族なんて嫌悪の存在でしかない
時に捕えようとして観賞用にしたり、生命エネルギーの恩恵を受けようとしたり妖精の長い歴史の中で嫌というほどそれをしてきたのだ
ドリヤードの命でなければ、ラクシス様の前でなければ、本来人族の前になんて会う事すらないのだ
そういった黒歴史は二人も重々承知している
しかし、実際にこうも目の前でされると辛いものだ・・・
「う”っ・・・私ら人族の悪い部分だ。ぐぅの根もでない。いやはや耳が痛い状況だ」
「そうでしょ!?あんたら人族に何も「うるさいにゃ!もうグチグチとニャニャにゃにゃと今はそれどころじゃないにゃ!」
フェイの態度に我慢できずにしびれを切らしたぎんたが現れ怒りを露わにする
「いいかにゃ!?人族の中にもいいやついるにゃ!美味しい食べ物も作れるから正義にゃ!だからもうさっさと行くにゃ!フェイ!謝ってから行くにゃ!そしてちゃんとさようならをするにゃ!」
「まぁまぁ、二人(?)とも落ち着て!」
「「ラクシス様がいうなら仕方がないです」にゃ」
この後フェイは渋々人族の二人に謝った後、ラクシスとぎんたはフェイの案内で次の目的地へと向かった・・・
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