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プロローグ
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「お母様! 私です、ユマです!」
私は、柵の向こう側にいるお母様に一生懸命呼びかけた。
少し離れたところにいるお母様にやっと声が届き、こちらを振り向いてくれた。
気がついてくれたことが嬉しくて、思わず笑顔になって大きく手を振った。
それなのに——側にいたメイドから何かを耳打ちされたお母さまは眉を顰め、汚い者でも見るような目で私を見た。そして小さな男の子を慌てて抱えた母は二人の護衛に守られるようにして屋敷の方へと戻っていった。
「お母様⁉ 行かないで! 許して! ユマよ⁉ お母様なのでしょう⁉ ねえってば!!」
昔お母様をひどく傷つけた私の必至の訴えにお母様は振り向くことはなかった。
過ぎたる日、愚かな私はお母様に冷たくし、ひどい態度をとっていた。そんな私の事などもう娘などと思いたくないのだろう。
今、どれだけひどく後悔して反省して、どんなにお母さまの事を愛してももうお母様は振り向いてくださらなかった。
高位貴族の屋敷でこんな騒ぎを起こした私は駆けつけてきた騎士に捕まったのだった。
私は、柵の向こう側にいるお母様に一生懸命呼びかけた。
少し離れたところにいるお母様にやっと声が届き、こちらを振り向いてくれた。
気がついてくれたことが嬉しくて、思わず笑顔になって大きく手を振った。
それなのに——側にいたメイドから何かを耳打ちされたお母さまは眉を顰め、汚い者でも見るような目で私を見た。そして小さな男の子を慌てて抱えた母は二人の護衛に守られるようにして屋敷の方へと戻っていった。
「お母様⁉ 行かないで! 許して! ユマよ⁉ お母様なのでしょう⁉ ねえってば!!」
昔お母様をひどく傷つけた私の必至の訴えにお母様は振り向くことはなかった。
過ぎたる日、愚かな私はお母様に冷たくし、ひどい態度をとっていた。そんな私の事などもう娘などと思いたくないのだろう。
今、どれだけひどく後悔して反省して、どんなにお母さまの事を愛してももうお母様は振り向いてくださらなかった。
高位貴族の屋敷でこんな騒ぎを起こした私は駆けつけてきた騎士に捕まったのだった。
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