ドロップキング 〜 平均的な才能の冒険者ですが、ドロップアイテムが異常です。 〜

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第三章 アリア

第17話 セイレーンホーム襲撃

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「王子、本当にセイレーンホームに行かれるんですか?」
「当たり前だザハシュ。俺は、ベルファーストの王子だ。お前もあの開通式を知っているだろう。」
「そうですが、王子は、帝都にチャラ男として遊びにきてたのでは?」
「馬鹿か、そんなことをして、国に迷惑かけるわけにはいかないだろ。帝国の頭空っぽの貴族から情報を抜くためだ。問題になる関係にはなっていない。セイレーン公爵令嬢は、そんな軽くあしらえる相手ではない。どちらに転がろうが、誠実にやらないと、大怪我では済まない。お前達、絶対に粗相をするなよ。」
「「「「「「はっ」」」」」」

 俺は、放課後、アリア嬢が生徒会の仕事が終わり、セイレーンホームに戻った頃を見計らって、ベルファーストから留学している者達を連れてセイレーンホームに向かった。



「ベルファースト王国王子殿下がいらっしゃいました。」
「ありがとう。」

 私は、ロッシュ先輩がいらしたことを聞いて、3階から2階の応接間に降りていった。

「ロシュフォール様、ようこそいらっしゃいました。ご学友の方々もゆっくりされて下さい。」
「ありがとう。みんな、そんなに緊張しなくても大丈夫だぞ。」
「「「「「「はっ」」」」」」
「そこだよ。」
「まぁ。」

 と、私と、ロッシュ先輩が笑い出すと、少しづつ緊張が溶けてきたのか、笑い出した。

「で、アリア様は、こんな無防備で大丈夫何ですか?もし、私達が貴方を暗殺しようとしていたら。」

 笑いが治り、真剣に私を見つめると、私は思わず大笑いをしてしまった。

「なんと、」

 と驚いているロッシュ先輩に説明をした。

「私も一応は、冒険者ですわ。スノーに連れてかれて、10階くらいの迷宮主位、ソロで倒せる位の腕はあります。先週も、アレックスと2人で、マフィアと戦った時も、私だけで、何十人と倒しましたし。学生剣士が簡単に殺せる程柔な女じゃありませんことよ。」
「マフィアを何十人も。」
「はい。」

 私が笑顔で返すと、ロッシュ先輩は明らかに引いていた。

「セイレーン公爵家、所謂四大公爵家の令嬢をやっていると、暗殺者に狙われることがよくあるの、目の前で、人の死を見てきたし、私も何度となく身を守る為に戦ったわ。強くないと、四大公爵家の令嬢なんてやってやれないわよ。イフリート公爵令嬢も、あんな感じですが、火魔法の魔導師としては一流ですし、剣の腕もそれなりでしょう。バルザック王国王太子と比べても、比較にならない程強いですわよ。」
「そうなんですか。」
「彼女は、そんなそぶり一切見せないでしょうね。弱さは女性の武器と思っているでしょうから。」

 まずいです。少しかましちゃいました。カッコつけて良いことはありません。恥ずかしいなって、立ち上がり、窓の外を眺めると、

「ロシュフォール様、すみません。またお話が出来なくなった様です。先輩は、シェルターに隠れますか?それとも戦いますか?」
「へ?」

 そう言って、ロッシュ先輩達が窓際に寄ってきた。窓の外、迷宮がある方向から、百人近くの冒険者の格好をした厳つい者達がゆっくりとこちらに進んでいる。迷宮のサポート名義で人を入れたんだろう。リスクを負ってでもセイレーンを潰しに来たということか。多分他の報告からも来ているだろうが

「イフリートですか。」
「多分、どうされます?」
「武器をお貸し頂けば戦いましょう。ここで逃げたら、王位継承の芽は無くなりますから。そんな親ですので。」
「わかりました。部下に武器庫に案内させましょう。」

 トントントン

「はい。」

 扉を開けると、ザ騎士って感じの男が入ってきた。

「お嬢様。敵襲です。三重結界を貼りましたので、多少は持つかも思いますがお早めにご準備を。皆準備を初めております。」
「わかりました。」

 呼びに来たのは、騎士学校でも、有名人、4年生次席の騎士見習い、バーライト・ナイトザン騎士爵家公子だった。セイレーンの真面目君と呼ばれている男だった。バッチリフル装備をしている。騎士学校の中では人気が高く、ベルファーストの騎士学校の生徒達は、憧れての目で見ている。

「バーライトさん。ベルファーストの方々を武器庫に、一緒に戦って頂けるそうなので、」
「そうですが、ルービモント殿、レッシュルー殿、ラーベランダ殿、シーウリス殿は剣で、シラーヌー殿は槍、サイモンド殿は弓でよろしいなか?」
「え?バーライトさん、騎士学校の学生全て覚えているの?」
「はい、父から部下、戦友の癖を覚えないと、戦いでは上手い戦いが出来ないと、名前や癖は全て覚える癖が着いてます。殿下は戦いを見たことが無いのでわかりませんが。」

「セイレーンすげー。」

 レッシュルーと呼ばれた男がポツリと話し、周りの男達も激しく頷いた。

「急ぐので、皆さん行きますよ。ロシュフォール様も一緒に行ってください。」
「わかりました。」

 ロッシュ先輩が部屋から出て行くと、私は部屋に戻り、装備を整えた。外では、結界を破ろうと、魔法や、武器での攻撃により、轟音が鳴り響き、煙がたっている。
 こんな派手にやったら、警備隊が来るのはそう遅くない。諸々戦力として集まるのは20分程度。襲撃から5分も掛からずに殲滅し、撤退する手筈だっただろう。こんな軍事仕様の結界なんて想定外のはず。敵の戦力なら、結界が保って後2分ってところ、結構厳しそう、ロッシュ先輩に悪いことしたなと思いつつ、下に降りていった。

「お嬢様、展開は終了しております。お嬢様の警護は、私の他5名。他は2隊に分かれてそれぞれの門に向かいました。」
「ありがとう、バーライトさん。では、私達は正門に向かいましょう。」

 そう言って、私が歩き出すと、装備を固めて立っていたロッシュ先輩がビクついた表情で

「アリアさん、正門って、ここで待たないのか?」
「ロシュフォール様、これはいくさです。大将が後ろに隠れていては、勝てるいくさも勝てません。まぁ、後ろで隠れて見ていて下さい。」
「アリアさん。」

 そうして私が動き出すと、後ろからしぶしぶロッシュ先輩がついてきた。扉を開けて外に出ると、

 バリン

 最後の結界が破壊された。雪崩れ込んでくる冒険者達に対し

「帝級火魔法 ニブルヘイム」

 私の魔法で、目の前の雪崩れ込んできた冒険者達が地獄の業火で焼かれ、門も溶けて形を失ってしまった。

「なっ、」
「私の最強魔法の1つ、帝級魔法ニブルヘイムですわ。」

  グワーン

 違う門でも、巨大な火柱が立ち上がっていた。

「あの子も本気だやっている様ね。」

 私は前を見据え、

「ロシュフォール様、冗談抜きで、まずければ下がっていて下さいね。」

 と一瞬ロッシュ先輩を見て、笑顔を作り、前へ進んでいった。

「特級風魔法 舞姫」
「王級土魔法 ビックリウォール」
「特級闇魔法 混沌の海」

 次々と、魔法を放ち、近寄るのを防いでいたが、

「上級剣技 俊足」

 一瞬空いた私を守る騎士見習い達の壁をすり抜け、剣士が突っ込んできた。

「覚悟~」

 グサッ

 私の目の前か、真っ赤な血で染まった。私は、突っ込んできた剣士をかわし、手に持った剣で首を落とした。その隙に、敵が寄ってくるのを許してしまった。敵の主力メンバーらしい剣士、戦士、魔導士が出てきた。

