77 / 98
連載
閑話 公爵邸 お客様 2
しおりを挟む
エドヴァルドの生還以降、様々な者が公爵邸を訪れる。
以前のイレーヌしかり、今度はユリ公爵領の治領、経営を代行させているセルジュ・トンプソンが妻のイザベル、娘のエマを伴って挨拶にやってきた。
「エドヴァルド様、この度の御生還まことにおめでとうございます。またエドヴァルド様にお会いできてこんなに嬉しいことはございません。」
感極まったようにセルジュは言葉を詰まらせた。
「セルジュにも迷惑をかけたな。」
「いえ!エドヴァルド様の分までと・・・必死で守っておりました。妻のイザベルの支えもありこれまでやってこれました。」
「エドヴァルド様、結婚式に一度お会いしたきりでございましたが、ご無事な姿を拝見できて嬉しいですわ。この子は十三歳でエマと申します、初にお目にかかります。さ、挨拶しなさい。」
「はい!エドヴァルド様、エマと申します。よろしくお願いします。こちらのカティ様と仲良くなりたいと思っています!」
エマは立ち上がってぺこりと挨拶をした。
ピクリとも表情を動かさずエドヴァルドはイザベルとエマを見る。
「あ、あの?」
セルジュが何かを言いかけた時
「お二方にはお名前呼びを許可しておりませんので、ユリ公爵とお呼びください、カティ様の事もユリ公爵令嬢と。最低限のマナーですが。」
レオが口を出す。
「申し訳ありません。ですが、私とエドヴァルド様は遠戚で領主代行を任していただける間柄です。そのような他人行儀なことを。」
「慣れ合わず、礼儀を重んじることは大切です。ご家族にもそのように教育された方がよろしいかと。」
セルジュはムッとしたが、エドヴァルドが何も言わないということは彼の意見ということだ。
「失礼いたしました。あまりにもの嬉しさについ我を忘れてしまいました。二人にも良く言い聞かせます。」
「領地の経営については明日報告を受ける。今日はゆっくりするがいい。」
エドヴァルドとレオが出て行くと残された三人はほっと息をついた。
収支報告や相談など諸々があり、トンプソン家は三日間滞在する。
カティは特に交流を持つ必要はないと言われていたため、食事時に顔を合わせるだけであった。その時にちらちらエマがカティを見ているのに気が付いたが話しかけなかった。
三人が滞在している間はあまりエドヴァルドに甘えられず、一人でいる時間が長くなる。寂しくて不安なのを我慢しているというのに、エマが時々挑戦的な視線を投げつけてくるのだ。
(よし!今日の相手はお前だ!)
カティは最近修得した砂時計魔法で、椎茸をすべてエマの皿に移動した。
しかも、瞬時に椎茸だけをより分けて移動させるという繊細で高度な魔法。くだらないことにかけては天才的な能力発揮するカティ。
食べても減らない椎茸にエマは苦戦しべそをかいている。エマも椎茸が苦手なようだった。
(おーほほほ。私にケンカを売るということはそういう事なのよ!)
ご満悦でいると、エドヴァルドと目が合う。
(ばれた?!)
客人に対して無作法だと叱られるかと思ったが、軽くうなづくのみで許してくれたようでホッと息をついた。
「エドヴァルド様、うちの娘とカティ様は年も近いですしいい遊び相手になるかと思いますが。」
セルジュが申し出る。するとエマが
「・・・私はお友達になりたいです。でもカティ様は私のこと御嫌いですか?目を合わせていただけなくて・・・お友達になりたいと思うのは図々しいことでしょうか?」
そう言ってポロポロ泣き始めた。
(うわあ~そうくる?!そっちの子!)
エマは色白で、目はぱっちりで潤んだように輝いている。可愛いピンクの唇にふんわりと少しカールがかかった髪でとても可愛く可憐な少女だった。
そんな少女が涙を落とし、悲し気に言うと誰もが彼女をかばい、優しくしてくれるだろう。
エマ自身も、これまでの経験からみんなが自分の味方をするだろうと自信満々であり、男親なら、娘に「仲良くしてやりなさい」といい、娘を叱るはずと思っていた。そして滞在中、エマに親切にしてくれるだろう。
「カティが無視をしたとしてそれが何か悪いのか?」
「え?」
「初対面の目下の相手に愛想を振りまく必要があるのかと聞いている。」
「い、いえ。ただ私は仲良くなりたいと思って・・・」
「仲良くしたいと思う相手を皆の前で貶めるのだな。食事の時間を台無しにして、子供だからと許される年齢ではあるまい。」
「とう様・・・・」
カティはポロっと(嘘の)涙をこぼして
「ごめんなさい・・・彼女がずっとこちらを睨んでいたので怖くて視線を外してしまったのです。」
うつむいた。
「うちの娘はそんなことしませんわ!勘違いですわ、ね?カティ様?娘も勘違いをしたようですの。エマ、謝りなさい。」
「え?なんで?だって・・お母さまが・・」
「エマ!」
「ご、ごめんなさい。」
エドヴァルドは席を立つとカティを抱き上げ
「今後は別で食事の用意をさせる。失礼する。」
「エドヴァルド様!申し訳ありません!」
「セルジュ、お前は家長としての務めをしっかりと果たせ。」
セルジュは最後にエドヴァルドの言ったことを的確に理解できなかった。
エドヴァルドは、今の件だけではなくカティを名前呼びしないようレオが忠告したにもかかわらず、娘と妻が改善してないことを指摘したのだが、それに気が付くこともなかった。
今日、エドヴァルドは領地経営についての報告を受けている。
そしてレオから十三年前に一度来たきりであることを指摘される。
「この十三年間で一度しか来られておりませんね。それまで毎年報告に来られていたのに、書類のみ届けられて。」
「それは!それは・・・エ、エドヴァルド様がご不在の間必死で領地を守るために走りまわっており余裕がなかったのです!」
「さようでございますか。カティ様をはじめ公爵家をないがしろにされていると勘違いをしておりました。」
「そんなはずないだろう!侍従の分際で失礼な!エドヴァルド様決してそのようなことは!」
「侍従の分際・・・か。なるほど?」
エドヴァルドの低い声にセルジュがすくみあがる。
「申し訳ありません!ついむきになりました、お詫びいたします。」
エドヴァルドがまさか生きているとは思わず、このユリ公爵家は自分の物になると思い込んでいた。
エドヴァルドが行方不明になり、この家に来た時、相手は赤子。どのようにでもできると思っていた。
赤の他人のカティの養子縁組を解消するか、それが無理なら後見人になるつもりであったのがまさかの王家の後ろ盾。公爵邸で主人のようにふるまった途端、王家から第三王子や護衛騎士が駆けつけ居心地の悪い思いをした。
しかも執務も王家から派遣された文官が代行で来た。自然足が遠のき、代わりに領地で好き勝手をし、決算報告書を偽造するまでになってしまった。
だが領地のことなど所詮、王都の文官にはわかるまいと高をくくっていたのだ。なのに・・・
(まさかこんなことに・・・何とかバレずに今日さえやり過ごせれば・・・また心を入れ替えて誠心誠意働くから!)
セルジュは冷や汗をかきながら手を握り締めていた。
以前のイレーヌしかり、今度はユリ公爵領の治領、経営を代行させているセルジュ・トンプソンが妻のイザベル、娘のエマを伴って挨拶にやってきた。
「エドヴァルド様、この度の御生還まことにおめでとうございます。またエドヴァルド様にお会いできてこんなに嬉しいことはございません。」
感極まったようにセルジュは言葉を詰まらせた。
「セルジュにも迷惑をかけたな。」
「いえ!エドヴァルド様の分までと・・・必死で守っておりました。妻のイザベルの支えもありこれまでやってこれました。」
「エドヴァルド様、結婚式に一度お会いしたきりでございましたが、ご無事な姿を拝見できて嬉しいですわ。この子は十三歳でエマと申します、初にお目にかかります。さ、挨拶しなさい。」
「はい!エドヴァルド様、エマと申します。よろしくお願いします。こちらのカティ様と仲良くなりたいと思っています!」
エマは立ち上がってぺこりと挨拶をした。
ピクリとも表情を動かさずエドヴァルドはイザベルとエマを見る。
「あ、あの?」
セルジュが何かを言いかけた時
「お二方にはお名前呼びを許可しておりませんので、ユリ公爵とお呼びください、カティ様の事もユリ公爵令嬢と。最低限のマナーですが。」
レオが口を出す。
「申し訳ありません。ですが、私とエドヴァルド様は遠戚で領主代行を任していただける間柄です。そのような他人行儀なことを。」
「慣れ合わず、礼儀を重んじることは大切です。ご家族にもそのように教育された方がよろしいかと。」
セルジュはムッとしたが、エドヴァルドが何も言わないということは彼の意見ということだ。
「失礼いたしました。あまりにもの嬉しさについ我を忘れてしまいました。二人にも良く言い聞かせます。」
「領地の経営については明日報告を受ける。今日はゆっくりするがいい。」
エドヴァルドとレオが出て行くと残された三人はほっと息をついた。
収支報告や相談など諸々があり、トンプソン家は三日間滞在する。
カティは特に交流を持つ必要はないと言われていたため、食事時に顔を合わせるだけであった。その時にちらちらエマがカティを見ているのに気が付いたが話しかけなかった。
三人が滞在している間はあまりエドヴァルドに甘えられず、一人でいる時間が長くなる。寂しくて不安なのを我慢しているというのに、エマが時々挑戦的な視線を投げつけてくるのだ。
(よし!今日の相手はお前だ!)
カティは最近修得した砂時計魔法で、椎茸をすべてエマの皿に移動した。
しかも、瞬時に椎茸だけをより分けて移動させるという繊細で高度な魔法。くだらないことにかけては天才的な能力発揮するカティ。
食べても減らない椎茸にエマは苦戦しべそをかいている。エマも椎茸が苦手なようだった。
(おーほほほ。私にケンカを売るということはそういう事なのよ!)
ご満悦でいると、エドヴァルドと目が合う。
(ばれた?!)
客人に対して無作法だと叱られるかと思ったが、軽くうなづくのみで許してくれたようでホッと息をついた。
「エドヴァルド様、うちの娘とカティ様は年も近いですしいい遊び相手になるかと思いますが。」
セルジュが申し出る。するとエマが
「・・・私はお友達になりたいです。でもカティ様は私のこと御嫌いですか?目を合わせていただけなくて・・・お友達になりたいと思うのは図々しいことでしょうか?」
そう言ってポロポロ泣き始めた。
(うわあ~そうくる?!そっちの子!)
エマは色白で、目はぱっちりで潤んだように輝いている。可愛いピンクの唇にふんわりと少しカールがかかった髪でとても可愛く可憐な少女だった。
そんな少女が涙を落とし、悲し気に言うと誰もが彼女をかばい、優しくしてくれるだろう。
エマ自身も、これまでの経験からみんなが自分の味方をするだろうと自信満々であり、男親なら、娘に「仲良くしてやりなさい」といい、娘を叱るはずと思っていた。そして滞在中、エマに親切にしてくれるだろう。
「カティが無視をしたとしてそれが何か悪いのか?」
「え?」
「初対面の目下の相手に愛想を振りまく必要があるのかと聞いている。」
「い、いえ。ただ私は仲良くなりたいと思って・・・」
「仲良くしたいと思う相手を皆の前で貶めるのだな。食事の時間を台無しにして、子供だからと許される年齢ではあるまい。」
「とう様・・・・」
カティはポロっと(嘘の)涙をこぼして
「ごめんなさい・・・彼女がずっとこちらを睨んでいたので怖くて視線を外してしまったのです。」
うつむいた。
「うちの娘はそんなことしませんわ!勘違いですわ、ね?カティ様?娘も勘違いをしたようですの。エマ、謝りなさい。」
「え?なんで?だって・・お母さまが・・」
「エマ!」
「ご、ごめんなさい。」
エドヴァルドは席を立つとカティを抱き上げ
「今後は別で食事の用意をさせる。失礼する。」
「エドヴァルド様!申し訳ありません!」
「セルジュ、お前は家長としての務めをしっかりと果たせ。」
セルジュは最後にエドヴァルドの言ったことを的確に理解できなかった。
エドヴァルドは、今の件だけではなくカティを名前呼びしないようレオが忠告したにもかかわらず、娘と妻が改善してないことを指摘したのだが、それに気が付くこともなかった。
今日、エドヴァルドは領地経営についての報告を受けている。
そしてレオから十三年前に一度来たきりであることを指摘される。
「この十三年間で一度しか来られておりませんね。それまで毎年報告に来られていたのに、書類のみ届けられて。」
「それは!それは・・・エ、エドヴァルド様がご不在の間必死で領地を守るために走りまわっており余裕がなかったのです!」
「さようでございますか。カティ様をはじめ公爵家をないがしろにされていると勘違いをしておりました。」
「そんなはずないだろう!侍従の分際で失礼な!エドヴァルド様決してそのようなことは!」
「侍従の分際・・・か。なるほど?」
エドヴァルドの低い声にセルジュがすくみあがる。
「申し訳ありません!ついむきになりました、お詫びいたします。」
エドヴァルドがまさか生きているとは思わず、このユリ公爵家は自分の物になると思い込んでいた。
エドヴァルドが行方不明になり、この家に来た時、相手は赤子。どのようにでもできると思っていた。
赤の他人のカティの養子縁組を解消するか、それが無理なら後見人になるつもりであったのがまさかの王家の後ろ盾。公爵邸で主人のようにふるまった途端、王家から第三王子や護衛騎士が駆けつけ居心地の悪い思いをした。
しかも執務も王家から派遣された文官が代行で来た。自然足が遠のき、代わりに領地で好き勝手をし、決算報告書を偽造するまでになってしまった。
だが領地のことなど所詮、王都の文官にはわかるまいと高をくくっていたのだ。なのに・・・
(まさかこんなことに・・・何とかバレずに今日さえやり過ごせれば・・・また心を入れ替えて誠心誠意働くから!)
セルジュは冷や汗をかきながら手を握り締めていた。
343
お気に入りに追加
8,091
あなたにおすすめの小説
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
婚約者に消えろと言われたので湖に飛び込んだら、気づけば三年が経っていました。
束原ミヤコ
恋愛
公爵令嬢シャロンは、王太子オリバーの婚約者に選ばれてから、厳しい王妃教育に耐えていた。
だが、十六歳になり貴族学園に入学すると、オリバーはすでに子爵令嬢エミリアと浮気をしていた。
そしてある冬のこと。オリバーに「私の為に消えろ」というような意味のことを告げられる。
全てを諦めたシャロンは、精霊の湖と呼ばれている学園の裏庭にある湖に飛び込んだ。
気づくと、見知らぬ場所に寝かされていた。
そこにはかつて、病弱で体の小さかった辺境伯家の息子アダムがいた。
すっかり立派になったアダムは「あれから三年、君は目覚めなかった」と言った――。
初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と叫んだら長年の婚約者だった新妻に「気持ち悪い」と言われた上に父にも予想外の事を言われた男とその浮気女の話
ラララキヲ
恋愛
長年の婚約者を欺いて平民女と浮気していた侯爵家長男。3年後の白い結婚での離婚を浮気女に約束して、新妻の寝室へと向かう。
初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と愛する夫から宣言された無様な女を嘲笑う為だけに。
しかし寝室に居た妻は……
希望通りの白い結婚と愛人との未来輝く生活の筈が……全てを周りに知られていた上に自分の父親である侯爵家当主から言われた言葉は──
一人の女性を蹴落として掴んだ彼らの未来は……──
<【ざまぁ編】【イリーナ編】【コザック第二の人生編(ザマァ有)】となりました>
◇テンプレ浮気クソ男女。
◇軽い触れ合い表現があるのでR15に
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇ご都合展開。矛盾は察して下さい…
◇なろうにも上げてます。
※HOTランキング入り(1位)!?[恋愛::3位]ありがとうございます!恐縮です!期待に添えればよいのですがッ!!(;><)
私が死んで満足ですか?
マチバリ
恋愛
王太子に婚約破棄を告げられた伯爵令嬢ロロナが死んだ。
ある者は面倒な婚約破棄の手続きをせずに済んだと安堵し、ある者はずっと欲しかった物が手に入ると喜んだ。
全てが上手くおさまると思っていた彼らだったが、ロロナの死が与えた影響はあまりに大きかった。
書籍化にともない本編を引き下げいたしました
【完結・全3話】不細工だと捨てられましたが、貴方の代わりに呪いを受けていました。もう代わりは辞めます。呪いの処理はご自身で!
酒本 アズサ
恋愛
「お前のような不細工な婚約者がいるなんて恥ずかしいんだよ。今頃婚約破棄の書状がお前の家に届いているだろうさ」
年頃の男女が集められた王家主催のお茶会でそう言ったのは、幼い頃からの婚約者セザール様。
確かに私は見た目がよくない、血色は悪く、肌も髪もかさついている上、目も落ちくぼんでみっともない。
だけどこれはあの日呪われたセザール様を助けたい一心で、身代わりになる魔導具を使った結果なのに。
当時は私に申し訳なさそうにしながらも感謝していたのに、時と共に忘れてしまわれたのですね。
結局婚約破棄されてしまった私は、抱き続けていた恋心と共に身代わりの魔導具も捨てます。
当然呪いは本来の標的に向かいますからね?
日に日に本来の美しさを取り戻す私とは対照的に、セザール様は……。
恩を忘れた愚かな婚約者には同情しません!
《勘違い》で婚約破棄された令嬢は失意のうちに自殺しました。
友坂 悠
ファンタジー
「婚約を考え直そう」
貴族院の卒業パーティーの会場で、婚約者フリードよりそう告げられたエルザ。
「それは、婚約を破棄されるとそういうことなのでしょうか?」
耳を疑いそう聞き返すも、
「君も、その方が良いのだろう?」
苦虫を噛み潰すように、そう吐き出すフリードに。
全てに絶望し、失意のうちに自死を選ぶエルザ。
絶景と評判の観光地でありながら、自殺の名所としても知られる断崖絶壁から飛び降りた彼女。
だったのですが。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。