155 / 205
全ての陰謀を終わらせる陰謀
侵入禁止
しおりを挟む
「全く、武功を焦るからそうなるんだよ。シックス・センスなんてバカバカしいものをマジになって潰そうだなんて…。自信だけは一流だなァ。」
閉鎖空間を作り上げた犯人は呆れ口調だった。誰も知らない誰も来ない場所で勝手に餓死でもしてくれるというのに。もっとも、「イリイチの居場所」は推測によって割り出したリーコンと大智、そして彼以外は誰も知らないのだが。
万が一に備えて学園横浜が放棄した廃校舎に身を潜めていることも功を成し、彼の居場所は未だに突き詰められていない。これは生徒会が血眼になって探していることや、金による密告が蔓延っていることを吟味すると、恐ろしい程に上手くやっていると言わざるを得ない。
だが、その蜜月期も終結を迎えつつあった。
「…!」
明らかな捨てアカウントから送られてきた写真はとても見覚えのあるものだった。状況判断が追いつかない中、掛かってきた電話の名前で目が覚めるような思いを起こす。
「元気かなァ!学園横浜序列第6位様よォ!お前さァ、さっき送られてきた写真に見覚えあるよなァ?」
「……家族に手を出すつもりか?外道め。」
「お!ビンゴだ!やったなリーコン!自分から喋ってくれたぞ!」
携帯を持つ手が震える。先程の写真は罠だったのだ。リーコンと大智はあの家族が阪浩の家族だと確信を持っていなかった。勢いづいた2人による集中砲火が始まる。
「いいねェ。テメェの手を汚さずに美味しい所ばっか持ってく…。だったよな?そいつはいけねェ。いけねェからいけねェ。」
「…おい。家族は関係ねェだろうが?」
「それしか言えねェのか?あ?関係なくはねェ。今から1分以内に現在地を送り込め。家族を現代芸術にはされたくねェだろ根暗野郎。一応言っておくが…。脅しじゃあねェからな?ガキの粗相は親に払わせるのが常識ってもんだ。どうした?もっと具体的に処遇を話してやろォか?」
電話を切り、叩きつけようとした。だが叩きつけて壊してしまえば位置情報は送れない。送らなければ家族が生贄となる。手で地面を何度も叩きながら発狂のような嗚咽を漏らすしか無かった。
「っっくそがァ!なんで!俺が!あんな!茶坊主どもに!舐められなきゃならねェんだよ!」
再び携帯が鳴れば、更に具体的な情報が漏れていることを堂々と叩きつけれられる。実家の住所に姉の職場、弟の小学校。
「いい家族じゃないか 思い出に変えちまうには惜しいんじゃね?笑」
晒された情報からすれば、あの2人は本当に消しにかかるだろう。軽い文面のメッセージからもそれが感じ取れるようだった。
「…っクソが。」
実質的な無条件降伏を飲むように現在地情報をオンにする。送られてくる派遣員が彼らだとして、それを閉鎖空間に放り込んでも他の生徒会が家族を潰す。人一倍「閉鎖」に敏感だった男は、家族との繋がりを閉鎖することは出来なかったのだ。
「遊びに来たぜクソ野郎!」
遠くから聞こえた声と共に鈍い痛みが彼を襲う。遥か格下だと思っていた生徒会No.2による蹴りは、想像の遥かに痛いものだった。
閉鎖空間を作り上げた犯人は呆れ口調だった。誰も知らない誰も来ない場所で勝手に餓死でもしてくれるというのに。もっとも、「イリイチの居場所」は推測によって割り出したリーコンと大智、そして彼以外は誰も知らないのだが。
万が一に備えて学園横浜が放棄した廃校舎に身を潜めていることも功を成し、彼の居場所は未だに突き詰められていない。これは生徒会が血眼になって探していることや、金による密告が蔓延っていることを吟味すると、恐ろしい程に上手くやっていると言わざるを得ない。
だが、その蜜月期も終結を迎えつつあった。
「…!」
明らかな捨てアカウントから送られてきた写真はとても見覚えのあるものだった。状況判断が追いつかない中、掛かってきた電話の名前で目が覚めるような思いを起こす。
「元気かなァ!学園横浜序列第6位様よォ!お前さァ、さっき送られてきた写真に見覚えあるよなァ?」
「……家族に手を出すつもりか?外道め。」
「お!ビンゴだ!やったなリーコン!自分から喋ってくれたぞ!」
携帯を持つ手が震える。先程の写真は罠だったのだ。リーコンと大智はあの家族が阪浩の家族だと確信を持っていなかった。勢いづいた2人による集中砲火が始まる。
「いいねェ。テメェの手を汚さずに美味しい所ばっか持ってく…。だったよな?そいつはいけねェ。いけねェからいけねェ。」
「…おい。家族は関係ねェだろうが?」
「それしか言えねェのか?あ?関係なくはねェ。今から1分以内に現在地を送り込め。家族を現代芸術にはされたくねェだろ根暗野郎。一応言っておくが…。脅しじゃあねェからな?ガキの粗相は親に払わせるのが常識ってもんだ。どうした?もっと具体的に処遇を話してやろォか?」
電話を切り、叩きつけようとした。だが叩きつけて壊してしまえば位置情報は送れない。送らなければ家族が生贄となる。手で地面を何度も叩きながら発狂のような嗚咽を漏らすしか無かった。
「っっくそがァ!なんで!俺が!あんな!茶坊主どもに!舐められなきゃならねェんだよ!」
再び携帯が鳴れば、更に具体的な情報が漏れていることを堂々と叩きつけれられる。実家の住所に姉の職場、弟の小学校。
「いい家族じゃないか 思い出に変えちまうには惜しいんじゃね?笑」
晒された情報からすれば、あの2人は本当に消しにかかるだろう。軽い文面のメッセージからもそれが感じ取れるようだった。
「…っクソが。」
実質的な無条件降伏を飲むように現在地情報をオンにする。送られてくる派遣員が彼らだとして、それを閉鎖空間に放り込んでも他の生徒会が家族を潰す。人一倍「閉鎖」に敏感だった男は、家族との繋がりを閉鎖することは出来なかったのだ。
「遊びに来たぜクソ野郎!」
遠くから聞こえた声と共に鈍い痛みが彼を襲う。遥か格下だと思っていた生徒会No.2による蹴りは、想像の遥かに痛いものだった。
0
お気に入りに追加
7
あなたにおすすめの小説
俺は改造人間
鈴木りん
キャラ文芸
俺の名は改造人間「カピバランZ」。職業は悪の秘密組織「ウルトラ・ショッカー」の怪人である。テーマは「男の背中」。
これは、ある日突然に改造人間となった男「恩田正男」の、悲しくも切ない人生ドラマである。
(なお、本作は2016.06、アルファポリス第7回ドリーム小説大賞 大賞候補作品を大幅改定したものです)
女神から貰えるはずのチート能力をクラスメートに奪われ、原生林みたいなところに飛ばされたけどゲームキャラの能力が使えるので問題ありません
青山 有
ファンタジー
強引に言い寄る男から片思いの幼馴染を守ろうとした瞬間、教室に魔法陣が突如現れクラスごと異世界へ。
だが主人公と幼馴染、友人の三人は、女神から貰えるはずの希少スキルを他の生徒に奪われてしまう。さらに、一緒に召喚されたはずの生徒とは別の場所に弾かれてしまった。
女神から貰えるはずのチート能力は奪われ、弾かれた先は未開の原生林。
途方に暮れる主人公たち。
だが、たった一つの救いがあった。
三人は開発中のファンタジーRPGのキャラクターの能力を引き継いでいたのだ。
右も左も分からない異世界で途方に暮れる主人公たちが出会ったのは悩める大司教。
圧倒的な能力を持ちながら寄る辺なき主人公と、教会内部の勢力争いに勝利するためにも優秀な部下を必要としている大司教。
双方の利害が一致した。
※他サイトで投稿した作品を加筆修正して投稿しております
フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ
25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。
目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。
ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。
しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。
ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。
そんな主人公のゆったり成長期!!
秘伝賜ります
紫南
キャラ文芸
『陰陽道』と『武道』を極めた先祖を持つ大学生の高耶《タカヤ》は
その先祖の教えを受け『陰陽武道』を継承している。
失いつつある武道のそれぞれの奥義、秘伝を預かり
継承者が見つかるまで一族で受け継ぎ守っていくのが使命だ。
その過程で、陰陽道も極めてしまった先祖のせいで妖絡みの問題も解決しているのだが……
◆◇◆◇◆
《おヌシ! まさか、オレが負けたと思っておるのか!? 陰陽武道は最強! 勝ったに決まっとるだろ!》
(ならどうしたよ。あ、まさかまたぼっちが嫌でとかじゃねぇよな? わざわざ霊界の門まで開けてやったのに、そんな理由で帰って来ねえよな?)
《ぐぅっ》……これが日常?
◆◇◆
現代では恐らく最強!
けれど地味で平凡な生活がしたい青年の非日常をご覧あれ!
