ファントムテラー

映研小説部

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第一章

一話 とあるお話

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「やぁやぁ!こんにちは!この書庫に何のご御用で?」
「ふむふむ…刺激的なお話が読みたい?そうだなぁ…そう言えば!とっておきのがあったよ!」
「え?君は誰かって?…そうだなぁ…Rとでも呼んでくれ。あった…これだよこれ!」
古びた本を本棚から取り出し
「さてこの本がいいよ。本の名前は …とある男の物語だよ」

これは僕が成長する物語だ。身体ではなく精神が子供から大人という意味で。

これは救済の物語

「であるから神霊というものは必ず10歳になると召喚する。もちろん召喚できない奴もいるが、そんなやつはほとんどいない。」

僕はこの神霊の話を8歳で習った。今の世界は神霊を召喚して一生のパートナーにならないといけない。

「神霊はほとんど動物だ。だが稀に人間を召喚する奴がいる。まぁそんな奴ら滅多にいないがな。」

神霊を召喚する…それは僕の憧れであった。
神霊とは一緒にいるもの、神霊は厄災から守ってくれる存在とも習った。
だが僕は自分に絶望した。召喚できなかった。召喚ができなかったものは一生の笑い物にされる。僕は自分のことが嫌いになった。

僕は神霊が嫌いにもなった。僕は負け組だ。
僕、夜那杜森仁やなずもりじん
人生に負けた、負け犬だ。だから静かに生きていこう。
そうやって10年間過ごしてきた。

「君、才能あるよ。」
いきなりそんなことを大学の他人に言われた。
「神霊がいないのに才能なんかありませんよ。」
僕はその場を後にした。自分なんかに才能はなく、神霊を召喚した人に…自分より才能がある人に才能があると言われムカついたから

「ふざけんなよ。俺は才能なんて…神霊すら呼び出せない自分に才能なんてない。」

「やっぱり君は才能ある。」
さっきの女が追いかけてきた。
「何のようですか?僕は神霊すら持っていない負け犬ですよ?」
「…時間がないの手短に話すわ。この本もらってくれないかしら?」
そう言って女は古びた本を押し付けてきた。
「ファントム・テラー?なんですか?この本?」
聞いた時には女が消えており、僕は疑問に思いながらなぜか本を開いた。
「よくある物語の本だ」
そう思っていたら誰か近づいてきた。
「小僧…その本をおとなしく渡せ」
僕はおとなしくわたそうとしたが、
「いやです。」
僕は何故かそう言って、逃げてしまった。
「神霊に勝てると?小僧ごときが!」
そう言って槍を投げてきた。
僕は槍に貫かれ、薄れゆく記憶の中、声を聞いた。
「お前を助けてやる。だが俺に協力しろ。」
…わかった。協力する…そういうと本から、黒装束の男が出てきた。
僕はそこで意識が途切れた
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