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第三章 アリア
第15話 アリア暗殺
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「何もしていないと、信じて良いんだよな。」
「はい。私が何かするわけないじゃないですか。信じて下さらないのですか?」
「いや、わかった。疑ってすまなかった。」
「信じて頂いてありがとうございます。」
そう言って、2人はソファから立ち上がった。男は、女の見せた口元の微妙な動きに気づく事は無かった。
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「ねえ、あの娘酷いんだから、公爵令嬢だからって、私をイジメるの。」
「そうなのか。そんな風には見えないの。」
「バルザック王国の王太子殿下が婚約破棄されたのわかっちゃうの~。」
「そうかい。愛しくて、素直な君が言うならそうなんだろうね。」
「でも、私じゃ身分が低くて、口答えでもすると、」
「命はないか。セイレーン公爵家は、高速馬車道で、今や4公爵家トップと言われているからね。」
「どうしたらいいの~。シクシクシク」
「可哀想に、じゃあ僕がそれとなく言ってみるよ。婚約者候補だし、聞いてはくれるはずだよ。」
「ありがとう。婚約者候補なのね。」
「大丈夫。婚約者になる気はないから。まかせてよ。」
「それでおねがいが・・・・・」
彼女が話終わるのを待てず、彼は彼女の口に口づけし、暗闇の中に消えて行った。
---------------------------
「殿下すみません。私だけで。生徒会のお仕事何をすればよろしいでしょうか?」
「セイレーン公爵令嬢。今日は、この書面とこれと、あと~これを処理してくれ。」
「はい。」
「アリアちゃん。お仕事できるわね。昨日お願いした仕事、完璧だったわよ。流石首席。」
「ありがとうございます。アーニャお姉様のご指導のおかげです。」
「やだわ、鈍臭い私と違って、アリアちゃんはすごいわよ。」
私は、授業期間が始まると、放課後生徒会のお仕事を積極的に始めた。婚約者候補の事は、一旦忘れて、学生生活を充実させるぞと思ってのことだ。
キーンコーンカーンコーン
「そろそろ時間ですわね。」
「丁度、頂いていた仕事が終わりましたので、今日はこの辺りで失礼します。」
「ありがとう。」
私は、書類を片付けて、荷物を持って、部屋を出た。
「殿下、アーニャお姉様、ごきげんよう。」
「はい、ごきげんよう。」
「気をつけてな。」
2人は笑顔で、送ってくれた。ホームに寄らず、内門を出ると、セイレーン公爵家の馬車が待っていた。
「お疲れ様です。アリア様。」
「アレックスくん、ありがとう。」
「スノーさんの代わりに護衛するのは私の仕事ですから。」
「ありがとうね。」
そう、週が開けて4日間、アレックスくんは行き帰り、護衛として、馬車の御者台に乗り、着いてきてくれている。私が学院で学んでいる間は、私のダンジョンアタックの下見として、各ダンジョンの探索をしているそうだ。
「アリア様、結界を張ります、先に帰って行って下さい。」
「わかりましたわ。」
毎日、途中の何処かで、馬車に結界を張って、アレックスくんは、降りて、遅れて帰って来ている。私命は狙われて過ぎかな~って位狙われている。襲われたら、アレックスくんが、派手に活躍して撃退する。これを毎日繰り返している。実際には、セイレーン公爵家の影の部隊を動員して倒し、白き薔薇団の精鋭の協力を得て、暗殺者の拠点を倒している。だがそれを全てアレックスくんの功績と宣伝することにより、セイレーン公爵家の力を誇示しよういう戦略だ。私は私で可能な限りの装備と強化をしている。バレない様に。
「お嬢様、アレックスさん。暗殺者達の背後がわかりました。」
白き薔薇団第6隊長リーンカーネーションさんが、私の執務室に報告に来てくれた。
「暗殺者達は、帝都闇ギルドの中でも、序列第5位ブルフラットファミリーの系列でした。」
「ブルフラットマフィア?」
アレックスくんの疑問に、リーンカーネーションさんは答えてくれた。
「そもそも帝都闇ギルド、正確には帝国直轄領の闇ギルドは、9大マフィアによって仕切られております。そこには、ロードオブマフィアと呼ばれる貴族により序列が定められ、一定規律によって必要悪として帝国も黙認しています。その闇ギルドの中でも最近、6位から5位に昇格したのが、ブルフラットファミリー。経済マフィアの色が濃いですが、6位に追いやった当セイレーン系ローデシアファミリーに力を示す意味合いもあって、アリア様の暗殺を請け負ったのかと思います。なお、閣下のご指示で、叩き潰しますので、それまで、護衛の強化を。」
「いつ頃、実行なされるのですか?」
私は多くの血が流れることに、恐怖で潰されそうになったが、覚悟を決めて、強ばった顔で確認をした。
「明日にでも、明日朝イチで、白き薔薇団の本体と、セイレーン騎士団がセイレーンを出発する予定です。アレックスさんのご助力で、強化した精鋭揃いで、装備も工房の協力を得ているので、確実に潰せるかと。」
「はい。わかりました。この情報はどこまで、」
「帝都では、公爵閣下と白き薔薇団の中枢メンバーのみです。ローデシアには準備に時間がかかるから、多分来週位になるだろうと、あと、一部の執事達にはには、再来週から、再来月末までそれぞれグラデーションをつけて話してあります。」
「裏切り者を炙り出すと。」
「はい。」
私は、震えた声でなんとか、公爵家令嬢として、しっかりとしたところを示した。幾つか確認をして、アレックスくんは、リーンカーネーションさんと部屋を出て行った。私は、1人震えていた。
「スノー助けてよ。」
と、ぽつりと呟いた。
---------------------------
「アレックスさん。アリア様のとこ」
