62 / 66
原因とその先
全力
しおりを挟む
「前方に巫女、後方に始祖・・・」
絶体絶命的な気分のポセイラス
何せ相手は無限に再生するであろう吸血鬼族の始祖と闇の巫女
勝てる気がしない
しかし、何かしらの突破口があるはず、今までもずっとそうして来たのだから
「ポセイラスさん!この際、相性が良さそうな始祖の相手をしてもらってもいいですか!?」
唐突、エメレッタからの提案にポセイラスは頷き返事をする
ぎんたを尻目で見たが、本人も納得している様子でチラッと確認できた
「ようやく、話し合いが終わったようじゃのぉ」
退屈そうな巫女の言葉をきっかけに止まっていた始祖は動き出してポセイラスに目掛け血のトゲを飛ばして攻撃を仕掛ける
「どうじゃ?軽い挨拶じゃ。」
「吸血鬼族は手荒な挨拶をするんだな。」
仕掛けられたトゲを回避しながら、ポセイラスも負けじと自身の武器で水弾を生成して撃ち出す
それをドスドスッとあえて当たる始祖
「クククッ酷いのぉ?この吸血鬼族である妾の美しい体に傷つけるとは痛いのぉ・・・じゃが、こっちに集中していて大丈夫か?」
「どういうこt!?」
始祖の言葉に返答している最中、ポセイラスの頭上から血の槍が降り注ぐ
キンキンッ
「・・・ったく、汚い」
武器で防ぎ避けるポセイラスは思わず、悪態をつく
「あ"?命のやり取りに汚いとかもないじゃろぉ?」
「あー、全くその通りだ!」
会話を交わりつつ、ポセイラスと始祖の攻防が繰り返す・・・
始祖が血で具現化した武器をポセイラスが防いでは水、氷で攻撃を仕掛ける
それをあえて食らっては血で仕返しする始祖という形で互いの力は拮抗したまま時間だけが過ぎていく
一方、ぎんたとエメレッタたちの戦い
「にゃぁ!?どうなってるにゃ!?」
座ったままの巫女にぎんたは籠手で攻撃を仕掛けるも何かに弾かれ通らない
「ぎんたさん退いてください!」
ボォッバシュッ
「「!?」」
エメレッタは炎で攻撃をするが、やはり何かに邪魔をされて消える
「クククッどうした?そんなものかのぉ~?」
嘲笑う巫女
「にゃぜ当たらないにゃ!?」
「こ、こうなったら形振り構って居られません!全火力で行きます!」
困惑するぎんたにエメレッタは総攻撃の意思を伝える
「分かったにゃ!離れるにゃ!」
「ふぅ・・・眷属である私の言葉をどうか聞き入れ下さい。不死鳥様・・・出でよ!」
ゴゴゴゴゴォ・・・
轟音が巫女の頭上で鳴り響いた後、一瞬の静寂が包んだと思えば、巨大な炎の塊が出来上がった
ヂリッと皮膚を焦がすような熱さがポセイラスと始祖が扱う水と血に影響を与えてボコボコッと蒸発し始めるそれほどの熱量・・・
喉が渇くとかのレベルではない、まるでマグマの近くに居るような熱気が周囲を支配する
「クロミさん・・・これが最後です!戻るなら今のうちですよ!?」
エメレッタが警告をする
「クククッハハハハハッ!やれるものならやってみるが良い!」
盛大に笑う巫女
「・・・そうですか残念です。クロミさんさよなら。」
エメレッタは歪めた表情で涙を流しながら、別れの挨拶をする
彼女なりに悩んだ末の決断だったのだろう
ゆっくりと巨大な炎の塊が少しずつ、降りていく
巫女は動こうとせず、その場で座ったまま
始祖もポセイラスも離れたところで退避している
精霊は温度に影響を受けない
ズズゥッ・・ジュワッ
ゴゴゴゴゴォ・・・ドォン
「ハァハァ・・・これで、私たちの勝ちですね。」
勝利を確信するエメレッタ
炎の塊が巫女の居た場所を飲み込んで地面に衝突して消えた
「・・・で?その程度か?」
あの質量が直撃したにも関わらず、無傷のままの巫女が恐怖の底へと落とす
「な!?」
「にゃ!?」
「な、なんて奴だ!?」
エメレッタ、ぎんた、ポセイラスの中で敵わない相手と痛感する
