6 / 21
最悪の事態
しおりを挟む
ユマは、バーバラたちと会った夜、アルマンの部屋を訪ねた。
「絶対にバーバラお母様たちのことは言わないから、これからも連れて行って。お願い」
「駄目だ。お前とバーバラたちとはもう会わせない、とクラリスと約束したんだ」
「でもオレノは私の弟じゃない。それにバーバラお母様といる方が楽しいもの! もう会えなくなるのは嫌なの!」
「最後の挨拶だと言っただろ。約束を破ったらクラリスと離れる事になるから駄目だ」
「絶対に今度は言わないから! お母様がお茶会でお留守の時や御用で出かけている時だけでもいいからバーバラお母様に会いたい。駄目だっていうならお母様に今日あったこと全部話するんだから」
半分脅しながらそう懇願する娘に、ばかなアルマンはしぶしぶ頷いたのだった。
その翌日、厳しい家庭教師がやってくる日。
ユマは不機嫌な顔を隠しもせずに、部屋で待っていた。
ユマが背もたれにもたれて足をぶらぶらさせていた時、ドアが開いてクラリスが入って来た。
「お、お母様!」
また姿勢が悪いとか、先生が来るのがわかっていながらその顔を態度はいけないとか叱られると思って慌てたユマは、さっと背筋を伸ばして座りなおした。
しかし、クラリスは何も言わなかった。
「先生は急病で今日はお休みさせてくださいって。代わりにしっかりこれまでの事を復習しておくように言付けをいただいたわ」
「やった! あ、ごめんなさい」
人の病気を喜ぶようなはしたない真似をしたユマに、クラリスは一瞬口を開きかけたが結局何も言わずに部屋を出て行った。
怒られないでラッキーだと思っていたユマだったが、この日を境にあれだけマナーに気を付けるように言っていたクラリスが何も言わなくなった。
しばらくお母様に冷たい態度をとっていたのが堪えたのかな?
ユマは、のんきにもクラリスが、これまでの事を反省して厳しくするのを辞めてくれたのだと思った。
バーバラの事をうっかり話してよかったとでさえ思っていた。
バーバラ様たちとまた会えるようになったし、お母様もうるさく言わなくなったし、もうお母様に冷たい態度をとるのはやめよう。
優しくなったクラリスと、いろいろ楽しいことを教えてくれるバーバラと二人の母を持ったユマはとっても幸せだった。
そしていつの間にか家庭教師はやめていた。
しきたりやマナーを厳しく教えてくれる先生がいなくなり、クラリスも注意をしなくなったことで少しづつユマの言動が崩れてきてはいたが、ユマ自身は開放感で一杯だった。
そんな時、学校の長期休みに入った私は友達の家に泊まりに行くことになった。
お見送りをしてくれたお母様にハグをした。
「気を付けてね、元気でね」
そう言っていつもよりぎゅっと強く抱きしめてくれたお母様の顔を見るとどこか悲しそうだった。
この日はお父様が領地に向かう予定になっているから、夜に一人になるのがきっと寂しいのだと思う。でも私が明日帰り次第一緒に領地に向かうのだから楽しみにしていて欲しい。
私はお母様に手を振ると馬車に乗り込んだのだった。
お友達のところで楽しい時間を過ごし、今日は領地に向かうのだと楽しみに戻って来た時、屋敷は大騒ぎになっていた。
大勢の騎士や役人がうろうろし、使用人たちは庭にたってオロオロしていた。
「え?なに?」
訳が分からず立ち尽くしていると私付きの侍女が走ってきて、私をぎゅっと抱きしめた。
「ど、どうしたの? なにがあったの?」
悪い予感がしてくる。
「奥様が・・・奥様が!」
泣いている侍女を見て、不安がどんどん大きくなっていく。
「お母様が・・・どうしたというの?」
「お亡くなりになりました」
それを聞いた瞬間、私は膝から崩れ落ちた。
信じられなかったけど、これだけの騎士たちを見て信じざるを得なかった。
翌日、お母さまの実家からお爺様たちが駆けつけてくれた。
知らせを受けたお父様が領地から戻ってくるまでにまだ一日はかかる、お爺様たちがすぐに来てくれて本当に良かった。
「お爺様!」
私が駆け寄り、抱き着こうとするとお爺様はそれを止めた。
「お、お爺様?」
お爺様たちは私を慰めてくれる思っていた。お母様が亡くなり、お父様もいない今、心細くてたまらないのにお爺様もお婆さまもひどく険しい顔をしていた。
「クラリスはどこだ!」
「お母様は・・・お姿がひどいからとすぐに埋葬されました。私も会ってはいけないと言われて・・・」
ユマは泣いた。遺体は火に包まれていたらしく、ひどい状態であり騎士たちが検分した後、遺品だけを見せてくれた。そうしてそのままクラリスの遺体は教会に運ばれて埋葬されたという。
「一体何があったんだ! なぜクラリスが死なねばならない! お前たちのせいではないのか!?」
全身に怒りをたぎらせている祖父は可愛い孫のユマに対してもかなり強く当たった。
「あなた、ユマに言っても仕方がありませんわ。担当者に聞きましょう」
「・・・そうだな」
ふっと力を抜いた祖父は涙を流している祖母の肩を抱いた。
「お婆様・・・私どうしていいのか・・・何故お母様が亡くなったのかわからなくて・・・辛くて・・・お父様もまだ領地から戻ってこなくて・・・来てくださって良かった」
祖母の側によって寄り添おうとしたとき、すっと祖父母が身を引いた。
「え?」
気のせいではない、二人に避けられている。
どうして? こんな時なのに。涙が止まらないのに。慰めて欲しいのに。今まであんなに可愛いがってくれていたのに。
「こんなところにいても仕方がない、今から騎士団に話を聞こう。そのあと教会に行ってあの子を連れて帰ってやらないとな」
祖父母が、ユマに慰めの言葉もかけず出て行くとするのを必死で引き留めた。
「どうして側にいてくれないの!? お母さまを連れて帰るって・・・どういうことですか?」
「・・・悪いがもうお前は私達の孫とは思っていない」
「お爺様!?」
「一人が寂しいのならもう一人のお母様とやらに慰めてもらえばいい」
祖父はちらっと奥の方を見ると、祖母を連れて屋敷を後にした。
「どう・・・して・・・」
残されたユマは玄関ホールで泣き崩れた。
あれだけ優しくて可愛がってくれていた祖父母の冷たい態度が、母を亡くしたばかりのユマをひどく打ちのめした。
「お姉様、大丈夫ですか?」
後ろから声をかけてくれたのは弟のオレノだった。
その横に立つバーバラも心配そうにユマを見ている。
「あなたのお爺様たちなのでしょう? あんなひどい・・・かわいそうなユマちゃん。私たちが側にいるわ、大丈夫よ」
ユマは大声で泣くと、バーバラ抱きついた。
母の死を聞き、父が不在だと知ったバーバラはすぐに駆けつけてくれていたのだ。
祖父母に突き放されたユマをバーバラは優しく抱きしめた。
そんな様子を使用人たちが冷ややかに見ていることに三人は気がつかなかった。
「絶対にバーバラお母様たちのことは言わないから、これからも連れて行って。お願い」
「駄目だ。お前とバーバラたちとはもう会わせない、とクラリスと約束したんだ」
「でもオレノは私の弟じゃない。それにバーバラお母様といる方が楽しいもの! もう会えなくなるのは嫌なの!」
