上 下
26 / 30

26※

しおりを挟む
「………どうした?体調でも悪いのか?」
「はあ??」


どっからどうなったら、そんな話になるんだ?大丈夫かコイツ?俺と会話する気あるか?
見当違いなことを言い放つラルフレッドに、もどかしさと共に怒りが滲む。話が遅いやつは嫌いだ


「……歩き方も変だ。調子が悪いならベッドへ戻れ」
「ちょっ、さわっ、んな!」


そう言った後そっと流れる様に俺の腰を支えた大きな手にピクリと身体が揺れた
慌ててその手を叩き払い、アイスグレーの瞳を睨みつける
突然腰回りを触られたせいか、体内の異物感が一層増していく気がした

これはやばい、さっさと追い返そう。魔石とかもう本当どうでも良い、くれるっていうなら貰おう。今は貰っておこう。


「…これは、有り難くもらう。…もう帰れ」
「………分かった。体調が悪そうだ、ベッドへ運ぶ」

「ちょ、だからっ、触んなって……!!」


グイッと引き寄せられたかと思うと、膝裏へと腕を差し込まれた。
この次、どうなるかは容易に想像がつく
絶対に阻止しなければならない。絶対にだ
ゾワゾワと全身に鳥肌が広がる中、ラルフレッドを睨みつける。当の本人は無表情のまま首を傾げ、俺の瞳を覗きんでいる
やめろ、とその巨体を押そうとしたが、それよりも早く浮遊感がやってきた


「ッ!!!バカヤロウ!降ろせっ」


俺を抱き上げたラルフレッドが不思議そうな顔で見下ろしてくる
背中と膝裏に回された腕からじんわりと体温が伝わってくる様な気がした

嫌な程心臓が高鳴り、体勢が変わったせいで体内の弱い部分を押し上げる異物に息が詰まる
早く、早く、降ろしてくれ。この体勢はやばい
漏れ出そうな吐息を飲み込み、少しでも意識を逸らそうと、死んだ婆ちゃんを思い描いた
……が、無駄だった


「………どこか痛むのか??」
「ーーーッ!」


額に汗を浮かべ、睨みつける俺に対して何を勘違いしたのかラルフレッドの手が背中を摩る
まるで痛む場所を探すかのように俺を抱いた手で全身を撫で回す大きな手が、ピタリと止まった。そう、尻の上で

全身から血の気が引き、滝の様な汗がこめかみを伝う
何も言わず無表情のまま、ラルフレッドが俺をゆっくりとその場に降ろした
左手は何故か尻に添えられたままだ

上手く息を吸えないまま、ラルフレッドを見上げると、ゆっくりと近づいて来たその顔が、額に触れた
額に触れるフワフワの白い髪と、今にも触れそうな程近くに迫った唇から溢れる熱い息
アイスグレーの瞳が瞬きもせず俺を見つめたかと思うと、グリグリと額を押し付けられた


「…ッ!離れろ!」


その刺激で我に返り、ラルフレッドを押し飛ばそうとしたが、鍛えられた肉体はピクリとも動かなかった
ほんの少し、薄い唇が弧を描いた様な気がすると共に、その顔がゆっくりと下へと下がって行く。尻に添えられた手は、いつの間にか添えるだけでは無く俺の尻を撫で回していた



「ひっ!!」


ぐい、とズボンの上から体内の異物を押され膝が震えた
いつの間にか床へと跪いたラルフレッドの顔は今、少しばかり膨れ上がった俺の股間の前にある


「ッ、ああっ!」


目の前で起こっている出来事に思考が追いつかないまま、新しい刺激に襲われる
確実に前立腺を押し上げる異物と、微かに股間へと感じる熱い吐息
グリグリとエネマグラを押される度、膝が震え股間の膨らみが増して行く
目の前で跪くラルフレッドは静かで、何も言葉を発しない

なんでこんなことに、とその場から逃げ出そうとするが、震える膝は上手く動かず、エネマグラを押すラルフレッドの力強い腕からは逃れられる気配はない


「ひ、っやめろッ!!」


徐々に膨らみを増した股間がラルフレッドの薄い唇へとたどり着いた
どうにかしなければ、という一心でラルフレッドの白い髪を掴むがどうにもならない
ムニムニ、とズボンの上からラルフレッドが俺自身を食む。その刺激に腰が震えた
ズボン越しにペニスを食みながら、俺を見上げるその瞳と目があった瞬間、言葉で表せない感情が全身を駆け巡った


「んあッ!!お、すなっ」


エネマグラを押され、後孔から齎される刺激に涙が滲む
息荒くラルフレッドの白い髪を睨むが、効果はゼロだ
勃ちあがった俺自身を食んでた口が器用にチャックを下げ、空いてる手が最後の仕上げにズボンのホックを外した
締め付けから解放された自身が、下着からはみ出さんばかりに上を向く
そこにフッと熱い息がかかったかと思うと、薄い唇から赤い舌がチラリと覗いた


「ッ…舐めたらコロス!」


俺の言葉と共にラルフレッドの頭がが止まり、こちらを見上げた
どこか悲しげにも見えるその顔で俺を見つめるラルフレッドの手が徐に下着の中へと侵入する
熱くなった手が尻を撫で回し、割れ目をなぞったかと思うと、グチ、と強くエネマグラを揺さぶられる
強すぎる刺激に思わず仰け反り、震える足で何とか倒れるのを堪え切る

詰まる息で声も出ないままラルフレッドを睨みつけると、ズルリと中から抜ける感覚がした



「やめろ!やめっ、あ゛あぁッ」


ギリギリまで引き抜かれたエネマグラが、勢いよく前立腺を穿つ
衝撃と快感が額から突き抜ける様に走り、足がガクガクと震えた
いつの間にか足首まで引き下ろされた衣服、カウパーでドロドロになった自身がプルプルと震える

「ひっ、ぁあ゛!!」


息つく暇も無く、また中でエネマグラが抜けていく感覚。排泄感にも似た感覚
さらにすかさず押し込まれる快感に、喉が詰まった様に声が出ない


「やめっ、あ゛ぅッ」


思考を奪い取るかの様に、次から次へと新たな快感が俺を襲った
まるで性行為の様に、何度も何度も抽送を繰り返すエネマグラに頭が真っ白に染まって行く


「ぅああっ!!あっ、あッ」


真っ白な恍惚の淵へと沈み込む中、するりとペニスに巻き付く刺激
グチャグチャと腸液が卑猥な音を奏で、先走りでしとどに濡れた先端を刺激され、腰の奥で熱が迫り上がるのが分かった


「やめ、ッ、あ!でる、ッからぁあッ」


熱が爆ぜ、思考が白く弾け飛んだ。
びゅるっびゅる、と飛んだ白濁は白髪へと溶け込み、褐色の肌へとコントラストをつける
耐えきれなくなった膝で崩れ落ちる中、褐色の肌を伝う白い液体を、赤い舌が舐めとるのが目に入った。



これは夢だ。悪い夢だ。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

出戻り聖女はもう泣かない

たかせまこと
BL
西の森のとば口に住むジュタは、元聖女。 男だけど元聖女。 一人で静かに暮らしているジュタに、王宮からの使いが告げた。 「王が正室を迎えるので、言祝ぎをお願いしたい」 出戻りアンソロジー参加作品に加筆修正したものです。 ムーンライト・エブリスタにも掲載しています。 表紙絵:CK2さま

幸せの体現 ~異性愛者の俺が紹介されたセフレは男だった~

鳴海
BL
将来を見据えて文官試験合格へ向けて勉強に励む貧乏子爵家の三男坊エミリアノ。 あまりにも勉強ばかりしすぎて、気付けば寂しい青春を送っている自分にふと気づいた。 婚約者なんているワケもなく、恋人なんてできそうにない。 このままだと娼婦相手に筆おろしすることになる未来が見える。 だけど、将来のトラウマになりそうな思い出は作りはしたくない! そんなワケで、エミリアノは従兄弟のロレンゾから愛人を募集している貴婦人を紹介してもらうことになった…………はずなのに。 エミリアノが紹介されたセックス相手と幸せになるまでの話。

こっそりバウムクーヘンエンド小説を投稿したら相手に見つかって押し倒されてた件

神崎 ルナ
BL
バウムクーヘンエンド――片想いの相手の結婚式に招待されて引き出物のバウムクーヘンを手に失恋に浸るという、所謂アンハッピーエンド。 僕の幼なじみは天然が入ったぽんやりしたタイプでずっと目が離せなかった。 だけどその笑顔を見ていると自然と僕も口角が上がり。 子供の頃に勢いに任せて『光くん、好きっ!!』と言ってしまったのは黒歴史だが、そのすぐ後に白詰草の指輪を持って来て『うん、およめさんになってね』と来たのは反則だろう。   ぽやぽやした光のことだから、きっとよく意味が分かってなかったに違いない。 指輪も、僕の左手の中指に収めていたし。 あれから10年近く。 ずっと仲が良い幼なじみの範疇に留まる僕たちの関係は決して崩してはならない。 だけど想いを隠すのは苦しくて――。 こっそりとある小説サイトに想いを吐露してそれで何とか未練を断ち切ろうと思った。 なのにどうして――。 『ねぇ、この小説って海斗が書いたんだよね?』 えっ!?どうしてバレたっ!?というより何故この僕が押し倒されてるんだっ!?(※注 サブ垢にて公開済みの『バウムクーヘンエンド』をご覧になるとより一層楽しめるかもしれません)

嫌われ者は異世界で王弟殿下に愛される

希咲さき
BL
 「もう、こんなとこ嫌だ…………」  所謂王道学園と呼ばれる学校に通っていた、ごく普通の高校生の仲谷枢(なかたにかなめ)。  巻き込まれ平凡ポジションの彼は、王道やその取り巻きからの嫌がらせに傷つき苦しみ、もうボロボロだった。  いつもと同じく嫌がらせを受けている最中、枢は階段から足を滑らせそのままーーー……。  目が覚めた先は………………異世界だった。 ーーーーーーーーーーーーーーーー  自分の生まれた世界で誰にも愛されなかった少年が、異世界でたった1人に愛されて幸せになるお話。 *第9回BL小説大賞 奨励賞受賞 *3/15 書籍発売しました! 現在レンタルに移行中。3話無料です。

死に戻り悪役令息が老騎士に求婚したら

深凪雪花
BL
 身に覚えのない理由で王太子から婚約破棄された挙げ句、地方に飛ばされたと思ったらその二年後、代理領主の悪事の責任を押し付けられて処刑された、公爵令息ジュード。死の間際に思った『人生をやり直したい』という願いが天に通じたのか、気付いたら十年前に死に戻りしていた。  今度はもう処刑ルートなんてごめんだと、一目惚れしてきた王太子とは婚約せず、たまたま近くにいた老騎士ローワンに求婚する。すると、話を知った実父は激怒して、ジュードを家から追い出す。  自由の身になったものの、どう生きていこうか途方に暮れていたら、ローワンと再会して一緒に暮らすことに。  年の差カップルのほのぼのファンタジーBL(多分)

獣のような男が入浴しているところに落っこちた結果

ひづき
BL
異界に落ちたら、獣のような男が入浴しているところだった。 そのまま美味しく頂かれて、流されるまま愛でられる。 2023/04/06 後日談追加

勇者の股間触ったらエライことになった

ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
勇者さんが町にやってきた。 町の人は道の両脇で壁を作って、通り過ぎる勇者さんに手を振っていた。 オレは何となく勇者さんの股間を触ってみたんだけど、なんかヤバイことになっちゃったみたい。

くっころ勇者は魔王の子供を産むことになりました

あさきりゆうた
BL
BLで「最終決戦に負けた勇者」「くっころ」、「俺、この闘いが終わったら彼女と結婚するんだ」をやってみたかった。 一話でやりたいことをやりつくした感がありますが、時間があれば続きも書きたいと考えています。 21.03.10 ついHな気分になったので、加筆修正と新作を書きました。大体R18です。 21.05.06 なぜか性欲が唐突にたぎり久々に書きました。ちなみに作者人生初の触手プレイを書きました。そして小説タイトルも変更。 21.05.19 最終話を書きました。産卵プレイ、出産表現等、初めて表現しました。色々とマニアックなR18プレイになって読者ついていけねえよな(^_^;)と思いました。  最終回になりますが、補足エピソードネタ思いつけば番外編でまた書くかもしれません。  最後に魔王と勇者の幸せを祈ってもらえたらと思います。 23.08.16 適当な表紙をつけました

処理中です...