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チャプター3 すべての陰謀を終わらせる陰謀、壮麗祭
071 【史上最大の下剋上】"ランクD"アーク・ロイヤルVS"ランクS"ルーシ・レイノルズ
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所変わってアークとルーシ。
こちらは歴史がかかっている。
ロスト・エンジェルス最強の魔術師たち『セブン・スターズ』へ直結するMIH学園の称号『ランクS』がかかっているのだ。
されども、ルーシ・レイノルズの考えは不明瞭だった。
「アイツはおもしれェヤツだからくれてやっても良いんだが」
どのみち、異世界人であるルーシにセブン・スターズの重さなんてわかりっこない話だ。キャメルやアークの気持ちになれ、という話自体が愚かしい。
さらにいえば、ルーシは長年の犯罪歴から、ここらへんで当局による一斉捜査が始まる、と睨んでいた。学生同士の、いわばお遊びで体力を消耗するわけにもいかない。
「いずれにせよ、アークじゃおれの能力は崩せねェ。どうしたものか」
きれいな終わり方をしたいものだ。あえて負ける気ではあるが、なんら抵抗せず負けたら場が白けるのも事実だし、だからといってある程度能力を解放したら、当局からの監査員が対策を考えてしまうかもしれない。
「……ま、悪魔の片鱗だっけ。それとも旧魔術? とりあえず、それ使ってみるか」
最前、キャメルを襲ったメリットの秘策。それを教えたのはルーシであり、高い学習能力からルーシもまた新たな可動領域を感じ取っていた。
そんなわけで演台に立つ。
「アーク、ここの声は誰にも聞こえねェ。ちょっと話すか」
「なにを?」きょとんとした顔だ。
「この試合、オマエに譲るつもりだが、その前にキャメルを絶望させられるような悪魔の片鱗見せてやろうぜって話だ」
いたずらっぽい笑みを浮かべた銀髪の幼女に、アークの顔は強張る。
「試合を譲る……」
「茶番だよ。もうガキの遊びには付き合っていられない事態が起こりつつある。意味、分かるよな?」
「……うん」
「2回あいこで3回目にオマエが決めろ。決め方は任す」
要するにプロレスだ。客の熱気は燃えるように上がっているので、誰も気が付かないだろう。
「シエスタくんが聞いたら怒りそうだ」
「へッ、負けたヤツに発言する権利はねェ。そうだろう?」
そんなわけでルーシとアークは所定の位置へつく。
幼女化して体力が大幅に低下し、意図した事故によって魔力がないと事実上死を迎えるルーシ。
対するアーク。運動神経は良いほうらしい。合わせることくらいできるはずだ。
『試合開始』
天の声。
ルーシとアークは互いに右腕へ魔力を挿入し、駆け寄って殴り合おうとする。
刹那。
「オーバーヒートか~」
かつてのランクS、ルーシの親となっているクールはそうつぶやく。
高すぎる魔力がぶつかったがゆえ、凄まじい轟音と爆発が起きる。
客席は大動乱に襲われる。隣に座っていた友人が叫んでいる。悲鳴を上げ、その椅子にしがみついて跳ね飛ばされそうな自分をなんとか守ろうとする。
ただいま椅子に座っていられる者は限られる。ランクAと一部のランクB、実力の高い者、そしてクールだ。
「やり過ぎだろ~姉弟~」
魔力が飛んできたら魔力で相殺すれば良い。
赤い放射線が走り散る。
クールは自身の魔力を開放して若者たちを守った。
「やべェなアーク!! やりすぎたみてーだ!!」
「そりゃこうなるよね!!」
互いに了承していることである。あれだけのエネルギーがぶつかりあえば、こうなってしまうのも致し方ないのだ。
「とりあえず、1回目はあいこだ!! 2回目行くぞ!!」
ルーシはわざと魔力がこもっている『銀鷲の翼』を展開する。当然、アークのためだ。アークは魔術による攻撃を『崩す』ことができる。ならばこれも崩せるはずだ。
「ルーシ!! 似合ってるよ!!」
「どうも!!」
銀色の翼がアークに向かっていく。アークはそれに触れることなく、バランスを崩していく。結果として不発に終わるが、これではまだ『あいこ』にはならない。
ルーシは地面をえぐり、大量の瓦礫をアークの頭上に発生させる。
「これを交わせねェオマエなら、ランクSとやらも似合わねェだろうな!!」
「分かってるよ!!」