「分かってます。少なくとも週末までは、私がお守りします。この命に変えても。スノーさんに誓ってきましたから。でも、学内ではどうにも出来ないですけどね。」
「分かってます。ことが片付くまで頑張りましょう。」
「はい。よろしくお願いします。」
「これだけ連れてきて、セイレーンの守りは大丈夫ですか?」
「騎士団、白き薔薇団だけでなく、彼らも束縛の首輪装着に同意してくれたので、なんとか。」
「そうですか。」
2人は、この後起こるであろうことを想像し、暗い顔になっていった。
---------------------------
「アリアちゃん今日もありがとうね。」
「お疲れ様でした。」
私が生徒会執務室から出ると、ロッシュ先輩が壁なよだれかかり、待っていた。
「セイレーン公爵令嬢、君に話さないといけないことがある、少し来てくれないか?心配しなくても、個室でなくて良いが、人に聞かせる話してないからな。」
「わかりましたわ。」
私は、待たせている馬車を気にしつつ、閑散とした食堂の端のソファ席に向かい合って座った。メイドさんが来たので、紅茶セットを2人分頼んだ。何気ない話をした後で、紅茶を口にし、本題の話を聞くことにした。
「で、お話とは。」
「そうだな。君はやり過ぎだ。困っている者も沢山いる。君の力にも限界がある。いつか崩壊して、身を滅ぼすぞ。」
真摯で真っ直ぐな目で見てきた。
「どういうことでしょう?」
「それは・・・。理解して頂ける状況だと思ったが・・・。」
「正確に言えば、どのことを懸念されているのでしょうか?」
「色々やり過ぎていらっしゃるからね・・・。」
「そうですわね・・・。でも、一つやろうとすると、そうするしかなかったんです。」
「そう、それが出来た・・・。」
「では、先輩が一番気にされていることから・・・。」
と、遠くから大きな声が聞こえた。
「探したよ、セイレーン公爵令嬢。」
「あっ、ライ先輩。」
そう言って、ライ先輩が食堂の入口から近づいてきた。
「ロッシュに先を越されているようだな・・・。」
「先輩、そんな色気のある話を食堂でなんかしませんよ。」
「いえ、ロシュフォール様は、何処でも口説かれますから・・・。」
ライ先輩は私と、ロッシュ先輩をキョロキョロ見て、
「大丈夫か?」
私は、一瞬考えたが、笑顔を見せて
「はい。細かい話は、セイレーンのホームでしましょう。来週には、警備の強化が図れるはずですので、来週月曜放課後にでも、御付きの方々と一緒にお越しください。」
「分かった。では、週明けに・・・。」
ロッシュ先輩も、少し後ろ髪引かれる感じがあったが、しぶしぶ同意してくれた感じだ。
「で、ライアネン様、何の御用でしょうか?」
「ちょっと御見せいしたいものがあって、少し時間を頂きたくてな、当然護衛付きで構わないが、一緒に来て欲しい。今や帝国最強の護衛と言われるSランク冒険者アレックスを連れていれば、何処でも君の身の安全は保障されるだろう・・・。当然、君の身を危険に晒す気は無いが。」
ライ先輩が、焦った感じを醸し出しながら、私にそう伝えた・・・。何かあるのは明らかだが、ノーム家の方が、多くの人がいる前で人を誘っている・・・。流石に断るわけにもいかず、変な事をすれば、ノーム家としても大きなリスクを背負う。テストの時のフローレンス嬢の所業が、次回の中央学院懲罰会議の題材になった以上に、変なことがすれば彼の地位を犯すまでのリスクが伴う、そんなリスクを無駄に負う人ではないと聞いているので、素直に答えた。
「わかりました。馬車で付いていけばいいでしょうか?」
「頼む。」
私は、雑談をしながら、ライ先輩について内門に向かった。
「アリア様、何かございましたか?」
「アレックス大丈夫よ。それより、ライアネン様が、私に見せたいものがあるらしいので、前の馬車に付いて行って欲しいんですが。」
「わかりました。ブルフラットマフィアの主力の場所は既に確認しております。ノーム公爵公太子殿下が近づくようなら、すぐさま引き返させて頂きます。」
「それでよろしくお願いします。私のせいで襲われない様に、彼の馬車にも護衛を。」
「畏まりました。」
アレックスくんは、合図をした後、馬車の御者台に乗り、馬車はライ先輩の後ろを走り出した。私は馬車の中で、ドキドキしながら座っていた・・・。
20分程進んでいったところで、アレックスくんが声をかけてきた。
「アリア様、帝都の外側に向かっておりますがよろしいでしょうか?この先に農業地区で平地が広がりますので、私以外の護衛が一旦離れることになります。」
「分かりましたわ。私も装備を整えておきますわ。」
「申し訳ございません。」
「良いのよ。」
私が装備を終えたころ、
ドガーン
馬車が大きく揺れた。馬車の結界に魔法がぶつかり、大きく揺れた感覚だった。馬車は止まり、勢いよく駆けていく馬車の音がどんどん小さくなっていった。
私は、完全武装し、扉を開けて馬車を降りた。
「アレックスくん、参りましょう。」
「はっ、こんなアリア様を見たら、スノーさんは腰を抜かすでしょうね。」
「スノーが悪いんです。彼女が襲われたことで、本気にさせたから・・・。」
降りると、どの方向にも周囲2キロ以上は農地が広がっており、作業小屋が点々としていた。そこに、戦闘用の装備を整えた500人以上マフィアが並んでいた。
「どこのマフィアだ・・・。」
アレックスくんが大声で叫ぶと、ボスらしきオーラを纏う男が大声で
「死んでいくお前たちに教えてやろう。我らは、フリューゲルファミリー。序列8位の大マフィア様よ。お前たちが来週末に倒そうとしているブルフラットに頼まれたのよ・・・。我らは、ブルフラットと違って武闘派だ、強いぞ・・・。ガハハハハ。最強と言われるアレックス。お前を狩って名を貰おう。」
「はぁ、ローデシアが裏切ったか・・・。」
アレックスくんのつぶやきが終わる頃、大男は、右手を上げた。
「スノー様。行きますよ。」
「はい、アレックスくん。」
大男が右手を手を下げた瞬間、500人を超すマフィアたちが動き始めた。