「クククッ愚か、つくづく愚か!闇神の巫女様がその程度の攻撃をくらうわけなかろうよ?」
始祖が嬉しそうに語り続ける
「そもそも、可笑しいと思わなかったか?吸血鬼族の始祖である高貴な妾が、なぜ・・・城で大人しく従っているのか・・・あやつは全てを無と化す闇の力を司る・・・神の眷属であり、巫女じゃ。そして妾も闇神の眷属よ。」
「「「・・・」」」
その場で腰から崩れ絶望に落ちる3人
「そして、巫女である妾はが闇による力で自然の力は無と化す事ができるという事じゃのぉ?」
割り込み話す巫女
不死身の吸血鬼族の始祖に闇の神巫女・・・
例え、エメレッタが不死鳥の眷属であろうとも
ぎんたがバステトの眷属であろうとも
ポセイラスが海神の創造物の力を得ていようとも・・・絶対的に敵わない相手だと再認識してしまった
「どうするのじゃ?わざわざ、あんな所から妾を追って来たのに関わらず、何も出来ないというのだからなぁ?クククッ」
バカにしたような態度をとる巫女
「「「・・・」」」
返す言葉すら思い浮かばない3人
薄暗い灯火が揺れ動く中・・・絶望へと落ちた
ピ、ピシィ・・・
ドォン!!
5人が居る頭上の天井から亀裂が入り、砕け落ちる
「きゃっ!?」
「にゃ、何にゃ!?」
「危ない!?」
戸惑うエメレッタとぎんたを咄嗟にポセイラスが水の盾で瓦礫を防ぐ
「なんじゃ!?」
「何事じゃ?」
始祖と巫女も予期せぬ事態で驚く
周囲を土煙が多い少しずつ視界がクリアになる
絶体絶命的な気分のポセイラス
何せ相手は無限に再生するであろう吸血鬼族の始祖と闇の巫女
勝てる気がしない
しかし、何かしらの突破口があるはず、今までもずっとそうして来たのだから
「ポセイラスさん!この際、相性が良さそうな始祖の相手をしてもらってもいいですか!?」
唐突、エメレッタからの提案にポセイラスは頷き返事をする
ぎんたを尻目で見たが、本人も納得している様子でチラッと確認できた
「ようやく、話し合いが終わったようじゃのぉ」
退屈そうな巫女の言葉をきっかけに止まっていた始祖は動き出してポセイラスに目掛け血のトゲを飛ばして攻撃を仕掛ける
「どうじゃ?軽い挨拶じゃ。」
「吸血鬼族は手荒な挨拶をするんだな。」
仕掛けられたトゲを回避しながら、ポセイラスも負けじと自身の武器で水弾を生成して撃ち出す
それをドスドスッとあえて当たる始祖
「クククッ酷いのぉ?この吸血鬼族である妾の美しい体に傷つけるとは痛いのぉ・・・じゃが、こっちに集中していて大丈夫か?」
「どういうこt!?」
始祖の言葉に返答している最中、ポセイラスの頭上から血の槍が降り注ぐ
キンキンッ
「・・・ったく、汚い」
武器で防ぎ避けるポセイラスは思わず、悪態をつく
「あ"?命のやり取りに汚いとかもないじゃろぉ?」
「あー、全くその通りだ!」
会話を交わりつつ、ポセイラスと始祖の攻防が繰り返す・・・
始祖が血で具現化した武器をポセイラスが防いでは水、氷で攻撃を仕掛ける
それをあえて食らっては血で仕返しする始祖という形で互いの力は拮抗したまま時間だけが過ぎていく
一方、ぎんたとエメレッタたちの戦い
「にゃぁ!?どうなってるにゃ!?」
座ったままの巫女にぎんたは籠手で攻撃を仕掛けるも何かに弾かれ通らない
「ぎんたさん退いてください!」
ボォッバシュッ
「「!?」」
エメレッタは炎で攻撃をするが、やはり何かに邪魔をされて消える
「クククッどうした?そんなものかのぉ~?」
嘲笑う巫女
「にゃぜ当たらないにゃ!?」
「こ、こうなったら形振り構って居られません!全火力で行きます!」
困惑するぎんたにエメレッタは総攻撃の意思を伝える
「分かったにゃ!離れるにゃ!」
「ふぅ・・・眷属である私の言葉をどうか聞き入れ下さい。不死鳥様・・・出でよ!」