「最後の挨拶だと言っただろ。約束を破ったらクラリスと離れる事になるから駄目だ」
「絶対に今度は言わないから! お母様がお茶会でお留守の時や御用で出かけている時だけでもいいからバーバラお母様に会いたい。駄目だっていうならお母様に今日あったこと全部話するんだから」
半分脅しながらそう懇願する娘に、ばかなアルマンはしぶしぶ頷いたのだった。
その翌日、厳しい家庭教師がやってくる日。
ユマは不機嫌な顔を隠しもせずに、部屋で待っていた。
ユマが背もたれにもたれて足をぶらぶらさせていた時、ドアが開いてクラリスが入って来た。
「お、お母様!」
また姿勢が悪いとか、先生が来るのがわかっていながらその顔を態度はいけないとか叱られると思って慌てたユマは、さっと背筋を伸ばして座りなおした。
しかし、クラリスは何も言わなかった。
「先生は急病で今日はお休みさせてくださいって。代わりにしっかりこれまでの事を復習しておくように言付けをいただいたわ」
「やった! あ、ごめんなさい」
人の病気を喜ぶようなはしたない真似をしたユマに、クラリスは一瞬口を開きかけたが結局何も言わずに部屋を出て行った。
怒られないでラッキーだと思っていたユマだったが、この日を境にあれだけマナーに気を付けるように言っていたクラリスが何も言わなくなった。
しばらくお母様に冷たい態度をとっていたのが堪えたのかな?
ユマは、のんきにもクラリスが、これまでの事を反省して厳しくするのを辞めてくれたのだと思った。
バーバラの事をうっかり話してよかったとでさえ思っていた。
バーバラ様たちとまた会えるようになったし、お母様もうるさく言わなくなったし、もうお母様に冷たい態度をとるのはやめよう。
優しくなったクラリスと、いろいろ楽しいことを教えてくれるバーバラと二人の母を持ったユマはとっても幸せだった。
そしていつの間にか家庭教師はやめていた。
しきたりやマナーを厳しく教えてくれる先生がいなくなり、クラリスも注意をしなくなったことで少しづつユマの言動が崩れてきてはいたが、ユマ自身は開放感で一杯だった。
そんな時、学校の長期休みに入った私は友達の家に泊まりに行くことになった。
お見送りをしてくれたお母様にハグをした。
「気を付けてね、元気でね」
そう言っていつもよりぎゅっと強く抱きしめてくれたお母様の顔を見るとどこか悲しそうだった。
この日はお父様が領地に向かう予定になっているから、夜に一人になるのがきっと寂しいのだと思う。でも私が明日帰り次第一緒に領地に向かうのだから楽しみにしていて欲しい。
私はお母様に手を振ると馬車に乗り込んだのだった。
お友達のところで楽しい時間を過ごし、今日は領地に向かうのだと楽しみに戻って来た時、屋敷は大騒ぎになっていた。
大勢の騎士や役人がうろうろし、使用人たちは庭にたってオロオロしていた。
「え?なに?」
訳が分からず立ち尽くしていると私付きの侍女が走ってきて、私をぎゅっと抱きしめた。
「ど、どうしたの? なにがあったの?」
悪い予感がしてくる。
「奥様が・・・奥様が!」
泣いている侍女を見て、不安がどんどん大きくなっていく。
「お母様が・・・どうしたというの?」
「お亡くなりになりました」
それを聞いた瞬間、私は膝から崩れ落ちた。
信じられなかったけど、これだけの騎士たちを見て信じざるを得なかった。
翌日、お母さまの実家からお爺様たちが駆けつけてくれた。
知らせを受けたお父様が領地から戻ってくるまでにまだ一日はかかる、お爺様たちがすぐに来てくれて本当に良かった。
