最強暗殺者の末裔と王族の勘当娘 ~偶々出会った2人は新たな家族として世界を放浪します~

黄昏詩人

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~帝都決戦編 第10章~

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[異形を貫く碧閃]

 「う・・・」

 シャーロットは吹き飛ばされた後、スクラップの山の中で目を覚ました。受け身を取れずに思いっきり叩きつけられたせいで体中が酷く痛む。

 痛む体に鞭を打って起きると、奥でキャレットと化物が戦っているのが見えた。恐ろしい魔力を帯びつつ、一撃でも受けたら体がミンチになるような攻撃を紙一重で躱している。今は何とか対処できているが、何時まで耐えれるかは分からない・・・

 「お姉・・・ちゃん・・・」

 シャーロットは近くに倒れているヴァンパイア達に声をかけながら体を摩ったりするなど起こそうとした。皆死んではいなかったが、打ちどころが悪かったのか気を失っている。

 「だ・・・誰か・・・起きてる人は・・・いませんか?」

 シャーロットが倒れている仲間達に声をかけていると、足を滑らしてスクラップの山から転げ落ちてしまった。ガラガラガラとスクラップと共にシャーロットは地面にまで転がる。キャレットと化物は戦闘に集中していて気が付いていない。

 「う・・・」

 シャーロットは転がり落ちる時にうっかり腕を斬ってしまったが、その腕で体を起こそうとする。痛みで顔が歪み、右目を閉じる。

 何とか体を起こし、シャーロットは魔力を練ろうとした。だが先程の術と体に受けた傷の影響で魔力が上手く練れず、彼女の周りに現れた魔術紋章が現れては直ぐに消えてしまう。

 「はぁ・・・はぁ・・・こう・・・なったら・・・」

 シャーロットはリミテッド・バーストを発動しようと、限界の近い体に鞭を打って、改めて魔力を練ろうとした。だが練ろうとした瞬間、今度は先程よりも激しい痛みが彼女の体に走った。シャーロットはそのあまりの痛みで地面に伏せてしまう。

 シャーロットは痛みに苦しむ中、そんな自分が情けなくなってしまった。敵を仕留めきれなかった上に、姉を助けられもしない・・・このままではいずれ、姉が化物に殺されてしまうのは目に見えていた。

 「い・・・や・・・だ・・・」

 シャーロットはキャレットがいる方へ腕を伸ばす。幼い頃から傍にいた姉がいなくなってしまう・・・母も父もいなくなった上に姉までいなくなってしまうのか・・・姉が殺されれば次は自分が殺される番だと分かってはいるが、それでも目の前で姉を殺されるのは堪らなく嫌だった。

 『まだ・・・お姉ちゃんと一緒に・・・いたいッ!』

 シャーロットは腕をさらに伸ばす。届かないと知りつつも、それでも伸ばした。

 するとその時___指先に何かが当たった。何かざらざらとした___鉄などではなく、紙のようなものが。

 シャーロットは地面に伏せながら腕だけで這いずり、指先に落ちていた紙の元へ近づく。どうやら先程転がり落ちた際にスクラップの山の中から出てきたようだった。シャーロットはその紙を拾うと、体を起こしてその場に座り込む。

 「こ・・・れは・・・」

 シャーロットは紙に目を通す。古代ラステバルト語で書かれており、どうやら兵器の取扱説明書のようだ。

 「対化物決戦用魔導砲・・・『アルテミスの弓』・・・」

 その紙には兵器に関する説明と、兵器の見取り図が記載されていた。シャーロットが辺りを見渡すと、紙に載ってる兵器がすぐ傍にあった。

 巨大なワニの口を連想させるような二本の長い凹凸のある砲身が特徴的であるその兵器は、ぱっと見、高さが五メートル、横の長さが砲身含めて二十メートル以上はあると推測できる。良く見て見ると、兵器が備え付けられている砲台には砲座が設置されていた。

 「『この兵器は内地に侵攻してきた大型魔物・兵器を一撃で葬ることを想定している。射出する弾は精霊の魂を加工して作成した【精霊弾】を使用する。精霊弾は従来の火薬兵器に加え、人智を超えるエネルギーであるマナの力を合わせてその威力を爆発的に上昇させたものである。』」
 
 シャーロットはアルテミスの弓の辺りを調べる。すると、砲身の中に、碧色に輝く砲弾が装填されていた。

 『これが精霊弾・・・これをあの化け物に当てれば・・・』

 シャーロットは説明書を更に読み進める。あの化け物を倒す好機を見つけた今、体に走る激痛など取るに足らないものだ。

 「『【アルテミスの弓】の起動にはマナの供給が必要だが、もしマナの供給が行えない状況下であっても操縦者の魔力を直接供給することで起動させることが可能である。ただし、起動時には膨大なエネルギーが必要となる為、操縦者から直接魔力を供給するにあたってはその供給者の心身ともに良好な状態であっても死亡する可能性が極めて高い。成功例として、膨大な魔力を保有している者であれば直接操作できたことから、そもそも供給者が保持している魔力量が重要だと思われる。』」

 シャーロットはアストライオスの方を見る。ストライオスには『アルテミスの弓』を起動するのに使える核が存在し、ワーロックが結界を解いている為、持ち運ぶことは可能だ。しかし、そのアストライオスの前でキャレットと化物が戦っているので、回収に行くことは出来ない。

 ___と、こうなれば出来ることは一つだ。

 『私が・・・この兵器を動かす燃料になればいいんですね・・・』

 シャーロットは唾をごくりと呑んで、覚悟を決める。砲台に備えられている操縦席に座り、目の前にあるひび割れた黒い四角の板を見る。

 ・・・だが座ったはいいものの、何を触ればいいのか分からない。説明書にはそれ以上のことは書かれていない。元々ボロボロでまともに読めたのは先程まで読んでいた部分だけだった。

 「えっと・・・何ですかね、これは・・・」

 シャーロットはふと目についた色褪せた赤いボタンを押した。すると突如目の前にあった黒い四角の板が光を放ち、文字が現れる。

 《『アルテミスの弓』の起動を行います。》

 「わわっ!急に板から声が!」

 シャーロットは思わず驚いて声を上げた。まぁ、急に目の前の板から太い男の声が聞こえてきたらびっくりするのも仕方が無いだろう。

 《・・・マナの供給不足を確認・・・直ちにマナを供給してください・・・》

 「えっ・・・ど、どうしよう・・・どうしたらいいのかな・・・」

 《・・・声紋を確認。声主を操縦者と認識・・・操縦者に質問・・・直接魔力供給を行いますか?》

 「え?わ・・・私に聞いてるんですか?え・・・えっとぉ・・・」

 《・・・》

 「・・・はい。私が・・・魔力を送り・・・ます・・・」

 シャーロットが黒い板に言葉を発すると、板に掌の絵が現れた。

 《変更確認・・・マナの供給を手動で行います・・・供給者の手をここに置いて下さい・・・》

 シャーロットは謎の声に従い、右手を板の上にのせる。すると板の上を何か緑の光が上下に移動し始めた。そして光が消えると、謎の声がまた聞こえてきた。

 《供給者を認識・・・対象性別・・・女性・・・年齢・・・十代前半・・・魔力量・・・極めて膨大・・・警告・・・対象は未成年です・・・又、対象の身体・精神に重大な異常を確認・・・致命的な問題が発生する可能性があります・・・供給を行うのを中止しますか?》

 謎の声がシャーロットに警告する。だが彼女は奥で戦っている姉の姿を見て、呟いた。

 「・・・いいえ、このまま続けて下さい。私の魔力で・・・起きてください!」

 シャーロットがそう告げた瞬間、激しい痛みと脱力感に襲われた。また感電しているかのように全身が震え、呼吸が出来なくなる。体から魔力がどんどんと吸い出されていくのを感じる。

 しかしシャーロットは歯を食いしばり、耐えていた。あの化け物を倒す為・・・姉を助ける為・・・自分に今できることをやろうと必死だった。意識が朦朧とする中、懸命に自分自身の魂に叫びかけ、覚醒し続ける。

 「負けないッ___絶対にッ___負けませんッ!」

 シャーロットはさらに魔力を送り込む。もう体の感覚は無いが、それでも意識が持つ限り送り続ける。

 そしてシャーロットの魔力を吸収した『アルテミスの弓』は___薄っすらと輝きを帯びてきた。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 「あぁうッ!」

 キャレットは化け物の攻撃をレイピアで受けたが、防ぎきれずに吹き飛ばされてしまった。壁にぶつかった後、キャレットは膝をつく。

 「はぁ・・・はぁ・・・」

 「ギャオオォォォォォォォォッ!」

 化物がキャレット目掛けて突進する。キャレットは咄嗟に横へ飛び退いて、攻撃を回避する。

 『お母さん!力を貸してッ!』

 「これでもッ・・・喰らいなさいッ!」

 キャレットは自身の血を凝固させて糸を生成すると、その糸は地面を這い、化物の足に巻き付いた。化物の足は突然ブクブクと醜く膨れ上がり、破裂する。化物は足が破裂したことで体勢を崩す。

 しかし化物は肥大した右腕を大きく振り回した。腕はキャレットに当たり、またもや彼女は吹き飛ばされてしまう。地面を何度もバウンドし、勢いよく引きずられるような感覚を覚えた後に、止まった。

