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エドヴァルドの眠る場所 2
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「今年も駄目だったね。」
カティは相変わらず黒々とした土の上のところどころに木々が芽吹き、色の付き始めた土地を見て言う。
いずれまた湖になるのだろう水も溜まってきている。
10年前とは景色が少しづつ変わってきていた。
あれから毎年、一年に一回2週間だけバートランド国でエドヴァルドを探してよいと国王から許可をもらっている。その折に属国となったこの国の内政をチェックするために王族や大臣も伴う国務として行われている。
いつのころからか悲壮感は薄れ、毎年の行事のようにエドヴァルドに会いに来る。二週間ここで過ごし、一年間の話をエドヴァルドに報告する。
魔法で土を浮かべ、エドヴァルドの捜索を続けているが、再び命が芽吹きだしたこの土地を掘り返すのももうそろそろやめないといけないと分かっている。まだ木々が生えていない場所だけ掘り返し、それが無くなればあきらめる覚悟も出来ている。
「また来年まいりましょう。」
レオが言う。
「とう様、また来年会いに来ますね。」
カティはいつものように最後に花を置いて立ち去った。
帰国するとヴィクトルが待っている。
ヴィクトルは家族のようにユリ公爵邸に出入りしており、世間からは二人は婚約をしていると思われている。いずれ第三王子が公爵位を継ぐのだろうと既成事実のように言われてもいる。
カティが12歳、ヴィクトルはもう20歳。ヴィクトルはカティを婚約者にと昔から願っているが、カティが受け入れてくれないのだ。
婚約をしてしまえばそちらが優先となり、エドヴァルドの事をあきらめなくてはいけないこともあるだろう。そして自分の中のエドヴァルドが薄まって行くことも怖かった。
「今年も駄目だった。もうずっとあちらにいたいのに陛下が許してくれないの。」
「そりゃそうだよ。父上は君の事娘のように大切にしているんだから。」
「もうそろそろ・・・終わりかなと思っているの。自然が戻ってきたからあまり土を移動できなくなりそう。」
「そう・・・」
ぐっと涙をこらえるカティを抱き寄せる。
「それでも毎年行こう。エドヴァルド公爵に会いに。」
「ヴィー・・」
「来年からは私も視察に組み込んで欲しいと陛下にお願いするよ。」
カティは国王にもヴィクトルにも心から感謝した。
自分のわがままだけで面倒をかけているのだから。
そして公爵家を支えてくれる上に、そんな自分をずっと大切にし、婚約を申し出てくれるヴィクトルにもほだされてきている。
いずれ誰かと結婚して公爵家を守らなければならないのならヴィクトルがいいと思う。彼なら自分の前世の事も知っていて、一緒にいても楽しい。
そろそろ色んなことにけじめをつけるときが来たのだ。
カティは相変わらず黒々とした土の上のところどころに木々が芽吹き、色の付き始めた土地を見て言う。
いずれまた湖になるのだろう水も溜まってきている。
10年前とは景色が少しづつ変わってきていた。
あれから毎年、一年に一回2週間だけバートランド国でエドヴァルドを探してよいと国王から許可をもらっている。その折に属国となったこの国の内政をチェックするために王族や大臣も伴う国務として行われている。
いつのころからか悲壮感は薄れ、毎年の行事のようにエドヴァルドに会いに来る。二週間ここで過ごし、一年間の話をエドヴァルドに報告する。
魔法で土を浮かべ、エドヴァルドの捜索を続けているが、再び命が芽吹きだしたこの土地を掘り返すのももうそろそろやめないといけないと分かっている。まだ木々が生えていない場所だけ掘り返し、それが無くなればあきらめる覚悟も出来ている。
「また来年まいりましょう。」
レオが言う。
「とう様、また来年会いに来ますね。」
カティはいつものように最後に花を置いて立ち去った。
帰国するとヴィクトルが待っている。
ヴィクトルは家族のようにユリ公爵邸に出入りしており、世間からは二人は婚約をしていると思われている。いずれ第三王子が公爵位を継ぐのだろうと既成事実のように言われてもいる。
カティが12歳、ヴィクトルはもう20歳。ヴィクトルはカティを婚約者にと昔から願っているが、カティが受け入れてくれないのだ。
婚約をしてしまえばそちらが優先となり、エドヴァルドの事をあきらめなくてはいけないこともあるだろう。そして自分の中のエドヴァルドが薄まって行くことも怖かった。
「今年も駄目だった。もうずっとあちらにいたいのに陛下が許してくれないの。」
「そりゃそうだよ。父上は君の事娘のように大切にしているんだから。」
「もうそろそろ・・・終わりかなと思っているの。自然が戻ってきたからあまり土を移動できなくなりそう。」
「そう・・・」
ぐっと涙をこらえるカティを抱き寄せる。
「それでも毎年行こう。エドヴァルド公爵に会いに。」
「ヴィー・・」
「来年からは私も視察に組み込んで欲しいと陛下にお願いするよ。」
カティは国王にもヴィクトルにも心から感謝した。
自分のわがままだけで面倒をかけているのだから。
そして公爵家を支えてくれる上に、そんな自分をずっと大切にし、婚約を申し出てくれるヴィクトルにもほだされてきている。
いずれ誰かと結婚して公爵家を守らなければならないのならヴィクトルがいいと思う。彼なら自分の前世の事も知っていて、一緒にいても楽しい。
そろそろ色んなことにけじめをつけるときが来たのだ。
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