「お爺様!」
私が駆け寄り、抱き着こうとするとお爺様はそれを止めた。
「お、お爺様?」
お爺様たちは私を慰めてくれる思っていた。お母様が亡くなり、お父様もいない今、心細くてたまらないのにお爺様もお婆さまもひどく険しい顔をしていた。
「クラリスはどこだ!」
「お母様は・・・お姿がひどいからとすぐに埋葬されました。私も会ってはいけないと言われて・・・」
ユマは泣いた。遺体は火に包まれていたらしく、ひどい状態であり騎士たちが検分した後、遺品だけを見せてくれた。そうしてそのままクラリスの遺体は教会に運ばれて埋葬されたという。
「一体何があったんだ! なぜクラリスが死なねばならない! お前たちのせいではないのか!?」
全身に怒りをたぎらせている祖父は可愛い孫のユマに対してもかなり強く当たった。
「あなた、ユマに言っても仕方がありませんわ。担当者に聞きましょう」
「・・・そうだな」
ふっと力を抜いた祖父は涙を流している祖母の肩を抱いた。
「お婆様・・・私どうしていいのか・・・何故お母様が亡くなったのかわからなくて・・・辛くて・・・お父様もまだ領地から戻ってこなくて・・・来てくださって良かった」
祖母の側によって寄り添おうとしたとき、すっと祖父母が身を引いた。
「え?」
気のせいではない、二人に避けられている。
どうして? こんな時なのに。涙が止まらないのに。慰めて欲しいのに。今まであんなに可愛いがってくれていたのに。
「こんなところにいても仕方がない、今から騎士団に話を聞こう。そのあと教会に行ってあの子を連れて帰ってやらないとな」
祖父母が、ユマに慰めの言葉もかけず出て行くとするのを必死で引き留めた。
「どうして側にいてくれないの!? お母さまを連れて帰るって・・・どういうことですか?」
「・・・悪いがもうお前は私達の孫とは思っていない」
「お爺様!?」
「一人が寂しいのならもう一人のお母様とやらに慰めてもらえばいい」
祖父はちらっと奥の方を見ると、祖母を連れて屋敷を後にした。
「どう・・・して・・・」
残されたユマは玄関ホールで泣き崩れた。
あれだけ優しくて可愛がってくれていた祖父母の冷たい態度が、母を亡くしたばかりのユマをひどく打ちのめした。
「お姉様、大丈夫ですか?」
後ろから声をかけてくれたのは弟のオレノだった。
その横に立つバーバラも心配そうにユマを見ている。
「あなたのお爺様たちなのでしょう? あんなひどい・・・かわいそうなユマちゃん。私たちが側にいるわ、大丈夫よ」
ユマは大声で泣くと、バーバラ抱きついた。
母の死を聞き、父が不在だと知ったバーバラはすぐに駆けつけてくれていたのだ。
祖父母に突き放されたユマをバーバラは優しく抱きしめた。
そんな様子を使用人たちが冷ややかに見ていることに三人は気がつかなかった。
1,267
お気に入りに追加
3,255
あなたにおすすめの小説

私は、忠告を致しましたよ?
柚木ゆず
ファンタジー
ある日の、放課後のことでした。王立リザエンドワール学院に籍を置く私マリエスは、生徒会長を務められているジュリアルス侯爵令嬢ロマーヌ様に呼び出されました。
「生徒会の仲間である貴方様に、婚約祝いをお渡したくてこうしておりますの」
ロマーヌ様はそのように仰られていますが、そちらは嘘ですよね? 私は常に最愛の方に護っていただいているので、貴方様には悪意があると気付けるのですよ。
ロマーヌ様。まだ間に合います。
今なら、引き返せますよ?

