7 / 29
母
しおりを挟む
謝罪ばかりで陰鬱な父達が退出し、胸の内で今後の方針を考えていたとき、姿を見せないなと思っていた母親が部屋に入ってきた。
遅ればせながら母も謝りに来たのだと思ったが。
「セシル・・・アナベルがあなたを階段から突き落とそうとしたなんて嘘よね?あなたがアナベルをつきおとそうとしたのでしょう?実の子が憎かったんでしょう?」
(ああ・・・そうか。この人だけは納得できなかったのか)
やっと帰ってきた可愛い我が子が卑怯な犯罪者だと受け入れられないのだろう。
養女のセシルこそが罪人であって欲しいのだ。
「なんとかいいなさい!お前が・・・お前がいなければアナベルがあんなことをしなくて済んだのよ!お前のせいよ!あの日死んでいれば私たちは親子そろって幸せになれたのに!お前の事は許さないわ!」
自分が養女だと気がつかなかったほどかわいがってくれていた母が、人が変わったようにセシルに憎い目を向けてくる。
セシルは胸の奥がズキンと痛む。
でもそれはお互い様だと思った。こんなことになるのなら養女などにしてほしくなかった。物心のついていない幼い自分を連れてきたのはそっちではないか。
(ほんと・・・理不尽。)
家族として過ごしてきた十数年は何の意味をなさなかった。血が繋がっているという娘を助けたいあまり、ここまでなるんだ。
セシルがはっきり冤罪と分かってなお、母はアナベルだけをかばいセシルを傷つけ続ける。
(少しくらいは謝ってくれるかもと思っていたけど。これは慰謝料追加案件だわ。傷つけられるごとに生活資金が溜まるという・・・)
胸の中に沸き起こるマイナス感情を、慰謝料に置き換えることの悲しい滑稽さに思わず笑うのだった。
頭の中でいろいろ考えていたせいで母を完全に無視をする形になってしまったセシル。
「何とか言いなさい! 自分がやったといいなさい!」
母を無視してアナベルをかばわないセシルに、激高した母はセシルの首に手をかけながら大きく揺さぶった。
そこに、父が飛び込んできて、暴れる母を部屋の外へと連れだした。
真っ青になったメイドがセシルの側に跪き、
「お嬢様、大丈夫ですか?奥様の様子がおかしいので旦那様にお知らせしたのです。まだお嬢様はお身体が完全ではないというのに・・・なんてお労しい。」
そう言って悲しんでくれた。
このメイドは最近子爵家に来たばかりのまだ若い子だった。
家族や他の使用人に冷遇されていた時も、皆に染まっていない彼女だけはきちんとして世話をしてくれていた。
「・・・ありがとう。」
「お嬢様!」
目が覚めてから初めて言葉を発したことにメイドのコナは喜んでくれた。
(いいのよ、コナ。殺人未遂がもう一つ追加。また慰謝料爆あがりなんだから!)
慰謝料案件が増えていくということは、セシルが大切に思われていない証左だ。
心がどんどん冷えていく。そして心が定まった。
もう彼らは自分の家族ではない。初めから家族ではなかったのだから。
そう、割り切るとどこかすがすがしい思いだった。
しばらくして部屋にやってきた父は憔悴しきった顔でセシルにまた詫びた。
「・・すまなかった。あの二人は領地で幽閉することになる。」
父は苦渋の表情を浮かべてそう言った。
「・・・殺されかけたお前は納得できないだろうが、許してくれ。」
父も幼いころに攫われ人生を歪められた娘が哀れで仕方がないのだろう。そして、可哀そうな娘を想うあまり常軌を逸してしまった妻の気持ちも分かるに違いない。
だから今回の事は公に罰されることなく、二人を領地に押し込めることで片を付けるようだ。
アナベルの人生を哀れに思う気持ちはセシルにもよくわかる。父も本当は手元に置きたかったはずだ。
「・・・シャリエ子爵、そんなことをしなくても大丈夫です。ご家族四人でここで暮らしてください。私は体調が戻るまではお世話になりますがすぐに出て行きますから」
シャリエ子爵はセシルが父と呼ばなかった事と、出て行くという言葉にひどくショックを受けたような顔でセシルを見た。
「・・・そんな事を言わないでくれ。セシルは私の大切な娘だ。あの二人にはしっかりと罰を与えるから許してほしい。」
(二人に罰って・・・そりゃ二人には殺されそうになったけど。でもあなたと兄にも精神的虐待受けましたよ?今更謝ったって恩赦はありませんよ?慰謝料びた一文まけるつもりはありませんよ?)
もう縋れる物はお金しかないと思ったセシルは、この機会に慰謝料の事をはっきり伝えておこうと思った。
「いえ、もう二度と会わないのでどうでもいいです。ただ慰謝料をお願いします。命を二度も奪われそうになったのですから。それから勝手に養子として連れてこられて、邪魔になったら命を奪われる。それに対しての慰謝料を上乗せするとなると・・・金額の詳細はまた後で算出しますが、きっちりと支払っていただきますね」
少し前のめりで慰謝料の話をしてしまったせいか、ちょっと父親が引いている気がする。
けど私の人生がかかってる。されたことを思えば退くことも遠慮することもない。この家を出て行く以上、お金だけが頼りなのだから。お金だけは裏切らないから。
「セシル・・・本当に済まないと思っている。だがお前を邪魔なんて思っていない、慰謝料など他人行儀なことを言わないでくれ。家族として償わせてほしい。」
「いえ、ここはきちんとしてください。殺人未遂ですよ? 本来なら通報して家門がお咎めされる案件ですよ? なあなあでは済む問題ではありません。でもまあここまで育ててもらった恩はありますので・・・アナベルをいじめた云々に対する冤罪に関しては相殺としてもいいでしょう。だけど精神的苦痛、殺人未遂二件などなどに対する慰謝料はきっちりと払ってもらいます。もちろん婚約者のオベール家からも使用人たちからもね。一人で生きていくには資金が必要なのですから。」
父はこの間まで何を言われても冤罪をかけられても言い返すこともなかった十四歳のセシルが、急にお金に細かいやり手弁護士のようなことを言い始めて戸惑っているようだ。
大昔に借金取りに軟禁されて以来、お金のありがたみと大切さは身に染みている。といっても、父の借金のせいでほんのひと時恐いお兄さんに部屋に居座られただけだったが。
「・・・セシル。お前にひどい言葉をぶつけた。私を許せないと思うのも無理はない。だが血のつながりなど関係はない、私はお前の事をこの十数年本当の娘だと思ってきた。ただ・・・もう死んだと思っていた娘が生きていのかと有頂天になってしまったんだ。私も妻も。」
「・・・いえ。それは当然でしょう。誘拐された娘が生きていた、どんなに嬉しかったか。盲目になるのも無理はないと思います。」
「・・・許してくれるか?」
「理解は出来ます。でも十数年一緒にいた私の言葉は一言たりとも信じてもらえませんでした。耳を傾けてくれることでさえ・・・そんなものなのです。血のつながりというものはあなた方にとってそれだけ大切なものなのでしょう。今後もそれは変わりませんし、他人の私は自衛のためにも資金が必要なのです。」
「すまない。アナベルが・・・そんな嘘を言うなど考えてもみなかったのだ。」
「・・・私は嘘をつくと思っていたという事でしょう。だから無理して家族を続ける必要はありません。ですから慰謝料も当然いただくつもりですが、住まいと仕事を紹介していただけるとありがたいです。」
「セシル・・・。頼む、家族としてやり直させてほしい。本当に後悔している。お前がどれだけ優しくて素直でいい子なのかを知っている。大切な娘として愛しているんだ。」
本当にそう思ってくれているかもしれないけど、あんな仕打ちの後では悪いけど何一つ心に染みない。
死んでいると思った娘が生きていたと知り、もろ手を上げて喜ぶのは当たり前だ。可哀そうな娘をこれまでの分、幸せにしてやりたいという思いでいっぱいだったのもわかる。娘が戻ってきて皆でこれまで以上に幸せになれる、そう思っていたはず。
まさかその娘が嘘をついて、妹を排除しようとしているなど思わないだろう。
彼らの気持ちはよくわかる。彼らも心を蹂躙された被害者だ。
でも私にとっては加害者。
これまでの恩は感じている。優しかった両親、大好きだった兄。
でもすべて過去の話。
今更なのだ・・・傷つけられた心は二度と元には戻らない。いつまたそちらの都合で捨てられるのかわからないのだから。
この家にこのまま居続けるつもりはないことだけは確かだ。
遅ればせながら母も謝りに来たのだと思ったが。
「セシル・・・アナベルがあなたを階段から突き落とそうとしたなんて嘘よね?あなたがアナベルをつきおとそうとしたのでしょう?実の子が憎かったんでしょう?」
(ああ・・・そうか。この人だけは納得できなかったのか)
やっと帰ってきた可愛い我が子が卑怯な犯罪者だと受け入れられないのだろう。
養女のセシルこそが罪人であって欲しいのだ。
「なんとかいいなさい!お前が・・・お前がいなければアナベルがあんなことをしなくて済んだのよ!お前のせいよ!あの日死んでいれば私たちは親子そろって幸せになれたのに!お前の事は許さないわ!」
自分が養女だと気がつかなかったほどかわいがってくれていた母が、人が変わったようにセシルに憎い目を向けてくる。
セシルは胸の奥がズキンと痛む。
でもそれはお互い様だと思った。こんなことになるのなら養女などにしてほしくなかった。物心のついていない幼い自分を連れてきたのはそっちではないか。
(ほんと・・・理不尽。)
家族として過ごしてきた十数年は何の意味をなさなかった。血が繋がっているという娘を助けたいあまり、ここまでなるんだ。
セシルがはっきり冤罪と分かってなお、母はアナベルだけをかばいセシルを傷つけ続ける。
(少しくらいは謝ってくれるかもと思っていたけど。これは慰謝料追加案件だわ。傷つけられるごとに生活資金が溜まるという・・・)
胸の中に沸き起こるマイナス感情を、慰謝料に置き換えることの悲しい滑稽さに思わず笑うのだった。
頭の中でいろいろ考えていたせいで母を完全に無視をする形になってしまったセシル。
「何とか言いなさい! 自分がやったといいなさい!」
母を無視してアナベルをかばわないセシルに、激高した母はセシルの首に手をかけながら大きく揺さぶった。
そこに、父が飛び込んできて、暴れる母を部屋の外へと連れだした。
真っ青になったメイドがセシルの側に跪き、
「お嬢様、大丈夫ですか?奥様の様子がおかしいので旦那様にお知らせしたのです。まだお嬢様はお身体が完全ではないというのに・・・なんてお労しい。」
そう言って悲しんでくれた。
このメイドは最近子爵家に来たばかりのまだ若い子だった。
家族や他の使用人に冷遇されていた時も、皆に染まっていない彼女だけはきちんとして世話をしてくれていた。
「・・・ありがとう。」
「お嬢様!」
目が覚めてから初めて言葉を発したことにメイドのコナは喜んでくれた。
(いいのよ、コナ。殺人未遂がもう一つ追加。また慰謝料爆あがりなんだから!)
慰謝料案件が増えていくということは、セシルが大切に思われていない証左だ。
心がどんどん冷えていく。そして心が定まった。
もう彼らは自分の家族ではない。初めから家族ではなかったのだから。
そう、割り切るとどこかすがすがしい思いだった。
しばらくして部屋にやってきた父は憔悴しきった顔でセシルにまた詫びた。
「・・すまなかった。あの二人は領地で幽閉することになる。」
父は苦渋の表情を浮かべてそう言った。
「・・・殺されかけたお前は納得できないだろうが、許してくれ。」
父も幼いころに攫われ人生を歪められた娘が哀れで仕方がないのだろう。そして、可哀そうな娘を想うあまり常軌を逸してしまった妻の気持ちも分かるに違いない。
だから今回の事は公に罰されることなく、二人を領地に押し込めることで片を付けるようだ。
アナベルの人生を哀れに思う気持ちはセシルにもよくわかる。父も本当は手元に置きたかったはずだ。
「・・・シャリエ子爵、そんなことをしなくても大丈夫です。ご家族四人でここで暮らしてください。私は体調が戻るまではお世話になりますがすぐに出て行きますから」
シャリエ子爵はセシルが父と呼ばなかった事と、出て行くという言葉にひどくショックを受けたような顔でセシルを見た。
「・・・そんな事を言わないでくれ。セシルは私の大切な娘だ。あの二人にはしっかりと罰を与えるから許してほしい。」
(二人に罰って・・・そりゃ二人には殺されそうになったけど。でもあなたと兄にも精神的虐待受けましたよ?今更謝ったって恩赦はありませんよ?慰謝料びた一文まけるつもりはありませんよ?)
もう縋れる物はお金しかないと思ったセシルは、この機会に慰謝料の事をはっきり伝えておこうと思った。
「いえ、もう二度と会わないのでどうでもいいです。ただ慰謝料をお願いします。命を二度も奪われそうになったのですから。それから勝手に養子として連れてこられて、邪魔になったら命を奪われる。それに対しての慰謝料を上乗せするとなると・・・金額の詳細はまた後で算出しますが、きっちりと支払っていただきますね」
少し前のめりで慰謝料の話をしてしまったせいか、ちょっと父親が引いている気がする。
けど私の人生がかかってる。されたことを思えば退くことも遠慮することもない。この家を出て行く以上、お金だけが頼りなのだから。お金だけは裏切らないから。
「セシル・・・本当に済まないと思っている。だがお前を邪魔なんて思っていない、慰謝料など他人行儀なことを言わないでくれ。家族として償わせてほしい。」
「いえ、ここはきちんとしてください。殺人未遂ですよ? 本来なら通報して家門がお咎めされる案件ですよ? なあなあでは済む問題ではありません。でもまあここまで育ててもらった恩はありますので・・・アナベルをいじめた云々に対する冤罪に関しては相殺としてもいいでしょう。だけど精神的苦痛、殺人未遂二件などなどに対する慰謝料はきっちりと払ってもらいます。もちろん婚約者のオベール家からも使用人たちからもね。一人で生きていくには資金が必要なのですから。」
父はこの間まで何を言われても冤罪をかけられても言い返すこともなかった十四歳のセシルが、急にお金に細かいやり手弁護士のようなことを言い始めて戸惑っているようだ。
大昔に借金取りに軟禁されて以来、お金のありがたみと大切さは身に染みている。といっても、父の借金のせいでほんのひと時恐いお兄さんに部屋に居座られただけだったが。
「・・・セシル。お前にひどい言葉をぶつけた。私を許せないと思うのも無理はない。だが血のつながりなど関係はない、私はお前の事をこの十数年本当の娘だと思ってきた。ただ・・・もう死んだと思っていた娘が生きていのかと有頂天になってしまったんだ。私も妻も。」
「・・・いえ。それは当然でしょう。誘拐された娘が生きていた、どんなに嬉しかったか。盲目になるのも無理はないと思います。」
「・・・許してくれるか?」
「理解は出来ます。でも十数年一緒にいた私の言葉は一言たりとも信じてもらえませんでした。耳を傾けてくれることでさえ・・・そんなものなのです。血のつながりというものはあなた方にとってそれだけ大切なものなのでしょう。今後もそれは変わりませんし、他人の私は自衛のためにも資金が必要なのです。」
