秋津皇国興亡記

三笠 陣

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幕間 北国の姫と封建制の桎梏

7 宵姫襲撃事件

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 爆弾が炸裂し、轟音と共に鉄片と爆風を周囲に撒き散らす。
 それは、ちょうど宵の乗る人力車の脇を通過しようとしていた馬鉄の客車をも直撃した。人力車は下からの爆風に突き上げられ、一メートル近くも跳ね上がった上、右車輪が完全に吹き飛んだ。
 馬鉄の乗客や通行人たちから、一斉に悲鳴が上がる。
 客車を曳いていた馬が嘶き、暴れ出す。
 黒色火薬の白煙が、通り一帯に立ちこめていく。
 人々は咳き込み、叫びながら急いでその場から逃げようとする。

「かかれぇ!」

 義基の掛け声と共に、通りで労働者に扮していた者、そして細い路地で襲撃の機会を窺っていた者、それらが一斉に行動を開始した。
 労働者に偽装していた者は隠し持っていた拳銃を抜き、路地で刀の柄に手をかけていた者は鞘から白刃を抜き放つ。
 その刹那、空気を切り裂く音と共に一人の襲撃者の胸に苦無が突き刺さった。

「……変装は、ずぶの素人ね」

 風間菖蒲は、流れるような動作で二本目の苦無を放つ。投げられた苦無は、今まさに外套の内側から拳銃を取り出そうとしていた労働者風の男の手を貫いた。
 忍の少女の姿は、いつの間にかガス灯の上にあった。煙を吸い込まないためだろう、首に巻いていた布が口元まで押し上げられている。
 苦無は、別の方向からも飛んできた。

「……」

 菖蒲が気配を探れば、路地の暗がりに朝比奈新八がいた。忍の青年が、襲撃者の背後から苦無を投擲していたのだ。

「まあ、武士辞めて平民になって真面目に働くって言うんやったら、僕も見逃してやったんやがなぁ」

 新八は表通りからは死角になる場所から、逃げ惑う通行人と襲撃者を瞬時に見分けていた。
 襲撃者たちの変装は、新八や菖蒲のような忍から見ればお粗末もいいところであった。背筋の伸ばし方や歩き方から、武士であることが簡単に見破れるのだ。

「邪魔だぁ、どけぇ!」

 一方、刀を抜いた義基らの動きは迅速とは言えないものであった。
 爆発のあった現場から散り散りになって逃げようとする通行人たちの目の前に、路地から刀を抜いた男たちが飛び出してきたのである。通行人たちの混乱と恐慌はさらに増し、右往左往して逃げ惑う彼らに邪魔されて何人かが足止めを喰らっていた。
 その間に、労働者に扮した襲撃班の者たちは二人の忍の放った苦無によって無力化されていく。

「邪魔だと言っておるだろうが!」

 ついに我慢ならなくなった一人の襲撃者が、目の前の通行人を斬り捨てた。彼らも襲撃を前にして気が立っている。冷静な判断など出来なかった。

「天誅っー!」

 男は血に濡れた刀を大上段に構えて、宵に迫ろうとする。次の瞬間、銃声と共に彼の体が後ろに倒れた。

「何と言うことをっ……!」

 撃ったのは、宵であった。最初の襲撃者が落としたスタイナー銃を拾い上げて、それを構えていた。
 着物や袴、それに頬が汚れていたが、彼女は怯まずに立ち上がっていた。用心金と一体化した槓杆コッキングレバーを操作し、次弾を装填する。
 その直後、宵に向けて放たれた銃弾が店の窓硝子を割った。

「姫様、伏せて下さい!」

 護衛の一人が、なおも銃を撃とうとする宵の頭を押さえつける。同時に、鉄之介が宵を庇うような位置に立って、結界を展開する。
 襲撃者の一人が、通行人の間から拳銃を発砲したのだ。流れ弾が通行人に当たることも厭わずに、拳銃を乱射する。
 人が斬られ、響いた銃声が、さらに通行人たちの混乱を助長する。かえって銃口の前に飛び出してしまい、撃たれる者まで出てきていた。

「鉄之介、姫様のこと、頼んだわ!」

 その状況に我慢ならなくなったのか、八重が刀を抜いて結界を飛び出していく。
 一人で飛び出してきた少年剣士のような出で立ちの少女に、襲撃者の男たちが刀を構える。

「遅い!」

 だが、呪術で脚力が強化されている八重の動きは、鍛えられた武士たちの動きを凌駕した。
 横薙ぎに振るわれた一閃が、一人の胴体を真っ二つに切り裂く。

「このガキがっ!」

 突然現れて同志を斬り捨てた少年(のように見える)に、一部の襲撃者が激昂する。背後から迫って刀を振り下ろしてきた相手に、八重は鋭い回転蹴りを喰らわせた。大の男の体が吹き飛び、店先の戸に激突してそれを破壊する。
 彼女の意識が一瞬だけ背後に向かった隙を突こうとしたのだろう、もう一人の襲撃者が八重の頭上から刀を振り下ろそうとした。だが、八重の反応は驚異的であった。
 片足を振り切った状態で刀は受けられないと思ったのだろう、刀が振り下ろされる前に相手の懐に飛び込み、その腹部を貫いた。鍔の部分まで、刀が埋まっている。

「ふんっ!」

 その声と共に、八重は刀を捻る。相手の口から漏れる絶叫と共に刀を抜いて後ろに跳ぶ。ひゅんと刀を振り、血を払う。
 そのまま、八重は襲撃者たちを睨み付けた。
 義基ら襲撃者たちには、怯んでいる暇すら与えられない。労働者に偽装した襲撃者たちを無力化した菖蒲もまた、ガス灯から舞うように飛び降りると刀を抜いて斬込班の者たちに斬りかってきたのである。
 表通りからは見えない位置を保ち続けている新八も、煙管に仕込んだ吹き矢で残った襲撃者たちを無力化していく。

「くっ……!」

 同志たちが次々に倒れていく光景に、義基は歯噛みした。この元嶺州武士の視界に、少年の護衛に背後に庇われた宵姫の姿が映る。

「聞けぇ!」

 義基は宵姫だけでなくその護衛、そして逃げ惑う通行人たちにも聞こえるように声を張り上げる。

「そこなる小娘は実の父たる佐薙成親伯を陥れ、血の繋がりし弟君たる大寿丸をも排斥せんと目論む毒婦なり! かかる忠孝の心を忘れし悪女、そのままさし置けば嶺州の地は糜爛びらんし、結城家もまた乱れさすこと必定! 我ら痛憤黙止し難く、今ここに義を以て誅せんとするものなり!」

 それは、宵の存在が佐薙家だけでなく、結城家にも害悪となることを示すことで、自らの行為の正統性を周囲の者たちに訴えようとするものであった。

「あんたねぇ……!」

 口上の途中で斬りかかるのは武士としての作法に反すると思って斬りかからずにいた八重が、あまりの一方的な主張に激昂しかける。もともと、それほど堪え性のある少女ではないのだ。

「黙れ! 無辜の民を巻き込んでおいて、何が義か!」

 だが、そんな八重の動きを止めたのは、宵の声だった。小柄な北国の姫の体からは、威圧的な怒気が発せられていた。

「卿らの行いこそ皇都の平穏を乱して陛下の御宸襟しんきんを悩まし奉り、嶺州武士の面目を失わしめるものであると、何故気付かぬか!」

 普段は声を張り上げることなど滅多にしない宵が、通りを圧するほどの声を出していた。そして、武家の娘らしい毅然たる態度で襲撃者たちに対峙している。

「全員そこを動くな!」

 そして、騒ぎを聞きつけてようやく駆け付けた警官たちが、通りの前後から襲撃者と宵たちを取り囲もうとしていた。指揮官と思しき警官が鋭剣サーベルを抜き、他の者たちが拳銃を構えている。

「かくなる上は……!」

 最早、襲撃者たちの進退は極まっていた。

「そこな罪悪の小娘を、道連れにするのだ!」

 残った同志たちに、義基は最後の指示を下す。

「させるわけないでしょ!」

 だが、襲撃者たちが動き出すよりも、八重が痺れを切らす方が早かった。
 最も近くにいた嶺州浪士に斬りかかり、その刀を弾き飛ばす。そのまま返す刀で袈裟に斬り捨て、義基の元に迫る。

「小僧、よくも邪魔を……!」

 憤怒の形相で、義基は八重の刀を受け止めた。龍王の血を引く少女は、力でそのまま押し切ろうとする。その刹那だった。
 八重の刀が、折れたのだ。
 龍王の血を引く少女の力に、刀身が耐え切れなかったのだろう。
 だが、八重に自失はなかった。
 彼女の刀が折れたことを好機と見て肩口から袈裟に振り下ろされようとしていた白刃を、素早く刀を捨てた手で掴んだのだ。
 その手は、鱗に覆われた龍の手に変化へんげしていた。霊力が物質化して、彼女の手と腕を取り巻いているのだ。

「八重!」

 背後から鉄之介の声。
 それだけで、八重はすべてを理解した。

「任せなさい!」

 八重は龍の手と化した左手で相手の刀を掴みつつ、もう片方の手をくうに伸した。その手が、過たず刀の柄を掴む。
 鉄之介が、自らの刀を八重に向けて放り投げたのだ。
 それを気配だけで八重は察知し、勢いよく空中で刀を抜いた。そして、斬、と義基に振り下ろす。
 他の襲撃者たちも、菖蒲や他の護衛たちに斬り捨てられるか、飛び込んできた警官たちによって取り押さえられていった。

