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カティ 迷案
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トンプソン家の事件の時に「とう様離れ」どころかファザコン続投宣言とも取れるような啖呵を切ってしまった。なにより、自分の心はまだエドヴァルドがいなければ安定しないということを自覚した。
しかし何か行動しないと、状況はかわらない。
エドヴァルドから自立せずともこれらを解決するにはどうしたらいいのか。
(ふふふ、わたくしカティに死角はございません!)
そして、予想通りレオが巻き込まれることになる。
「レオ~。とう様の釣り書きって処分した?」
「いいえ、お断りの返事を書いているところです。カティ様のもございますよ。ご覧になりますか?」
「ううん、いいの。レオが見てとう様にお似合いの方いた?」
「お会いしてみないと何とも言えませんが、お二人ほど家柄も評判も良い方がいらっしゃいますね。」
「なるほどなるほど。」
「あ!カティ様、また余計なことを考えているでしょう!」
「余計なことは一度も考えたことがありません。」
「・・・。まあ、いいでしょう。それで、エドヴァルド様の釣り書きが何か?」
「そのお二方の釣り書き見せて欲しい。」
「何のために?」
「え?わ、私の釣り書きを作る参考に・・・」
「正直におっしゃってください。エドヴァルド様がお知りになったら叱られますよ。」
「む~。・・・とう様の結婚相手探すの。」
「私もエドヴァルド様に伴侶を迎えていただきたいですよ。ですがご本人が望まれてない以上無理強いは出来ません。なぜいきなり?」
「私がとう様に甘えているのは貴族令嬢としては失格みたいなの。とう様の評判を落としてしまったから・・・素敵な奥様がいれば、娘だから甘えているとみんなわかってくれるでしょ。そしたら気持ち悪いって言われないし、とう様に迷惑をかけなくてすむから。」
そう自分で言って、エドヴァルドの側に誰かが立ち、そしてエドヴァルドがエスコートをするのを想像する。エドヴァルドの一番が自分でなくなる・・・なんか寂しいけど。
「気持ち悪い?!一体誰がそんなことを?!」
「・・・ん。それはもういいの。」
あの三人には、一生アホ毛と枝毛が鬼のように現れる魔法をかけといた。
今後の態度によっては解いてやってもいいと思っている。
「良くありません!」
「お師匠様が助けてくれたし。あ、お師匠様って着飾ってきりっとしてたら恰好いいの。レオも夜会で会った?」
「え、ええ。お会いしましたがしかし・・・」
そんな事より気になるのは、カティに気持ちが悪いといった者がいるという事実。あの夜会でエンヤが助けに入らなければいけなかった事があったということ。
あの時、令嬢と話をしているのに気が付いたエドヴァルドは群がる貴族たちと話しながら少しづつカティ達に近づいていたが、その前に令嬢たちが去っていたため気に留めることはなかった。
「だからね!とう様の結婚相手探すの。レオも手伝って!」
「それは出来ませんってば。余計なことをすれば私の寿命に関わります。私には愛する妻と子がおりますので。」
「む~自分だけ幸せになってずるい~。ミンミに寂しいって泣きついちゃおうかな。ミンミ優しいから子供と一緒にうちにまた住み込んでくれるかもしれないなあ。」
「うっ・・・それは。」
レオはあり得ると思った。いまだにミンミの優先順位はレオよりカティだ。
「・・・カティ様。その件に関しては私にご一任ください。」
「本当?お願いね!」
エドヴァルドが消えてしまう、その不安は胸の中にずっとくすぶっている。だから、エドヴァルドに甘えても非難されない立場が欲しかった。少しもやもやしたとしても。
しかし何か行動しないと、状況はかわらない。
エドヴァルドから自立せずともこれらを解決するにはどうしたらいいのか。
(ふふふ、わたくしカティに死角はございません!)
そして、予想通りレオが巻き込まれることになる。
「レオ~。とう様の釣り書きって処分した?」
「いいえ、お断りの返事を書いているところです。カティ様のもございますよ。ご覧になりますか?」
「ううん、いいの。レオが見てとう様にお似合いの方いた?」
「お会いしてみないと何とも言えませんが、お二人ほど家柄も評判も良い方がいらっしゃいますね。」
「なるほどなるほど。」
「あ!カティ様、また余計なことを考えているでしょう!」
「余計なことは一度も考えたことがありません。」
「・・・。まあ、いいでしょう。それで、エドヴァルド様の釣り書きが何か?」
「そのお二方の釣り書き見せて欲しい。」
「何のために?」
「え?わ、私の釣り書きを作る参考に・・・」
「正直におっしゃってください。エドヴァルド様がお知りになったら叱られますよ。」
「む~。・・・とう様の結婚相手探すの。」
「私もエドヴァルド様に伴侶を迎えていただきたいですよ。ですがご本人が望まれてない以上無理強いは出来ません。なぜいきなり?」
「私がとう様に甘えているのは貴族令嬢としては失格みたいなの。とう様の評判を落としてしまったから・・・素敵な奥様がいれば、娘だから甘えているとみんなわかってくれるでしょ。そしたら気持ち悪いって言われないし、とう様に迷惑をかけなくてすむから。」
そう自分で言って、エドヴァルドの側に誰かが立ち、そしてエドヴァルドがエスコートをするのを想像する。エドヴァルドの一番が自分でなくなる・・・なんか寂しいけど。
「気持ち悪い?!一体誰がそんなことを?!」
「・・・ん。それはもういいの。」
あの三人には、一生アホ毛と枝毛が鬼のように現れる魔法をかけといた。
今後の態度によっては解いてやってもいいと思っている。
「良くありません!」
「お師匠様が助けてくれたし。あ、お師匠様って着飾ってきりっとしてたら恰好いいの。レオも夜会で会った?」
「え、ええ。お会いしましたがしかし・・・」
そんな事より気になるのは、カティに気持ちが悪いといった者がいるという事実。あの夜会でエンヤが助けに入らなければいけなかった事があったということ。
あの時、令嬢と話をしているのに気が付いたエドヴァルドは群がる貴族たちと話しながら少しづつカティ達に近づいていたが、その前に令嬢たちが去っていたため気に留めることはなかった。
「だからね!とう様の結婚相手探すの。レオも手伝って!」
「それは出来ませんってば。余計なことをすれば私の寿命に関わります。私には愛する妻と子がおりますので。」
「む~自分だけ幸せになってずるい~。ミンミに寂しいって泣きついちゃおうかな。ミンミ優しいから子供と一緒にうちにまた住み込んでくれるかもしれないなあ。」
「うっ・・・それは。」
レオはあり得ると思った。いまだにミンミの優先順位はレオよりカティだ。
「・・・カティ様。その件に関しては私にご一任ください。」
「本当?お願いね!」
エドヴァルドが消えてしまう、その不安は胸の中にずっとくすぶっている。だから、エドヴァルドに甘えても非難されない立場が欲しかった。少しもやもやしたとしても。
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