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シーズン1 チャプター1 おれわるい スライムむすめ じゃないよ
020 たぶん賢者モード
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というか縮んだままだと今後に影響出そうだな……。きのう疲れてシャワー浴びずに寝ちゃったし、浴びておくか。
ピンポーン♫
ついに欲求不満の若奥様が来たか!? この際同性同士でも良い!! 互いの欲求を満たし合うにはこれ以上ない状況だ! おれは玄関口までスキップしながら向かっていく。
「ごきげんよう」
金髪碧眼のこういうので良いんだよ、を極めし白人少女クラリスがそこにいた。まさか彼女に旦那がいるとも思えないし、いったいどんな用事でここへ来たんだろう。
「なんの用?」
「仕事よ。報酬4,000メニ-出すわ」
「……。働きたくないでござる」
「だったらここから追い出すわよ? だいたい4,000メニ-あれば5~6ヶ月の家賃にはなるんだから頑張りなさい」
「そもそもメニ-と日本円……おれのもといた世界の通貨との為替が分からんのだが」
「とりあえず中へ入りましょうか」
クラリスはさも当然のごとくおれを押しのけて部屋の中へ入ってくる。まあ見られて困るものなんてないから別に良いんだけども。
「……」
「あら。中学生くらいの子を家に連れ込むなんて良い趣味してるわね?」
ミリットは目を細め、クラリスとの出会いを果たす。いや、そんなことどうでも良い。問題はクラリスがおれに向ける汚物を見るような目だ。
「あのですね、これはですね、いわばまさに──「ま、どうだって良いわ。こちらとしても戦力をくだらない理由で当局に渡すつもりはない。ただ、ここからの話は聞かれちゃ困るわね」
ベランダにつながる窓を開け、クラリスは暗にミリットへ外に出るよう促す。傍若無人な態度なのは間違いない。
「……分かった」
「良い子ね」
窓ガラスの向こう側からこちらの話は聞こえない。クラリスはカーテンを締め、おれの目をじろりと見つめる。
「まず、4,000メニ-は日本円で40万円よ。1メニ-=100円と考えれば良い」
「なんで日本円との為替を知ってるの?」
「日本から来た転生者も多いからよ。たとえば……小粋とかね」
「……!」
「貴方きのう小粋と交戦したでしょ? まったく、あんな狂犬さっさと仕留めなさいよ。これから邪魔でしかないわよ? あんなヤツ」
「……おれはアンタの犬じゃないんでね。アンタの思い通りに動くつもりはない」
「あら。それは宣戦布告かしら?」
「アンタに良い思い出がないだけさ」おれは手を広げる。
おれとクラリス。正直いって、仲良し小好しではない。互いに互いを信頼する理由がないからだ。スライム娘になったばかりで怪物狩りに追われるおれに助け舟でも出していれば信頼していただろうが、彼女は傍観するだけでなにもしなかった。
それどころか、いま思えばあのときおれが敗れることを望んでいた節もある。
よって、溝は深い。
しかしクラリスは余裕たっぷりな面持ちだ。なにかおれを動かす方法を知っているかのように。
「なら、飴を与えるわ。怪物狩りしてる転生者をぶちのめしてきてちょうだい。スライム娘になれてなかったときの貴方を狩ろうとしてた連中よ」
クラリスは写真と携帯電話を机に置いた。
ピンポーン♫
ついに欲求不満の若奥様が来たか!? この際同性同士でも良い!! 互いの欲求を満たし合うにはこれ以上ない状況だ! おれは玄関口までスキップしながら向かっていく。
「ごきげんよう」
金髪碧眼のこういうので良いんだよ、を極めし白人少女クラリスがそこにいた。まさか彼女に旦那がいるとも思えないし、いったいどんな用事でここへ来たんだろう。
「なんの用?」
「仕事よ。報酬4,000メニ-出すわ」
「……。働きたくないでござる」
「だったらここから追い出すわよ? だいたい4,000メニ-あれば5~6ヶ月の家賃にはなるんだから頑張りなさい」
「そもそもメニ-と日本円……おれのもといた世界の通貨との為替が分からんのだが」
「とりあえず中へ入りましょうか」
クラリスはさも当然のごとくおれを押しのけて部屋の中へ入ってくる。まあ見られて困るものなんてないから別に良いんだけども。
「……」
「あら。中学生くらいの子を家に連れ込むなんて良い趣味してるわね?」
ミリットは目を細め、クラリスとの出会いを果たす。いや、そんなことどうでも良い。問題はクラリスがおれに向ける汚物を見るような目だ。
「あのですね、これはですね、いわばまさに──「ま、どうだって良いわ。こちらとしても戦力をくだらない理由で当局に渡すつもりはない。ただ、ここからの話は聞かれちゃ困るわね」
ベランダにつながる窓を開け、クラリスは暗にミリットへ外に出るよう促す。傍若無人な態度なのは間違いない。
「……分かった」
「良い子ね」
窓ガラスの向こう側からこちらの話は聞こえない。クラリスはカーテンを締め、おれの目をじろりと見つめる。
「まず、4,000メニ-は日本円で40万円よ。1メニ-=100円と考えれば良い」
「なんで日本円との為替を知ってるの?」
「日本から来た転生者も多いからよ。たとえば……小粋とかね」
「……!」
「貴方きのう小粋と交戦したでしょ? まったく、あんな狂犬さっさと仕留めなさいよ。これから邪魔でしかないわよ? あんなヤツ」
「……おれはアンタの犬じゃないんでね。アンタの思い通りに動くつもりはない」
「あら。それは宣戦布告かしら?」
「アンタに良い思い出がないだけさ」おれは手を広げる。
おれとクラリス。正直いって、仲良し小好しではない。互いに互いを信頼する理由がないからだ。スライム娘になったばかりで怪物狩りに追われるおれに助け舟でも出していれば信頼していただろうが、彼女は傍観するだけでなにもしなかった。
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よって、溝は深い。
しかしクラリスは余裕たっぷりな面持ちだ。なにかおれを動かす方法を知っているかのように。
「なら、飴を与えるわ。怪物狩りしてる転生者をぶちのめしてきてちょうだい。スライム娘になれてなかったときの貴方を狩ろうとしてた連中よ」
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