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お約束の悪役令嬢登場 2
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「シャルロットの不名誉な噂は王家によって否定され、まともな貴族の間では誰も話題にもしていない。君たちのような礼儀がなっていない令嬢にはそれを教えてくれるようなまともな友人がいないようだな。僕なら恥ずかしくて社交の場に来れないよ」
現に、周りからは注目されひそひそささやかれている。
シャルロットをけなす言葉かと思いたかったが、ルイーズたちの質の悪さや令嬢として全く教育がなっていないと家を嘲笑う声まで聞こえてきていた。シャルロットがどういうわけか王家からの信が厚いことを知らないのか、という声まであった。
結婚相手として文句のない条件のシリルの気を引くために、シャルロットを貶めたのにそれが逆効果どころか、周りからは自分が嘲笑されるありさまだ。しかも二人が婚約しているなんて全く知らなかった。
3人の令嬢は謝りもせず、逃げるように去っていった。
「ごめん、シャルロット。嫌な目に合わせて・・・僕のせいだよ。今までの僕のせいだ。」
「・・・大丈夫。慣れてる。」
その言葉が余計にシリルの胸に刺さる。
「殿下には挨拶すんだし、帰ろう?」
「ええ。」
屋敷に戻って着替えのためそれぞれの自室に下がった後、こらえきれずシャルロットは涙を落した。
色々噂されていたのは知ってる、傷つきすぎて傷つかなくなったほどだ。
しかし義父のジェラルドとそんな風に見られていたとは知らなかった。父親が養女にした娘に手を出す、そんな不名誉な噂が、王宮や社交で父の迷惑にならないはずがない。ずっと守り、大切にしてくれていた父にどれだけ迷惑をかけていたのかと思うと涙が止まらなかった。
王家がうわさを否定したからもう大丈夫だとシリルは言っていた。けれど、ああやって面と向かって嫌がらせをしに来る人がいるくらいにはまだ信じられているのだろう。シリルとの婚約も、姉に誑し込まれた義弟と笑われているのかもしれない。
そこにドアをノックする音が聞こえた。
返事はできなかった。
もう一度ノックされ、ドアが開けられた。
「・・・シャルロット。」
着替えもせずに、泣きくれているシャルロットを見てシリルはあの3人をただでは済まさないと決めた。
「何でもないの、ちょっと疲れてしまって・・・これから着替えて寝るからまた明日ね。」
こんな状態のシャルロットを一人にするわけがない。
「・・・ん。じゃあ、着替えてて。」
シリルはいったん部屋を出て、メイドにミルクを温めてはちみつを入れてもらうと部屋に戻った。
「これだけでも飲んで?」
ソファーに並んでそっと顔を見ると、涙は止まったようだがその顔色は悪かった。
飲み終えたのを見はからって、シリルはシャルロットを抱えあげた。
「きゃあ?!」
ベッドにそっと寝かせると自分はソファーに横になった。
「今日はここで寝る」
「ええっ?!」
「心配しないで、ここで眠るだけだから。不安で眠れなかったらいつでも起こして。」
「・・・ありがとう。」
現に、周りからは注目されひそひそささやかれている。
シャルロットをけなす言葉かと思いたかったが、ルイーズたちの質の悪さや令嬢として全く教育がなっていないと家を嘲笑う声まで聞こえてきていた。シャルロットがどういうわけか王家からの信が厚いことを知らないのか、という声まであった。
結婚相手として文句のない条件のシリルの気を引くために、シャルロットを貶めたのにそれが逆効果どころか、周りからは自分が嘲笑されるありさまだ。しかも二人が婚約しているなんて全く知らなかった。
3人の令嬢は謝りもせず、逃げるように去っていった。
「ごめん、シャルロット。嫌な目に合わせて・・・僕のせいだよ。今までの僕のせいだ。」
「・・・大丈夫。慣れてる。」
その言葉が余計にシリルの胸に刺さる。
「殿下には挨拶すんだし、帰ろう?」
「ええ。」
屋敷に戻って着替えのためそれぞれの自室に下がった後、こらえきれずシャルロットは涙を落した。
色々噂されていたのは知ってる、傷つきすぎて傷つかなくなったほどだ。
しかし義父のジェラルドとそんな風に見られていたとは知らなかった。父親が養女にした娘に手を出す、そんな不名誉な噂が、王宮や社交で父の迷惑にならないはずがない。ずっと守り、大切にしてくれていた父にどれだけ迷惑をかけていたのかと思うと涙が止まらなかった。
王家がうわさを否定したからもう大丈夫だとシリルは言っていた。けれど、ああやって面と向かって嫌がらせをしに来る人がいるくらいにはまだ信じられているのだろう。シリルとの婚約も、姉に誑し込まれた義弟と笑われているのかもしれない。
そこにドアをノックする音が聞こえた。
返事はできなかった。
もう一度ノックされ、ドアが開けられた。
「・・・シャルロット。」
着替えもせずに、泣きくれているシャルロットを見てシリルはあの3人をただでは済まさないと決めた。
「何でもないの、ちょっと疲れてしまって・・・これから着替えて寝るからまた明日ね。」
こんな状態のシャルロットを一人にするわけがない。
「・・・ん。じゃあ、着替えてて。」
シリルはいったん部屋を出て、メイドにミルクを温めてはちみつを入れてもらうと部屋に戻った。
「これだけでも飲んで?」
ソファーに並んでそっと顔を見ると、涙は止まったようだがその顔色は悪かった。
飲み終えたのを見はからって、シリルはシャルロットを抱えあげた。
「きゃあ?!」
ベッドにそっと寝かせると自分はソファーに横になった。
「今日はここで寝る」
「ええっ?!」
「心配しないで、ここで眠るだけだから。不安で眠れなかったらいつでも起こして。」
「・・・ありがとう。」
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