 「くッ・・・う・・・」

 キャレットは体を起こそうとしたが、もう限界なのか力が入らない。一方化物は足を再生させてキャレットの方へゆっくりと近づいていく。

 キャレットが立ち上がろうとした瞬間、化物の背中から伸びている触手がキャレットへ襲い掛かり、彼女を拘束、一気に引き寄せる。

 「あぁッ!」

 キャレットは懸命に足掻くが、抜け出せない。化物は目の前にまで連れてきたキャレットに向かって雄叫びを上げると、大きな口を開けた。口の中には雑に歯が生えていて、どの歯もノコギリの様に凹凸の激しいものだった。
 
 「・・・ふんっ、何て汚い口。匂いも最低・・・ちゃんと歯を磨きなさいよね・・・」

 キャレットは鼻で笑いながら化け物に対して指摘する。しかし化物は人語を理解していないのか、迷うことなくキャレットを己の口元に近づける。キャレットが体を何とか動かして、触手から何とか抜けようとした___

 ___その時だった。

 フゥィィィィィィィンッ!

 突如聞きなれない音が辺りに響き渡ると共に、大地が小刻みに激しく揺れる。化物はキャレットを食べる直前で体を固まらせると、首を後ろに向けた。

 化物の視線の先にはシャーロットの魔力を吸い取って起動した『アルテミスの弓』とそれを操っているシャーロットの姿があった。シャーロットはぐったりと項垂れていたが、顔を少しだけ上げて化物を睨みつけていた。

 『あの子何やってるの⁉ていうか、ここら辺にある兵器ってまだ使えたのね・・・』

 キャレットが驚いていると、自身に巻き付いている触手の力が弱まったのを感じた。化物がシャーロットに気を取られたせいなのか、それともあの兵器から発せられている膨大な魔力を感じ取って驚いたからなのかは分からないが、キャレットはこの隙を見逃さなかった。

 「はぁッ!」

 キャレットはレイピアを持っている右腕を強引に振り上げて触手を引き千切った後、体に巻き付いている触手を切断する。化物はキャレットが拘束を逃れたのを感じ取ると、彼女の方に再度意識を向け、腕を振り回した。

 キャレットは化物の攻撃を紙一重で回避すると、化物に抱きついて首元に噛みついた。噛みついた後、吸血して魔力をほんの少し補充する。

 『マズッ!もう最悪ねッ!』

 化物の血は腐った魚のような匂いと吐き気を催す泥水のような味がして、思わず少し吐き出してしまった。だが魔力を供給出来た事で、再び母から受け継いだ力を発動出来るようになった。

 キャレットは化物の体を蹴って距離を取ると、化物の体に血の糸を巻き付ける。化物の体が見る見るうちに膨れ上がり、風船のように体の部位が破裂していった。

 化物が悲鳴を上げながらその場に倒れ込む。その瞬間を見計らっていたのか、『アルテミスの弓』の砲身が緑色に輝きだす。ギュゥゥンンンン・・・とどんどん音が高くなっていくと同時に魔力が砲身に集中していく。

 「グ・・・グガァァァァァァァァッ!」

 化物が体を再生してその場から離れようとする。キャレットはその場から逃がすまいと血の糸を地面に這わせて化物の体を拘束する。化物が糸を千切ろうとするので、魔力を込めて糸を強化する。

 「逃がさないわよッ!」
 
 キャレットが殺意の籠った声で叫ぶ。化物もキャレットの叫びに反応して彼女に対し雄叫びを上げる。だがその直後、『アルテミスの弓』の砲身が太陽の輝きの様に一瞬光った。碧色の弾丸が周囲の空間を歪め、音速を遥かに超える速さで発射される。

 精霊弾は化物の体の真ん中を大きく抉り、貫通した。その後弾丸はアストライオスの方へ飛んでいったが外れてしまい、奥にある別の『アルテミスの弓』に命中し、爆発四散した。

 「ア・・・ガァ・・・」

 化物は体の殆どを抉られており、原形をとどめているのが奇跡だった。化物は右腕を天に向かって触れながら上げる。

 「ヨー・・・ゼ・・・ㇷ・・・」

 化物はそう呟くと、地面に倒れ、体がドロドロと溶け始めた。キャレットは立ち上がって、化物に近づく。

 『あんた、やっぱりあの時の八重紅狼だったのね・・・』

 キャレットは化け物の正体がユリシーゼということに気が付いた。何故古都で死んだ彼女が異形の姿となって再び彼女達の前に現れたのか・・・キャレットはふと疑問に思った。

 しかしその考えもシャーロットのことを思い出してからは頭の片隅へと消え失せた。キャレットは砲台の近くで力尽きて倒れているシャーロットの元へ駆け寄って行った。
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