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第四章 いくさ
第7話 セイレーン滅亡へのカウントダウン
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「兄上、以上から、ルクサンド城は陥落しました。」
「そうか・・・。魔王軍か・・・。」
幕僚会議は、沈痛な空気が流れた、
「はい、兄上・・・・。」
悔しさを前面に現し、アリシアは、セイレーン公爵を見据えた
「アリシアには、ルクサンド側のセイレーン外縁城壁の防衛任務を任す。」
「はっ、」
アリシアは、任務を受け、臣下の列に戻った。
「あと、リートリット様と、ガーブ様をお連れしろ。」
「はい。」
「2時間後に、お二人のご意見をお聞きする会議を開く、それまで次の戦いの準備をしろ。」
「はい。」
武官は、全員敬礼し、文官は、頭を下げ、会議室を出ていった。
「やばいかもな・・・・。」
セイレーン公爵はポツリと呟いた。
セイレーン公爵軍の内、アリシアの軍以外は、前線での戦いを続けている。2時間毎報告が上がっているが、悪魔の出現の報告は無かった。戦力的には有利な筈のセイレーン公爵軍であったが、基本的に防衛戦を大規模で行っている為、全体として一進一退の状況となっていた。
「リートリット様、ガーブ様、魔王軍が出現しました。」
「魔王軍ですか・・・。少し前に聞いた名前ですね。」
「リートリット、どこでじゃ。」
「ハイエルンを攻められて、アレックスという少年に助けられた。」
「そうか、アレックスか、あ奴はな・・・・。」
「そうですね・・・。」
その話を聞いて、セイレーン公爵は、ふとした疑問をぶつけてみた。
「アレックスが倒したのは?」
「従魔戦団ゼビール子爵。従魔戦団で大型魔物を最大3体まで召喚可能な子爵級の悪魔です。」
アリシアは、理解できなかった。
「最大3体で子爵級?」
「そうです。従魔戦団は、魔獣を召喚して使役する悪魔の軍団です。たしか、最大1体で男爵級。最大3体で子爵級。最大5体で伯爵級。最大7体で侯爵級。最大10体で公爵級。ですかね。騎士級は中型まででしたね。」
「では、500体の巨大魔獣が襲って来たって、」
「まぁ、悪魔ベースでは、1000から1500位ですかね。その位あるなら他の軍団も出来てるでしょう。」
セイレーン公爵は驚愕した、ただでさえ従魔戦団だけでも厳しいのに、他にもいることに恐怖した。
「他の軍団?」
「死霊軍団、金剛軍団、極魔軍団、水魔軍団、天魔戦団は、夜魔戦団、氷炎戦団に従魔戦団の8軍団です。」
「8倍の戦力ですか?」
「いえ、怖いのは、戦闘魔族で構成されている金剛軍団、魔導士魔族で構成されている極魔軍団、大型魔獣を使役する従魔戦団です。後、島国では水魔軍団が圧倒的な能力を持ちますが、陸地では、他の軍団と変わりません。格としては死霊軍団も強いですが、浄化に極めて弱いのが弱点で、殺したものを使役出来る強みはありますが、セイレーンの人達は大抵洗礼を受けているので、死んでも死霊軍団の手先にならなりません。魔獣も使役出来ないので、大したことないでしょう。天魔軍団は、いい意味でも悪い意味でも羽の生えた悪魔です。機動力はあり、攻城戦は強いですが、直接的な戦力としては一番弱く、森等では、羽が邪魔になります。夜魔軍団は、バンパイヤや、夢魔等夜行性の魔族の軍団で、昼間は寝ていて、寝るのに棺桶等を運ばないと行けないので、使い勝手が悪いですが、嵌れば強いです。まあ、太陽石等の魔導具を持っていれば怖くないでしょう。氷炎戦団は、馬鹿です。腕っ節は、金剛軍団に続く程ですが、馬鹿なので、トラップに弱いです。体が炎の悪魔と、氷の悪魔、半分半分の悪魔がいますが、炎は、熱血馬鹿で、氷は、厨二病勘違いクール馬鹿で、半分半分はお調子者馬鹿です。」
流石、魔王軍との戦争を生きてきたハイエルフは、詳しく、実感が篭ったものだった。
「つまり、従魔戦団だけでなく、金剛軍団、極魔軍団に気をつけ無いといけないと。」
「そうですね。後一番気をつけないといけないのは、魔王。」
「魔王。」
魔王軍なので当然魔王はいるが、改めて、魔王と聞くと、どこまで強いか想像がつかなかった。
「そう、悪魔の王、魔王軍のトップとなれる種族です。各軍1000~1500程度だとすると、1人、多くても2人。」
「1人なら、まだしも2人も居たらしんどいですか?どのくらい強いんですか?」
「魔王族は生粋の戦闘民族。戦力は、一軍団に匹敵すると言われています。私は、直接対峙したわけでは無いで、実際のところはわかりません。ガイア殿は、わかりますか?」
「わしか、当時前線で戦ったからのう。基本的に、魔王では、殆どの武器では傷一つ与えられない。伯爵以上の魔族には、破邪の石は効かんから、当然魔王には効かん。それに加えて、力は金剛軍団の公爵以上、魔法は極魔軍団の公爵以上の力を持つ。恐ろしいわい。」
それは人では倒せないってことですか?と、セイレーン公爵は、心で叫んだ。
「ではどうやって倒したんですか?」
「ここ何百年も手に入った話を聞いたことが無い、伝説とも言われる鉱石、神鉱石製の武具か、神ショップで売っている武具でないとな。」
「神ショップ?」
変な言葉が出てきた。ショップって、しかも神の?
「神ショップ。知らんか。」
「知りません。」
「私も。」
セイレーン公爵は、知るか~と、叫びたかった。ガイアのデカイ顔がよりデカく見えていた。
「神ショップは、何処かの迷宮の深くにある、異世界の神が作りし商店で、色々な異世界の物が売っていると言われている。当時の各神族の英雄達が魔王の中の魔王である大魔王を倒す武具等をここで手に入れたと聞いた事がある。」
「そうですか。何処にあるかご存知無いですか?」
「知らん。」
知らんのか、デカイ顔してと、ツッコミたい気持ちを、セイレーン公爵は、ぐっと抑えた。
「そうですか。」
「ガイア殿、その武具を扱ってたのって、超人族の英雄の一人、アハトヌ・ムケ・セビルーン様では?」
「多分その筈じゃ。」
リートリット様のフォローで、何とか糸口が出てきたが、アハトヌ・ムケ・セビルーン様って何処かで聞いたな?とセイレーン公爵は、思い出そうと頑張ったが、
「であれば、アハトヌ・ムケ・セビルーン様は、セイレーン公爵家の祖で、食べ物が喉に詰まって亡くなったとされる方だ。」
「え、喉詰まりで。」
セイレーン公爵は、思わず言ってしまった。英雄殺すにゃ武器は入らぬ、粘こい餅を食わせりゃいいと言うことわざが、実は古事成語だと、初めて知った。
「そうだが。問題はそこでは無い。」
「セイレーンの過去の伝承、資料を漁り、神ショップらしいものが何処にあったかのヒントを探すしかないでしょう。」
セイレーン公爵は、2人に嗜められた。
「ワシらも、セイレーン図書館に籠ろう。お主らでは読めない文字の資料もあるだろうからな。な。」
「はい、私も魔王か敵であれば手伝いましょう。時間はありません。魔族の機動力は、天魔軍団以外は人より若干遅いくらいです。セイレーンが持つか、見つけるのが早いか勝負です。頑張りましょう。」
「よろしくお願い申し上げます。」
セイレーン公爵は、2人に頭を下げ、部下達に指示を出した。
「皆の者、今すぐ、伝承、歴史資料をセイレーン図書館に集め、史学の素養がある、文官、学者、教師をセイレーン図書館に集結させよ。スピード勝負だ、多少金が掛かろうが、文句を言われようが気にするな。かかれ。」
「「「「「「はっ。」」」」」」
そう言って、武官、文官が出て行った後、1人残った公爵は一言呟いた。
「実質は魔王がセイレーンにつくまでの勝負か、魔王が早いか、武具を手に入れるのが早いか、これを滅亡へのカウントダウンというのかな?」
と、苦笑いを浮かべた。
この時、この会議に出ている全ての人は知らないことがあった。アクア工房では、神鉱石製の武具を製造していたと言うことを。また、武具があったとて、まともにやりあえる保証が無いと言うことも頭に無かった。
それから5日後、
ドカーン
高速馬車道路セイレーン駅建物が、大きな音立てて崩壊した。
「グハハハハ。威力偵察を任された、この従魔戦団、リドーメ伯爵様にとっては、このくらいの砦秒殺だよな。グハハハハ。」
「そうですよね伯爵、よっ、戦団一の色男。」
「流石ですわ、伯爵様。」
配下の悪魔達が一生懸命にヨイショをしている。
「グハハハハ」
召喚魔獣を使い、次々と施設を壊し、悪魔達の高笑いが響いている。
「何が、」
そこに、アリシア達が駆けつけてきた。周辺で一番近くにいたから駆けつけたのだが、メンバーは、それ程強いものではなかった。
「グハハハハ、人どもが、一緒にやっつけてくれるわ。」
そう言って、大型魔獣が7体、中型魔獣20体がアリシアさん達を襲った。
「くっ、帝級水魔法 ウォーターニードレイン」
アリシアが持つ最強の魔法を放ったが、アリアやスノーと違い基礎能力の底上げをしていない為、決定的なダメージを与えられなかった。
「アリシア様お逃げ下さい。我々が食い止めます。」
「王子の為に、アリシア様は、」
部下達は、アリシアの前を固めるが、先陣を切ってきた、小型のドラゴンや、ゴーレム、フェンリル達の圧倒に強い魔獣達の前に、押し切られそうになっていた。
キー
遠くの方から、すごいブレーキの音が響き、目の前に2本の炎の柱が立った
「帝級火魔法 ニブルヘイム」
「帝級火魔法 ニブルヘイム」
と同時に、二発のニブルヘイムが放たれた声が聞こえた。炎の柱を抜けて、6体の素早い魔獣が突っ込んできて、目の前の魔獣達を大小関係なく殲滅していく。6体の魔獣、フル装備のゴーレム、スケルトン、ゴブリン、スライム、ウサギ、火人、それぞれが戦略的戦術的意図を把握し、効率的に動いていた。
殲滅が終わった頃、奥の方から、4人の若者が歩いてきた。
「ただいま戻りました。叔母様。」
そこに立っていたのは、アリア、スノー、アレックス、ロッシの四人だった。
「そうか・・・。魔王軍か・・・。」
幕僚会議は、沈痛な空気が流れた、
「はい、兄上・・・・。」
悔しさを前面に現し、アリシアは、セイレーン公爵を見据えた
「アリシアには、ルクサンド側のセイレーン外縁城壁の防衛任務を任す。」
「はっ、」
アリシアは、任務を受け、臣下の列に戻った。
「あと、リートリット様と、ガーブ様をお連れしろ。」
「はい。」
「2時間後に、お二人のご意見をお聞きする会議を開く、それまで次の戦いの準備をしろ。」
「はい。」
武官は、全員敬礼し、文官は、頭を下げ、会議室を出ていった。
「やばいかもな・・・・。」
セイレーン公爵はポツリと呟いた。
セイレーン公爵軍の内、アリシアの軍以外は、前線での戦いを続けている。2時間毎報告が上がっているが、悪魔の出現の報告は無かった。戦力的には有利な筈のセイレーン公爵軍であったが、基本的に防衛戦を大規模で行っている為、全体として一進一退の状況となっていた。
「リートリット様、ガーブ様、魔王軍が出現しました。」
「魔王軍ですか・・・。少し前に聞いた名前ですね。」
「リートリット、どこでじゃ。」
「ハイエルンを攻められて、アレックスという少年に助けられた。」
