最強暗殺者の末裔と王族の勘当娘 ~偶々出会った2人は新たな家族として世界を放浪します~

黄昏詩人

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~葡萄狩り編 第6章~

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[採取の最中]

 「はい、採れたよ!」

 フォルトは梯子に登って高い木の上に生えている鮮やかな青紫色の葡萄を刈り取ると、梯子の下に籠を持って構えているロメリアに合図を送ってゆっくりと籠の中に葡萄を入れる。ロメリアも葡萄狩りをしていくにつれてどんどん機嫌が戻っていった。

 葡萄狩りが始まってどれぐらい経っただろうか、両手で成人女性が両腕で抱えるほど大きな籠には溢れる程の葡萄が入っていた。ロメリアが少し腕を小刻みに震わせているので、フォルトが声をかける。

 「ロメリア大丈夫?結構重いでしょ?」

 「うん・・・重い・・・」

 「もう下ろしていいと思うよ・・・これ以上葡萄切り取っても入らなさそうだし・・・」

 フォルトはそう言って梯子から飛び降りると、ロメリアが抱えている籠を持ってゆっくりと地面に降ろす。ロメリアは額に流れている汗を拭った。

 「ふぅ・・・いっぱい採れたね~。どれも瑞々しそうで美味しそう・・・」

 「綺麗なモノだけを厳選して切り取ったからね・・・どうするこれ、換金する?それとも持って帰る用として袋に詰める?」

 「う~ん・・・これは全部換金してもいいかな?まだまだ沢山葡萄はあるし、時間もいっぱいあるからね。その葡萄達を換金したら、今度は持って帰る用の葡萄を沢山採ろうよ。」

 「了解。それじゃあロメリアは木の影で休んでて?僕が換金してくるよ。」

 「大丈夫?その籠結構重いよ?一緒に持っていこうか?」

 「大丈夫だよ。それにロメリアさっきからずっとこの籠持っててくれているんだもん。疲れているでしょ?」

 フォルトがロメリアに微笑みながら声をかけると、ロメリアもフォルトに微笑んだ。

 「・・・それじゃ、フォルトに甘えちゃおうかなぁ?・・・気を付けてね。」

 フォルトはロメリアに頷くと籠を両腕で抱えるように持ち上げて落とさないようにゆっくりと換金所へと向かった。フォルトは換金所へと向かうまでの間、周りを見渡した。

 フォルト達がいるこの葡萄採取場は安全地区で魔物が入ってこない為、家族づれの人達やカップル達が楽しそうに葡萄狩りを満喫していた。人数は100~200人程・・・フォルト達が採取している時に横を通ったスタッフ達が今年は参加者総数の割には黄金の葡萄目当てではない人が多いなと言っていたのを思い出した。

 フォルトは両腕を震わせながらなんとか換金所まで持っていくと、換金所の机の上に籠を勢いよく置いた。両腕の筋肉がパンパンに膨れ上がっていた。

 「すみません・・・この葡萄の換金をお願いします・・・」

 「かしこまりました。換金が終了するまで少々時間がかかりますのでこちらの葡萄ジュースを飲んでお待ちください。」

 フォルトはスタッフから氷が入ったコップ一杯に注がれている葡萄ジュースを受け取ると、受付の傍にある長椅子に座ってゆっくりと体の中に流し込んでいく。キンキンに冷えたジュースが喉を通って食道、胃へと通っていき、火照った体を冷やしながら癒してゆく。

 ジュースを飲み終えて、少しの間椅子に深く腰掛けていると受付の方からフォルトの名前が呼ばれたので、フォルトはコップを持って受付へと向かう。受付に着くと、スタッフはフォルトから氷が解けて水が少し溜まっているコップを受け取り、換金の結果を伝える。

 「大変お待たせいたしました。換金が終わりましたので今からご報告させて頂きます。・・・まず、こちらが換金されたお金が入っている封筒とその明細書です。」

 スタッフがフォルトの前に封筒と羊皮紙で出来た1枚の明細書をフォルトの前にそっと差し出した。フォルトは明細書に目を通すと、思わず額面金額に驚きの声を上げた。

 「19万カーツッ⁉あれだけの葡萄でこんなにするんですか⁉」

 「ええ、実は我々も少し驚いていたんです。皆様に採って頂いている葡萄は市場には出荷できないモノ・・・言ってしまえば粗悪品ばかりなのです。ですから、本来ならフォルト様がお持ちいただいた量ですと、精々3000カーツ程が相場なのですが・・・一体どうやってここまで上質な葡萄を採ってきたのですか?確かにあの葡萄畑にはまだ上質な葡萄は僅かに残ってはおりますがあんだけの量を採って来るなんて・・・」

 受付スタッフ達が興味津々にフォルトに話を聞いてきた。フォルトは自分達がどうやって採っていたのか説明をした。

 「どうやってと言われましても・・・別に変わったことはしていないつもりですけど。色んな葡萄の木を見て回って大きいなぁって思ったのを丁寧に切り取っていただけなんですけどね。大きい方がおいしそうだなって思って・・・」
 
 「本当に・・・それだけなんですか?」

 「ええ。そうですけど・・・」

 フォルトがそう言うと、スタッフ達は互いに顔を向けて驚きの表情を浮かべる。

 「聞いた今の話?この子凄いわね・・・」

 「直感だけで上質な葡萄を選ぶ抜くことが出来るなんて俺達でもそんなにできることじゃないのにな。・・・それもこんな『余り物』が大量にある畑の中から的確に採って来るなんて・・・」

 「是非ともうちに欲しいな。」

 スタッフ達が何やらボソボソと固まって話しているのでフォルトはその間に封筒の中に入っている金額を確認する。封筒の中をのぞいてしっかりと19万カーツ入っていることを確認すると、懐に入れた。

 確認が終わってもスタッフはまだヒソヒソと会話を続けていたのでフォルトは彼らに声をかける。

 「あの・・・そろそろ戻っていいですか?姉を待たせてしまっているので・・・」

 「えっ?・・・ええ、勿論ですよ!長く引き留めてしまい申し訳ありませんでした!」

 スタッフ達が頭を下げると、フォルトも小さく頭を下げて換金所を後にした。換金所を出ると、太陽はすっかりフォルトの真上へと上っていて、強烈な熱線がフォルトをじりじりと焼いていた。

 『結構時間使っちゃったな・・・ロメリア、退屈にしているだろうな・・・』

 フォルトはロメリアの事が気になり葡萄畑の中を走り出した。さっきまで冷えていた体が一瞬で熱を帯びていく。

 フォルトがロメリアを待たせている所まで戻っていると、そこでロメリアが梯子に登って葡萄を採っている光景が目に入ってきた。高い所にある葡萄をもぎ取ろうと背伸びをしており、何とかもぎ取ったが少しバランスを崩して体が斜めになってしまった。ロメリアは慌てて両手をバタバタと動かしてバランスを取り、梯子にしがみついてホッと安堵の息を漏らしていた。

 「ロメリア!何してるのさ!」

 フォルトは大きな声でロメリアに呼びかけると、ロメリアはフォルトの方を向いてえへへ~と間抜けな声を上げながら微笑んだ。

 「ようやく帰ってきたね、フォルト~?換金に時間がかかったの?」

 「ん、まぁちょっとかかったけど・・・そんな事よりもロメリア!無茶して高い所の葡萄を素手で採ろうとしたら危ないよ⁉」

 「ごめん、ごめん!待っている時にずっと気になっちゃって・・・」

 「はぁ・・・ロメリアと一緒にいるとホント退屈しないよね・・・」

 「でしょ~!私の友達もみんなそう言ってくれるんだよ?」
 
 ロメリアは胸を張ってドヤ顔をフォルトに見せつけた。

 『誉め言葉で言ったつもりじゃないんだけどなぁ・・・』

 フォルトはロメリアの能天気なドヤ顔を見ながら深い溜息をついた。ロメリアがフォルトに先程危なげにもぎ取った葡萄を見せつけるように突き出す。

 「そんな事より、フォルト!この葡萄一緒に食べようよ!私が採ったんだからきっと美味しいよ~?」

 「何処から出てくんのさ、その自信は・・・」

 フォルトは呆れながらもロメリアの横に近づいて木の影で一緒に腰を下ろす。ロメリアは葡萄を一粒千切ると、フォルトの口元に持っていく。

 「は~い。フォルト?あ~んして?」

 「や、止めてよ・・・自分で食べられるよ・・・」

 「いいじゃん、いいじゃん!1回位させてよ~?はい、あ~ん?」

 「うっ・・・一回だけだよ・・・?あ・・・あ~ん・・・」

 フォルトは恥ずかしさで頬を赤らめながらロメリアの方を向いて目を閉じると、ロメリアが葡萄の皮をむいてフォルトの口の中に葡萄の実を入れた。フォルトが葡萄をゆっくりと咀嚼すると、潰れた葡萄から濃厚で甘い果汁が口の中一面に広がった。

 フォルトが余りにもおいしくて目を開いて頬を緩ませながら食べていると、ロメリアが顔を覗き込んできた。

 「美味しい?」

 「・・・うん!昨日もパイに入っているのを食べたけど、そのまま食べたほうがより濃厚で美味しいね!まるで実の中に砂糖でも入れているのかと勘違いしちゃうほど甘いし、何より粒が大きくて食べ応えもある・・・そしてしつこく味が残らないから何個でもいけちゃうね?」
 
 フォルトとロメリアは一口一口しっかりと味わっているといつの間にか房から葡萄が無くなってしまっていた。

 「あ・・・無くなっちゃったね。」

 「沢山生えていたのにね~。美味しくてあっという間に食べきっちゃった・・・私達、食いしん坊さんだね?」

 「あはは!違いないや!」

 フォルトとロメリアは葡萄畑の木の下でお互いに微笑みあった。2人の間に葡萄の心地よい香りを纏った風が優しく撫でるように吹き、2人の心を温めていく。

 そんな誰にも邪魔されたくない幸せなひと時を過ごしていると、フォルト達の前に1人の男が現れた。

 「おやっ?また会ったね、君達。今はお休み中かな?」

 フォルト達が顔を上げると、目の前にケストレルが相も変わらず不敵な笑みを浮かべて立っていた。フォルトは目を細めて男を睨みつける。

 「・・・何の用ですか?」

 「おいおい、そんな目で見るなよ?俺、結構心脆いんだからよ・・・傷ついちまうぜ?」

 ケストレルは飄々とした態度でフォルトを見下ろし続ける。ケストレルはムッとしているフォルトの横にいるやや目を細めて不審そうに見つめてくるロメリアを見ると、再びフォルトの方に視線を戻す。

 フォルトはケストレルに質問を投げかけていく。

 「・・・貴方も葡萄狩りに参加していたんですね。」

 「まぁな。どんな病や傷でも治せてしまう果実何て聞いたら参加せずにはいられなくなったって感じだな。」
 
 「・・・何の職業をしている方何ですか?見た所、余り『綺麗な仕事』をしているようには見えないですけど・・・」

 「お、少年!中々察しがいいじゃないか。・・・傭兵をしているんだよ、フリーのな。」

 ロメリアがフォルトに少し身を寄せてケストレルに声をかける。

 「傭兵って・・・金さえ積まれれば戦争しに行ったり、殺しに行ったりする仕事をこなす人の事だよね・・・」

 「んまぁ・・・金さえ積まれれば絶対に行くって訳じゃないけど、嬢ちゃんの考えで大体合ってるな。」

 「・・・」

 ロメリアはそのままケストレルの顔を見つめたまま黙り込むと、フォルトがより警戒を強めながら男を睨みつける。

 「僕達に近づくのは・・・誰かから依頼されたから?」

 フォルトの言葉にケストレルは大げさに反応を示した。

 「まさか!本気で殺しに行くなら夜寝静まった頃に殺りに行くぜ?・・・それとも何だ?何か殺しの依頼をされるような恨まれごとでもやらかしたか?もしくは・・・少年のお姉さんが元王女で自由気ままに生きる彼女を快く思っていない奴が依頼したとか思ってたりすんのか?」

 ケストレルは大げさに笑い続けるが、フォルトは彼の言葉を聞いた瞬間、目に殺気を宿らせて男を威圧する。ロメリアが驚いて思わず体を前のめりにするとケストレルに声をかける。

 「貴方っ!私が元王女だなんてどうしてっ・・・」

 「どうしてって・・・少し前に帝都に寄った時に聞いたんだよ。ロメリア王女が身分を剥奪されたってな。・・・まさか身分を剥奪された後、血も繋がっていない子供と家族ごっこをやりながら旅をしているとは思っていなかったが。」

 「・・・」

 「まぁそれに関しては何かしらの事情があるっぽいから俺は何も聞かないぜ。俺には関係のない話だからな。」

 ケストレルはそう言うと、葡萄畑の奥地へと歩きだした。ケストレルはフォルトとロメリアに背を向けながら右手を高く振り上げて左右に大きく振る。

 「それじゃまたな。次会った時からあんたらの事は『フォルト』と『ロメリア』って呼び捨てで言わせてもらうぜ?」

 大声でケストレルはそう言うと、奥地へと歩いて行った。ロメリアはケストレルが遠くへ行くのを確認すると、フォルトに囁くように話しかけた。フォルトは身に纏わせていた殺気を解き、ロメリアの声に耳を傾ける。

 「あの人・・・結局何で話しかけてきたのか良く分からなかったね・・・」

 「・・・うん。」

 「見た所この辺に生えている葡萄を採っている感じもしなかったし・・・『黄金の葡萄』目当てなら何でこんな所にいたんだろうね?ここは安全採取場だから『黄金の葡萄』が採れる訳ないのに・・・」

 「・・・そうだね。」

 フォルトはロメリアの言葉に小さく相槌を打ちながらもう見えなくなったケストレルの方をじっと見つめる。腹の中で何を考えているのか読めないケストレルに対して、フォルトは先の見えない霧の中に放り込まれたかのような嫌悪感を覚えていた。

 「ん~ああっ、もうっ!何で折角楽しく葡萄狩りしようって来たのにこんなもやもやとした気分にならなくちゃいけないの~!」

 ロメリアはうがーっ!と両足を伸ばして両腕を高らかに上げながら叫ぶと、勢いよく立ち上がった。

 「フォルト!このもやもやとした気持ちを吹き飛ばす為に葡萄狩るよっ!ホラ立って⁉」

 「はいはい・・・そんなに急かさないでよ・・・」

 フォルトはロメリアの声に急かされてゆっくりと立ち上がると近くの木を見渡すと、一番近くに木に大きな葡萄がなっていたのを見つけた。

 「ロメリア、あそこの葡萄狩るから籠持って下で待ってて。」
 
 「了解っ!」

 ロメリアの返事を聞くと、フォルトは一気に梯子を上って葡萄を手に掴んだ。

 ロメリアが梯子の下に籠を持って待機したのを確認すると、鎖鎌を取り出してフォルトがその葡萄を切り離そうとした・・・その時だった。

 ブチィ・・・

 何処かで小さく縄が切れる音がフォルトの耳に入ってきた。
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