おじさん、後方黒幕面する

逆転好き

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5話

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「それでは行ってまいります」
「パルメ頼んだぞ」
「はい。お任せください」

 パルメの姉妹機レイトス、アナクシメ、ノエルを創り、姉妹機たちの分と合わせて装備を創った後、すぐ外に危険はないか確認した。
 外は荒野で、強い日差しを感じられた。

 まったく意味が分からないが、砂漠や荒野といえばローブ? マント? そんな感じの物を身につけてるイメージがあるので、彼女にそれを装備させてる。
 それから、危険も考えて、一度メイド服を脱がせて、下にインナー型のパワード・スーツP・sを身につけさせた。

 薄いためそこまで強度があるわけではないし、アシスト機能も最低限だがアンドロイドボディーと合わせればそうそう破損はしないだろう。
 本当なら装備としてパワードアーマーP・aに乗って行ってもらいたいが、本当の外の状況が分からないし、危険とはいえ目立つ行動もできず単身で頑張ってもらうしかないのだ。

 一応彼女には偵察型ナノマシンを持たせて、散布しながら動いてもらう予定だ。
 これでパルメとは常に連絡が取れるらしいし、周囲の確認もできるらしい。
 しかし、軍用製品は知らなかったものがいっぱいだな。こんなものが一般に使われてたらどこでも覗き放題だっただろう。

「さて、行ったか……」

 パルメを見送り俺は振り返る。
 そこにはパルメの姉妹機が並んでいる。

 レイトスは金髪の中学生くらいの少女だ。
 パルメとは違い、大人と子供の中間、スレンダーでありながら子供の柔らかさを残した完璧な造形だ。
 キッと睨みつけるような目線をしているが、別に怒っているわけでも不機嫌なわけでもなく元からそういう風に設定している。
 彼女は、お世話係兼防衛型の能力に振っており、ハイレグカットの水着の様なP・sにレース状の薄いドレスの様な力場を纏っている。
 装備の関係か、まるで悪の女幹部の様であるが、とてもそそる。
 設定上は強気な性格で、態度もそんな感じだが、主人である俺には従順……うん。とってもいいと思う。

 次のアナクシメは、軍服を着たダウナー感漂う美女だ。
 すこしウェーブしている紫がかった黒髪が、これまたレイトスの時と同じように悪の女幹部感を出している。
 パルメと同じくバインバインのナイスバディーである。
 アナクシメは、防御に関しては、レイトスがいるためほとんど攻撃的な戦闘に能力を割り振っている。

 彼女の装備している剣は、軍で正式採用されていたアンドロイド同士での戦闘にも使われる特殊兵装で、剣にリボルバーのついたまさしく銃と剣が合体したものだ。
 柄の刃側が銃口となっており、刃を打ち合うかつばぜり合いになった場合、そこから弾丸が飛び出すこととなる。
 アンドロイドにたいして、射撃武器のほとんどは牽制にしか使えず、そのためアンドロイド同士の場合は近接戦闘が基本となる。

 しかし、近接戦闘でも、どんどんと様々な防刃機能が備え付けられたりと決定打にならなくなり、最終的に近接戦闘しながら超至近距離から、特殊弾頭をぶつけるという戦い方が確立されて、そんなことになっている。
 まぁ、その特殊弾頭についても鼬ごっこだったらしいが、いま彼女が装備しているのは最新型らしいからきっと大丈夫だろう多分。

 最後はノエル。
 体躯はまさしく小学生。
 見た目は、パルメの髪色を黒にして、小さくし、可愛らしくした感じ。
 庇護欲をそそられるその見た目、悪の幹部感を出す上2人とは違い、ただの美少女である。
 彼女はパルメ同様に万能型に能力は割り振っている。

「ご主人様。これからどうするの?」
「そうだな。アナクシメは改めて周辺の安全確認しててくれ。レイトスは資材を渡すからこの辺りに新しい家を建ててくれ。ノエルはここで俺と待機だ」

 レイトスに話しかけられ俺は、指示を出す。
 さてさて、働かせる3人には悪いが、俺の方はパルメから送られてくる外の状況を安全な部屋の中で確認させてもらおう。

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