「鉄之介殿、八重さん、負傷者に治癒の術式を!」

 だが、宵はそれで安心しなかった。この襲撃に巻き込まれ、負傷した通行人たちが通りに倒れている。
 険しい声で、二人の術者に命じた。
 自分の存在が皇都市民たちを巻き込んでしまったという自責の念、そして市民を巻き込むことを厭わない襲撃者たちへの怒り。そのどちらもが、宵の中で渦巻いていた。

「結城家の宵姫とお見受けする」

 と、腰から鋭剣を下げた警官の指揮官と思しき男が慇懃な態度で近付いてきた。念のためだろう、菖蒲が警官と宵との間に割って入る。
 新八の姿は、いつの間にか消えていた。自らの正体を秘匿するため、逃げ去った通行人に紛れてどこかに行ってしまったのだろう。

「ええ、私が結城景紀が室、宵です」

 宵は襲撃者たちと対峙した時と同じように、毅然たる態度で応じた。
 指揮官の後ろでは、部下の警官たちが苦無などが刺さって負傷して動けなくなっている襲撃者たちを次々と拘束していた。

「姫様も巻き込まれた身であろうが、ここは皇都の公道です。事情を伺いたき故、警視庁の方に出頭して頂けぬだろうか?」

「私は構いません。しかし、今は負傷者の救護を優先させて下さい」

 宵はその指揮官に一礼すると、鉄之介と八重が治癒の術式を掛けている負傷者たちの元に向かった。宵は篤志看護婦人会で講習を受けている身である。多少なりとも、救護活動の心得はあった。
 そんな様子を見た警官隊の指揮官も、手空きの人員に対して負傷者の救護に当たるように命じた。
 結果、治癒の術式が間に合ったこともあり、襲撃に巻き込まれた者で重傷者はいたものの、辛うじて通行人に死者は発生しなかった。
 一方、襲撃者たる嶺州浪士たちは十五人中、義基を始めとする十一名が死亡(内、四名は警察に拘束される寸前に拳銃自決)。傷を負って動けなくなった残りの四名が警察に拘束された。

  ◇◇◇

「皆様のおかげで、本日は助かりました。ありがとうございます」

 警視庁にて襲撃の事情聴取を受けた宵たちが解放されて屋敷に帰ることが出来たのは、夕刻になってからのことであった。当然、着物なども汚れてしまったため、衛戍病院への慰問も取り止めである。
 宵たちが事情聴取を受けている間、結城家は皇都警視庁に対して六家次期当主の正室たる少女を景忠公の許しなく拘束していることに関し抗議の使者が送られたが、これは宵が説得して屋敷に返している。
 一昨年、宵が父・成親に誘拐された時と同じように、警察の捜査に積極的に協力することで自らにやましいところはないと示そうとしたのである。
 もちろん、六家の面子を考えれば宵が長時間、警視庁に拘束されていることは望ましくないのだが、かえってその方が皇都市民の同情を受けやすくなるだろうと宵は前回の事例から計算していた。
 結城家が権力を振りかざして宵の身柄を警視庁から奪い返そうとすれば、かえって六家が横暴であるとの印象を皇都市民に与えかねない。
 午前の襲撃と時を同じくして、斬奸趣意書が皇都内の新聞社や主要な華族屋敷などに投げ入れられたという。そこには戸澤義基が叫んだように宵を徹底的に批判する言葉と共に、大寿丸に皇都市民の同情が向かうような内容が書かれていた(取り調べの中で宵はその趣意書を見せられ、そのために思想的な面に関しても詰問を受けた)。
 自分自身に市民の同情を集めるという策は、宵の個人的感情としては好むものではなかったが、この際、やむを得なかった。
 そして屋敷に帰り、今日の護衛を務めた者たちを労ったのだ。

「お姫さんが無事で何よりや」

 宵が汚れてしまった着物と女袴を着替えるために居室に引き上げようとして廊下を歩いていると、不意に庭から声がかかった。

「新八殿も、今日はご苦労でした」

 いつの間にか、新八も屋敷に帰っていたらしい。

「まあ、若のおらん間に姫さんに何かあったら、顔向けできへんからなぁ」

 いつも通り煙管を弄びながら、飄々たる態度で彼は言う。
 絶妙な頃合いで襲撃者の背後から苦無や吹き矢を射掛けることが出来たということは、恐らく宵たちに先行して経路の安全確認を行っていてくれたのだろう。
 そこで、労働者にしてはいやに動作がきびきびとしている男たちを見つけて様子を窺っていたに違いない。
 そうした手柄を、この忍の青年は誇ることをしなかった。

「でも本当、姫様が無事で何よりだったわ」

「いいところは全部、お前と菖蒲に持っていかれた気がするがな」

 八重の言葉に、鉄之介が少し不服そうな声を出す。

「鉄之介殿、あなたは結界で私を守ってくれました。それもまた、護衛として十分な功績ですよ」

「まあ、そりゃあ判っちゃあいるが……」

 何ともバツが悪そうに、陰陽師の少年は頭をかく。やはり年頃の男の子ということか、華々しく襲撃者を撃退したのが自分ではなく女子である八重たちであることに不満があるのだろう。
 しかし、鉄之介の結界や葛葉家の術者が作ってくれた護身用の術式を施したお守りがなければ、宵が無傷で襲撃を切る抜けることは出来なかっただろ。鉄之介もまた、護衛としての役割を十分に果たしてくれたのだ。

「まったく、あんたらのその対抗心、少しは自重したらどうなの?」

 呆れたように言うのは、菖蒲である。
 鉄之介も八重も彼女にとっては年下であるため、宵に対するのと比べたら随分とぞんざいな口調であった。

「もうちょっと葛葉家次期当主としての自覚を持ちなさいよ」

 菖蒲は、自らの家とその家が負う役目に誇りと矜持を持っている人間である。だからこそ自らの血筋を嘆く冬花の存在が幼少期から気に喰わなかったし、葛葉家次期当主たる少年とその婚約者たる少女の子供じみた遣り取りには、つい一言言いたくなってしまう。
 それに、そうした対抗心に時々巻き込まれることへの嫌味も含まれている。もっとも、主に巻き込んでくるのは八重の方だったが。

「別にあんたが葛葉家を継ぐわけじゃないし、そもそも、あんたのところの風間家だって、あんたが継ぐわけじゃないでしょ?」

 鉄之介を悪く言われたからか、八重が少しだけむっとしたような声を出す。
 確かに、風間家現当主・卯太郎には息子がいるので、風間家を継ぐのは菖蒲ではない。にも関わらず自分の価値観を押し付けてきた忍の少女に対して、八重は反発を抱いているのだ。

「まあ、確かに俺はまだ未熟だって思いはある」

 しかし、鉄之介の方は菖蒲の言葉に納得する部分があったようだ。その声音には、どこか八重を宥めるような響きがあった。

「でもな、姫様の近くに侍るようになって、主君に仕えるってことがどういうことなのか、ようやく判り始めたんだ。それに一緒に競い合える奴がいるってのも、案外、楽しいもんだぜ?」

「……ふぅん、昔と比べて、あんたは少しマシになったみたいね」

 一瞬だけ値踏みするような視線を鉄之介に向け、菖蒲はそう言った。姉である冬花を取られたと思って子供じみた反発を景紀に向けていた少年にしては、意外な言葉であった。

「鉄之介殿は、頑張っていると思いますよ」

 そして宵もまた、鉄之介を擁護する。彼女はこの陰陽師の少年の姉への思い、そして八重との出会いなどを直接知る立場にあった。
 自分と冬花が拐かされた一昨年の事件の時から、鉄之介は確実に成長しているだろう。

「恐縮です」

 どこか照れ隠しのようなぶっきらぼうな口調で、鉄之介は言った。彼もまた一昨年、宵に言われた言葉を覚えているのだろう。
 菖蒲は小さく溜息をついて、「姫様がそうおっしゃるのであれば」とそれ以上の追及をしなかった。
 そうして宵は再度、鉄之介たちを労ってから自室に入った。

「問題は、むしろここからでしょうね」

 姿見の中に、いつも通りの無表情を保っている少女が映っている。
 皇都の市民を巻き込むような襲撃を行った嶺州浪士たちに、宵は憤りを覚えている。これ以上、故郷の名を貶めるつもりなのか、と。
 しかし、そうした感情はすべて無表情の下に隠していた。
 自分は景紀の室であり、彼を生涯支えると誓った身だ。
 結城家は二度、佐薙家によってその面子を潰された。一昨年、宵と冬花が拐かされた事件、そして今回の襲撃事件。
 結城家家臣団の怒りや不満が、佐薙家出身の宵に向かう可能性も十分にあった。一度目は、景紀の喧伝もあって同情を買えたかもしれない。しかし、二度目となると宵を疫病神のように思う人間も出てくるだろう。
 今は、自分の後ろ盾になってくれる景紀はいない。
 宵は、自分自身の力で結城家内における政治的立場を守り切らねばならないのだ。
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