当然、能力によって制御しているわけではないので、ある程度は観客席に飛んでいく。
「アイツ、あたしたちも殺すつもりかよ!?」
最前パーラを庇っていたメントはそう叫び、魔術によって石の塊を粉々に破壊していく。
「パーラちゃん!?」
そして、パーラの隣へいたホープが慌てる。ぐったりとして、生気が感じ取れないのだ。
これではただでさえでも脆弱なパーラが危ない。ホープは彼女を糸でぐるぐる巻にして、その場から移動することとした。
「パーラを頼んだぜ!! エリート様!!」
「分かった!!」
ふたりが脱出するなか、MIH学園グラウンドは嗚咽のごとく荒れ狂う。
アークは魔力を放射することでただの鈍器である瓦礫を破壊し尽くした。
「やるねェ!! もう髪焼かれていたオマエは見られねェな!!」
「毎日大変だったよ!! 無理やり矯正パーマかけてね!! 髪がボロボロになった!!」
「そのオマエがまた苦しみに落ちていくのは寂しいぜ!! あのヤクネタのキャメルを相手できるのか!?」
「やってみなきゃわからないんだよ!! 世の中のすべては!!」
「良いねェ!! 惚れちまいそうだ!!」
銀鷲の翼を避けつつ、効率的にバランスを崩していき、湧いた破片物は魔力開放で破壊していく。
2回目の『あいこ』が終わった。あとは勝つだけだ、アーク。
「もう魔力が保たねェ!! 次で終わらせるぞ!! アーク・ロイヤル!!」
ルーシはとても楽しそうに笑い、その翼の色が変わっていく。
黒鷲の翼だ。魔力を感じ取れない、無機質な翼である。
アークは直感で理解する。この攻撃を防げば、勝ちはアークのものだと。
「終わらせてみろ!! ルーシ・レイノルズ!!」
耳が痛むような金属音とともに、ルーシはなにかを放射した。
アークは目を瞑る。パターンを解析し、そして見開く。
「──そこだッ!!」
魔力を足から放出し、空を舞っていたルーシへ詰め寄る。
アークは過去と決別するように、残った過去をクリアするために、蒼い閃光を走らせる。
MIH学園所在『ノース・ロスト・エンジェルス』がにわかに揺れる。人工島も含まれているこの貧弱な島が揺れ狂う。
そのときには、ルーシは意識を落としていた。
もはやアナウンスも機能していない。そんな中、当然のようにマイクを握って傷一つないクールが宣言する。
「ランク・セブン・スターズがひとり決定したぞガキンチョども!! アーク・ロイヤルに拍手だ!!」
こちらは歴史がかかっている。
ロスト・エンジェルス最強の魔術師たち『セブン・スターズ』へ直結するMIH学園の称号『ランクS』がかかっているのだ。
されども、ルーシ・レイノルズの考えは不明瞭だった。
「アイツはおもしれェヤツだからくれてやっても良いんだが」
どのみち、異世界人であるルーシにセブン・スターズの重さなんてわかりっこない話だ。キャメルやアークの気持ちになれ、という話自体が愚かしい。
さらにいえば、ルーシは長年の犯罪歴から、ここらへんで当局による一斉捜査が始まる、と睨んでいた。学生同士の、いわばお遊びで体力を消耗するわけにもいかない。
「いずれにせよ、アークじゃおれの能力は崩せねェ。どうしたものか」
きれいな終わり方をしたいものだ。あえて負ける気ではあるが、なんら抵抗せず負けたら場が白けるのも事実だし、だからといってある程度能力を解放したら、当局からの監査員が対策を考えてしまうかもしれない。
「……ま、悪魔の片鱗だっけ。それとも旧魔術? とりあえず、それ使ってみるか」
最前、キャメルを襲ったメリットの秘策。それを教えたのはルーシであり、高い学習能力からルーシもまた新たな可動領域を感じ取っていた。
そんなわけで演台に立つ。
「アーク、ここの声は誰にも聞こえねェ。ちょっと話すか」
「なにを?」きょとんとした顔だ。
「この試合、オマエに譲るつもりだが、その前にキャメルを絶望させられるような悪魔の片鱗見せてやろうぜって話だ」
いたずらっぽい笑みを浮かべた銀髪の幼女に、アークの顔は強張る。
「試合を譲る……」
「茶番だよ。もうガキの遊びには付き合っていられない事態が起こりつつある。意味、分かるよな?」
「……うん」
「2回あいこで3回目にオマエが決めろ。決め方は任す」
要するにプロレスだ。客の熱気は燃えるように上がっているので、誰も気が付かないだろう。
「シエスタくんが聞いたら怒りそうだ」
「へッ、負けたヤツに発言する権利はねェ。そうだろう?」
そんなわけでルーシとアークは所定の位置へつく。
幼女化して体力が大幅に低下し、意図した事故によって魔力がないと事実上死を迎えるルーシ。
対するアーク。運動神経は良いほうらしい。合わせることくらいできるはずだ。
『試合開始』
天の声。
ルーシとアークは互いに右腕へ魔力を挿入し、駆け寄って殴り合おうとする。
刹那。
「オーバーヒートか~」
かつてのランクS、ルーシの親となっているクールはそうつぶやく。
高すぎる魔力がぶつかったがゆえ、凄まじい轟音と爆発が起きる。
客席は大動乱に襲われる。隣に座っていた友人が叫んでいる。悲鳴を上げ、その椅子にしがみついて跳ね飛ばされそうな自分をなんとか守ろうとする。
ただいま椅子に座っていられる者は限られる。ランクAと一部のランクB、実力の高い者、そしてクールだ。
「やり過ぎだろ~姉弟~」
魔力が飛んできたら魔力で相殺すれば良い。
赤い放射線が走り散る。
クールは自身の魔力を開放して若者たちを守った。
「やべェなアーク!! やりすぎたみてーだ!!」
「そりゃこうなるよね!!」
互いに了承していることである。あれだけのエネルギーがぶつかりあえば、こうなってしまうのも致し方ないのだ。
「とりあえず、1回目はあいこだ!! 2回目行くぞ!!」
ルーシはわざと魔力がこもっている『銀鷲の翼』を展開する。当然、アークのためだ。アークは魔術による攻撃を『崩す』ことができる。ならばこれも崩せるはずだ。
「ルーシ!! 似合ってるよ!!」
「どうも!!」
銀色の翼がアークに向かっていく。アークはそれに触れることなく、バランスを崩していく。結果として不発に終わるが、これではまだ『あいこ』にはならない。
ルーシは地面をえぐり、大量の瓦礫をアークの頭上に発生させる。
「これを交わせねェオマエなら、ランクSとやらも似合わねェだろうな!!」
「分かってるよ!!」
当然、能力によって制御しているわけではないので、ある程度は観客席に飛んでいく。
「アイツ、あたしたちも殺すつもりかよ!?」
最前パーラを庇っていたメントはそう叫び、魔術によって石の塊を粉々に破壊していく。
「パーラちゃん!?」
そして、パーラの隣へいたホープが慌てる。ぐったりとして、生気が感じ取れないのだ。
これではただでさえでも脆弱なパーラが危ない。ホープは彼女を糸でぐるぐる巻にして、その場から移動することとした。
「パーラを頼んだぜ!! エリート様!!」
「分かった!!」
ふたりが脱出するなか、MIH学園グラウンドは嗚咽のごとく荒れ狂う。
アークは魔力を放射することでただの鈍器である瓦礫を破壊し尽くした。
「やるねェ!! もう髪焼かれていたオマエは見られねェな!!」
「毎日大変だったよ!! 無理やり矯正パーマかけてね!! 髪がボロボロになった!!」
「そのオマエがまた苦しみに落ちていくのは寂しいぜ!! あのヤクネタのキャメルを相手できるのか!?」
「やってみなきゃわからないんだよ!! 世の中のすべては!!」
「良いねェ!! 惚れちまいそうだ!!」
銀鷲の翼を避けつつ、効率的にバランスを崩していき、湧いた破片物は魔力開放で破壊していく。
2回目の『あいこ』が終わった。あとは勝つだけだ、アーク。
「もう魔力が保たねェ!! 次で終わらせるぞ!! アーク・ロイヤル!!」
ルーシはとても楽しそうに笑い、その翼の色が変わっていく。
黒鷲の翼だ。魔力を感じ取れない、無機質な翼である。
アークは直感で理解する。この攻撃を防げば、勝ちはアークのものだと。
「終わらせてみろ!! ルーシ・レイノルズ!!」
耳が痛むような金属音とともに、ルーシはなにかを放射した。
アークは目を瞑る。パターンを解析し、そして見開く。
「──そこだッ!!」
魔力を足から放出し、空を舞っていたルーシへ詰め寄る。
アークは過去と決別するように、残った過去をクリアするために、蒼い閃光を走らせる。
MIH学園所在『ノース・ロスト・エンジェルス』がにわかに揺れる。人工島も含まれているこの貧弱な島が揺れ狂う。
そのときには、ルーシは意識を落としていた。
もはやアナウンスも機能していない。そんな中、当然のようにマイクを握って傷一つないクールが宣言する。
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