27 / 49
~魔族襲撃編 第9話~
しおりを挟む
[奇襲]
グレゴルド王朝・第九紀・四十五年・五月___アルヴェント大陸南部・アフターグロウ郊外
「綺麗に入ったな。見事な腕だ。」
街の外にあるある山の上___黒のフードを被った男が傍にいる銀髪でハーフアップに纏めている女性に声をかける。女性は白銀のドレスを身に纏っており、夜の闇の中でも月の光を受けて控えめながらも神々しく輝いている。
「ですが仕留めきれてません。炸裂直前に情報にあった八英雄の魔術使いが結界を張りましたので。それにもう一人の八英雄・・・あの男は何故か矢の気配を感じ取っていた。中々にやりますよ。」
「だろうな。そう簡単に倒せる奴らでないことは分かっている。」
フードの男はくるりと踵を返した。
「だが、我々の敵ではない。___『アルテミス』、星を落とせ。」
フードの男が指示を出すと、アルテミスと呼ばれた女性は天に向かって一本の矢を放った。
「《 プルウィアアストルム(雨堕ちし流星) 》」
矢は夜空に吸い込まれた後、輝く星々の数に分裂し、アフターグロウの街へ降り注いだ。街のいたるどころで巨大な爆発と火柱が発生し、瞬く間に街は阿鼻叫喚の地獄と化した。
「では後は任せる。五分後に何があろうとも帰還せよ。」
「了解しました。」
アルテミスが返事をすると、フードの男はその場から姿を消した。アルテミスは燃え盛る町を見下ろし、視線をウィルベール達がいる教会の塔の上に向ける。塔の上はまだ炎に包まれていた。
「さて・・・お手並み拝見と行きましょうか。」
アルテミスはそう呟き、すぅ・・・と姿を消した。
グレゴルド王朝・第九紀・四十五年・五月___アルヴェント大陸南部・アフターグロウ郊外
「綺麗に入ったな。見事な腕だ。」
街の外にあるある山の上___黒のフードを被った男が傍にいる銀髪でハーフアップに纏めている女性に声をかける。女性は白銀のドレスを身に纏っており、夜の闇の中でも月の光を受けて控えめながらも神々しく輝いている。
「ですが仕留めきれてません。炸裂直前に情報にあった八英雄の魔術使いが結界を張りましたので。それにもう一人の八英雄・・・あの男は何故か矢の気配を感じ取っていた。中々にやりますよ。」
「だろうな。そう簡単に倒せる奴らでないことは分かっている。」
フードの男はくるりと踵を返した。
「だが、我々の敵ではない。___『アルテミス』、星を落とせ。」
フードの男が指示を出すと、アルテミスと呼ばれた女性は天に向かって一本の矢を放った。
「《 プルウィアアストルム(雨堕ちし流星) 》」
矢は夜空に吸い込まれた後、輝く星々の数に分裂し、アフターグロウの街へ降り注いだ。街のいたるどころで巨大な爆発と火柱が発生し、瞬く間に街は阿鼻叫喚の地獄と化した。
「では後は任せる。五分後に何があろうとも帰還せよ。」
「了解しました。」
アルテミスが返事をすると、フードの男はその場から姿を消した。アルテミスは燃え盛る町を見下ろし、視線をウィルベール達がいる教会の塔の上に向ける。塔の上はまだ炎に包まれていた。
「さて・・・お手並み拝見と行きましょうか。」
アルテミスはそう呟き、すぅ・・・と姿を消した。
0
お気に入りに追加
45
あなたにおすすめの小説
【完結】【勇者】の称号が無かった美少年は王宮を追放されたのでのんびり異世界を謳歌する
雪雪ノ雪
ファンタジー
ある日、突然学校にいた人全員が【勇者】として召喚された。
その召喚に巻き込まれた少年柊茜は、1人だけ【勇者】の称号がなかった。
代わりにあったのは【ラグナロク】という【固有exスキル】。
それを見た柊茜は
「あー....このスキルのせいで【勇者】の称号がなかったのかー。まぁ、ス・ラ・イ・厶・に【勇者】って称号とか合わないからなぁ…」
【勇者】の称号が無かった柊茜は、王宮を追放されてしまう。
追放されてしまった柊茜は、特に慌てる事もなくのんびり異世界を謳歌する..........たぶん…....
主人公は男の娘です 基本主人公が自分を表す時は「私」と表現します
勇者に幼馴染で婚約者の彼女を寝取られたら、勇者のパーティーが仲間になった。~ただの村人だった青年は、魔術師、聖女、剣聖を仲間にして旅に出る~
霜月雹花
ファンタジー
田舎で住む少年ロイドには、幼馴染で婚約者のルネが居た。しかし、いつもの様に農作業をしていると、ルネから呼び出しを受けて付いて行くとルネの両親と勇者が居て、ルネは勇者と一緒になると告げられた。村人達もルネが勇者と一緒になれば村が有名になると思い上がり、ロイドを村から追い出した。。
ロイドはそんなルネや村人達の行動に心が折れ、村から近い湖で一人泣いていると、勇者の仲間である3人の女性がロイドの所へとやって来て、ロイドに向かって「一緒に旅に出ないか」と持ち掛けられた。
これは、勇者に幼馴染で婚約者を寝取られた少年が、勇者の仲間から誘われ、時に人助けをしたり、時に冒険をする。そんなお話である
レベルが上がらずパーティから捨てられましたが、実は成長曲線が「勇者」でした
桐山じゃろ
ファンタジー
同い年の幼馴染で作ったパーティの中で、ラウトだけがレベル10から上がらなくなってしまった。パーティリーダーのセルパンはラウトに頼り切っている現状に気づかないまま、レベルが低いという理由だけでラウトをパーティから追放する。しかしその後、仲間のひとりはラウトについてきてくれたし、弱い魔物を倒しただけでレベルが上がり始めた。やがてラウトは精霊に寵愛されし最強の勇者となる。一方でラウトを捨てた元仲間たちは自業自得によるざまぁに遭ったりします。※小説家になろう、カクヨムにも同じものを公開しています。
勇者パーティーに追放された支援術士、実はとんでもない回復能力を持っていた~極めて幅広い回復術を生かしてなんでも屋で成り上がる~
名無し
ファンタジー
突如、幼馴染の【勇者】から追放処分を言い渡される【支援術士】のグレイス。確かになんでもできるが、中途半端で物足りないという理不尽な理由だった。
自分はパーティーの要として頑張ってきたから納得できないと食い下がるグレイスに対し、【勇者】はその代わりに【治癒術士】と【補助術士】を入れたのでもうお前は一切必要ないと宣言する。
もう一人の幼馴染である【魔術士】の少女を頼むと言い残し、グレイスはパーティーから立ち去ることに。
だが、グレイスの【支援術士】としての腕は【勇者】の想像を遥かに超えるものであり、ありとあらゆるものを回復する能力を秘めていた。
グレイスがその卓越した技術を生かし、【なんでも屋】で生計を立てて評判を高めていく一方、勇者パーティーはグレイスが去った影響で歯車が狂い始め、何をやっても上手くいかなくなる。
人脈を広げていったグレイスの周りにはいつしか賞賛する人々で溢れ、落ちぶれていく【勇者】とは対照的に地位や名声をどんどん高めていくのだった。
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる