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全ての陰謀を終わらせる陰謀
RANK:4 第六感 VS RANK:4 磁力自在
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「よォ、この前の超能力はそりゃ苦しかったぜ。思ってもない展開にビックリだ!…次はどうやって勝つつもりだ?あ?」
「お怒り心頭なようで…。大の男が女相手にマジになってんじゃあないわよ。」
磁場を両手に発生させ、彼女の地点、磁力が組み合わさった地点に巨大な震動が発生する。学園横浜ごとイリイチを呑み込もうと言わんばかりだった。
「あぶねェ女だな…。原理は分からねェが、まさかこの学園ごと吹き飛ばそうってか?ならよ…。」
シックス・センス使いに時間を与えることは不利以外の何物でもない。長い術式を改竄されたことに気がつく余地がないからだ。
「…っ!」
一撃で決着を付けられないのなら形勢は一気に怪しくなる。磁力を通じた引き寄せを行う間でもなく、イリイチは彼女の間合いに入る。
「1発殴らせろや!」
肉体が鍛え上げられたロシア人による胴体に響く鈍い痛みが、背丈162cm程度の日本人女性を襲う。それでも彼女の脳内は混乱に入っていなかった。
「磁石によって引っ付くものは沢山ある。例えばそれが全て貴方の頭に降ってきたら?」
磁石量を自在に変換出来る超能力者には雑作もないことだ。鉄によって作られた無機物が整列を持ってイリイチに進んでいく。
「…なァるほど。こいつはァ厄介だ。」
いちいちシックス・センスを用いた意思改竄では追いつかない人海戦術による攻撃だった。黒鷲の羽根がまたもや生えてきたイリイチは、これまた力技による解決をはかる。
時間制限なしのシックス・センスは強力なものだ。磁性体の繊細な動きを全て読んだ上で避けることが出来る。再び間合いを詰めると、少女を諦めに導くには十分な威力のものだった。
「さァ、まだ1発も喰らってねェぞ?どうするんだ?あァ?」
わざとらしい煽り口だ。事実を羅列した程度で怒り出すような小物では無いことは、イリイチも把握した上の口振りだ。
「…偏差値が30もないバカには理解が及ばないかも知んないけど、磁化って分かる?磁石ではない金属とかを長い時間磁石に擦りつければ磁力を持つようになる…。その範囲は当然人間には及ばないけど、ここはなんでもありの学園横浜。さァ…。吹き飛べェ!」
2発を喰らったのは海里にとって幸いだった。人間に対して磁力を持たせるにはある程度身体に触れさせるしかない。半径10キロメートルの磁力を持つありとあらゆる物体にイリイチが吹き飛ばされる。
「S極、N極、全ての物質の磁力を変更出来る。人間すらもね。これが私の全て。じゃあ貴方には何が出来るのかしら?イリイチ?ただのロシア人め!」
些細な法則も関係なく、人間の身体を小さな磁石に変化させることで、胴体が引きちぎられるまで爆走させる。まず五体満足で帰ることは許されない。
しかし、その法則を支離滅裂で荒唐無稽にしてしまう超能力が真価を発揮する。目の色相が赤色に染まり、誰にも見えるような赤い電流のようなオーラが彼を包み込む。その時点で、自らにかけられたダメージや制限は消滅したのだった。
「ラウンド2だ。」
普段の苛烈を極めた意思改竄速度は更に高速となる。磁力線による肌を焼き尽くすような光線を1振りで追い払うと、轟々しくイリイチは足を進める。
「最後に勝つのはこの俺だ。」
「……ふざk…!」
赤く腫れた下腹部が痛々しく危険信号を知らせる。性別の差を免罪符にすることは決してないイリイチによる押し付けるような暴力の連鎖はいつまでも続いた。
「お怒り心頭なようで…。大の男が女相手にマジになってんじゃあないわよ。」
磁場を両手に発生させ、彼女の地点、磁力が組み合わさった地点に巨大な震動が発生する。学園横浜ごとイリイチを呑み込もうと言わんばかりだった。
「あぶねェ女だな…。原理は分からねェが、まさかこの学園ごと吹き飛ばそうってか?ならよ…。」
シックス・センス使いに時間を与えることは不利以外の何物でもない。長い術式を改竄されたことに気がつく余地がないからだ。
「…っ!」
一撃で決着を付けられないのなら形勢は一気に怪しくなる。磁力を通じた引き寄せを行う間でもなく、イリイチは彼女の間合いに入る。
「1発殴らせろや!」
肉体が鍛え上げられたロシア人による胴体に響く鈍い痛みが、背丈162cm程度の日本人女性を襲う。それでも彼女の脳内は混乱に入っていなかった。
「磁石によって引っ付くものは沢山ある。例えばそれが全て貴方の頭に降ってきたら?」
磁石量を自在に変換出来る超能力者には雑作もないことだ。鉄によって作られた無機物が整列を持ってイリイチに進んでいく。
「…なァるほど。こいつはァ厄介だ。」
いちいちシックス・センスを用いた意思改竄では追いつかない人海戦術による攻撃だった。黒鷲の羽根がまたもや生えてきたイリイチは、これまた力技による解決をはかる。
時間制限なしのシックス・センスは強力なものだ。磁性体の繊細な動きを全て読んだ上で避けることが出来る。再び間合いを詰めると、少女を諦めに導くには十分な威力のものだった。
「さァ、まだ1発も喰らってねェぞ?どうするんだ?あァ?」
わざとらしい煽り口だ。事実を羅列した程度で怒り出すような小物では無いことは、イリイチも把握した上の口振りだ。
「…偏差値が30もないバカには理解が及ばないかも知んないけど、磁化って分かる?磁石ではない金属とかを長い時間磁石に擦りつければ磁力を持つようになる…。その範囲は当然人間には及ばないけど、ここはなんでもありの学園横浜。さァ…。吹き飛べェ!」
2発を喰らったのは海里にとって幸いだった。人間に対して磁力を持たせるにはある程度身体に触れさせるしかない。半径10キロメートルの磁力を持つありとあらゆる物体にイリイチが吹き飛ばされる。
「S極、N極、全ての物質の磁力を変更出来る。人間すらもね。これが私の全て。じゃあ貴方には何が出来るのかしら?イリイチ?ただのロシア人め!」
些細な法則も関係なく、人間の身体を小さな磁石に変化させることで、胴体が引きちぎられるまで爆走させる。まず五体満足で帰ることは許されない。
しかし、その法則を支離滅裂で荒唐無稽にしてしまう超能力が真価を発揮する。目の色相が赤色に染まり、誰にも見えるような赤い電流のようなオーラが彼を包み込む。その時点で、自らにかけられたダメージや制限は消滅したのだった。
「ラウンド2だ。」
普段の苛烈を極めた意思改竄速度は更に高速となる。磁力線による肌を焼き尽くすような光線を1振りで追い払うと、轟々しくイリイチは足を進める。
「最後に勝つのはこの俺だ。」
「……ふざk…!」
赤く腫れた下腹部が痛々しく危険信号を知らせる。性別の差を免罪符にすることは決してないイリイチによる押し付けるような暴力の連鎖はいつまでも続いた。
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