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41 王族と顔合わせ
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エリックはシャルロットを離宮に連れて帰ると、ジェラルドの執務室にいき全て解決したと告げた。
ジェラルドは頭を下げた。
「殿下には、大変なご迷惑をおかけいたしました。お詫び申し上げます。」
「我が妻の事だ、気にしないでほしい。それと、来月に公爵位を賜ることに決まった。」
「・・・承知いたしました。」
ジェラルドは視線を落とした。
エリックが国王になれば、この国はもっと良くなる。外交においても国政においてもだ。表向きは、毒の後遺症となっているが、娘のシャルロットの為の決断。臣下としては、力づくでも、シャルロットを誰かに無理やり嫁がせてでも止めるべきことであった。
「ジェラルド、私にすまないだとか、惜しむ気持ちを持つ必要はない。国王の地位になくともこの国を支え、守ることは出来る。そのための力は惜しまない、かけがえのない伴侶を得たからにはさらに力を尽くしていくつもりだ。」
「・・・殿下。このジェラルド・モーリア、生涯殿下に敬愛と忠誠を誓います。」
深く臣下の礼をとった。
離宮に戻ったシャルロットはエリックに隅々まで愛され、手紙の事で傷ついた心は癒された。
「今度、両陛下とヘンリー王太子にあって欲しいんだ。シャルロットに会わせないとお冠でね。」
「申し訳ございません。」
「私が君を大事にし過ぎて閉じ込めているんじゃないかと疑われているようなんだ。」
おかしそうにエリックは笑った。
暗殺事件からこっち、親子兄弟の仲は良好の様だ。
「だから幸せそうな顔を少し見せたらすぐ戻るから。」
「いえ、お顔を拝見させていただいて何もなければ大丈夫ですわ。私もきちんとご挨拶しないままで申し訳なく思っておりました。」
「そうか、よかった。じゃあ、私に任せてもらっていい?」
「はい。」
両陛下、ヘンリー王子、エリックとシャルロットは王族しか入れない庭でお茶会をしていた。社交慣れしていないシャルロットの為にエリックが進言してくれたようだ。
シャルロットは緊張してうまく話すことが出来なかったが、両陛下は優しく話しかけてくれた。もっと嫌味を言われ、疎まれる覚悟をしていたので拍子抜けをする気分だった。
エリックが何らかの説明をしてくれていたようだ。おかげで、緊張はしたもののなんとか笑顔を浮かべることが出来た。
そこにヘンリーの婚約者がやってきた。遅れて申し訳ありませんといいながら席に着く令嬢に挨拶をしようと顔を向けた。
「・・い・・っつ」
文字通り頭を殴られた痛みに襲われた。王族の前でみっともない姿をさらさないようにしなくては・・・頭のどこかでそう思ったがそのまま倒れ込んでしまいそうだった。
いち早く異変を察知したエリックが、席を立つとシャルロットを抱き上げて
「申し訳ありません、急ぎますので失礼します。」
苦痛に顔を歪め、涙を浮かべていたシャルロットの姿を見て誰も咎めることはなかった。
「大丈夫?」
シャルロットを抱いたまま廊下を急ぐエリックはシャルロットに聞いた。
「・・・ええ!・・・消えました!エリック様に介抱していただいたら・・・」
シャルロットは嬉し涙が止まらなかった。
エリックにも自分の苦しみを消してくれる力があった。こんなうれしく、心強いことはない。
エリックも表情を和らげると「良かった。」とつぶやいた。
「ああ、でも・・・次期王太子妃殿下が・・」
「見えたのか?」
「はい。早くお伝えしなければ・・・」
今度は不安そうな顔になりエリックに身を寄せた。
「私が手配する。だから私だけに話してくれればいい。」
「次期王太子妃殿下が馬車に乗っている時、馬が暴れて・・・」
馬車が倒れ、令嬢は頭を強く打ち亡くなるという。
しかも、走っている馬に大きな石が投げつけられ驚いた馬が暴れての事故だった。
「時期は・・・わかるかい?」
「いえ・・・服装から見て暑い時期だとは思いますので、2か月以内・・・ということくらいです。場所はわかりません、妃殿下のお召し物を見ると王宮からの帰りか行くところだと思われます。」
「馬車は?王族の紋章が付いている?」
「いいえ、公爵家の紋章でした。」
「そう、ありがとう。君のおかげでまた大切な人の命が守れる。シャルロットの苦しみと引きかえに…というのはとても心苦しいけれど感謝しかない。ありがとう。」
「いいえ、とんでもありません。それに・・・エリック様のおかげで痛みも恐怖もなくなりましたから。」
「私がシャルロットの力になれて本当にうれしいよ。これからいつでも私がシャルロットの役に立てるという事だから・・・安心して。」
ソファーに降ろしたシャルロットに口付けた。
エリックは国王の執務室で人払いをお願いした。
「陛下、どうかご内密にお願したします。」
「うむ。そなたの妻の件か?その後、大事なかったか?」
「はい、ありがとうございます。それでシャルロットが予知をいたしました。兄上の婚約者アンジェリーヌ・ラフォン嬢が馬車の事故でと。」
「アンジェリーヌが・・・事故なのか?」
「私は違うと考えております。ラフォン公爵家の馬車と知って、故意に馬が暴れるよう石を投げつけたと思われます。」
「ヘンリーが王太子に決まったことが関係しているか。」
「おそらく。」
それまで王太子にはエリックが優勢と言われており、諸貴族は自分の娘たちをエリックの婚約者にしようとしていた。しかし急なエリックの臣籍降下とヘンリー王子の立太子。もともとの第一王子派のみならず、第二王子派が慌ててヘンリー王子に取り入ろうと必死になっていた。
ヘンリー王子にはすでに婚約者がいる。しかしもし不慮の事故でいなくなれば?そこに未来の国母の席が空く。不埒な考えが持つ者がないとは言えないのだ。
「よく知らせてくれた。シャルロット嬢を良く労わってくれ。あとの事はこちらで手配する。」
「かしこまりました。」
ジェラルドは頭を下げた。
「殿下には、大変なご迷惑をおかけいたしました。お詫び申し上げます。」
「我が妻の事だ、気にしないでほしい。それと、来月に公爵位を賜ることに決まった。」
「・・・承知いたしました。」
ジェラルドは視線を落とした。
エリックが国王になれば、この国はもっと良くなる。外交においても国政においてもだ。表向きは、毒の後遺症となっているが、娘のシャルロットの為の決断。臣下としては、力づくでも、シャルロットを誰かに無理やり嫁がせてでも止めるべきことであった。
「ジェラルド、私にすまないだとか、惜しむ気持ちを持つ必要はない。国王の地位になくともこの国を支え、守ることは出来る。そのための力は惜しまない、かけがえのない伴侶を得たからにはさらに力を尽くしていくつもりだ。」
「・・・殿下。このジェラルド・モーリア、生涯殿下に敬愛と忠誠を誓います。」
深く臣下の礼をとった。
離宮に戻ったシャルロットはエリックに隅々まで愛され、手紙の事で傷ついた心は癒された。
「今度、両陛下とヘンリー王太子にあって欲しいんだ。シャルロットに会わせないとお冠でね。」
「申し訳ございません。」
「私が君を大事にし過ぎて閉じ込めているんじゃないかと疑われているようなんだ。」
おかしそうにエリックは笑った。
暗殺事件からこっち、親子兄弟の仲は良好の様だ。
「だから幸せそうな顔を少し見せたらすぐ戻るから。」
「いえ、お顔を拝見させていただいて何もなければ大丈夫ですわ。私もきちんとご挨拶しないままで申し訳なく思っておりました。」
「そうか、よかった。じゃあ、私に任せてもらっていい?」
「はい。」
両陛下、ヘンリー王子、エリックとシャルロットは王族しか入れない庭でお茶会をしていた。社交慣れしていないシャルロットの為にエリックが進言してくれたようだ。
シャルロットは緊張してうまく話すことが出来なかったが、両陛下は優しく話しかけてくれた。もっと嫌味を言われ、疎まれる覚悟をしていたので拍子抜けをする気分だった。
エリックが何らかの説明をしてくれていたようだ。おかげで、緊張はしたもののなんとか笑顔を浮かべることが出来た。
そこにヘンリーの婚約者がやってきた。遅れて申し訳ありませんといいながら席に着く令嬢に挨拶をしようと顔を向けた。
「・・い・・っつ」
文字通り頭を殴られた痛みに襲われた。王族の前でみっともない姿をさらさないようにしなくては・・・頭のどこかでそう思ったがそのまま倒れ込んでしまいそうだった。
いち早く異変を察知したエリックが、席を立つとシャルロットを抱き上げて
「申し訳ありません、急ぎますので失礼します。」
苦痛に顔を歪め、涙を浮かべていたシャルロットの姿を見て誰も咎めることはなかった。
「大丈夫?」
シャルロットを抱いたまま廊下を急ぐエリックはシャルロットに聞いた。
「・・・ええ!・・・消えました!エリック様に介抱していただいたら・・・」
シャルロットは嬉し涙が止まらなかった。
エリックにも自分の苦しみを消してくれる力があった。こんなうれしく、心強いことはない。
エリックも表情を和らげると「良かった。」とつぶやいた。
「ああ、でも・・・次期王太子妃殿下が・・」
「見えたのか?」
「はい。早くお伝えしなければ・・・」
今度は不安そうな顔になりエリックに身を寄せた。
「私が手配する。だから私だけに話してくれればいい。」
「次期王太子妃殿下が馬車に乗っている時、馬が暴れて・・・」
馬車が倒れ、令嬢は頭を強く打ち亡くなるという。
しかも、走っている馬に大きな石が投げつけられ驚いた馬が暴れての事故だった。
「時期は・・・わかるかい?」
「いえ・・・服装から見て暑い時期だとは思いますので、2か月以内・・・ということくらいです。場所はわかりません、妃殿下のお召し物を見ると王宮からの帰りか行くところだと思われます。」
「馬車は?王族の紋章が付いている?」
「いいえ、公爵家の紋章でした。」
「そう、ありがとう。君のおかげでまた大切な人の命が守れる。シャルロットの苦しみと引きかえに…というのはとても心苦しいけれど感謝しかない。ありがとう。」
「いいえ、とんでもありません。それに・・・エリック様のおかげで痛みも恐怖もなくなりましたから。」
「私がシャルロットの力になれて本当にうれしいよ。これからいつでも私がシャルロットの役に立てるという事だから・・・安心して。」
ソファーに降ろしたシャルロットに口付けた。
エリックは国王の執務室で人払いをお願いした。
「陛下、どうかご内密にお願したします。」
「うむ。そなたの妻の件か?その後、大事なかったか?」
「はい、ありがとうございます。それでシャルロットが予知をいたしました。兄上の婚約者アンジェリーヌ・ラフォン嬢が馬車の事故でと。」
「アンジェリーヌが・・・事故なのか?」
「私は違うと考えております。ラフォン公爵家の馬車と知って、故意に馬が暴れるよう石を投げつけたと思われます。」
「ヘンリーが王太子に決まったことが関係しているか。」
「おそらく。」
それまで王太子にはエリックが優勢と言われており、諸貴族は自分の娘たちをエリックの婚約者にしようとしていた。しかし急なエリックの臣籍降下とヘンリー王子の立太子。もともとの第一王子派のみならず、第二王子派が慌ててヘンリー王子に取り入ろうと必死になっていた。
ヘンリー王子にはすでに婚約者がいる。しかしもし不慮の事故でいなくなれば?そこに未来の国母の席が空く。不埒な考えが持つ者がないとは言えないのだ。
「よく知らせてくれた。シャルロット嬢を良く労わってくれ。あとの事はこちらで手配する。」
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