断罪される一年前に時間を戻せたので、もう愛しません
天宮有
恋愛
侯爵令嬢の私ルリサは、元婚約者のゼノラス王子に断罪されて処刑が決まる。
私はゼノラスの命令を聞いていただけなのに、捨てられてしまったようだ。
処刑される前日、私は今まで試せなかった時間を戻す魔法を使う。
魔法は成功して一年前に戻ったから、私はゼノラスを許しません。

【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。

次代の希望 愛されなかった王太子妃の愛
Rj
恋愛
王子様と出会い結婚したグレイス侯爵令嬢はおとぎ話のように「幸せにくらしましたとさ」という結末を迎えられなかった。愛し合っていると思っていたアーサー王太子から結婚式の二日前に愛していないといわれ、表向きは仲睦まじい王太子夫妻だったがアーサーにはグレイス以外に愛する人がいた。次代の希望とよばれた王太子妃の物語。
全十二話。(全十一話で投稿したものに一話加えました。2/6変更)
大好きなあなたを忘れる方法
山田ランチ
恋愛
あらすじ
王子と婚約関係にある侯爵令嬢のメリベルは、訳あってずっと秘密の婚約者のままにされていた。学園へ入学してすぐ、メリベルの魔廻が(魔術を使う為の魔素を貯めておく器官)が限界を向かえようとしている事に気が付いた大魔術師は、魔廻を小さくする事を提案する。その方法は、魔素が好むという悲しい記憶を失くしていくものだった。悲しい記憶を引っ張り出しては消していくという日々を過ごすうち、徐々に王子との記憶を失くしていくメリベル。そんな中、魔廻を奪う謎の者達に大魔術師とメリベルが襲われてしまう。
魔廻を奪おうとする者達は何者なのか。王子との婚約が隠されている訳と、重大な秘密を抱える大魔術師の正体が、メリベルの記憶に導かれ、やがて世界の始まりへと繋がっていく。
登場人物
・メリベル・アークトュラス 17歳、アークトゥラス侯爵の一人娘。ジャスパーの婚約者。
・ジャスパー・オリオン 17歳、第一王子。メリベルの婚約者。
・イーライ 学園の園芸員。
クレイシー・クレリック 17歳、クレリック侯爵の一人娘。
・リーヴァイ・ブルーマー 18歳、ブルーマー子爵家の嫡男でジャスパーの側近。
・アイザック・スチュアート 17歳、スチュアート侯爵の嫡男でジャスパーの側近。
・ノア・ワード 18歳、ワード騎士団長の息子でジャスパーの従騎士。
・シア・ガイザー 17歳、ガイザー男爵の娘でメリベルの友人。
・マイロ 17歳、メリベルの友人。
魔素→世界に漂っている物質。触れれば精神を侵され、生き物は主に凶暴化し魔獣となる。
魔廻→体内にある魔廻(まかい)と呼ばれる器官、魔素を取り込み貯める事が出来る。魔術師はこの器官がある事が必須。
ソル神とルナ神→太陽と月の男女神が魔素で満ちた混沌の大地に現れ、世界を二つに分けて浄化した。ソル神は昼間を、ルナ神は夜を受け持った。

【完結】結婚前から愛人を囲う男の種などいりません!
つくも茄子
ファンタジー
伯爵令嬢のフアナは、結婚式の一ヶ月前に婚約者の恋人から「私達愛し合っているから婚約を破棄しろ」と怒鳴り込まれた。この赤毛の女性は誰?え?婚約者のジョアンの恋人?初耳です。ジョアンとは従兄妹同士の幼馴染。ジョアンの父親である侯爵はフアナの伯父でもあった。怒り心頭の伯父。されどフアナは夫に愛人がいても一向に構わない。というよりも、結婚一ヶ月前に破棄など常識に考えて無理である。無事に結婚は済ませたものの、夫は新妻を蔑ろにする。何か勘違いしているようですが、伯爵家の世継ぎは私から生まれた子供がなるんですよ?父親?別に書類上の夫である必要はありません。そんな、フアナに最高の「種」がやってきた。
他サイトにも公開中。

【完結】逃がすわけがないよね?
春風由実
恋愛
寝室の窓から逃げようとして捕まったシャーロット。
それは二人の結婚式の夜のことだった。
何故新妻であるシャーロットは窓から逃げようとしたのか。
理由を聞いたルーカスは決断する。
「もうあの家、いらないよね?」
※完結まで作成済み。短いです。
※ちょこっとホラー?いいえ恋愛話です。
※カクヨムにも掲載。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる