身を引いても円満解決しませんでした

れもんぴーる

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暗闇に光

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 ステファンの家、デュクロ侯爵邸にエヴェリーナの父エルノー伯爵が訪ねてきたが門番に追い払うように言った。その後、何度か手紙が送られてきたが読まずに捨てた。

 父親のデュクロ侯爵からは頭を冷やしなさいと諭された。どうやらエルノー伯爵は妻と義娘がテューネとステファンの婚約を画策していることは知らなかったようだ。大切な娘をすでにいないようにふるまう二人に呆れ、愛情はすっかり冷めたらしい。

 もともと幼いエヴェリーナのための再婚だったはずで、自分のこれまでの行いも十分反省し、ひとまず、妻とテューネを領地に送ることに決めたそうだ。それをステファンに報告したかったが、連絡が取れず父を通して報告をしてきたらしい。

「それから、先日ドラン国に行った商人から聞いた話だが、ラッシュ語の通訳をしてくれた女性というのがはちみつ色の髪に、グリーンの瞳の美しい女性だったようだ。それが数回目でやめてしまったとかで残念がっていた」
「それ、もしかして・・・エヴェリーナじゃ・・」
「残念ながら名前は聞いてないそうだ。たまたま商人と輸入品のお茶の話をした時に、ドラン国にラッシュ国のお茶に詳しい通訳がいたって話題が出たから詳細を聞いてみたのだ。彼女は最近拡大しているドイル商会にいたそうだ。」
「父上!しばらく暇をいただけますか?」
「エヴェリーナ嬢と婚約解消するつもりはないのか?黙って失踪などと伯爵家から侯爵家に対してあまりにも無礼だ。そんな娘はもうほっておけというのが本音だ。家族とのもめ事あってもお前からも姿を隠すことはない。お前との婚姻を望んでいなかったということだ。」
「・・・そうかもしれませんが。ですが、エヴェリーナの口から直接理由を聞きたい。ドランに行かせてください!」
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