「すまない。アナベルが・・・そんな嘘を言うなど考えてもみなかったのだ。」
「・・・私は嘘をつくと思っていたという事でしょう。だから無理して家族を続ける必要はありません。ですから慰謝料も当然いただくつもりですが、住まいと仕事を紹介していただけるとありがたいです。」
「セシル・・・。頼む、家族としてやり直させてほしい。本当に後悔している。お前がどれだけ優しくて素直でいい子なのかを知っている。大切な娘として愛しているんだ。」
本当にそう思ってくれているかもしれないけど、あんな仕打ちの後では悪いけど何一つ心に染みない。
死んでいると思った娘が生きていたと知り、もろ手を上げて喜ぶのは当たり前だ。可哀そうな娘をこれまでの分、幸せにしてやりたいという思いでいっぱいだったのもわかる。娘が戻ってきて皆でこれまで以上に幸せになれる、そう思っていたはず。
まさかその娘が嘘をついて、妹を排除しようとしているなど思わないだろう。
彼らの気持ちはよくわかる。彼らも心を蹂躙された被害者だ。
でも私にとっては加害者。
これまでの恩は感じている。優しかった両親、大好きだった兄。
でもすべて過去の話。
今更なのだ・・・傷つけられた心は二度と元には戻らない。いつまたそちらの都合で捨てられるのかわからないのだから。
この家にこのまま居続けるつもりはないことだけは確かだ。
371
お気に入りに追加
3,029
あなたにおすすめの小説
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。

妹がいなくなった
アズやっこ
恋愛
妹が突然家から居なくなった。
メイドが慌ててバタバタと騒いでいる。
お父様とお母様の泣き声が聞こえる。
「うるさくて寝ていられないわ」
妹は我が家の宝。
お父様とお母様は妹しか見えない。ドレスも宝石も妹にだけ買い与える。
妹を探しに出掛けたけど…。見つかるかしら?

運命の番?棄てたのは貴方です
ひよこ1号
恋愛
竜人族の侯爵令嬢エデュラには愛する番が居た。二人は幼い頃に出会い、婚約していたが、番である第一王子エリンギルは、新たに番と名乗り出たリリアーデと婚約する。邪魔になったエデュラとの婚約を解消し、番を引き裂いた大罪人として追放するが……。一方で幼い頃に出会った侯爵令嬢を忘れられない帝国の皇子は、男爵令息と身分を偽り竜人国へと留学していた。
番との運命の出会いと別離の物語。番でない人々の貫く愛。
※自己設定満載ですので気を付けてください。
※性描写はないですが、一線を越える個所もあります
※多少の残酷表現あります。
以上2点からセルフレイティング

夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です

留学してたら、愚昧がやらかした件。
庭にハニワ
ファンタジー
バカだアホだ、と思っちゃいたが、本当に愚かしい妹。老害と化した祖父母に甘やかし放題されて、聖女気取りで日々暮らしてるらしい。どうしてくれよう……。
R−15は基本です。


愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

「君の為の時間は取れない」と告げた旦那様の意図を私はちゃんと理解しています。
あおくん
恋愛
憧れの人であった旦那様は初夜が終わったあと私にこう告げた。
「君の為の時間は取れない」と。
それでも私は幸せだった。だから、旦那様を支えられるような妻になりたいと願った。
そして騎士団長でもある旦那様は次の日から家を空け、旦那様と入れ違いにやって来たのは旦那様の母親と見知らぬ女性。
旦那様の告げた「君の為の時間は取れない」という言葉はお二人には別の意味で伝わったようだ。
あなたは愛されていない。愛してもらうためには必要なことだと過度な労働を強いた結果、過労で倒れた私は記憶喪失になる。
そして帰ってきた旦那様は、全てを忘れていた私に困惑する。
※35〜37話くらいで終わります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる