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バートランドの国民
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「くだらんのう。そんなことで甥を殺し、赤子の命を狙うか。そんな者、王の器ではないわい。しかもこんなじじいに制圧されるレベルでよくもまあ・・・」
見たこともないエンヤの顔、地獄の特訓中でさえいつもひょうひょうとしていたエンヤがエドヴァルドに劣らないレベルの冷気を身にまとっている。
「ミンミ殿、嬢ちゃんを連れて城の外で待っててくれんか。」
「どうして?」
「牢に連行するだけじゃ、心配いらぬ。このままにしておけまい?」
「じゃあ私が魔法で・・・」
「いやいや。嬢ちゃんはもう十分頑張った。それに魔法で運べばこ奴らが楽じゃろ?床を引きずっていってやるわい。魔法封じはそのままで、重圧だけ解除してくれるか?」
「カティ様、ミンミ。そうしてください。」
「分かりましたわ。カティ様、まいりましょう。これ以上この者たちの顔を見ていることはありません。」
「・・・うん。ありがとう。」
そう言ってミンミはカティを抱いて出て行った。
エンヤはどうする?と、レオを見た。
「処刑一択です。」
レオはこの場でエドヴァルドの仇を取りたかった。
こうして二人残ったのはそのためだと思ったのだが、そうではなかった。
「レオ殿、ここでかたきを取りたい気持ちはわかる。じゃが、それではこの国の大勢の貴族や国民を敵に回すだけじゃ。」
「ですが!こいつはあの魔獣を我が国に送りこもうとしたやつですよ!エドヴァルド様が命を懸けて退治したから・・・・でなければ戦争となり、ここの国民も無事では済まなかった!」
「わかっておる。だからじゃ。だからこのことを知らしめてやろう。この者にとって屈辱で耐えきれない晴れの舞台を用意してやろうではないか。」
「エンヤ様・・・」
「今からしばし、わしはドアの外におる。その間、お主がここで何をしようとも知らぬことじゃ。宰相の・・・無念を晴らすがよい。命は取るでないぞ。」
「! ありがたきお言葉です。」
エンヤが部屋を出てすぐ、しばらく中から鈍い音が続いた。
伝令で報告した一週間後、国王から全権委託を受けたローベンス国の第一王子が駆けつけた。
四人は身勝手な行動に叱責を受けると思ったが、魔獣を使ってローベンス国を攻撃しようとするような卑劣なトルスティ国王らを少人数で制圧したことを労われた。
しかし、カティを危険なところに連れてきたことだけは国王が心配し、激怒しているとのことだった。
応援を待つこの一週間、4人は調査を進め暗殺に直に関わる国王とその側近、貴族、暗部の者を特定し、カティの結界にて閉じ込めておいた。
ローベンス国第一王子が王宮の広場に捕らえた者たちを跪かせ並べた。
全員の顔には国王とおそろいの標語がかかれている。
集められた人々は、魔法にも武にも施政にも長けている敬愛する自慢の代理国王の姿に心を痛め、ローベンス国の仕打ちに憤った。
口々に、侵略だ、奇襲だ、卑怯者だ、戦争だと罵声が飛ぶ。
今にも襲い掛かってきそうな国民や貴族、その他の兵たちをローべンス第一王子は見渡すと、トルスティ代理国王の所業を発表した。
早逝した王太子はトルスティ国王代理に殺害されていた事と王位継承権をもつ彼の孫を暗殺するため魔獣を放ちローベンス国ごと破壊せんとするその身勝手で残虐な行為を聞き、人々はざわめく。
「冤罪だ!攻め入る口実にしているだけだ!」
そう怒鳴る者が出始める。
そこでレオが、魔道具を取り出し、王宮に押し入った日の会話を再生した。
赤ん坊暗殺や魔獣を変異させたような発言が広場に響き渡る。
場が鎮まる。
貴族や兵たちは、顔に標語を書かれ顔をあざだらけにした代理国王を見て、エンヤの力(だと思わされている)に恐れをなした。先ほど再生された音声といい、それほどの力を持ちながら即処分しないローベンス国のやり方に代理国王の罪が事実だと知った。
貴族や兵たちが膝を折り、ローベンス国第一王子に頭を下げたのを見て一般の国民たちも事実を受け入れるしかなかった。
見たこともないエンヤの顔、地獄の特訓中でさえいつもひょうひょうとしていたエンヤがエドヴァルドに劣らないレベルの冷気を身にまとっている。
「ミンミ殿、嬢ちゃんを連れて城の外で待っててくれんか。」
「どうして?」
「牢に連行するだけじゃ、心配いらぬ。このままにしておけまい?」
「じゃあ私が魔法で・・・」
「いやいや。嬢ちゃんはもう十分頑張った。それに魔法で運べばこ奴らが楽じゃろ?床を引きずっていってやるわい。魔法封じはそのままで、重圧だけ解除してくれるか?」
「カティ様、ミンミ。そうしてください。」
「分かりましたわ。カティ様、まいりましょう。これ以上この者たちの顔を見ていることはありません。」
「・・・うん。ありがとう。」
そう言ってミンミはカティを抱いて出て行った。
エンヤはどうする?と、レオを見た。
「処刑一択です。」
レオはこの場でエドヴァルドの仇を取りたかった。
こうして二人残ったのはそのためだと思ったのだが、そうではなかった。
「レオ殿、ここでかたきを取りたい気持ちはわかる。じゃが、それではこの国の大勢の貴族や国民を敵に回すだけじゃ。」
「ですが!こいつはあの魔獣を我が国に送りこもうとしたやつですよ!エドヴァルド様が命を懸けて退治したから・・・・でなければ戦争となり、ここの国民も無事では済まなかった!」
「わかっておる。だからじゃ。だからこのことを知らしめてやろう。この者にとって屈辱で耐えきれない晴れの舞台を用意してやろうではないか。」
「エンヤ様・・・」
「今からしばし、わしはドアの外におる。その間、お主がここで何をしようとも知らぬことじゃ。宰相の・・・無念を晴らすがよい。命は取るでないぞ。」
「! ありがたきお言葉です。」
エンヤが部屋を出てすぐ、しばらく中から鈍い音が続いた。
伝令で報告した一週間後、国王から全権委託を受けたローベンス国の第一王子が駆けつけた。
四人は身勝手な行動に叱責を受けると思ったが、魔獣を使ってローベンス国を攻撃しようとするような卑劣なトルスティ国王らを少人数で制圧したことを労われた。
しかし、カティを危険なところに連れてきたことだけは国王が心配し、激怒しているとのことだった。
応援を待つこの一週間、4人は調査を進め暗殺に直に関わる国王とその側近、貴族、暗部の者を特定し、カティの結界にて閉じ込めておいた。
ローベンス国第一王子が王宮の広場に捕らえた者たちを跪かせ並べた。
全員の顔には国王とおそろいの標語がかかれている。
集められた人々は、魔法にも武にも施政にも長けている敬愛する自慢の代理国王の姿に心を痛め、ローベンス国の仕打ちに憤った。
口々に、侵略だ、奇襲だ、卑怯者だ、戦争だと罵声が飛ぶ。
今にも襲い掛かってきそうな国民や貴族、その他の兵たちをローべンス第一王子は見渡すと、トルスティ代理国王の所業を発表した。
早逝した王太子はトルスティ国王代理に殺害されていた事と王位継承権をもつ彼の孫を暗殺するため魔獣を放ちローベンス国ごと破壊せんとするその身勝手で残虐な行為を聞き、人々はざわめく。
「冤罪だ!攻め入る口実にしているだけだ!」
そう怒鳴る者が出始める。
そこでレオが、魔道具を取り出し、王宮に押し入った日の会話を再生した。
赤ん坊暗殺や魔獣を変異させたような発言が広場に響き渡る。
場が鎮まる。
貴族や兵たちは、顔に標語を書かれ顔をあざだらけにした代理国王を見て、エンヤの力(だと思わされている)に恐れをなした。先ほど再生された音声といい、それほどの力を持ちながら即処分しないローベンス国のやり方に代理国王の罪が事実だと知った。
貴族や兵たちが膝を折り、ローベンス国第一王子に頭を下げたのを見て一般の国民たちも事実を受け入れるしかなかった。
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