おじさん、後方黒幕面する

逆転好き

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10話

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「あ、あ、パルメ様……」
「いい子ですね。ミア」

 パルメは借りた宿屋の部屋にミアを呼び出して、その体を弄りまわしていた。
 死体からの情報はあれど、生きている者の反応を見るためだ。

(尻尾、耳にも神経が通って、動かすことができるようですね。人間の耳はなしで、耳はケモミミのみ)

 パルメの調査の裏で、それを映像として見ている彼女の主人であるおじさんこと、穂乃義ほのぎ耕平こうへいはキマシタワー! などと椅子から腰を浮かし画面に向けて指をさしたり、ガッツポーズをとっていたりいなかったりする。
 もちろんその反応は、パルメにも筒抜けであった。

(調査も重要ですが、ご主人様を喜ばせることもまた当然のこと)

 様々なところを撫でていたパルメの手が、ミアの首に向かう。
 首を撫でられたミアは、まるで猫のようにゴロゴロと喉を鳴らす。
 少女にはその耳と尻尾の見た目通り、猫に近い性質もあるのかもしれない。

「パ、ぱるめしゃま」
「ミア。もう少しあなたのことが知りたいわ」
「んぁぁあ!」

 パルメは自身のセンサーをフルに活用して、ミアの生体データを獲得していく。

(森で死んだ少年は犬のようでしたが、それとは神経のつながり方が違いますね。これが性別の違いなのか、耳尻尾での違いなのか分かりません。もっとデータを集めないとダメですね)

 尻尾の付け根を弄られたミアが、細かく震えて、ぽーっとした顔をしているが、パルメは気にせずにそのまま生体データの取得を繰り返していく。



「バランスボール! 水着! 見えてないからセーフ! これは芸術!」

 時たまアウトになるあれな映像に近いそれが繰り広げられる画面を見ながら耕平は声を出す。
 画面の映像は間違いなく地球ではアウトだが、ココは異星なのでセーフとノエルは親指を立ててサムズアップする。

「ふむ、おねロリ。それもまた尊い。後方黒幕面……心がざわつく」

 ミアたちの中のナノマシンに干渉することも可能で、ナノマシンが増えても調整次第では死なせずに強化ができる。
 パルメの指導でミアを強化して、強者にする。
 育てた強者が、かっこよく活躍する。特に悪いことをたくらんでいるわけではないが、パルメという強者の更に裏にいる黒幕。
 もういい年だというのに、ここにきて耕平の中の中二魂に火が付いた。

「かっこいいな」

 その横では、よく分かっていないノエルが同意するように首を縦に振る。
 何を言っているか分からないが、ノエルにとってご主人様である耕平に同意することに何の間違いもない。
 そして、耕平は鼻を膨らませながら、行き当たりばったりに計画の変更を決めた。

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