ゴゴゴゴゴォ・・・
轟音が巫女の頭上で鳴り響いた後、一瞬の静寂が包んだと思えば、巨大な炎の塊が出来上がった
ヂリッと皮膚を焦がすような熱さがポセイラスと始祖が扱う水と血に影響を与えてボコボコッと蒸発し始めるそれほどの熱量・・・
喉が渇くとかのレベルではない、まるでマグマの近くに居るような熱気が周囲を支配する
「クロミさん・・・これが最後です!戻るなら今のうちですよ!?」
エメレッタが警告をする
「クククッハハハハハッ!やれるものならやってみるが良い!」
盛大に笑う巫女
「・・・そうですか残念です。クロミさんさよなら。」
エメレッタは歪めた表情で涙を流しながら、別れの挨拶をする
彼女なりに悩んだ末の決断だったのだろう
ゆっくりと巨大な炎の塊が少しずつ、降りていく
巫女は動こうとせず、その場で座ったまま
始祖もポセイラスも離れたところで退避している
精霊は温度に影響を受けない
ズズゥッ・・ジュワッ
ゴゴゴゴゴォ・・・ドォン
「ハァハァ・・・これで、私たちの勝ちですね。」
勝利を確信するエメレッタ
炎の塊が巫女の居た場所を飲み込んで地面に衝突して消えた
「・・・で?その程度か?」
あの質量が直撃したにも関わらず、無傷のままの巫女が恐怖の底へと落とす
「な!?」
「にゃ!?」
「な、なんて奴だ!?」
エメレッタ、ぎんた、ポセイラスの中で敵わない相手と痛感する
「クククッ愚か、つくづく愚か!闇神の巫女様がその程度の攻撃をくらうわけなかろうよ?」
始祖が嬉しそうに語り続ける
「そもそも、可笑しいと思わなかったか?吸血鬼族の始祖である高貴な妾が、なぜ・・・城で大人しく従っているのか・・・あやつは全てを無と化す闇の力を司る・・・神の眷属であり、巫女じゃ。そして妾も闇神の眷属よ。」
「「「・・・」」」
その場で腰から崩れ絶望に落ちる3人
「そして、巫女である妾はが闇による力で自然の力は無と化す事ができるという事じゃのぉ?」
割り込み話す巫女
不死身の吸血鬼族の始祖に闇の神巫女・・・
例え、エメレッタが不死鳥の眷属であろうとも
ぎんたがバステトの眷属であろうとも
ポセイラスが海神の創造物の力を得ていようとも・・・絶対的に敵わない相手だと再認識してしまった
「どうするのじゃ?わざわざ、あんな所から妾を追って来たのに関わらず、何も出来ないというのだからなぁ?クククッ」
バカにしたような態度をとる巫女
「「「・・・」」」
返す言葉すら思い浮かばない3人
薄暗い灯火が揺れ動く中・・・絶望へと落ちた
ピ、ピシィ・・・
ドォン!!
5人が居る頭上の天井から亀裂が入り、砕け落ちる
「きゃっ!?」
「にゃ、何にゃ!?」
「危ない!?」
戸惑うエメレッタとぎんたを咄嗟にポセイラスが水の盾で瓦礫を防ぐ
「なんじゃ!?」
「何事じゃ?」
始祖と巫女も予期せぬ事態で驚く
周囲を土煙が多い少しずつ視界がクリアになる
0
お気に入りに追加
15
あなたにおすすめの小説
【完結】選ばれなかった王女は、手紙を残して消えることにした。
曽根原ツタ
恋愛
「お姉様、私はヴィンス様と愛し合っているの。だから邪魔者は――消えてくれない?」
「分かったわ」
「えっ……」
男が生まれない王家の第一王女ノルティマは、次の女王になるべく全てを犠牲にして教育を受けていた。
毎日奴隷のように働かされた挙句、将来王配として彼女を支えるはずだった婚約者ヴィンスは──妹と想いあっていた。
裏切りを知ったノルティマは、手紙を残して王宮を去ることに。
何もかも諦めて、崖から湖に飛び降りたとき──救いの手を差し伸べる男が現れて……?
★小説家になろう様で先行更新中
多産を見込まれて嫁いだ辺境伯家でしたが旦那様が閨に来ません。どうしたらいいのでしょう?
あとさん♪
恋愛
「俺の愛は、期待しないでくれ」
結婚式当日の晩、つまり初夜に、旦那様は私にそう言いました。
それはそれは苦渋に満ち満ちたお顔で。そして呆然とする私を残して、部屋を出て行った旦那様は、私が寝た後に私の上に伸し掛かって来まして。
不器用な年上旦那さまと割と飄々とした年下妻のじれじれラブ(を、目指しました)
※序盤、主人公が大切にされていない表現が続きます。ご気分を害された場合、速やかにブラウザバックして下さい。ご自分のメンタルはご自分で守って下さい。
※小説家になろうにも掲載しております
晴れて国外追放にされたので魅了を解除してあげてから出て行きました [完]
ラララキヲ
ファンタジー
卒業式にて婚約者の王子に婚約破棄され義妹を殺そうとしたとして国外追放にされた公爵令嬢のリネットは一人残された国境にて微笑む。
「さようなら、私が産まれた国。
私を自由にしてくれたお礼に『魅了』が今後この国には効かないようにしてあげるね」
リネットが居なくなった国でリネットを追い出した者たちは国王の前に頭を垂れる──
◇婚約破棄の“後”の話です。
◇転生チート。
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇なろうにも上げてます。
◇人によっては最後「胸糞」らしいです。ごめんね;^^
◇なので感想欄閉じます(笑)
【完結】父が再婚。義母には連れ子がいて一つ下の妹になるそうですが……ちょうだい癖のある義妹に寮生活は無理なのでは?
つくも茄子
ファンタジー
父が再婚をしました。お相手は男爵夫人。
平民の我が家でいいのですか?
疑問に思うものの、よくよく聞けば、相手も再婚で、娘が一人いるとのこと。
義妹はそれは美しい少女でした。義母に似たのでしょう。父も実娘をそっちのけで義妹にメロメロです。ですが、この新しい義妹には悪癖があるようで、人の物を欲しがるのです。「お義姉様、ちょうだい!」が口癖。あまりに煩いので快く渡しています。何故かって?もうすぐ、学園での寮生活に入るからです。少しの間だけ我慢すれば済むこと。
学園では煩い家族がいない分、のびのびと過ごせていたのですが、義妹が入学してきました。
必ずしも入学しなければならない、というわけではありません。
勉強嫌いの義妹。
この学園は成績順だということを知らないのでは?思った通り、最下位クラスにいってしまった義妹。
両親に駄々をこねているようです。
私のところにも手紙を送ってくるのですから、相当です。
しかも、寮やクラスで揉め事を起こしては顰蹙を買っています。入学早々に学園中の女子を敵にまわしたのです!やりたい放題の義妹に、とうとう、ある処置を施され・・・。
なろう、カクヨム、にも公開中。
好きでした、さようなら
豆狸
恋愛
「……すまない」
初夜の床で、彼は言いました。
「君ではない。私が欲しかった辺境伯令嬢のアンリエット殿は君ではなかったんだ」
悲しげに俯く姿を見て、私の心は二度目の死を迎えたのです。
なろう様でも公開中です。
【完結】婚約を解消して進路変更を希望いたします
宇水涼麻
ファンタジー
三ヶ月後に卒業を迎える学園の食堂では卒業後の進路についての話題がそここで繰り広げられている。
しかし、一つのテーブルそんなものは関係ないとばかりに四人の生徒が戯れていた。
そこへ美しく気品ある三人の女子生徒が近付いた。
彼女たちの卒業後の進路はどうなるのだろうか?
中世ヨーロッパ風のお話です。
HOTにランクインしました。ありがとうございます!
ファンタジーの週間人気部門で1位になりました。みなさまのおかげです!
ありがとうございます!
私はいけにえ
七辻ゆゆ
ファンタジー
「ねえ姉さん、どうせ生贄になって死ぬのに、どうしてご飯なんて食べるの? そんな良いものを食べたってどうせ無駄じゃない。ねえ、どうして食べてるの?」
ねっとりと息苦しくなるような声で妹が言う。
私はそうして、一緒に泣いてくれた妹がもう存在しないことを知ったのだ。
****リハビリに書いたのですがダークすぎる感じになってしまって、暗いのが好きな方いらっしゃったらどうぞ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる