最強暗殺者の末裔と王族の勘当娘 ~偶々出会った2人は新たな家族として世界を放浪します~

黄昏詩人

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~ヴァンパイア・ガール編 第12章~

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[霧纏いし暗殺者]

 『あのガキ・・・急に雰囲気が変わった・・・如何やら私は奴の『地雷』を踏み抜いてしまったようだな?』

 ルーテスは魔術書を開いて霊力を本に集中させる。フォルトもゆっくりと息を吐きながら鎌を交差させるように構えると、姿勢を低くする。フォルトの目は獲物を狙う豹のように鋭く、真っ直ぐルーテスを見つめていた。

 ルーテスが更に気を配っていると、気のせいか周りが霞んでいるかのように風景が朧になっているように感じた。だがルーテスは元からこの隠れ里は深い霧に覆われているので、自分の気のせいだとそう思うことにした。

 だが次の瞬間、周囲の霧が一気にフォルトの周囲に集まってきてフォルトの姿を霧の中に隠した。フォルトの深紅に輝く瞳が2つ不気味に輝いており、ルーテスの背筋に鋭利な悪寒が走る。ルーテスの額から一筋の汗が勢いよく屋根へと落ちていく。

 ルーテスはすぐさま自分の周囲に蒼白く輝く火の玉の様な球体を多数出現させると、火の玉をナイフへと変形させる。その矛先は目の前に広がっている霧の海に向いている。

 『何だ、何なんだあのガキ・・・霧を操るだと・・・そんな能力を持っていたのか?』

 ルーテスが緊張で呼吸を荒くしていると、霧の中からフォルトの声が静かに響いてきた。

 「怖いか?・・・怖いだろう『見えない』というのは・・・」

 ジャラララ・・・と鎖が引きずられる音が心を不安にしていく。目の前ではっきりと見えている2つの瞳と不気味に聞こえてくる鎖の音が、鎖につながれている猛獣を連想させる。

 「人は視界を奪われると、聴覚や嗅覚など・・・他の感覚に頼りがちになる。これが聴覚、嗅覚でも変わらない・・・何かを奪われると他の物で代用しようとする・・・そしてその状態の時・・・代用されている感覚は通常よりも敏感に、鋭くなる・・・良くも悪くも・・・」

 霧の中から風を斬る音が聞こえてくる。ブン・・・ブン・・・とゆっくり・・・鎖を持って鎌を回しているのだろうか・・・ルーテスの心がより圧迫され、苦しくなる。

 「・・・だから私が今君に恐怖していると?左腕を切り落とされて、視界も制限された中、君が鎖鎌を操る音だけが響いてるから・・・私が恐怖しているとでも?」

 ルーテスは右腕を強く握りしめて、目の前の霧に怒鳴った。

 「図に乗るなよ、小僧っ!視界が制限されようとも、私の魔術は貴様を貫く!」

 ルーテスは右腕を突き出すと、生成したナイフを一斉に射出した。霧を巻き取り、貫きながら突撃していくナイフはあっという間にその姿を消した。

 ナイフが射出された瞬間、霧の中で輝いていた深紅の瞳が線を引き連れながら霧の中を不自然な動きで移動し始める。ナイフが霧の中に全て消えた瞬間、フォルトが霧を纏いながらルーテスへと斬りかかってきた。フォルトの体には傷が一切ついておらず、霧の中からナイフを弾いた音も聞こえなかったことから如何やら信じられないことにナイフの弾幕を全て回避してきたらしい。

 フォルトの鎌がルーテスの首を跳ね飛ばそうとした時、ルーテスは直ぐに結界を出現させる。その結界はロメリアの棍を防いだ結界と同じ形だった。

 『この結界・・・まさかっ!』

 フォルトはルーテスが行うことを察すると、後ろへと勢いよく退いた。すると、フォルトの予想通り、結界がフォルトを包み込むように広がり始めた。

 「君も彼女と同じように石にしてやろう!」

 結界はどんどん広がっていき、フォルトの背後へと回り込むように展開されていく。フォルトは屋根の端まで後ずさると、全力で屋根から飛び下がった。フォルトを包み込んでいた結界はフォルトを捕まえることが出来ずに何も無い空間を包み込んだ。

 「くそ・・・範囲の外まで逃げたか・・・だが、まだだ!」

 ルーテスは宙に幾つもの魔術陣を展開すると、その陣から魔術で生成された槍が雷を纏いながら出現する。およそ30近くある魔術陣から出現した槍は宙を飛んでいるフォルトに狙いを定めている。

 「結界から逃げたのは褒めてやるが、たった今貴様の運は尽きた!」

 ルーテスは手を高く振り上げると、勢いよくフォルトの方を指さした。その直後、槍が弓から放たれた矢のように雷を雲の様に引きながらフォルトへと突き進んでいく。

 「万雷の洗礼をその身で浴びて、焦げ落ちるがいい!フォルト・サーフェリート!」

 ルーテスの殺気の籠った叫びが、槍の勢いを加速させていく。槍を纏っている雷が激しく火花を出し始め、蒼い火の粉が舞い散っていた。

 だがその時、ルーテスはフォルトの頬が不敵に上がっていることに気が付いた。フォルトの置かれている環境は客観的に見れば絶体絶命という言葉が適切な状況なのだが、何故かルーテスの心の中には得体の知れない恐怖が苦しみもがく蛇のように畝っていた。

 『何だこの感覚・・・奴の方が圧倒的に不利なのに・・・何故こんなに心臓の鼓動が激しくなっているんだ⁉・・・気味が悪い・・・悪すぎる・・・』

 ルーテスが放った槍がフォルトの目の前にまで接近したその時、フォルトは両手に鎖を持つと勢いよく回して左右に投げつけた。フォルトが投げた鎖は、ルーテスが屋根の上に乗っている屋敷を取り囲むように展開すると、再びフォルトの下へと戻ってきた。一瞬にも満たない短時間で生成された鎖の包囲網にルーテスは動揺を隠せなかった。

 フォルトは体を宙で翻して、後方に展開されている鎖に足をつけると、その鎖を足場として空中で軌道を変えて、向かってきた槍を回避する。その勢いを殺さずにまた別の鎖を足場にして放たれた矢のように移動し続け、猿が木の枝を媒介して別の木に移動するように高速移動し続けるフォルトにルーテスは完全にペースを呑まれてしまった。

 「くそっ・・・槍が躱された上に霧も濃くなってきた・・・まずい・・・奴の姿を見失う・・・」

 ルーテスが霧に包まれた中、左右に首を振ってフォルトの行方を追っているとふと後ろに生温い風がふぅ・・・と過って体を振り向かせた。

 だが後ろを向いても誰もいない・・・その後も何度も何度も・・・まるで蛇のようにするりとじゃれ合うように・・・ルーテスの周りを撫でまわすように風が巻き付いてきた。

 「フォルト!貴様・・・何のつもりだ!私を小馬鹿にしているのか⁉舐めているのか⁉」

 ルーテスは魔術書を開くと膨大な魔術を集中させる。ルーテスはフォルトから煽られていると感じていたので、気が非常に昂ってしまっていた。

 「たかが10年ちょっとしか生きていないようなクソガキが舐め腐った真似しやがって・・・見ていろ・・・次に貴様の姿を捉えた時、確実に殺してやる・・・」

 ルーテスが憎しみに満ちた声で呟くと、少し離れた所にフォルトの姿がゆらりと現れた。フォルトは鎖鎌を両手に持ったままルーテスに背中を向けて立っていた。

 ルーテスは鬼の首をとったかのような笑みを浮かべると、フォルトに向かって叫んだ。

 「見つけたぞ、フォルト!」

 ルーテスは屋根の下から無数の魔力で生成した縄を出現させて、フォルトの体を拘束した。フォルトは一切反応を示すことなく、ただ経ち続けている。

 ルーテスはすぐさま幾つもの魔術陣を展開して先程と同じ雷を纏った槍を多数出現させる。ルーテスは狂ったような笑みを浮かべながら息を異常に乱してフォルトを見続けていた。異常に息が乱れてきていたのでルーテスはゆっくりと深呼吸し始める。

 『・・・少し興奮しすぎてしまったのか・・・年甲斐もなくはしゃぐとは・・・我ながらまだ精神が幼いようだ・・・』

 ルーテスがそんな事を思っている中、フォルトはゆっくりと顔を後ろに向けてルーテスを見る。その目は非常に哀れで、救いようのないものを見るような悲しい目をしていた。

 「何だその目は?私を馬鹿にしているのか?」

 ルーテスがぜぇぜぇと息を乱しながら声を発すると、フォルトは小さく呟いた。・・・おかしい・・・温い風が吹き終わってから、ずっと息苦しさが収まらない・・・

 「・・・『老い』って怖いね。年を取ると感覚が鈍くなるって言うのは知っていたけど、まさか『死んでいる』ことにすら気が付かないなんて・・・」

 「・・・は?死んでいるだと?既に?この私が?」

 ルーテスは息が上手く出来なくなっていることも忘れて、高らかに笑い声を響かせる。

 「あはははは!フォルト君!君は一体何時からそんなくだらない嘘をつく様になっていたんだい?私が死んでいるだって?・・・ゴホッ、ゴホッ!・・・見たまえ、私はまだこの通り、元気だよ?言葉も発しているし・・・ゴホッ!・・・体も動かせる。」

 ルーテスはそう言って本を閉じると、本を持ったまま右腕を振り上げた。ルーテスの視線はフォルトに釘付けにされていた。

 「この右腕が振り落とされた瞬間、今展開している槍が射出される。・・・今度こそ逃さない。」
 
 「・・・」

 「ふふふ・・・恐怖で何も言えないのか?・・・まぁ、それも仕方が無い・・・目の前に『死』があると誰もが口を閉じてしまうものだ・・・」

 ルーテスはフォルトに笑みを浮かべる。

 「だがこんな状況になったのは君のせいだからな?君があの時・・・大人しくさえしていれば死なずに済んだものを・・・もはやくだらない嘘をつくことでしか私に対抗する手段がなくなるとは・・・悲しいなぁ?」

 「・・・」

 ルーテスは笑みを絶やさずに話を続ける。

 「最後に何か・・・言っておきたいことはあるかな?私は優しいからね、最後の言葉位は聞いてあげようじゃないか。私に対する罵詈雑言でもいいし、詫びの言葉でもいいぞ?」

 フォルトは相変わらずの哀れな目を符ルーテスに向けながら返事をする。

 「・・・それじゃあ、1つだけ。あんたに尋ねておきたいことがある。」

 「ほぅ、訪ねておきたい事ね?・・・いいよ。冥途の土産話に持っていくがいい。」

 ルーテスの言葉を受けると、フォルトは小さく溜息をついてから呆れた口調で話しかける。

 「さっき右腕が振り下ろされたらその槍が射出されるって言ってたけど・・・『どうやって切り落とされた右腕を振り下ろすの』?」

 「・・・何だと?貴様・・・何を言っている?右腕が・・・『切り落とされた』?」

 ルーテスがフォルトに向けていた視線を振り上げている右腕の方へと向けると、なんとあるべき筈の右腕が無かった。傷口から噴き出る血を見た瞬間、今まで一切感じなかった耐えがたい痛みが全身に走る。

 「うぐあぁぁぁぁぁぁぁッ!」

 両腕を失ったルーテスが足元に視線を向けると、そこには魔術書を手に持った右腕が血だまりの中に転がっていた。何で右腕が切り落とされているのか・・・フォルトは自分の術で拘束されているのに・・・ロメリアは石化して身動きが取れないのに・・・他の人達はそれぞれ戦闘を繰り広げていて助けには来れないのに・・・全く理解できずにルーテスの頭はパニック状態に陥った。大量出血により体も冷えてきていて、思うように動かない。

 『い、何時の間に斬られた⁉フォルトは・・・あのガキは確かに私の術でっ・・・』

 ルーテスがフォルトに視線を移した瞬間、急に視界が歪み、地面へと倒れた。動いていないのに・・・勝手に。

 ルーテスが自分の足へと視線を向けた時、驚きの光景を目の当たりにした。

 ・・・足が・・・両足ともバラバラに切断されていたのだ。

 「うああああああああっ!足がっ!私の足がぁぁぁぁぁっ!」

 ルーテスは完全に気を取り乱して、叫び声を周囲に響かせる。その瞬間、フォルトを拘束していた縄が崩れ去り、ルーテスの周囲に展開されていた槍も消失した。

 フォルトがゆっくりとルーテスの方に体を向けて見下ろすように真っ直ぐ視線を向けると、ルーテスはみっともなくその場で藻掻いた。フォルトが鎌の刃をルーテスに見せつける様に輝かせると、ルーテスは裏返った声でフォルトに話しかける。

 「ひ、ひぃぃぃぃぃ!や、止めてくれ!」

 「今更命乞い?・・・みっとも無いよねぇ。死ぬ時ぐらいはしゃんとしなよ。」

 フォルトは屋敷を取り囲んでいる鎖を元の長さに戻して包囲網を解除した。フォルトの目が深紅色から元の黒色へと戻る。

 「それにね、もう殺さないでって言ってももう遅いんだよ?・・・だってとっくに『殺しているんだから』・・・『僕』じゃあもう助けられないよ。」

 そう言うと、ルーテスの額に網目状の薄い切り傷が浮き出てきた。ルーテスの表情はそのまま固まり、何も言葉を発することが出来なくなるとサイコロの様にルーテスの全身がバラバラに崩れ去った。

 フォルトは只の肉片へと変貌したルーテスに向かって呟く。

 「『鎌鼬』って知っていますよね?鋭い風を纏って全く痛みを感じさせることなく人の肉を斬る妖怪・・・あれの正体は諸説あって、音速を超えた時に発生する衝撃波って言われてるのもありますけど・・・今回はその考えをもとに貴方の体を切り刻ませてもらいました。超高速で移動して、鋭い刃で一瞬にして斬り刻む・・・斬られた相手は自分が斬られたということすら認識することなく、幕を閉じる。」

 フォルトは足元に散らばる肉片に向かって鼻で笑い飛ばす。

 「まぁ、今回僕もまだまだだったようでルーテスさんは苦しんでお亡くなりになりましたけれどね?・・・最も、裏切り者のルーテスさんに対してですから全然罪悪感が湧かないんですけれど。」

 フォルトはルーテスの右腕に握られている魔術書を手に取ると、付着した血をハンカチで拭き取っていく。本を拭きながらフォルトは肉片に語り掛ける。

 「この本は貰っていきますよ。・・・もう貴方には必要ないものでしょうから。」

 フォルトはそう言って屋敷の屋根から石になったロメリアが転がっている近くへと飛び降りる。フォルトが消えた屋根には血の匂いが充満していた。
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