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外道 日本に立つ
第六感
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五感ーー人間という生物は大小あれど五感に頼って生きている。視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚。この5つの言わばセンスのようなものを当たり前のように駆使し昨日までを生きてきて、今日を生き、明日も生きていく。
ごく稀にこんな現象があると言われている。五感に更にもう1つのセンス、シックスセンスがあると。自らの感のようなものでどこに人がいるのか分かったり、あるいは殺気といったものを察知したり。不確かなものではあるがただ一つ分かることがあるとすれば、それは…
彼は不幸なのか否か、ロシア連邦共和国とモンゴル国の国境線にて生まれたとされる彼には、少なくとも親や兄弟というものは存在しなかった。そして自分は何人なのか、年齢は何歳なのか、簡単な字も書くことの出来ない彼にとってそれを確かめるすべはまるで存在しない。
彼は何一つ分からないまま死んでいくのが一種の務めなのだろう。生まれてきた意味、死んでいく意味、そんなものなんて関係なく、ただ1人の卑しい娼婦の子供が死んでいくだけのことだ。そこにドラマは生まれないはずだった。
仮に超能力が悪用するために存在しないのならば、自分の身を守るためのものなのだろう。彼は死ななかった。自己防衛のためのセンス。シックスセンスに護られて。
シックスセンスの導きに従えば赤子である彼でさえも衣食住を完全に保証される場所を見つけ出せた。またシックスセンスに従えば、効率よく金を稼ぎ、自分を防衛するための力を手に入れられた。
そしてシックスセンスに3たび従い入ったのが超能力を駆使した暗殺機関であった。愛と、平和と、あと金のために、彼は人間をタンパク質の塊に戻す作業を繰り返していた。
凶暴な彼の所属する組織は、ロシア当局や他組織、仕舞いには他国政府にまで狙われ、とうとう壊滅状態に陥る。組織が破滅するのすらシックスセンスで見透していた彼はさっさと逃走したものの、上手いこと包囲され当局に逮捕された。
実際のところ彼の人生はここでゲームオーバーだったのかもしれない。生まれた時点でゲームオーバーはすぐ近くに住んでいた彼からしたら長いこと持った方なのかもしれないし、そうじゃないのかもしれない。何もかもが奇跡めいた力によって生き延びてきた彼はやはりまた奇跡によって生き延びることとなる。
日本国、斜陽国家として没落の道を歩んでいくこの国において唯一といっていいほど、大成長を続ける産業が1つあった。超能力者育成である。コストパフォーマンスで全てが決まるこの世界。日本が確立した超能力者育成能力はそれこそ世界が羨むような確かな力があった。年々成長を続けるこの産業は、さらなる成長を産むために海外から優秀な人材をスカウトするのは日常茶飯事であった。
アジアに、ヨーロッパに、アメリカに、アフリカに、オセアニアに、そして世界一の国土を持つロシアにもスカウトマン達は存在した。
そんなスカウトマン達は大きな交渉を向かえていた。第六感を持つという少年に対する非公式の司法取引である。かかる金額もそうだが、なにより話を大きくしすぎると、日本とロシアの外交問題にも発展しかねない。慎重にそして大胆に交渉していかないと、超逸材は銃殺刑とくだらない死に方をする羽目になる。
どんな手を尽くしてでも第六感を手に入れる。それが最重要課題であった。
結果から言ってしまえば、この司法取引は成功した。小国の国家予算に匹敵するだけの額を払い何とか1人の少年を解放することが可能となった。
それからまもなく少年は日本に誘致され、超能力者育成学園、創成学園に入学することとなった。本校と分校合わせて12校によって交渉権獲得の会議が行われた結果、横浜校が交渉権を獲得することとなった。
第六感ーーシックスセンスを操る前代未聞の超逸材、現在17歳、名前はーーイリイチ。
ごく稀にこんな現象があると言われている。五感に更にもう1つのセンス、シックスセンスがあると。自らの感のようなものでどこに人がいるのか分かったり、あるいは殺気といったものを察知したり。不確かなものではあるがただ一つ分かることがあるとすれば、それは…
彼は不幸なのか否か、ロシア連邦共和国とモンゴル国の国境線にて生まれたとされる彼には、少なくとも親や兄弟というものは存在しなかった。そして自分は何人なのか、年齢は何歳なのか、簡単な字も書くことの出来ない彼にとってそれを確かめるすべはまるで存在しない。
彼は何一つ分からないまま死んでいくのが一種の務めなのだろう。生まれてきた意味、死んでいく意味、そんなものなんて関係なく、ただ1人の卑しい娼婦の子供が死んでいくだけのことだ。そこにドラマは生まれないはずだった。
仮に超能力が悪用するために存在しないのならば、自分の身を守るためのものなのだろう。彼は死ななかった。自己防衛のためのセンス。シックスセンスに護られて。
シックスセンスの導きに従えば赤子である彼でさえも衣食住を完全に保証される場所を見つけ出せた。またシックスセンスに従えば、効率よく金を稼ぎ、自分を防衛するための力を手に入れられた。
そしてシックスセンスに3たび従い入ったのが超能力を駆使した暗殺機関であった。愛と、平和と、あと金のために、彼は人間をタンパク質の塊に戻す作業を繰り返していた。
凶暴な彼の所属する組織は、ロシア当局や他組織、仕舞いには他国政府にまで狙われ、とうとう壊滅状態に陥る。組織が破滅するのすらシックスセンスで見透していた彼はさっさと逃走したものの、上手いこと包囲され当局に逮捕された。
実際のところ彼の人生はここでゲームオーバーだったのかもしれない。生まれた時点でゲームオーバーはすぐ近くに住んでいた彼からしたら長いこと持った方なのかもしれないし、そうじゃないのかもしれない。何もかもが奇跡めいた力によって生き延びてきた彼はやはりまた奇跡によって生き延びることとなる。
日本国、斜陽国家として没落の道を歩んでいくこの国において唯一といっていいほど、大成長を続ける産業が1つあった。超能力者育成である。コストパフォーマンスで全てが決まるこの世界。日本が確立した超能力者育成能力はそれこそ世界が羨むような確かな力があった。年々成長を続けるこの産業は、さらなる成長を産むために海外から優秀な人材をスカウトするのは日常茶飯事であった。
アジアに、ヨーロッパに、アメリカに、アフリカに、オセアニアに、そして世界一の国土を持つロシアにもスカウトマン達は存在した。
そんなスカウトマン達は大きな交渉を向かえていた。第六感を持つという少年に対する非公式の司法取引である。かかる金額もそうだが、なにより話を大きくしすぎると、日本とロシアの外交問題にも発展しかねない。慎重にそして大胆に交渉していかないと、超逸材は銃殺刑とくだらない死に方をする羽目になる。
どんな手を尽くしてでも第六感を手に入れる。それが最重要課題であった。
結果から言ってしまえば、この司法取引は成功した。小国の国家予算に匹敵するだけの額を払い何とか1人の少年を解放することが可能となった。
それからまもなく少年は日本に誘致され、超能力者育成学園、創成学園に入学することとなった。本校と分校合わせて12校によって交渉権獲得の会議が行われた結果、横浜校が交渉権を獲得することとなった。
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