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新興宗教の奇天烈乱舞
新築
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「ただ…分からねェってんなら教えてやろォ。スピリタスはアルコールそのものだ。飲み物に分別するのは可笑しいし、ましてやイッキするものじゃあない。」
新築祝いは盛り上がる。レトロイメージと言えば、ロシア人は大酒飲み。その印象通りにイリイチは酒が好き。だがスピリタスを一気飲みするほど剣呑ではない。
「なァに言ってやがんだ!俺ァ行くぜェ!」
羽目を外すと人間は振り切れる。上層部からの支離滅裂なご命令に、過労が溜まっている会長代理のストレスは計り知れない。
「辞めとけって…。お前今日だけで何本呑んだ?…あ。」
本当に一気飲みしてしまった。喉が焼き焦げるような度数に苦しみ藻掻く。
「つゥかよ…。お前らがそんなだからイリーナが友だち連れてこれねェんだぞ。ちったァ自制してくれよ。」
一応イリーナも友人を誘ってはいた。だが、学園横浜に轟いた彼らとイリイチの悪評は尾びれが付き、結局、若葉以外に誰も来なかったのだ。酒という名のなにかと煙草の吸殻が満遍なく転がる家に子どもたちが覚える恐怖は致し方ないものだ。
「てかイリーナと若葉はどこいった?」
「お嬢様の部屋にお戻りかと。」
この事態は、2人の年齢がもう少し高ければ妖しいものと化すが、実際のところアニメかゲームでもしているのだろう。変に触れて壊してしまうのも宜しいことではない。
「リーコン、桑原、テメェら人んちで盛りつくなよ?」
「はぁぁい!」
まるで子どもに戻ったようだ。シックス・センスを使う間でもなく、人の家で行っていい行為ではない異性同士の行為を行おうとしているのを、過小に見積もり3回。よく監視した方が良さそうだ。
「おいおい!イリイチ!俺たちはマイメンだろォ!別にS○Xぐらいいいじゃねェか!」
「アホか。この学園にはわざわざラブホがあるだろうが。つか、そこの近く通るたんびにお前を見るが、毎回女の子が違う。超能力者相手に恨みを作らねェほうがタメだぞ。」
「ふふん。嫉妬か?」
「正味アホだ。ほんとに。」
この様子ではもう少し経てば全員雑魚寝をし始めるだろう。実を言ってしまえば、イリイチはそこまで飲んでいない。特段弱い訳では無いが、酒豪という訳でもない。酔いつぶれる人間の様を眺めるのが酒の席の楽しみなのだ。
「旦那様はかの書記長のような趣味をお持ちで。」
「バトラー、お前もシックス・センスを使えんのかよ?」
「いいえ?ただ…先程から酒に見せかけた水しかお飲みになられていない。彼らの本音を聞き出しても全く意味はないのに、もはや習慣なのですかね?」
「習慣…。ま、そうだな。初めて酒を浴びたのが5年程前。その時から今に至るまで酔い潰れたことはない。背後の危険に鈍くなりそうでな。」
鼾をかきながら眠りこけている、大智、リーコン、未来を横目にイリイチはようやくウォッカをストレートで呑み始めた。雰囲気を醸し出すように、電灯を暗くすると、富田と乾杯を交わしたのだった。
新築祝いは盛り上がる。レトロイメージと言えば、ロシア人は大酒飲み。その印象通りにイリイチは酒が好き。だがスピリタスを一気飲みするほど剣呑ではない。
「なァに言ってやがんだ!俺ァ行くぜェ!」
羽目を外すと人間は振り切れる。上層部からの支離滅裂なご命令に、過労が溜まっている会長代理のストレスは計り知れない。
「辞めとけって…。お前今日だけで何本呑んだ?…あ。」
本当に一気飲みしてしまった。喉が焼き焦げるような度数に苦しみ藻掻く。
「つゥかよ…。お前らがそんなだからイリーナが友だち連れてこれねェんだぞ。ちったァ自制してくれよ。」
一応イリーナも友人を誘ってはいた。だが、学園横浜に轟いた彼らとイリイチの悪評は尾びれが付き、結局、若葉以外に誰も来なかったのだ。酒という名のなにかと煙草の吸殻が満遍なく転がる家に子どもたちが覚える恐怖は致し方ないものだ。
「てかイリーナと若葉はどこいった?」
「お嬢様の部屋にお戻りかと。」
この事態は、2人の年齢がもう少し高ければ妖しいものと化すが、実際のところアニメかゲームでもしているのだろう。変に触れて壊してしまうのも宜しいことではない。
「リーコン、桑原、テメェら人んちで盛りつくなよ?」
「はぁぁい!」
まるで子どもに戻ったようだ。シックス・センスを使う間でもなく、人の家で行っていい行為ではない異性同士の行為を行おうとしているのを、過小に見積もり3回。よく監視した方が良さそうだ。
「おいおい!イリイチ!俺たちはマイメンだろォ!別にS○Xぐらいいいじゃねェか!」
「アホか。この学園にはわざわざラブホがあるだろうが。つか、そこの近く通るたんびにお前を見るが、毎回女の子が違う。超能力者相手に恨みを作らねェほうがタメだぞ。」
「ふふん。嫉妬か?」
「正味アホだ。ほんとに。」
この様子ではもう少し経てば全員雑魚寝をし始めるだろう。実を言ってしまえば、イリイチはそこまで飲んでいない。特段弱い訳では無いが、酒豪という訳でもない。酔いつぶれる人間の様を眺めるのが酒の席の楽しみなのだ。
「旦那様はかの書記長のような趣味をお持ちで。」
「バトラー、お前もシックス・センスを使えんのかよ?」
「いいえ?ただ…先程から酒に見せかけた水しかお飲みになられていない。彼らの本音を聞き出しても全く意味はないのに、もはや習慣なのですかね?」
「習慣…。ま、そうだな。初めて酒を浴びたのが5年程前。その時から今に至るまで酔い潰れたことはない。背後の危険に鈍くなりそうでな。」
鼾をかきながら眠りこけている、大智、リーコン、未来を横目にイリイチはようやくウォッカをストレートで呑み始めた。雰囲気を醸し出すように、電灯を暗くすると、富田と乾杯を交わしたのだった。
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