【毎週水曜日0時頃投稿予定】
可愛すぎるクラスメイトがやたら俺の部屋を訪れる件 ~事故から助けたボクっ娘が存在感空気な俺に熱い視線を送ってきている~
蒼田
青春
人よりも十倍以上存在感が薄い高校一年生、宇治原簾 (うじはられん)は、ある日買い物へ行く。
目的のプリンを買った夜の帰り道、簾はクラスメイトの人気者、重原愛莉 (えはらあいり)を見つける。
しかしいつも教室でみる活発な表情はなくどんよりとしていた。只事ではないと目線で追っていると彼女が信号に差し掛かり、トラックに引かれそうな所を簾が助ける。
事故から助けることで始まる活発少女との関係。
愛莉が簾の家にあがり看病したり、勉強したり、時には二人でデートに行ったりと。
愛莉は簾の事が好きで、廉も愛莉のことを気にし始める。
故障で陸上が出来なくなった愛莉は目標新たにし、簾はそんな彼女を補佐し自分の目標を見つけるお話。
*本作はフィクションです。実在する人物・団体・組織名等とは関係ございません。
世界最強で始める異世界生活〜最強とは頼んだけど、災害レベルまでとは言ってない!〜
ワキヤク
ファンタジー
その日、春埼暁人は死んだ。トラックに轢かれかけた子供を庇ったのが原因だった。
そんな彼の自己犠牲精神は世界を創造し、見守る『創造神』の心を動かす。
創造神の力で剣と魔法の世界へと転生を果たした暁人。本人の『願い』と創造神の『粋な計らい』の影響で凄まじい力を手にしたが、彼の力は世界を救うどころか世界を滅ぼしかねないものだった。
普通に歩いても地割れが起き、彼が戦おうものなら瞬く間にその場所は更地と化す。
魔法もスキルも無効化吸収し、自分のものにもできる。
まさしく『最強』としての力を得た暁人だが、等の本人からすれば手に余る力だった。
制御の難しいその力のせいで、文字通り『歩く災害』となった暁人。彼は平穏な異世界生活を送ることができるのか……。
これは、やがてその世界で最強の英雄と呼ばれる男の物語。
=KBOC= 『セハザ《no1》-(1)- 』s
AP
キャラ文芸
L.verと内容は同じです。読みやすい方をお読みください。
******あらすじ********
のんびり砂漠をパトロールしてたミリアのチーム。
そんな警備部の仕事は重要だけれど、いつもの通りなら退屈で、お菓子を摘まんだりうたた寝するような時間のはずだった。
通信連絡があったのだ。
急な救援要請、説明は要領を得ないもので。
仕事であるから仕方ない。
軽装甲車を動かし目的地へたどり着くと、そこにあった辺境の村はとても牧歌的だった。
『ブルーレイク』は、リリー・スピアーズ領の補外区に属する、NO.11の村である。
チームメンバーのミリアとケイジ、リースとガイの4人は戸惑う気持ちを少し持ちながらも。
もしかすれば・・、なかなかない経験ができるかもしれない、とちょっと期待したのは村の人たちには秘密だった。
あ、もちろん、お仕事は忘れてないです。
****************
以下は、説明事項です。
・《no1》『KBOC』の続きは→『《MGLD》 『セハザ《no1》-(2)-』』です ->
*****ナンバリング説明*****
・セハザno1の『no1』の部分は。主人公の違いです。(たぶん。
セハザシリーズに世界観の繋がりはありますが、話は独立しています。
前後の経過はありますが、基本的にはどのナンバーから読んでも大丈夫です。
*****ちなみに*****
・この作品は「カクヨム」、「小説家になろう」にも掲載しています。
落ちこぼれ陰陽師の俺と幼馴染の最強クラスの妖怪が契約してくれたけど、最強には程遠いです。
hakamori
キャラ文芸
「いつか、立派な陰陽師になって、君と正式に式神契約を結ぶ!」
「あはは、楽しみにしてるけんね」
俺は過去にそう約束した記憶がある。
今にしてみれば俺になんかに釣り合うはずのないものすごく力の持った妖だったと思う。でも俺はその約束を守るため日々努力した。
現在俺は陰陽師の養成学校で式神使役について学んでいる。
しかし、俺は式神と1体も契約できないのだ。
この学園で筆記はトップクラスで入学したのに、実技は式神を使わないものなら一通りできるが、式神使役科にいる俺は無能扱いを受けている。
そんなある日、昔契約を約束した、幼馴染の妖怪がやってきて
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる