攻略本片手に異世界へ 〜モブは、 神様の義祖母 〜

出汁の素

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幼女編

第4話 初めての鑑定

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「おとーさん。ただいまー。」

夕方近くになり、迷宮帰りの冒険者で賑いはじめた店先で大きな声で、お父さんに挨拶をした。
「おー。どうだった。」
「忙しそうだから、後で話すね。上に上がっているね。」
「わかった。」
「あなた、私は、手伝いに入りますね」
「頼む。」

私は、母を置いて上の階に登って行った。
「お帰り~」

まず、迎えてくれたのはハーバードお兄ちゃんだった。迷宮帰りで、シャワーを浴びて、くつろいだ感じだった
「ただいま~」
「どうだった~」

いつもの様に、二枚目感を漂わせて私に近づいてきた。
このお兄ちゃんは、ゲームにも出てくるキャラクターでもある。帝国中央学院に平民ながら入学し、卒業後、帝国中央学院の研究所で上級研究員となり、特に平民入学者のケアを含めた講師として出てきた。帝国中央学院の卒業生としては、本来国の幹部候補として軍、政府に就職していくのだが、帝国中央学院の学生時代に迷宮攻略時に事故に巻き込まれ大怪我を負いその後遺症で膝を引きずる事となり、研究員となった経緯がある。普通の傷なら魔法や魔法薬で治るのだが、何故か複雑な呪いにもかかっており治らず。自分の呪いを解呪する為に、呪術の研究に没頭していた。また、商会の手伝いもしており、迷宮冒険のアドバイスをしてくれたりもする、お助けキャラ的な部分もある。
「それがね~。聞いて聞いて。」
「ジェシカ~お帰り」

私の声を聞いて姉達も降りてきた。
「みんな、見てみて~」

私は、ステータスの魔法を唱えて、ステータスウィンドウを回転させた。

----------------------------
名前 ジェシカ
種族 人族
加護 グランデ
神具 鑑定板(カグラ)
ステータス 
・・・・
----------------------------

「えー、ジェシカのステータスってフツー」
「そこー?」

ジェシーお姉ちゃんのボケがさく裂している。
「グランデ様の加護に、鑑定板ですね。鑑定板はうちの商売に相当プラスになりますね。しかも、グランデ様の加護って、凄いですね。」

アイルお兄ちゃんが淡々という後ろで、
「ジェシカ、なんでグランデ様の加護があるんだよ・・・。なんで俺じぇねんんだよ。」

と言って、ダイアンお兄ちゃんが上の階に走って行ってしまった。
「ダイアン!」

ハーバードお兄ちゃんが、ダイアンお兄ちゃんを追って行った。
「まぁまぁ、しょうがない子ね。気持ちはわからないでもないですけどね。」
「でも、ダイアンお兄ちゃんに伝えないといけないことがあるんです。」
「なんなの?」
「それは、お母さんにも言っていないだけど、」

ジェシーお姉ちゃんは、私をゆっくり見て
「わかったは、一緒に追いましょう。」

私達は、上の階に登り、部屋のベットにふて寝しているダイアンお兄ちゃんの所に行った。
「ダイアンふて寝していないで、妹の洗礼を祝ってあげろよ」

ハーバードお兄ちゃんは私の為に、ダイアンお兄ちゃんに怒っていた。
「ハーバードお兄ちゃんちょっとまって」
「なんだい、ジェシカ」
「ダイアンお兄ちゃんに、伝えないといけないことがあるの。」

ダイアンお兄ちゃんは、無言で答えなかった。
「お兄ちゃん。私、洗礼の時に神託を受けたみたいなの。実は、司祭様にも伝えてないんだけど、グランデ様に言われたことがあるの。」
「………」
「聞くだけ聞いてね。私の貰った加護は、神像を作るためのものなの。私が頑張って神像をくつって、神様が納得した出来でできると、神殿の神像と同じ効果があるの、そしてその神像が出来た時まで、ダイアンお兄ちゃんが、鍛冶師になる為の努力をしていれば、ダイアンお兄ちゃんに加護を与えてくれるそうなの。私だけでなく、お兄ちゃんに与えた試練だって。私良くわからないだけど、神様に言われたから、神像作り頑張るから、お兄ちゃんも寝てないで、鍛冶師を目指して頑張ってね。」

私は適当な事を言ったが、ダイアンお兄ちゃんもまだ子供、適当な事とは気づかず、希望が見えたのか、ベットからすくっと起きて、私の手をつかみ、目を見て
「ジェシカ、おめでとう。一緒に頑張ろうな。」

と言ったや否や、目をキラキラさせて、部屋から出て行った。
「単純~」
「そうだな。」
「そうね」

ハーバードお兄ちゃんとジェシーお姉ちゃんと三人であきれて見合ってしまった。
「ダイアンお兄ちゃんの事は片付いたので、鑑定板を使って鑑定してみようよ。」
「そうだね。ジェシカ、どんどん使ってレベルを上げないとね。」
「まず、出して見せて。」