「帝級水魔法 陽炎結界」
私が、周囲に目立たない様な結界をはると、アレックスくんは召喚獣を確認し、
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角獣族 一角ウサギ レベル364 うさ吉
スライム族 エンペラースライム レベル364 スラ吉
家畜族 プチカウ レベル382 ウシ吉
ゴブリン族 ゴブリンエンペラー レベル406 ゴブ吉
死霊族 エンペラースケルトン レベル398 ホネ吉
両性類型 ビックレインボーカエル レベル194 ゲロ吉
狼系 銀狼 レベル180 ロウ吉
コボルト系 エンペラーコボルト レベル181 コボ吉
豚人系 キングオーク レベル222 ブタ吉
鬼系 キングオーガ レベル228 オニ吉
牛人系 キングミノタウルス レベル207 ミノ吉
竜系 キングレッドドラゴン レベル196 ドラ吉
飛龍系 キングワインパーン レベル156 ワイ吉
キメラ系 キンググリフォン レベル149 グリ吉
植物人系 ロードラフレシア レベル97 ハナ吉
犬族 狛犬 レベル110 ポチ
猫族 招き猫 レベル116 タマ
アリ族 キングアント レベル232 アリ吉
リザード系 リザードキング レベル173 リザ吉
ゴーレム系 ゴッドゴーレム レベル1014 ゴレ吉
火獣族 ファイヤーヘルハウンド レベル186 燃え吉
植物族 ビックファイヤーフラワー レベル135 フラ吉
火人族 ファイヤーエンペラー レベル213 火の吉
火鳥族 フェニックス レベル79 ヒト吉
水獣族 ウォーターハウンド レベル94 濡れ吉
水人族 ウォーターキング レベル318 水の吉
水鳥族 水炎鳥 レベル41 ミト吉
木獣族 ウッドキングハウンド レベル32 柔ら吉
木人族 ウッドキング レベル44 木の吉
木鳥族 木鳥 レベル29 モク吉
石獣族 ロックハウンド レベル33 硬い吉
石人族 ロックキング レベル21 石の吉
石鳥族 ロック鳥 レベル17 イシ吉
宝石獣族 スターサファイアタイガー レベル19 輝く吉
宝石人族 ダイヤモンドメン レベル21 宝の吉
死竜系 ドラゴンゾンビ レベル52 しる吉
首無し族 デュラハンロード レベル172 クビ吉
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巨大なドラゴン以外を召喚した
「サモン うさ吉、サモン スラ吉、サモン ウシ吉、サモン ゴブ吉、サモン ホネ吉、サモン ゲロ吉、サモン ロウ吉、サモン コボ吉、サモン ブタ吉、サモン オニ吉、サモン ミノ吉、サモン グリ吉、サモン ハナ吉、サモン ポチ、サモン タマ、サモン アリ吉、サモン リザ吉、サモン ゴレ吉、サモン 燃え吉、サモン フラ吉、サモン 火の吉、サモン ヒト吉、サモン 濡れ吉、サモン 水の吉、サモン ミト吉、サモン 柔ら吉、サモン 木の吉、サモン モク吉、サモン 硬い吉、サモン 石の吉、サモン イシ吉、サモン 輝く吉、サモン 宝の吉、サモン クビ吉・・・・ヤレ」
アレックスくんの声で動き出した・・・。弱めの召喚獣達は次々に消滅していくが、マフィア達も、どんどん倒されていくが、集団戦を行うマフィアに対し、個別でしか戦えない召喚獣達は、レベル差程の差を生むことできない。マフィアは、一線級のメンバーだけが来ているようで、宝の吉、柔ら吉、木の吉等低レベルの召喚獣達は瞬殺され、3分足らずで、残ったのは、うさ吉、スラ吉、ウシ吉、ゴブ吉、ホネ吉、コボ吉、ブタ吉、オニ吉、ミノ吉、アリ吉、ゴレ吉、火の吉、水の吉の13体。敵は、350人程度といったところだ、数の上では、極めて劣勢だが、時間をかけて各個撃破していけば、勝てるはずだった。
「一旦引け~。」
大男が叫ぶと、マフィア達は一斉に距離をとった。
「一角うさぎ、スライム、スケトン、ゴブリンは3パーティ、水男は2パーティー、ゴーレムは、10パーティ、残りは1パーティ。10パーティは人員補充と支援。押し留めるだけでいい。編成はリークスに任せる。パーク、グレン、ローザ、モルグのパーティはついてこい。あの2人と牛をヤル。」
「「「「「「「はっ」」」」」」」
大男がそう指示すると、32人のマフィアが、大男に集まってきた。大男が私の方に歩いてくるのを、召喚獣達が防ごうと寄っていくが、眼鏡をかけた優男が、指示を出して、召喚獣達を止め、大男達は足を止めずにゆっくりと寄ってくる。
「ガハハハ、戦いっていうのは、一人でやるんじゃなくて、チームでやるんだよ。敵が強ければ、こちらの弱点を補い、強い所を強化していく、召喚獣は、チームプレイができない。だから、パーティや、レイドで倒せばいいんだよ・・・。一対一で勝てなくても力を合わせれば勝てるんだよ・・・。数が力とは言わんが、チームワークは力になる。ガハハハハ。」
一応、マフィアだが、序列8位になるくらいの大ファミリーのボスとなる男だ、見た目ただの大男だが、極めて有能で、強い男らしい。
「33対3か・・・。アリア様全力で行きます。ウシ吉、アリア様をよろしく。」
アレックスくんは、剣をだし、構えた・・。
「唯の召喚士ではないのか・・・。パーク・・・・。」
パークと呼ばれたマフィアのパーティーが前に出た。
「帝級剣技 紅蓮打岩」
「帝級・・・。」
私が、全力でパークに打ち込み、剣速で、空気に摩擦が生まれ、炎共に、剣で受け止めたパークと呼ばれる剣士が吹き飛んで、剣が粉々砕け散った。その流れで、隣の盾を持つ戦士に打ち込み、その盾は凹み、後ろにいた魔導士と共に飛んでいき、後ろで戦っているゴル吉の方に飛んでいき、ゴル吉が目の前にいた戦士を投げ飛ばし、命中させて落とした。
「ホリー・・・」
次のモーションにいった時に、
「王級火魔法 火炎弾幕」
炎の球が弾幕を作る様に飛んできて、アレックスくんが大きく引いた
「王級火魔法 火炎弾幕」
私は、同じ魔法を放ち、迎撃した。100を超える炎の球がぶつかり、煙に紛れた中から、3人の剣士が突っ込んできた。
「特級剣技 猪突剣撃」
「上級剣技 無双剣」
「上級剣技 鬼連撃」
アレックスくんは、予想していた様に受け返す
「王級剣技 無限剣の舞」
アレックスくんは、舞を踊る様に、3人の剣を受け返し、無数の傷を負わせていく、その間にも、矢や、ナイフが飛んで来るが叩き落とし、魔法も剣で打ち返すという芸当を見せていく。
「王級水魔法 トルネードウェイブ」
「王級風魔法 鎌鼬の雨」
私は、次々と王級魔法を放ちアレックスくんを支援していく、徐々に、敵を倒していくが、召喚獣達が次々と敗れ、消えていった・・・。
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ」
「ぜぇ、ぜぇ、ぜぇ、ぜぇ」
戦闘開始から10分程経って、私と、アレックスくんは、肩で息をしていた・・・。残るは、ゴレ吉とウシ吉の二体のみ。敵も、まともに戦力となっているのは、ゴレ吉についている120人と、私達と戦う60人。半分以上倒したが、限界は近づいてきているようだ。
「もうすぐです。」
「はい。いきます。帝級水魔法 ギガライデン」
私は、肩で息をしながら、巨大な雷を落とし、4人を戦闘不能にした。
「ガハハハ、そろそろ限界かな・・・。一気に倒しに行くぞ。」
そう言って、大男が自分からアレックスくんに切りかかった。
「ガハハハ、このフォーゲルの剣を受けるか・・・ガハハハハ。」
強烈なフォーゲルの剣を受けているアレックスくんに、横から脇を狙って
「特級槍技 突貫一撃」
ギュワン
アレックスくんの脇に槍が当たったが、オリハルコン製の鎧に阻まれ、槍先が折れた。アレックスくんへの致命傷にならなかったが、衝撃で剣を受ける力が弱まり、フォーゲルの剣に押され、2歩程後ろに下がった・・・。大きなダメージではないが、この戦いで初めてまともなダメージを受けた。
「ガハハハ。元帝国四剣の一人と言われた、剛剣のフォーゲルの剣を止めたのは褒めてやろう。だが、そろそろ限界だな・・・。ガハハハ。」
そう言いながら、巧みな剣さばきと、一つひとつが重い剣戟に加え、少しでも足が止まれば、槍、弓、剣が飛んで来る。少しずつ少しずつダメージを重ねていった。私と言えば、剣と魔法を使いながら、ウシ吉と一緒に、身を守りながら戦うのが精いっぱいで、アレックスくんのサポートが出来ずにいた。
「ガハハハ、アレックスお主強いが、経験が足りなすぎるし、仲間が足りない。5年後に仲間を揃えていたら、儂も負けていたかもしれんがな。お前を殺すのは惜しくなった。儂の部下にならんか?」
「はっ?アリア様を死んでも守らないといけないんだ、お前の部下になんかなれるか・・・。逆に、マフィアなんてやってないで、うちのクランに入らないか・・・。」
「ガハハハ、うちのマフィアなんて、帝国の腐った奴らに嫌気がさして帝国軍を辞めたやつらの集まりで、大した犯罪網を持たない新興のマフィアだ、儂を倒したらファミリーの仲間と、お前のクランに入ってやるよ・・・。とりゃー。」
フォーゲルが、思いっきり振りかぶって剣を叩きつけると
「帝級剣技 剛剣烈波」
アレックスくんは、力技の剣技を放ち、押し返した。左右から来た剣士たちを
「サモン ワイ吉、サモン しる吉」
と、2体の召喚獣を剣士たちとの間に召喚し、食い止め、態勢を崩したフォーゲルを、そのまま押し倒し、剣を足で押さえつけ、首元に剣をつけた。その瞬間、ファミリーの全員の動きが止まった。
「動くな・・・。動くと、お前たちのボスの首が飛ぶぞ・・・。」
「うっ・・・。」
「ボス・・・・。」
全員が、殺気を飛ばしながら、アレックスくんを見ていた・・・。
「みんな、こいつを殺せ。儂に構わず・・・。」
「ボス・・・・。」
「ボス~~」
全員が、フォーゲルの指示を聞かず止まっていた。
「馬鹿ども・・・。うっ・・・・・。」
フォーゲルが、涙を浮かべながら、死を覚悟し無理やり剣を持ち上げようとしてた。アレックスくんが態勢を崩しそうになった瞬間。
ドガーン
フォーゲルの顔の周りに土埃が舞い、フォーゲルの顔を思いっきり蹴とばし、意識を刈った男を刈り、私に向かって跪く鎧の紋章に×の傷をつけた騎士がいた。
「アリア様、遅れました。アレックス殿、良く守ったよくやった」
「カインさん」
後ろを見ると、多くの騎士と、冒険者達が走ってきた。援軍が到着し、2分足らずで全員を無力化した。あっけない程、援軍は強かった。私とアレックスくんは、一度邸宅に戻り、入浴し、着替えて護衛を揃えて、ノーム公爵邸宅に向かった。
ノーム公爵邸宅に着くと、ハインリッヒ・ノーム公爵弟が迎えてくれた。応接室に通されひとしきりの挨拶をしたのち本題に入った。
「セイレーン公爵令嬢、甥の御者から話は聞いた。甥が貴方を連れていった場所に、黒服の男たちが待ち構え、攻撃を行った。そして、甥の指示で御者は逃げたとのことだった。その件か?」
「はい。ライアネン様が何処に向かれようとされたのか?そもそも、無事にお戻りになられたのか確認させて頂きたかったので・・。」
「そうか・・・。後ろに立つのは、噂のアレックス殿か・・・。出来たばかりの傷が多く、止血したばかりか・・・。大変申し訳ないことをしたようだな。甥は無傷で帰ってきて、自室で震えている。事実としてご想定通りだろうが、分かったらご報告しよう。当家として逃げ隠れする気はないが、今は事実関係を確認させて欲しい。」
「わかりました。よろしくお願いします。」
「こういうのも悪いが、公爵閣下によろしくお伝えしてくれ。当たり前だが、貴方の婚約者候補から甥は外れるだろう、公爵家の跡取りからもな。」
「遅い時間ですので、そろそろ失礼いたします。」
「気を付けてお帰りください。」
そう言って、公爵邸宅に帰った・・・。その日2つのファミリーが壊滅した・・・。そして、別のファミリーの幹部数人の首がイフリート公爵家の邸宅前に捨てられた。
「はい。私が何かするわけないじゃないですか。信じて下さらないのですか?」
「いや、わかった。疑ってすまなかった。」
「信じて頂いてありがとうございます。」
そう言って、2人はソファから立ち上がった。男は、女の見せた口元の微妙な動きに気づく事は無かった。
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「ねえ、あの娘酷いんだから、公爵令嬢だからって、私をイジメるの。」
「そうなのか。そんな風には見えないの。」
「バルザック王国の王太子殿下が婚約破棄されたのわかっちゃうの~。」
「そうかい。愛しくて、素直な君が言うならそうなんだろうね。」
「でも、私じゃ身分が低くて、口答えでもすると、」
「命はないか。セイレーン公爵家は、高速馬車道で、今や4公爵家トップと言われているからね。」
「どうしたらいいの~。シクシクシク」
「可哀想に、じゃあ僕がそれとなく言ってみるよ。婚約者候補だし、聞いてはくれるはずだよ。」
「ありがとう。婚約者候補なのね。」
「大丈夫。婚約者になる気はないから。まかせてよ。」
「それでおねがいが・・・・・」
彼女が話終わるのを待てず、彼は彼女の口に口づけし、暗闇の中に消えて行った。
---------------------------
「殿下すみません。私だけで。生徒会のお仕事何をすればよろしいでしょうか?」
「セイレーン公爵令嬢。今日は、この書面とこれと、あと~これを処理してくれ。」
「はい。」
「アリアちゃん。お仕事できるわね。昨日お願いした仕事、完璧だったわよ。流石首席。」
「ありがとうございます。アーニャお姉様のご指導のおかげです。」
「やだわ、鈍臭い私と違って、アリアちゃんはすごいわよ。」
私は、授業期間が始まると、放課後生徒会のお仕事を積極的に始めた。婚約者候補の事は、一旦忘れて、学生生活を充実させるぞと思ってのことだ。
キーンコーンカーンコーン
「そろそろ時間ですわね。」
「丁度、頂いていた仕事が終わりましたので、今日はこの辺りで失礼します。」
「ありがとう。」
私は、書類を片付けて、荷物を持って、部屋を出た。
「殿下、アーニャお姉様、ごきげんよう。」
「はい、ごきげんよう。」
「気をつけてな。」
2人は笑顔で、送ってくれた。ホームに寄らず、内門を出ると、セイレーン公爵家の馬車が待っていた。
「お疲れ様です。アリア様。」
「アレックスくん、ありがとう。」
「スノーさんの代わりに護衛するのは私の仕事ですから。」
「ありがとうね。」
そう、週が開けて4日間、アレックスくんは行き帰り、護衛として、馬車の御者台に乗り、着いてきてくれている。私が学院で学んでいる間は、私のダンジョンアタックの下見として、各ダンジョンの探索をしているそうだ。
「アリア様、結界を張ります、先に帰って行って下さい。」
「わかりましたわ。」
毎日、途中の何処かで、馬車に結界を張って、アレックスくんは、降りて、遅れて帰って来ている。私命は狙われて過ぎかな~って位狙われている。襲われたら、アレックスくんが、派手に活躍して撃退する。これを毎日繰り返している。実際には、セイレーン公爵家の影の部隊を動員して倒し、白き薔薇団の精鋭の協力を得て、暗殺者の拠点を倒している。だがそれを全てアレックスくんの功績と宣伝することにより、セイレーン公爵家の力を誇示しよういう戦略だ。私は私で可能な限りの装備と強化をしている。バレない様に。
「お嬢様、アレックスさん。暗殺者達の背後がわかりました。」
白き薔薇団第6隊長リーンカーネーションさんが、私の執務室に報告に来てくれた。
「暗殺者達は、帝都闇ギルドの中でも、序列第5位ブルフラットファミリーの系列でした。」
「ブルフラットマフィア?」
アレックスくんの疑問に、リーンカーネーションさんは答えてくれた。
「そもそも帝都闇ギルド、正確には帝国直轄領の闇ギルドは、9大マフィアによって仕切られております。そこには、ロードオブマフィアと呼ばれる貴族により序列が定められ、一定規律によって必要悪として帝国も黙認しています。その闇ギルドの中でも最近、6位から5位に昇格したのが、ブルフラットファミリー。経済マフィアの色が濃いですが、6位に追いやった当セイレーン系ローデシアファミリーに力を示す意味合いもあって、アリア様の暗殺を請け負ったのかと思います。なお、閣下のご指示で、叩き潰しますので、それまで、護衛の強化を。」
「いつ頃、実行なされるのですか?」
私は多くの血が流れることに、恐怖で潰されそうになったが、覚悟を決めて、強ばった顔で確認をした。
「明日にでも、明日朝イチで、白き薔薇団の本体と、セイレーン騎士団がセイレーンを出発する予定です。アレックスさんのご助力で、強化した精鋭揃いで、装備も工房の協力を得ているので、確実に潰せるかと。」
「はい。わかりました。この情報はどこまで、」
「帝都では、公爵閣下と白き薔薇団の中枢メンバーのみです。ローデシアには準備に時間がかかるから、多分来週位になるだろうと、あと、一部の執事達にはには、再来週から、再来月末までそれぞれグラデーションをつけて話してあります。」
「裏切り者を炙り出すと。」
「はい。」
私は、震えた声でなんとか、公爵家令嬢として、しっかりとしたところを示した。幾つか確認をして、アレックスくんは、リーンカーネーションさんと部屋を出て行った。私は、1人震えていた。
「スノー助けてよ。」
と、ぽつりと呟いた。
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「アレックスさん。アリア様のとこ」
「分かってます。少なくとも週末までは、私がお守りします。この命に変えても。スノーさんに誓ってきましたから。でも、学内ではどうにも出来ないですけどね。」
「分かってます。ことが片付くまで頑張りましょう。」
「はい。よろしくお願いします。」
「これだけ連れてきて、セイレーンの守りは大丈夫ですか?」
「騎士団、白き薔薇団だけでなく、彼らも束縛の首輪装着に同意してくれたので、なんとか。」
「そうですか。」
2人は、この後起こるであろうことを想像し、暗い顔になっていった。
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「アリアちゃん今日もありがとうね。」
「お疲れ様でした。」
私が生徒会執務室から出ると、ロッシュ先輩が壁なよだれかかり、待っていた。
「セイレーン公爵令嬢、君に話さないといけないことがある、少し来てくれないか?心配しなくても、個室でなくて良いが、人に聞かせる話してないからな。」
「わかりましたわ。」
私は、待たせている馬車を気にしつつ、閑散とした食堂の端のソファ席に向かい合って座った。メイドさんが来たので、紅茶セットを2人分頼んだ。何気ない話をした後で、紅茶を口にし、本題の話を聞くことにした。
「で、お話とは。」
「そうだな。君はやり過ぎだ。困っている者も沢山いる。君の力にも限界がある。いつか崩壊して、身を滅ぼすぞ。」
真摯で真っ直ぐな目で見てきた。
「どういうことでしょう?」
「それは・・・。理解して頂ける状況だと思ったが・・・。」
「正確に言えば、どのことを懸念されているのでしょうか?」
「色々やり過ぎていらっしゃるからね・・・。」
「そうですわね・・・。でも、一つやろうとすると、そうするしかなかったんです。」
「そう、それが出来た・・・。」
「では、先輩が一番気にされていることから・・・。」
と、遠くから大きな声が聞こえた。
「探したよ、セイレーン公爵令嬢。」
「あっ、ライ先輩。」
そう言って、ライ先輩が食堂の入口から近づいてきた。
「ロッシュに先を越されているようだな・・・。」
「先輩、そんな色気のある話を食堂でなんかしませんよ。」
「いえ、ロシュフォール様は、何処でも口説かれますから・・・。」
ライ先輩は私と、ロッシュ先輩をキョロキョロ見て、
「大丈夫か?」
私は、一瞬考えたが、笑顔を見せて
「はい。細かい話は、セイレーンのホームでしましょう。来週には、警備の強化が図れるはずですので、来週月曜放課後にでも、御付きの方々と一緒にお越しください。」
「分かった。では、週明けに・・・。」
ロッシュ先輩も、少し後ろ髪引かれる感じがあったが、しぶしぶ同意してくれた感じだ。
「で、ライアネン様、何の御用でしょうか?」
「ちょっと御見せいしたいものがあって、少し時間を頂きたくてな、当然護衛付きで構わないが、一緒に来て欲しい。今や帝国最強の護衛と言われるSランク冒険者アレックスを連れていれば、何処でも君の身の安全は保障されるだろう・・・。当然、君の身を危険に晒す気は無いが。」
ライ先輩が、焦った感じを醸し出しながら、私にそう伝えた・・・。何かあるのは明らかだが、ノーム家の方が、多くの人がいる前で人を誘っている・・・。流石に断るわけにもいかず、変な事をすれば、ノーム家としても大きなリスクを背負う。テストの時のフローレンス嬢の所業が、次回の中央学院懲罰会議の題材になった以上に、変なことがすれば彼の地位を犯すまでのリスクが伴う、そんなリスクを無駄に負う人ではないと聞いているので、素直に答えた。
「わかりました。馬車で付いていけばいいでしょうか?」
「頼む。」
私は、雑談をしながら、ライ先輩について内門に向かった。
「アリア様、何かございましたか?」
「アレックス大丈夫よ。それより、ライアネン様が、私に見せたいものがあるらしいので、前の馬車に付いて行って欲しいんですが。」
「わかりました。ブルフラットマフィアの主力の場所は既に確認しております。ノーム公爵公太子殿下が近づくようなら、すぐさま引き返させて頂きます。」
「それでよろしくお願いします。私のせいで襲われない様に、彼の馬車にも護衛を。」
「畏まりました。」
アレックスくんは、合図をした後、馬車の御者台に乗り、馬車はライ先輩の後ろを走り出した。私は馬車の中で、ドキドキしながら座っていた・・・。
20分程進んでいったところで、アレックスくんが声をかけてきた。
「アリア様、帝都の外側に向かっておりますがよろしいでしょうか?この先に農業地区で平地が広がりますので、私以外の護衛が一旦離れることになります。」
「分かりましたわ。私も装備を整えておきますわ。」
「申し訳ございません。」
「良いのよ。」
私が装備を終えたころ、
ドガーン
馬車が大きく揺れた。馬車の結界に魔法がぶつかり、大きく揺れた感覚だった。馬車は止まり、勢いよく駆けていく馬車の音がどんどん小さくなっていった。
私は、完全武装し、扉を開けて馬車を降りた。
「アレックスくん、参りましょう。」
「はっ、こんなアリア様を見たら、スノーさんは腰を抜かすでしょうね。」
「スノーが悪いんです。彼女が襲われたことで、本気にさせたから・・・。」
降りると、どの方向にも周囲2キロ以上は農地が広がっており、作業小屋が点々としていた。そこに、戦闘用の装備を整えた500人以上マフィアが並んでいた。
「どこのマフィアだ・・・。」
アレックスくんが大声で叫ぶと、ボスらしきオーラを纏う男が大声で
「死んでいくお前たちに教えてやろう。我らは、フリューゲルファミリー。序列8位の大マフィア様よ。お前たちが来週末に倒そうとしているブルフラットに頼まれたのよ・・・。我らは、ブルフラットと違って武闘派だ、強いぞ・・・。ガハハハハ。最強と言われるアレックス。お前を狩って名を貰おう。」
「はぁ、ローデシアが裏切ったか・・・。」
アレックスくんのつぶやきが終わる頃、大男は、右手を上げた。
「スノー様。行きますよ。」
「はい、アレックスくん。」
大男が右手を手を下げた瞬間、500人を超すマフィアたちが動き始めた。
「帝級水魔法 陽炎結界」
私が、周囲に目立たない様な結界をはると、アレックスくんは召喚獣を確認し、
------------------------------------------------------
角獣族 一角ウサギ レベル364 うさ吉
スライム族 エンペラースライム レベル364 スラ吉
家畜族 プチカウ レベル382 ウシ吉
ゴブリン族 ゴブリンエンペラー レベル406 ゴブ吉
死霊族 エンペラースケルトン レベル398 ホネ吉
両性類型 ビックレインボーカエル レベル194 ゲロ吉
狼系 銀狼 レベル180 ロウ吉
コボルト系 エンペラーコボルト レベル181 コボ吉
豚人系 キングオーク レベル222 ブタ吉
鬼系 キングオーガ レベル228 オニ吉
牛人系 キングミノタウルス レベル207 ミノ吉
竜系 キングレッドドラゴン レベル196 ドラ吉
飛龍系 キングワインパーン レベル156 ワイ吉
キメラ系 キンググリフォン レベル149 グリ吉
植物人系 ロードラフレシア レベル97 ハナ吉
犬族 狛犬 レベル110 ポチ
猫族 招き猫 レベル116 タマ
アリ族 キングアント レベル232 アリ吉
リザード系 リザードキング レベル173 リザ吉
ゴーレム系 ゴッドゴーレム レベル1014 ゴレ吉
火獣族 ファイヤーヘルハウンド レベル186 燃え吉
植物族 ビックファイヤーフラワー レベル135 フラ吉
火人族 ファイヤーエンペラー レベル213 火の吉
火鳥族 フェニックス レベル79 ヒト吉
水獣族 ウォーターハウンド レベル94 濡れ吉
水人族 ウォーターキング レベル318 水の吉
水鳥族 水炎鳥 レベル41 ミト吉
木獣族 ウッドキングハウンド レベル32 柔ら吉
木人族 ウッドキング レベル44 木の吉
木鳥族 木鳥 レベル29 モク吉
石獣族 ロックハウンド レベル33 硬い吉
石人族 ロックキング レベル21 石の吉
石鳥族 ロック鳥 レベル17 イシ吉
宝石獣族 スターサファイアタイガー レベル19 輝く吉
宝石人族 ダイヤモンドメン レベル21 宝の吉
死竜系 ドラゴンゾンビ レベル52 しる吉
首無し族 デュラハンロード レベル172 クビ吉
------------------------------------------------------
巨大なドラゴン以外を召喚した
「サモン うさ吉、サモン スラ吉、サモン ウシ吉、サモン ゴブ吉、サモン ホネ吉、サモン ゲロ吉、サモン ロウ吉、サモン コボ吉、サモン ブタ吉、サモン オニ吉、サモン ミノ吉、サモン グリ吉、サモン ハナ吉、サモン ポチ、サモン タマ、サモン アリ吉、サモン リザ吉、サモン ゴレ吉、サモン 燃え吉、サモン フラ吉、サモン 火の吉、サモン ヒト吉、サモン 濡れ吉、サモン 水の吉、サモン ミト吉、サモン 柔ら吉、サモン 木の吉、サモン モク吉、サモン 硬い吉、サモン 石の吉、サモン イシ吉、サモン 輝く吉、サモン 宝の吉、サモン クビ吉・・・・ヤレ」
アレックスくんの声で動き出した・・・。弱めの召喚獣達は次々に消滅していくが、マフィア達も、どんどん倒されていくが、集団戦を行うマフィアに対し、個別でしか戦えない召喚獣達は、レベル差程の差を生むことできない。マフィアは、一線級のメンバーだけが来ているようで、宝の吉、柔ら吉、木の吉等低レベルの召喚獣達は瞬殺され、3分足らずで、残ったのは、うさ吉、スラ吉、ウシ吉、ゴブ吉、ホネ吉、コボ吉、ブタ吉、オニ吉、ミノ吉、アリ吉、ゴレ吉、火の吉、水の吉の13体。敵は、350人程度といったところだ、数の上では、極めて劣勢だが、時間をかけて各個撃破していけば、勝てるはずだった。
「一旦引け~。」
大男が叫ぶと、マフィア達は一斉に距離をとった。
「一角うさぎ、スライム、スケトン、ゴブリンは3パーティ、水男は2パーティー、ゴーレムは、10パーティ、残りは1パーティ。10パーティは人員補充と支援。押し留めるだけでいい。編成はリークスに任せる。パーク、グレン、ローザ、モルグのパーティはついてこい。あの2人と牛をヤル。」
「「「「「「「はっ」」」」」」」
大男がそう指示すると、32人のマフィアが、大男に集まってきた。大男が私の方に歩いてくるのを、召喚獣達が防ごうと寄っていくが、眼鏡をかけた優男が、指示を出して、召喚獣達を止め、大男達は足を止めずにゆっくりと寄ってくる。
「ガハハハ、戦いっていうのは、一人でやるんじゃなくて、チームでやるんだよ。敵が強ければ、こちらの弱点を補い、強い所を強化していく、召喚獣は、チームプレイができない。だから、パーティや、レイドで倒せばいいんだよ・・・。一対一で勝てなくても力を合わせれば勝てるんだよ・・・。数が力とは言わんが、チームワークは力になる。ガハハハハ。」
一応、マフィアだが、序列8位になるくらいの大ファミリーのボスとなる男だ、見た目ただの大男だが、極めて有能で、強い男らしい。
「33対3か・・・。アリア様全力で行きます。ウシ吉、アリア様をよろしく。」
アレックスくんは、剣をだし、構えた・・。
「唯の召喚士ではないのか・・・。パーク・・・・。」
パークと呼ばれたマフィアのパーティーが前に出た。
「帝級剣技 紅蓮打岩」
「帝級・・・。」
私が、全力でパークに打ち込み、剣速で、空気に摩擦が生まれ、炎共に、剣で受け止めたパークと呼ばれる剣士が吹き飛んで、剣が粉々砕け散った。その流れで、隣の盾を持つ戦士に打ち込み、その盾は凹み、後ろにいた魔導士と共に飛んでいき、後ろで戦っているゴル吉の方に飛んでいき、ゴル吉が目の前にいた戦士を投げ飛ばし、命中させて落とした。
「ホリー・・・」
次のモーションにいった時に、
「王級火魔法 火炎弾幕」
炎の球が弾幕を作る様に飛んできて、アレックスくんが大きく引いた
「王級火魔法 火炎弾幕」
私は、同じ魔法を放ち、迎撃した。100を超える炎の球がぶつかり、煙に紛れた中から、3人の剣士が突っ込んできた。
「特級剣技 猪突剣撃」
「上級剣技 無双剣」
「上級剣技 鬼連撃」
アレックスくんは、予想していた様に受け返す
「王級剣技 無限剣の舞」
アレックスくんは、舞を踊る様に、3人の剣を受け返し、無数の傷を負わせていく、その間にも、矢や、ナイフが飛んで来るが叩き落とし、魔法も剣で打ち返すという芸当を見せていく。
「王級水魔法 トルネードウェイブ」
「王級風魔法 鎌鼬の雨」
私は、次々と王級魔法を放ちアレックスくんを支援していく、徐々に、敵を倒していくが、召喚獣達が次々と敗れ、消えていった・・・。
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ」
「ぜぇ、ぜぇ、ぜぇ、ぜぇ」
戦闘開始から10分程経って、私と、アレックスくんは、肩で息をしていた・・・。残るは、ゴレ吉とウシ吉の二体のみ。敵も、まともに戦力となっているのは、ゴレ吉についている120人と、私達と戦う60人。半分以上倒したが、限界は近づいてきているようだ。
「もうすぐです。」
「はい。いきます。帝級水魔法 ギガライデン」
私は、肩で息をしながら、巨大な雷を落とし、4人を戦闘不能にした。
「ガハハハ、そろそろ限界かな・・・。一気に倒しに行くぞ。」
そう言って、大男が自分からアレックスくんに切りかかった。
「ガハハハ、このフォーゲルの剣を受けるか・・・ガハハハハ。」
強烈なフォーゲルの剣を受けているアレックスくんに、横から脇を狙って
「特級槍技 突貫一撃」
ギュワン
アレックスくんの脇に槍が当たったが、オリハルコン製の鎧に阻まれ、槍先が折れた。アレックスくんへの致命傷にならなかったが、衝撃で剣を受ける力が弱まり、フォーゲルの剣に押され、2歩程後ろに下がった・・・。大きなダメージではないが、この戦いで初めてまともなダメージを受けた。
「ガハハハ。元帝国四剣の一人と言われた、剛剣のフォーゲルの剣を止めたのは褒めてやろう。だが、そろそろ限界だな・・・。ガハハハ。」
そう言いながら、巧みな剣さばきと、一つひとつが重い剣戟に加え、少しでも足が止まれば、槍、弓、剣が飛んで来る。少しずつ少しずつダメージを重ねていった。私と言えば、剣と魔法を使いながら、ウシ吉と一緒に、身を守りながら戦うのが精いっぱいで、アレックスくんのサポートが出来ずにいた。
「ガハハハ、アレックスお主強いが、経験が足りなすぎるし、仲間が足りない。5年後に仲間を揃えていたら、儂も負けていたかもしれんがな。お前を殺すのは惜しくなった。儂の部下にならんか?」
「はっ?アリア様を死んでも守らないといけないんだ、お前の部下になんかなれるか・・・。逆に、マフィアなんてやってないで、うちのクランに入らないか・・・。」
「ガハハハ、うちのマフィアなんて、帝国の腐った奴らに嫌気がさして帝国軍を辞めたやつらの集まりで、大した犯罪網を持たない新興のマフィアだ、儂を倒したらファミリーの仲間と、お前のクランに入ってやるよ・・・。とりゃー。」
フォーゲルが、思いっきり振りかぶって剣を叩きつけると
「帝級剣技 剛剣烈波」
アレックスくんは、力技の剣技を放ち、押し返した。左右から来た剣士たちを
「サモン ワイ吉、サモン しる吉」
と、2体の召喚獣を剣士たちとの間に召喚し、食い止め、態勢を崩したフォーゲルを、そのまま押し倒し、剣を足で押さえつけ、首元に剣をつけた。その瞬間、ファミリーの全員の動きが止まった。
「動くな・・・。動くと、お前たちのボスの首が飛ぶぞ・・・。」
「うっ・・・。」
「ボス・・・・。」
全員が、殺気を飛ばしながら、アレックスくんを見ていた・・・。
「みんな、こいつを殺せ。儂に構わず・・・。」
「ボス・・・・。」
「ボス~~」
全員が、フォーゲルの指示を聞かず止まっていた。
「馬鹿ども・・・。うっ・・・・・。」
フォーゲルが、涙を浮かべながら、死を覚悟し無理やり剣を持ち上げようとしてた。アレックスくんが態勢を崩しそうになった瞬間。
ドガーン
フォーゲルの顔の周りに土埃が舞い、フォーゲルの顔を思いっきり蹴とばし、意識を刈った男を刈り、私に向かって跪く鎧の紋章に×の傷をつけた騎士がいた。
「アリア様、遅れました。アレックス殿、良く守ったよくやった」
「カインさん」
後ろを見ると、多くの騎士と、冒険者達が走ってきた。援軍が到着し、2分足らずで全員を無力化した。あっけない程、援軍は強かった。私とアレックスくんは、一度邸宅に戻り、入浴し、着替えて護衛を揃えて、ノーム公爵邸宅に向かった。
ノーム公爵邸宅に着くと、ハインリッヒ・ノーム公爵弟が迎えてくれた。応接室に通されひとしきりの挨拶をしたのち本題に入った。
「セイレーン公爵令嬢、甥の御者から話は聞いた。甥が貴方を連れていった場所に、黒服の男たちが待ち構え、攻撃を行った。そして、甥の指示で御者は逃げたとのことだった。その件か?」
「はい。ライアネン様が何処に向かれようとされたのか?そもそも、無事にお戻りになられたのか確認させて頂きたかったので・・。」
「そうか・・・。後ろに立つのは、噂のアレックス殿か・・・。出来たばかりの傷が多く、止血したばかりか・・・。大変申し訳ないことをしたようだな。甥は無傷で帰ってきて、自室で震えている。事実としてご想定通りだろうが、分かったらご報告しよう。当家として逃げ隠れする気はないが、今は事実関係を確認させて欲しい。」
「わかりました。よろしくお願いします。」
「こういうのも悪いが、公爵閣下によろしくお伝えしてくれ。当たり前だが、貴方の婚約者候補から甥は外れるだろう、公爵家の跡取りからもな。」
「遅い時間ですので、そろそろ失礼いたします。」
「気を付けてお帰りください。」
そう言って、公爵邸宅に帰った・・・。その日2つのファミリーが壊滅した・・・。そして、別のファミリーの幹部数人の首がイフリート公爵家の邸宅前に捨てられた。
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❇❇❇❇❇❇❇❇❇
2024年10月追記
お読みいただき、ありがとうございます。
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