「そうか、アレックスか、あ奴はな・・・・。」
「そうですね・・・。」
その話を聞いて、セイレーン公爵は、ふとした疑問をぶつけてみた。
「アレックスが倒したのは?」
「従魔戦団ゼビール子爵。従魔戦団で大型魔物を最大3体まで召喚可能な子爵級の悪魔です。」
アリシアは、理解できなかった。
「最大3体で子爵級?」
「そうです。従魔戦団は、魔獣を召喚して使役する悪魔の軍団です。たしか、最大1体で男爵級。最大3体で子爵級。最大5体で伯爵級。最大7体で侯爵級。最大10体で公爵級。ですかね。騎士級は中型まででしたね。」
「では、500体の巨大魔獣が襲って来たって、」
「まぁ、悪魔ベースでは、1000から1500位ですかね。その位あるなら他の軍団も出来てるでしょう。」
セイレーン公爵は驚愕した、ただでさえ従魔戦団だけでも厳しいのに、他にもいることに恐怖した。
「他の軍団?」
「死霊軍団、金剛軍団、極魔軍団、水魔軍団、天魔戦団は、夜魔戦団、氷炎戦団に従魔戦団の8軍団です。」
「8倍の戦力ですか?」
「いえ、怖いのは、戦闘魔族で構成されている金剛軍団、魔導士魔族で構成されている極魔軍団、大型魔獣を使役する従魔戦団です。後、島国では水魔軍団が圧倒的な能力を持ちますが、陸地では、他の軍団と変わりません。格としては死霊軍団も強いですが、浄化に極めて弱いのが弱点で、殺したものを使役出来る強みはありますが、セイレーンの人達は大抵洗礼を受けているので、死んでも死霊軍団の手先にならなりません。魔獣も使役出来ないので、大したことないでしょう。天魔軍団は、いい意味でも悪い意味でも羽の生えた悪魔です。機動力はあり、攻城戦は強いですが、直接的な戦力としては一番弱く、森等では、羽が邪魔になります。夜魔軍団は、バンパイヤや、夢魔等夜行性の魔族の軍団で、昼間は寝ていて、寝るのに棺桶等を運ばないと行けないので、使い勝手が悪いですが、嵌れば強いです。まあ、太陽石等の魔導具を持っていれば怖くないでしょう。氷炎戦団は、馬鹿です。腕っ節は、金剛軍団に続く程ですが、馬鹿なので、トラップに弱いです。体が炎の悪魔と、氷の悪魔、半分半分の悪魔がいますが、炎は、熱血馬鹿で、氷は、厨二病勘違いクール馬鹿で、半分半分はお調子者馬鹿です。」
流石、魔王軍との戦争を生きてきたハイエルフは、詳しく、実感が篭ったものだった。
「つまり、従魔戦団だけでなく、金剛軍団、極魔軍団に気をつけ無いといけないと。」
「そうですね。後一番気をつけないといけないのは、魔王。」
「魔王。」
魔王軍なので当然魔王はいるが、改めて、魔王と聞くと、どこまで強いか想像がつかなかった。
「そう、悪魔の王、魔王軍のトップとなれる種族です。各軍1000~1500程度だとすると、1人、多くても2人。」
「1人なら、まだしも2人も居たらしんどいですか?どのくらい強いんですか?」
「魔王族は生粋の戦闘民族。戦力は、一軍団に匹敵すると言われています。私は、直接対峙したわけでは無いで、実際のところはわかりません。ガイア殿は、わかりますか?」
「わしか、当時前線で戦ったからのう。基本的に、魔王では、殆どの武器では傷一つ与えられない。伯爵以上の魔族には、破邪の石は効かんから、当然魔王には効かん。それに加えて、力は金剛軍団の公爵以上、魔法は極魔軍団の公爵以上の力を持つ。恐ろしいわい。」
それは人では倒せないってことですか?と、セイレーン公爵は、心で叫んだ。
「ではどうやって倒したんですか?」
「ここ何百年も手に入った話を聞いたことが無い、伝説とも言われる鉱石、神鉱石製の武具か、神ショップで売っている武具でないとな。」
「神ショップ?」
変な言葉が出てきた。ショップって、しかも神の?
