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~探偵の失踪編 第10章~
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[彼女の手帳]
「これが・・・私が知っている事の全てです・・・」
時は戻り、フォルト達がコールドーゼ港へ到着したころへと戻る。フォルト達は街で娘の行方を聞いているケルドと出会い、話を聞いていると彼はフォルト達をカフェへと案内した。ケルドの話によるとそのカフェは以前レイアと一緒に行ったことがあるらしい。
ケルドからの話を聞き終えたフォルト達は暫く言葉を失うと、ロメリアがケルドに話しかける。
「ケルドさんは・・・レイアさんが宿から飛び出していった所までしか・・・その先の行方に関しては分からないんですね?」
「はい・・・街の中は勿論、港を出た先に続く街道沿いとその周辺を探しましたが何処にも見当たらず・・・今では雪が積もって捜索は出来ないとのことで・・・」
「捜査は打ち切られている・・・ってことか?ま、そりゃあそうだろうな。街の中がこんなに積もってるんじゃあ、街の外・・・それにその外れとなるともっと積もってやがるだろうからな。」
ケストレルが椅子に座ってフォルト達とケルドが座っている机の横にある机に頬杖をついて話す。ガーヴェラは窓際に立って外の景色を見ながら彼らの話を黙って聞いており、ヴァスティーソはカフェにいる女の人に笑顔で手を振っていた。
ケルドと向かい合って座っているフォルト、ロメリア、シャーロットの3人は互いに顔を見合わせると、シャーロットが声を上げた。
「・・・レイアさんって・・・フォルトやガーヴェラと同じ勿忘草色の髪・・・何ですよね?まさかその人も・・・」
「ジャッカルの血を引いてる可能性が高いかもね~。今回殺害された彼女のお母さんも勿忘草色の髪だったんでしょ?」
「ということはつまり・・・敵は僕達ジャッカルの血を引いている者を消そうとしている・・・」
「だろうね~。そしてジャッカルの血を消そうと思っている集団と言えば?」
「・・・コーラス・ブリッツ・・・」
フォルトがその名前を出すと、ロメリア達は黙り込んでしまった。ケルドは顔を俯けると、コートのポケットから1つの手帳と少し大きめの茶封筒を取り出した。茶封筒は折りたたまれおり、大きな皴が出来ていた。
ロメリアがそれらの手帳と茶封筒を見ると、彼に話しかける。
「それは?」
「・・・娘が宿から飛び出す前に私へと投げつけてきたものです。中身は見るなと言われたのですが・・・」
「・・・見たんですね?」
ケルドは頷いた。
「この手帳と封筒の中には最近頻発している『探偵連続失踪事件』に関する資料とコーラス・ブリッツに関する情報がありました。・・・危ないことはしてないと言っていたのに・・・私に嘘をついてまでこんな危険な組織を嗅ぎまわっていたなんて・・・何故・・・」
「その手帳を見せて頂けることは出来ますか?・・・後封筒の中身も・・・」
「ええ・・・構いませんよ。」
ケルドはそう言うとフォルトに手帳と封筒を手渡した。フォルトはロメリアに手帳を渡して封筒の中から資料を取り出して内容を確認すると、そこには失踪した探偵達の名前と経歴、失踪した経緯などが事細かに記されていた。他にもコーラス・ブリッツによって引き起こされたと言われる事件もまとめられていた。
「探偵連続失踪事件・・・古都軍の中でも最近問題として挙がって来ていたな。探偵は仕事柄口封じで殺されたり行方を消されたりすることがあるが、それでも年に10人程度だった。しかし今から3か月前辺りから急に失踪事件が多発してな・・・その数はたったその期間で200人を超える。」
「200人⁉増え方異常すぎじゃない⁉」
「ああ、異常だ。それもその失踪した探偵達が行方を眩ませると、住処は焼かれている。・・・全てな。だから何を調べていたのかは全然分からない・・・」
「でもこの資料には全部載ってるよ。・・・そしてまだ30枚ほどしか見てないけど、共通するところを見つけた。」
「何?共通するとこって?」
「・・・全員失踪する時に受けている依頼は探偵組合の会長から依頼されている。内容は異なるけど・・・それに失踪した探偵は皆、古都軍と非常に繋がりのある探偵だ。恐らく情報網として重宝していた人達なんだろうね。」
「じゃ・・・じゃあ会長さんはコーラス・ブリッツと繋がっていて・・・探偵達を消していたのは古都軍の情報網を弱体化させる為・・・てことですか?」
「恐らくな。・・・だからこの事件が頻発してきてから古都に逃げ込んできていたのか。」
「逃げ込んできた人はどうしてるの?」
「皆保護している・・・が、誰も怯えて話したがらなくてな。何で逃げてきたのか教えてくれない状況なんだ。」
「探偵組合の会長は何処にいるんだ?」
「グリュンバルド大陸の帝都に本拠地を構えている。」
「は~い、クロ確定~。どう見たって俺達古都軍を弱体化させるために彼らを殺して回ってるね~。帝都とコーラス・ブリッツが繋がっている以上、探偵組合も繋がっているだろ~ね~。」
ヴァスティーソはフォルトの後ろに来ると、彼が持っている資料を上から眺める。ロメリアは静かにレイアの手帳を確認している。
フォルト達が資料を捲っていると、ケルドが静かに話しだした。
「それらの資料はお渡しします。・・・私が持つよりも、娘の友人であるフォルトさんとロメリアさんに持ってもらった方がいいと思いますので・・・」
「いいんですか?レイアさんから持っててって言われたんじゃないんですか?」
「辛いのです・・・もう・・・その手帳や資料を持っているだけで・・・娘のことを思い出して・・・今はもう・・・何も考えたくない・・・何も考えられないのです・・・妻のことも・・・娘のことも・・・」
「・・・」
ケルドが顔を俯かせてその場で固まると、ヴァスティーソが彼に声をかける。
「・・・分かりました。ではお言葉に甘え、これらの資料は私達が預かることにします。何か分かりましたら、直ぐにご連絡しますので・・・」
「はい・・・」
「もし手元に戻したいときは古都へとお越しください。直ぐにお返ししますので・・・では失礼します。少年、ロメリアちゃん、行くよ。」
「うん・・・失礼します。」
「失礼します、ケルドさん・・・お話を聞かせて下さり、ありがとうございました。」
フォルトとロメリアは席を立って深くお辞儀をすると、カフェから出ていく。ケルドはフォルト達が出て行ってからもずっと席に座ったまま、顔を俯けていた。
外に出ると、乾いた冷たい風がフォルト達に吹きかかったが、先程まで降っていた雪は止み、青空が分厚い灰色の雲から覗いていた。
ガーヴェラが時計を見て現在時刻を確認する。
「・・・9時か。そろそろウィンデルバーグ行の馬車が港の入口に来るはずだ。」
「んじゃ、行くとしましょうか、皆。・・・大丈夫かい、お2人さん?」
ヴァスティーソがフォルトとロメリアの方を向いて優しく声をかける。
「う、うん・・・大丈夫だよ・・・」
「・・・」
2人の様子を見て、ガーヴェラが少し目を細めて声をかける。
「・・・お前達、まさか彼女を探したいとか思ってないよな?」
「・・・駄目・・・かな?ちょっとだけでも・・・」
「駄目だ。本来の目的を忘れた訳ではあるまい?ここに来たのは彼女の捜索ではなく、戦争を防ぐ為に来ているんだぞ?悪いがお前達の願いは聞けん。」
ガーヴェラがはっきりと冷たく言い放つとヴァスティーソが間に入る。
「ん~、ちょっとだけならいいんじゃない?今日途中で泊まるんでしょ?だったら1時間位寄り道してもいいでしょ?」
「ヴァスティーソ大隊長・・・貴方本気で言っているのか?」
「勿論。俺は何時だって本気だよ?」
「・・・」
「ガーヴェラちゃんはちょっと固すぎるんだよ。もうちょっと柔軟に行こうよ?」
「・・・貴方がいい加減すぎるだけだろう?」
「そうともいうね。」
「・・・はぁ・・・勝手にしろ。」
ガーヴェラは呆れたように大きく溜息をつくと、フォルト達に背中を向けて馬車乗り場へと1人で歩いて行った。ケストレルも小さく溜息をつくと、ガーヴェラの後を追っていく。
「ヴァスティーソ、ごめん・・・勝手な我儘言っちゃって・・・」
「いいんだよ、少年。彼女は少年の友達なんだろう?友達が心配になるのは当然のことだ。国家間のいざこざに関しては俺やガーヴェラに任せておけ。少年やロメリアちゃんが考えることじゃあない。」
ヴァスティーソはフォルトの肩に手を置いた。ヴァスティーソの大きくがっしりとした手からは物凄い安心感が伝わってくる。
「・・・でもどうやって探すんだい?彼女の痕跡を追う手段は何かあるのか?」
「それは・・・」
フォルトとロメリアが互いに顔を見合わせて眉を顰めると、シャーロットが話に入って来る。
「ロメリア・・・手帳・・・私に貸してくれませんか?」
「いいけど・・・なんで?」
「私なら・・・手帳に残っている彼女の香りから追うことが出来ます。」
「匂いで彼女を追うつもりなの?まるで捜査犬みたいだね・・・」
「ヴァンパイアは感覚が人よりも大分優れていますので・・・」
シャーロットはロメリアから手帳を受け取ると、ロメリアに話しかける。
「私も手伝います。フォルトとロメリアの友達を・・・放っておく訳にはいきませんから・・・」
「ありがとう・・・シャーロット・・・」
ロメリアがシャーロットの感謝を述べると、ヴァスティーソが3人に話しかける。
「じゃあまずは馬車乗り場に行くとしようか!早くいかないとガーヴェラちゃんが怒っちゃうからね~。もう怒ってるかもしれないけど。」
ヴァスティーソの言葉を受けてフォルト達は馬車乗り場へと向かった。空に漂っていた雲は減り、青空が広がりつつあった。
「これが・・・私が知っている事の全てです・・・」
時は戻り、フォルト達がコールドーゼ港へ到着したころへと戻る。フォルト達は街で娘の行方を聞いているケルドと出会い、話を聞いていると彼はフォルト達をカフェへと案内した。ケルドの話によるとそのカフェは以前レイアと一緒に行ったことがあるらしい。
ケルドからの話を聞き終えたフォルト達は暫く言葉を失うと、ロメリアがケルドに話しかける。
「ケルドさんは・・・レイアさんが宿から飛び出していった所までしか・・・その先の行方に関しては分からないんですね?」
「はい・・・街の中は勿論、港を出た先に続く街道沿いとその周辺を探しましたが何処にも見当たらず・・・今では雪が積もって捜索は出来ないとのことで・・・」
「捜査は打ち切られている・・・ってことか?ま、そりゃあそうだろうな。街の中がこんなに積もってるんじゃあ、街の外・・・それにその外れとなるともっと積もってやがるだろうからな。」
ケストレルが椅子に座ってフォルト達とケルドが座っている机の横にある机に頬杖をついて話す。ガーヴェラは窓際に立って外の景色を見ながら彼らの話を黙って聞いており、ヴァスティーソはカフェにいる女の人に笑顔で手を振っていた。
ケルドと向かい合って座っているフォルト、ロメリア、シャーロットの3人は互いに顔を見合わせると、シャーロットが声を上げた。
「・・・レイアさんって・・・フォルトやガーヴェラと同じ勿忘草色の髪・・・何ですよね?まさかその人も・・・」
「ジャッカルの血を引いてる可能性が高いかもね~。今回殺害された彼女のお母さんも勿忘草色の髪だったんでしょ?」
「ということはつまり・・・敵は僕達ジャッカルの血を引いている者を消そうとしている・・・」
「だろうね~。そしてジャッカルの血を消そうと思っている集団と言えば?」
「・・・コーラス・ブリッツ・・・」
フォルトがその名前を出すと、ロメリア達は黙り込んでしまった。ケルドは顔を俯けると、コートのポケットから1つの手帳と少し大きめの茶封筒を取り出した。茶封筒は折りたたまれおり、大きな皴が出来ていた。
ロメリアがそれらの手帳と茶封筒を見ると、彼に話しかける。
「それは?」
「・・・娘が宿から飛び出す前に私へと投げつけてきたものです。中身は見るなと言われたのですが・・・」
「・・・見たんですね?」
ケルドは頷いた。
「この手帳と封筒の中には最近頻発している『探偵連続失踪事件』に関する資料とコーラス・ブリッツに関する情報がありました。・・・危ないことはしてないと言っていたのに・・・私に嘘をついてまでこんな危険な組織を嗅ぎまわっていたなんて・・・何故・・・」
「その手帳を見せて頂けることは出来ますか?・・・後封筒の中身も・・・」
「ええ・・・構いませんよ。」
ケルドはそう言うとフォルトに手帳と封筒を手渡した。フォルトはロメリアに手帳を渡して封筒の中から資料を取り出して内容を確認すると、そこには失踪した探偵達の名前と経歴、失踪した経緯などが事細かに記されていた。他にもコーラス・ブリッツによって引き起こされたと言われる事件もまとめられていた。
「探偵連続失踪事件・・・古都軍の中でも最近問題として挙がって来ていたな。探偵は仕事柄口封じで殺されたり行方を消されたりすることがあるが、それでも年に10人程度だった。しかし今から3か月前辺りから急に失踪事件が多発してな・・・その数はたったその期間で200人を超える。」
「200人⁉増え方異常すぎじゃない⁉」
「ああ、異常だ。それもその失踪した探偵達が行方を眩ませると、住処は焼かれている。・・・全てな。だから何を調べていたのかは全然分からない・・・」
「でもこの資料には全部載ってるよ。・・・そしてまだ30枚ほどしか見てないけど、共通するところを見つけた。」
「何?共通するとこって?」
「・・・全員失踪する時に受けている依頼は探偵組合の会長から依頼されている。内容は異なるけど・・・それに失踪した探偵は皆、古都軍と非常に繋がりのある探偵だ。恐らく情報網として重宝していた人達なんだろうね。」
「じゃ・・・じゃあ会長さんはコーラス・ブリッツと繋がっていて・・・探偵達を消していたのは古都軍の情報網を弱体化させる為・・・てことですか?」
「恐らくな。・・・だからこの事件が頻発してきてから古都に逃げ込んできていたのか。」
「逃げ込んできた人はどうしてるの?」
「皆保護している・・・が、誰も怯えて話したがらなくてな。何で逃げてきたのか教えてくれない状況なんだ。」
「探偵組合の会長は何処にいるんだ?」
「グリュンバルド大陸の帝都に本拠地を構えている。」
「は~い、クロ確定~。どう見たって俺達古都軍を弱体化させるために彼らを殺して回ってるね~。帝都とコーラス・ブリッツが繋がっている以上、探偵組合も繋がっているだろ~ね~。」
ヴァスティーソはフォルトの後ろに来ると、彼が持っている資料を上から眺める。ロメリアは静かにレイアの手帳を確認している。
フォルト達が資料を捲っていると、ケルドが静かに話しだした。
「それらの資料はお渡しします。・・・私が持つよりも、娘の友人であるフォルトさんとロメリアさんに持ってもらった方がいいと思いますので・・・」
「いいんですか?レイアさんから持っててって言われたんじゃないんですか?」
「辛いのです・・・もう・・・その手帳や資料を持っているだけで・・・娘のことを思い出して・・・今はもう・・・何も考えたくない・・・何も考えられないのです・・・妻のことも・・・娘のことも・・・」
「・・・」
ケルドが顔を俯かせてその場で固まると、ヴァスティーソが彼に声をかける。
「・・・分かりました。ではお言葉に甘え、これらの資料は私達が預かることにします。何か分かりましたら、直ぐにご連絡しますので・・・」
「はい・・・」
「もし手元に戻したいときは古都へとお越しください。直ぐにお返ししますので・・・では失礼します。少年、ロメリアちゃん、行くよ。」
「うん・・・失礼します。」
「失礼します、ケルドさん・・・お話を聞かせて下さり、ありがとうございました。」
フォルトとロメリアは席を立って深くお辞儀をすると、カフェから出ていく。ケルドはフォルト達が出て行ってからもずっと席に座ったまま、顔を俯けていた。
外に出ると、乾いた冷たい風がフォルト達に吹きかかったが、先程まで降っていた雪は止み、青空が分厚い灰色の雲から覗いていた。
ガーヴェラが時計を見て現在時刻を確認する。
「・・・9時か。そろそろウィンデルバーグ行の馬車が港の入口に来るはずだ。」
「んじゃ、行くとしましょうか、皆。・・・大丈夫かい、お2人さん?」
ヴァスティーソがフォルトとロメリアの方を向いて優しく声をかける。
「う、うん・・・大丈夫だよ・・・」
「・・・」
2人の様子を見て、ガーヴェラが少し目を細めて声をかける。
「・・・お前達、まさか彼女を探したいとか思ってないよな?」
「・・・駄目・・・かな?ちょっとだけでも・・・」
「駄目だ。本来の目的を忘れた訳ではあるまい?ここに来たのは彼女の捜索ではなく、戦争を防ぐ為に来ているんだぞ?悪いがお前達の願いは聞けん。」
ガーヴェラがはっきりと冷たく言い放つとヴァスティーソが間に入る。
「ん~、ちょっとだけならいいんじゃない?今日途中で泊まるんでしょ?だったら1時間位寄り道してもいいでしょ?」
「ヴァスティーソ大隊長・・・貴方本気で言っているのか?」
「勿論。俺は何時だって本気だよ?」
「・・・」
「ガーヴェラちゃんはちょっと固すぎるんだよ。もうちょっと柔軟に行こうよ?」
「・・・貴方がいい加減すぎるだけだろう?」
「そうともいうね。」
「・・・はぁ・・・勝手にしろ。」
ガーヴェラは呆れたように大きく溜息をつくと、フォルト達に背中を向けて馬車乗り場へと1人で歩いて行った。ケストレルも小さく溜息をつくと、ガーヴェラの後を追っていく。
「ヴァスティーソ、ごめん・・・勝手な我儘言っちゃって・・・」
「いいんだよ、少年。彼女は少年の友達なんだろう?友達が心配になるのは当然のことだ。国家間のいざこざに関しては俺やガーヴェラに任せておけ。少年やロメリアちゃんが考えることじゃあない。」
ヴァスティーソはフォルトの肩に手を置いた。ヴァスティーソの大きくがっしりとした手からは物凄い安心感が伝わってくる。
「・・・でもどうやって探すんだい?彼女の痕跡を追う手段は何かあるのか?」
「それは・・・」
フォルトとロメリアが互いに顔を見合わせて眉を顰めると、シャーロットが話に入って来る。
「ロメリア・・・手帳・・・私に貸してくれませんか?」
「いいけど・・・なんで?」
「私なら・・・手帳に残っている彼女の香りから追うことが出来ます。」
「匂いで彼女を追うつもりなの?まるで捜査犬みたいだね・・・」
「ヴァンパイアは感覚が人よりも大分優れていますので・・・」
シャーロットはロメリアから手帳を受け取ると、ロメリアに話しかける。
「私も手伝います。フォルトとロメリアの友達を・・・放っておく訳にはいきませんから・・・」
「ありがとう・・・シャーロット・・・」
ロメリアがシャーロットの感謝を述べると、ヴァスティーソが3人に話しかける。
「じゃあまずは馬車乗り場に行くとしようか!早くいかないとガーヴェラちゃんが怒っちゃうからね~。もう怒ってるかもしれないけど。」
ヴァスティーソの言葉を受けてフォルト達は馬車乗り場へと向かった。空に漂っていた雲は減り、青空が広がりつつあった。
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