私は、ダイニングに戻り鑑定版を出してみんなに見せた。
「木の板ね。」
「木の板だね。」
「木の板。」

3人は同じ感想だった。
「うーっと、とりあえず。何を鑑定してみる。」
「これなんかどうかな?」

と言って、ハーバードお兄ちゃんは、宝石の様にキラキラした石を取り出した。
「今日迷宮からとってきた魔石の一番大きいのだ。みたら、何がわかるんだろう」

私は、ハーバードお兄ちゃんの出した魔石に鑑定板を向けてみた。皆には板にしか見えないけど、私には、枠以外は透けて見えていて、上に、鑑定板モードと、攻略本モードの2つのボタンがある。鑑定板モードのボタンを押して、魔石を中心に合わせ、透けている画面の中央下にある、鑑定ボタンを押してみた。

パシャ

カメラのシャッター音みたいの音が聞こえると、画面に情報が記載された。
----------------------------
鑑定レベル1
名前 無属性魔石
種類 魔石
効果 魔力の蓄積(レベル7)
レア度 6
備考
----------------------------

「鑑定レベル1 名前 無属性魔石 種類 魔石 効果 魔力の蓄積(レベル7) レア度 6 備考は何も記載なし だったわ。」
「そうなの・・・・・。」
「って、ジェシカ文字読めるの?」

やばい、読んでしまった。3歳児に読めるわけないのに。ジェシーお姉ちゃんすんなり受け入れてくれたが、アイルお兄ちゃんは、私が文字を読んだのに疑問を持った。
「うーん。なんかわからないけど。わかったの。意味は分からないけど、カグラ様のだから。」
「そうだよね。カグラ様だし。」

カグラ様って何なの?
「無属性魔石で、レベル7か、6階でとれるレベルじゃなくないですか、ハーバード」
「いや、ジェシー。行ったら、ロックゴーレムが現れて、頑張って何とか倒したんだ・・・。やばかった。」
「ロックゴーレムって、12階層の魔物じゃない。どうしたの?」
「わからないけど、急に現れたんだ。僕が1人の時だと、偶にハイレベルの魔物が出てくるんだけどどうしてだろう。」

お兄ちゃん誰かに嵌められてないか?平民で優秀だと命を狙われることがあるみたいだけど、結構ひどい嫌がらせだし、それを普通に切り返すお兄ちゃんて・・・。
「他に何を取ってきたの、見せて。」
「わかったよ。ちょっとまって。」

気を取り直して、ハーバードお兄ちゃんが、次々と、今日取ってきたのものを出してくれた。私は片っ端から鑑定し、アイルお兄ちゃんが、メモっていく。

魔石42個が終わり、薬草に移った。

----------------------------
鑑定レベル1
名前 口有り草
種類 薬草
効果 ポーション素材(レベル1)
レア度 1
品質 普通
備考
----------------------------
花が口の様な形をした草だ。ポーションつまり、傷を治す薬の原料になる。
何となくポーションを押してみると、

----------------------------
素材が足りないため作れません。
素材を保管しますか?
  YES
  NO
----------------------------
??素材を保管できるって??ここは、・・・っていけないいけない。NOっと

「ジェシカどうした?」
「いえ、ちょっと疲れちゃって。もう少し待ってね。」
「そうか。無理するなよ。」
「大丈夫よ。」

アイルお兄ちゃんが気づかってくれる。
次に品質を押してみた。
----------------------------
神聖魔法で品質を高めますか?
  YES
  NO
----------------------------
えっ?神聖魔法?そうか、グリーン様の神聖魔法・・・。使ってみたいな・・・みたい。YES・・・押しちゃった。
と押した瞬間、体の力を一気に吸い取られた感じだ。意識が・・・・。何とか踏ん張って、鑑定板を見ると、
----------------------------
鑑定レベル1
名前 口有り草
種類 薬草
効果 ポーション素材(レベル1)
レア度 1
品質 最高
備考
----------------------------
品質が最高になっていた。私は頑張って
「名前 口有り草 種類 薬草 効果 ポーション素材(レベル1) レア度 1 品質 最高」
「へっ、品質最高・・・・。お兄ちゃん凄いじゃん。ポーションにしたら良いのが出来るだろうね。」

アイルお兄ちゃんは驚き、ハーバードお兄ちゃんびっくりしている。
「お兄ちゃんたち、少し疲れたから、お昼寝していい?もうすぐお夕飯だからお夕飯まで・・・・。」

「あっ、すまん。疲れたよな・・。今日は洗礼にも行ってきたし。鑑定板とはいえ魔法の負荷はかかるからな。僕が魔法で鑑定をやったらせいぜい1日50回が限度、ジェシカだと、まだ1回やったら倒れちゃうレベルだもんな。鑑定板を使ってるとはいえ、初めての魔法は、相当な負荷だろう。お夕飯に起こすから部屋で寝てきなさい。」
「ありがとう・・・。」
私は頑張ってベットまで行き、お夕飯まで寝た。
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