「神ショップ。知らんか。」
「知りません。」
「私も。」
セイレーン公爵は、知るか~と、叫びたかった。ガイアのデカイ顔がよりデカく見えていた。
「神ショップは、何処かの迷宮の深くにある、異世界の神が作りし商店で、色々な異世界の物が売っていると言われている。当時の各神族の英雄達が魔王の中の魔王である大魔王を倒す武具等をここで手に入れたと聞いた事がある。」
「そうですか。何処にあるかご存知無いですか?」
「知らん。」
知らんのか、デカイ顔してと、ツッコミたい気持ちを、セイレーン公爵は、ぐっと抑えた。
「そうですか。」
「ガイア殿、その武具を扱ってたのって、超人族の英雄の一人、アハトヌ・ムケ・セビルーン様では?」
「多分その筈じゃ。」
リートリット様のフォローで、何とか糸口が出てきたが、アハトヌ・ムケ・セビルーン様って何処かで聞いたな?とセイレーン公爵は、思い出そうと頑張ったが、
「であれば、アハトヌ・ムケ・セビルーン様は、セイレーン公爵家の祖で、食べ物が喉に詰まって亡くなったとされる方だ。」
「え、喉詰まりで。」
セイレーン公爵は、思わず言ってしまった。英雄殺すにゃ武器は入らぬ、粘こい餅を食わせりゃいいと言うことわざが、実は古事成語だと、初めて知った。
「そうだが。問題はそこでは無い。」
「セイレーンの過去の伝承、資料を漁り、神ショップらしいものが何処にあったかのヒントを探すしかないでしょう。」
セイレーン公爵は、2人に嗜められた。
「ワシらも、セイレーン図書館に籠ろう。お主らでは読めない文字の資料もあるだろうからな。な。」
「はい、私も魔王か敵であれば手伝いましょう。時間はありません。魔族の機動力は、天魔軍団以外は人より若干遅いくらいです。セイレーンが持つか、見つけるのが早いか勝負です。頑張りましょう。」
「よろしくお願い申し上げます。」
セイレーン公爵は、2人に頭を下げ、部下達に指示を出した。
「皆の者、今すぐ、伝承、歴史資料をセイレーン図書館に集め、史学の素養がある、文官、学者、教師をセイレーン図書館に集結させよ。スピード勝負だ、多少金が掛かろうが、文句を言われようが気にするな。かかれ。」
「「「「「「はっ。」」」」」」
そう言って、武官、文官が出て行った後、1人残った公爵は一言呟いた。
「実質は魔王がセイレーンにつくまでの勝負か、魔王が早いか、武具を手に入れるのが早いか、これを滅亡へのカウントダウンというのかな?」
と、苦笑いを浮かべた。
この時、この会議に出ている全ての人は知らないことがあった。アクア工房では、神鉱石製の武具を製造していたと言うことを。また、武具があったとて、まともにやりあえる保証が無いと言うことも頭に無かった。
それから5日後、
ドカーン
高速馬車道路セイレーン駅建物が、大きな音立てて崩壊した。
「グハハハハ。威力偵察を任された、この従魔戦団、リドーメ伯爵様にとっては、このくらいの砦秒殺だよな。グハハハハ。」
「そうですよね伯爵、よっ、戦団一の色男。」
「流石ですわ、伯爵様。」
配下の悪魔達が一生懸命にヨイショをしている。
「グハハハハ」
召喚魔獣を使い、次々と施設を壊し、悪魔達の高笑いが響いている。
「何が、」
そこに、アリシア達が駆けつけてきた。周辺で一番近くにいたから駆けつけたのだが、メンバーは、それ程強いものではなかった。
「グハハハハ、人どもが、一緒にやっつけてくれるわ。」
そう言って、大型魔獣が7体、中型魔獣20体がアリシアさん達を襲った。
「くっ、帝級水魔法 ウォーターニードレイン」
アリシアが持つ最強の魔法を放ったが、アリアやスノーと違い基礎能力の底上げをしていない為、決定的なダメージを与えられなかった。
「アリシア様お逃げ下さい。我々が食い止めます。」
「王子の為に、アリシア様は、」
部下達は、アリシアの前を固めるが、先陣を切ってきた、小型のドラゴンや、ゴーレム、フェンリル達の圧倒に強い魔獣達の前に、押し切られそうになっていた。
キー
遠くの方から、すごいブレーキの音が響き、目の前に2本の炎の柱が立った
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と同時に、二発のニブルヘイムが放たれた声が聞こえた。炎の柱を抜けて、6体の素早い魔獣が突っ込んできて、目の前の魔獣達を大小関係なく殲滅していく。6体の魔獣、フル装備のゴーレム、スケルトン、ゴブリン、スライム、ウサギ、火人、それぞれが戦略的戦術的意図を把握し、効率的に動いていた。
殲滅が終わった頃、奥の方から、4人の若者が歩いてきた。
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