「特級剣技 突貫撃」
「上級槍技 多段突」
「上級剣技 多段撃」
・・・・

 全員が技を使い私を狙ってきた。私はヤバいと感じ、叫んだ

「みんな、離れて」

 その瞬間、護衛の騎士見習い達が、外に向かって逃げていった。

「帝級剣技 無双剣の舞」

 私の最強の剣技。強化した体でも一日一度が限度の大技だ。私が私で無いように、蝶の様に舞を踊る。その舞は、的確に周りにいる者を舞う様に切り刻んでいく、誰彼コントロール出来ない分、無双の強さを持つ。私が舞踊り、ポーズを決める度に敵の首が一つ一つ確実に飛んでいく。優雅で勇壮な踊りを、敵の攻撃一つ一つを避け、体でも足でも腕でもなく、首を刈っていく。その踊りだけ見れば美しい舞だが、次々と首が舞い、血が噴き出す光景、私自身恐怖で身が縮こまりそうだが、自分が制御することも出来ない。恐怖で震え、心身共に酷使しながら、仲間や、自身を守る為に舞い続けた。私が踊りを終えた時には、私の鎧は血みどろとなり、正面に入り込んでいた50人程度の敵は全滅していた。門の外にいた敵とベルファーストの騎士見習い達は、腰を抜かし、我が騎士見習い達は、すぐに私を囲み守りを固めた。

「うっ、」

 体が持たず、吐きそうな胃を押さえつつ、何とか立っていた。

「すみません、お嬢様、我々が不甲斐なく。」
「はー、はー、はー、大丈夫よ。あとは、後方にいる20人位」
「あとは、我々で、」
「よろしくおねがいします。」

 私が、息を整え、心と体勢を立て直しているところに、敵の頭らしき声が聞こえた

「お前ら、使いたくなかったが、みんなあれを食え。ガイム様が強くなる果実と仰ってたものだ、」

 えっ、それって、私は、残っている力を振り絞って、外の敵に向けて

「特級水魔法 アイスレイン」

 敵に向かって放った、氷の矢の雨は、集中力が定まらず、ほとんどの敵に当たらなかった。

 ムシャムシャ。ムシャムシャ。

 黒いりんごを氷の矢が外れた17人が食べている。

「クャッハー」
「うきゃー」
「ひゃーひゃひゃひゃひゃ。」
「むひゃー」

 叫び声がこだました。

「今すぐ、殲滅するのよ、私の護衛は良いから。後、ロードピア、武器庫から、破邪の石を持ってきて、出来るだけ多く。」
「はっ?はっ」

 私の指示に、1番すばしっこい騎士見習いロードピアが、館の武器庫に走り、残りの騎士見習い達が一斉飛び出し、相手への攻撃を始めた。バーライトが先陣をきって切り込む。敵はそれ程強く無いが、バーライトも命をかけた実戦経験が無く、人を殺すのに躊躇しながらも、何とか敵を殺した。

「急ぐのよ。」

 私が叫んでも何とか頑張って戦ってるが、自分の死と、相手の死、両方の恐怖と戦いながら、叫び狂い、パワーアップ途中の敵を相手に何とか敵を殺している。何とか7人倒したところで

 ボーン
 バーン
 バーン
 ボーン

 りんごを食べた内4人が爆発した。そして、他の6人は人の体が変化し、悪魔に変わっていった。

「一旦下がって。」

 私の指示で戻ろうとしたところで、騎士見習いの一人がが捕まり、軽くぶん投げられた。

「うぐっ」
「大丈夫?」

 私が声をかけると何とか反応したが、戦線には復帰は難しい感じだった。その間、ベルファーストの騎士見習い達は、抜かした腰が戻っておらず、内2人は、館に逃げてしまったが、ロッシュ先輩だけが私の前に立ち、守ってくれて居た。

「ロシュフォード様、ありがとうございます。あれは悪魔の果実で悪魔になったもの達です。近寄ってきたらこの石を押しつけて下さい。それで人に戻ります。今手元に2つしかありませんが、武器庫に20以上あります。ロードピアが持ってくるまで何とかおしのぎ下さい。」
「はい、我が騎士見習い達は、不甲斐ないですが、私は貴方をお守りします。」
「ありがとうございます。ロッシュ先輩。」


---------------------------


 その少し前、裏門でも、戦闘が起きていた。

「ヒュー。こんな結界張ってるなんて聞いてねーぜ。」
「先月に調べた時にはありませんでしたから。でも、ロックフォード様のおかげです。こんな結界を破る魔法を放てるなんて。」
「そうだろ、そうだろ。魔法学院で、特級魔法を放てるのは、スノーの小娘無き今、俺だけだろうからな。あの忌々しい娘を、竹林館で吹き飛ばして、ここの奴らを消さない限り、俺に恥をかかせたスノーへの怒りは治んねえよ~。一気に行くぞ。」
「「「「へい。」」」」

 20人のマフィア達を連れ、ロックフォードは悠々と門を潜ろうとした。

 スパン

 ロックフォードの前に、矢が突き刺さった。

「一歩でも入れば、蜂の巣にするぞ。」

 セイレーンホームの2階から、弓で狙う騎士見習いが、ロックフォードに怒鳴りつけた。

「ははははは、矢で蜂の巣だと、お前達が俺を倒せると思うか?」

 門の先の館の扉から4人の騎士見習いと2人のローブを着た者が出てきた。

「お前達行くぞ。」
「「「「へい。」」」」

 20人のマフィアが走り出し、ロックフォードが魔法を唱え始めた

「特級火魔法 獄炎弾」

 ロックフォードは、決まった!っという顔で特級火魔法を唱えると

「特級火魔法 獄炎弾」

 ローブを着たものが同じ魔法を唱え

 ドガーン

 マフィア達の上で爆発を起こした。足を止めたマフィア達に向かって

「帝級火魔法 ニブルヘイム」

マフィア達が地獄の業火で焼かれ、殆どが真っ黒の死体となった。遅れていた二人、ロックフォードの側近達は、巻き込まれず、ロックフォードの方に逃げ戻った。

「帝級魔法だと・・・・。何奴・・・。」

 そう言うロックフォードに向かって、ローブを着た者が、ローブを投げ捨てた。白い髪に、スラっとしたモデル体型、端正なな中に温かみを持った顔の女か、ロックフォードを睨み付けた。

「竹林館以来ね・・・。」
「な、・・・・スノー・・・・・。なぜ生きている。」

 スノーは、一歩ずつロックフォードの方にゆっくり歩いていった、右手に持った魔法剣を担ぎ、ゆっくりと

「私を目の前で殺したのに蘇ってきたのを見ているような顔ね。竹林館のテロリスト、ロックフォード先輩。そこの二人も一味だったわね。」
「な、そそんなこと・・・・。」
「詳しく教える気はないですが、シルフ公爵令嬢や、シルフ公爵家の係累の方々も生きていらっしゃるわよ。貴方は、このテロ行為と、竹林館での証拠で、破滅は免れないでしょうし・・・。」
「証拠?証拠なんぞ」

 とにかく焦るロックフォードを、見下した目でスノーは睨んでいる。

「既に、捕縛対象にされたわよ・・・。イフリートホームに逮捕権を持った帝国第一騎士団の騎士達が乗り込んでいるはずですわよ・・・。」
「えっ・・・。そんな馬鹿な・・・。」

「特級火魔法 獄炎弾」
「特級火魔法 獄炎弾」

「特級火魔法 紅蓮矢」
「特級火魔法 紅蓮矢」

「特級火魔法 陽炎雨」
「特級水魔法 アイスハリケーン」

 と、ロックフォードの魔法をスノーが相殺、撃破している。

「あきらめな・・・。」
「こうなれば・・・。」

 スノーの最後通牒に、ロックフォードは、隠していた黒いりんご、悪魔の果実を齧った。

「なに・・・・。」
「ぎゃははは、これで逆転だ・・・。」

 素早く悪魔に変わったロックフォードに対し、

「悪魔になってまで、能力を底上げしていたのか・・・。でもな・・・。」

 スノーは、ロックフォードに向かって走り始め

「帝級剣技 無限峰打ち」

 スノーが、剣を降り上げ、ロックフォードに叩きつけた、ロックフォードはよけきれず剣を受け態勢を崩すが、倒れる前に付きの打撃を打ち込む、それを無限ともいえる回数繰り返す、これが無限峰打ち、意識が無くなっても、痛みを受けても、死ぬ寸前までのダメージで調整する、ある意味相手に地獄を味合わせる帝級剣技、ロックフォードは、体が浮き、10打を受けるまでに意識を手放しているが、スノーは全く動けなくなるまで攻撃を加えていた・・・。

「悪魔になって、戻った状態で身体能力が大したことないのであれば、悪魔になって魔力は向上しても、身体能力は大したことないんだよ・・・。」

 そうやって、スノーが戦っているうちに4人の騎士見習いは、2人のマフィアを何とか取り押さえた。スノーは、2人が取り押さえたことを確認し、マジックバックから破邪の石を取り出し、ロックフォードに押し付けると、元の人の形に戻った。

「これでよしっと。」

 スノーが、一瞬ロックフォードから目を離すと。

「この。」

 一人のマフィアが、騎士見習いたちを振り払い、ロックフォードの口封じに突っ込んできた。マフィアの剣が、ロックフォードに届く瞬間。

 ボギッ

 飛び込んできたマフィアが、もう一人のローブを着た者に地面に叩きつけられた、

「おねーちゃん。わきあま~。」

 そう言って、ローブを脱ぎ、マフィアをサクッと縛り上げた。

「マリア、だって~。」
「だってじゃありません。おねーちゃんは、いつも目立ちたがり屋で、危険な事ばかり。」
「危険な事って、」
「危険でしょう・・・。おねーちゃんがやる必要ないじゃない。アレックスさんを残してもよかったんだし。」
「でも~。」
「でもじゃありません。」

 そう説教しながら、マリアは、ロックフォードともう一人のマフィアを縛り上げた。

「これでよしっと。おねーちゃん、とりあえず、アリア様を助けに行きますよ。」
「はーい。」
「みなさん、ここよろしくね。」
「「「「「はっ」」」」」


---------------------------


「バーライトさん。」
「はい。」

 私が投げた破邪の石をキャッチしそのまま悪魔に押し当て、人に戻る瞬間、バーライトはそのマフィアを、剣で袈裟斬りに切り裂いた。

「あと5人。」

 ロッシュ先輩の言葉に、他の騎士見習い達も気合を入れつつ何とかしのいでいる。

「特級剣技 鬼滅斬」

 一人の騎士見習いの放った特級剣技を受けても、その中で一番大きな悪魔は弾き返し、

「特級剣技 連打斬撃」

 続いてバーライトさんが放った剣技で、一番小さな悪魔は防ぎきれず切り裂かれ、消滅した。

「あと4人。」

 そう叫んだ、ロッシュ先輩に、一角が伸びた悪魔が突っ込んできた、ロッシュ先輩は、私を庇おうと剣を構え、精いっぱい受けたが、弾き飛ばされてしまった。すぐに私の方に振り向いた悪魔を、騎士見習いの一人がタックルし止めた。その瞬間、態勢を戻したロッシュ先輩が破邪の石を悪魔に押し当て、人に戻る瞬間私が斬りてた。そこで、一瞬気を緩めてしまったのか、近づいてきた悪魔が騎士見習いを掴み投げ捨てた。良く見渡すと、バーライトさん以外はすでに、投げ捨てられ、動けなくなっていた。バーライトさんが、素早い悪魔を抑え、大きな悪魔は、倒れている騎士見習いを殺そうと遠くに投げらた騎士見習いに向かってゆっくり歩んでいた。目の前の悪魔には、私と、ロッシュ先輩で当たるしかなかった。
 ロッシュ先輩は、剣を握りしめ

「中級剣技 乱れ桜」

 と剣技を放つも、相手にならなかった・・・。剣を掴まれ、腹パンチ一撃で意識を失い、足から崩れ落ちた。私に悪魔が迫りくる中、玄関の扉が開いた

「帝級水魔法 ライデン」

 轟音が轟き、雷が落ち、悪魔は倒れた。

「アリアどうなっているのよ、このベルファーストの騎士見習い達が、ロードピアさんを後ろから刺して、ロードピアさん倒れていたわ。今マリアにポシェット渡して治療させてるけど、とりあえず、このごみおいていくわね」

 とスノーが、二人のボコボコになった騎士見習いを投げ捨てた。

「アリア、もしかして無双剣の舞使ったの・・・。無茶でしょう・・。座ってなさい。とりあえず、私はあのでっかいのの相手をするわね。」

 私は、スノーが助けに来てくれて、気が緩み、座り込んでしまった。

「帝級水魔法 ライデン」

 轟音が轟き、雷が落ち、悪魔は倒れ・・・・てなかった。

「なんなの。丈夫なタイプなの・・・。」

 そう言って、スノーは大きな悪魔に近づき、剣技をつかって、徐々に悪魔にダメージを与えていった。守りが強いらしく、スノーの次々と繰り出す剣技に耐えているが、足に来ている様に見えた頃。それは、スノーがアリアから大きく離れたタイミングだった。

「うっ・・・・・。」

 もう一人の悪魔と戦っていた、バーライトさんが、吹き飛ばされた。

「このタイミングだ・・・死ね、セイレーンの姫」

 大きな声を上げて悪魔がアリアに接近した、アリアは反応しきれず、悪魔の爪がアリアの首元に近づいた時

「帝級剣技 音速一閃」

 悪魔の腕が、切り取られ宙に舞った・・・。

「うぎゃー。」

 悪魔が腕を押えてのたうち回る。

「すみません、遅くなりました。」

 片腕しかない剣士が容姿に似合わず低姿勢で、悪魔に破邪の石を押し当て、頭を思いっきり蹴り上げて意識を削った。私は、何とか立ち上がって二人を見守っていた。

「あっ、スノーさん。破邪の石忘れましたね・・・・。今お持ちします。」
「ごめん、ロッシくん。ポシェット、マリアにあずけちゃって。」
「はいはーい。」

 と、あくまで低姿勢にスノーの所に走っていき、悪魔に破邪の石を押し当てた。そうして、二人が私から離れたタイミングで、隠れて近づいていた残っていた3人のマフィアが、私に剣を突き出して突っ込んできた

「中級剣技 突撃剣」
「中級剣技 突撃剣」
「中級剣技 突撃剣」

 近くにいた一人のベルファーストの騎士見習いがなんとか反応し、一人にタックルを与えた。私は二人の内、一人は躱したが、もう一人の剣が私の胸に届いた・・・・。

 ボキ・・・。

 剣が折れた。それで驚く二人を、私は、二振りで切り捨てた。タックルから起き上がったマフィアも、残りは自分ひとりだけと悟り、両手を上げて、武器を投げ捨てた。

生き残った者達を縛りあげている時、最初の警備隊が正門に駆け付けた。私は、帝国第一騎士団の騎士達が来るのを待ち、無事な者達に指示を出し、生き残った敵を全員帝国第一騎士団に引き渡した。ベルファーストの騎士達を除き。
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