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1人目
2日目
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代行業2日目。
正直初日に飛ばしすぎてキスまでいってしまったのは想定外でした。
案外僕も浮かれてしまいましたね。
それにしても魔法で動くアトラクションは本当にすごかったですね。
前世のそれとはレベルが違いすぎました。
この世界特有のアトラクションもいくつかありましたし、本当に楽しかったです。
まぁ、今日は昨日たくさんはしゃいだのでのんびりとした日にしたいところです。
おっと、どうやら炎華さんが迎えに来てくれたみたいですね。さて、行きましょうか。
「やはりカール王は偉大ですね……」
「うんうん!」
朝に迎えに来てもらってから、前後編で4時間あるカール王の映画を見た。
今世の男は仲間意識が強くて、男同士ならほとんどの事が肯定される。
例えば僕が今世では超絶不細工といわれるような炎華さんと一緒にいても見られることはあっても不快感をもって陰口のようなものは無い。
ちょっと個性的だよねあの子程度の認識です。
だからなのか、男が活躍する映画は男に人気だし常にリメイクがあったりする。
もちろんそんな映画を女性も好きだったりします。
カール王についてはそのうち話そうと思うけど彼の偉大な功績としては言語の普及による男女の意思疎通を可能──女は女同士でテレパシーのようなもので行動できていたため言葉がなかった──にしたことや、周りの部族を集めて1つに纏め上げて文明を築きあげたことなどがあげられる。
事実がどのようなものかは分からないがなかなか面白い作品ではある。
カール王については不明点も多いが、それはそれとして人気なのである。実在したことも確かである事がその人気を後押ししているのだろう。
4時間の映画は長いとは思うが、肩こりや腰痛にならない魔法を掛けられた座席は本当に素晴らしいと思う。
「どこかでお昼を取ったら少し本屋によってもいいですか?」
「はい!」
お昼はおしゃれなカフェで軽食を取る。
本屋ではいくつか気になっていた本の取り寄せをお願いして店内を見回って新刊をいくつか買って事務所に配達を頼む。
「本好きなんだね?」
「はい。僕は南人ですからね。好奇心が強いほうなんです」
南人とはその名の通り南の人という意味なのだが、カール王の時代に北の部族と南の部族が合流したことで出来た分類である。
カール王は元々もう少し北の部族出身で北人と呼ばれ、基本的に金髪で白い肌、青い目をした前世でいうコーカソイドタイプであり、それに対して南人というのはモンゴロイドタイプという感じになる。
まぁ、今の世代は大体両方とも混じっているため見た目と微妙に性格が合わないこともあるが、基本的に北人の男は警戒心の強い猫系であり、南人の男は好奇心旺盛で愛想のいい犬系という感じだ。
「あー、うん。その、なら香水とか送りたいんだけど……いいですか?」
「本当ですか!? 嬉しいです!」
あと、変わった文化としては香水文化が流行っている。
それというのも魔法により無臭を保つのは簡単なのだが匂い付けとなると女ならまだしも男が自分で選べないので、男はお気に入りの香水を持ち、それらを交換するという文化がある。
そのお気に入りの香水は身にまとう香りである以上、大抵は家族の誰かか恋人に作ってもらうものです。
男の香水の数はそのまま友好関係の広さだったりもする。ちなみに僕は柑橘系がベースである香水をよく使用する。
それから、南人の男はプレゼントに弱い。
これは、南人には昔から女から男へのプレゼントがよく行なわれていたことであり、そのプレゼントこそが男の好奇心を満たし、また生きるための食料だったりしたかららしいです。
だから基本的に南人の男はプレゼントを喜ぶし、それで相手への好感度が上がります。
「これ、作ってきました。ベースは柑橘系でジャスミンをブレンドした感じです」
「わぁ、ありがとうございます! テイスティングしたいので無臭の魔法掛けてもらってもいいですか?」
「う、うん」
一応この世界で生まれなおしたためかこういう文化面でもよく理解できるし、他の男と変わらないように行動ができます。
無臭の魔法を掛けてもらった後は試香紙を取り出して香水を吹きかけてテイスティングを行ない、次は体温でどう変わるかという面で、手首につけてしばらく待ってから香りを確かめる。
「グレープフルーツメインでそれにやさしくジャスミンが絡み合ってとってもいい感じですね! これにつけなおしたいのでもう一度無臭の魔法を掛けてもらってもいいですか?」
「うん!」
うーん、やっぱりこの世界の女性はハイスペックだから基礎さえ分かっていればすごくセンスがあります。
本能がいい感じに受け入れたのでお母さんが作ってくれた香水から香りを変えることにしました。
香水の交換やプレゼントがあるためか香水室と呼ばれる場所が公共施設としてあるのでそこに入って香水をつける。
「お気に入りの香水が増えて嬉しいです」
「そ、そっか、よかったれしゅ」
香水に関しては本当に今世の男たちはガチで仲間意識が強い中でこれだけは喧嘩をしてでも教育される。
まぁ、そもそも香水を嫌いな男はいないレベルだからそのうち良さに気付いて沢山の香水を持つようになる。
香水を送ってくれたお礼として炎華さんの手を握り、なるべく体を寄せてわずかな残り香をつけます。
一応、この人からこの香りを送られましたというアピールになるし、そういった行為はお礼としてはよくあることで、女で残り香をつけてもらうと女の中でもステータスが上がるらしいです。
そして、2人でモールの中を歩いていくつかの店で買い物をしたり冷やかした後は雰囲気のいいレストランで食事をして、家まで送ってもらいキスをしてその日は分かれました。
さて、明日は最終日……お家デートですか、初体験なので不安でもあり楽しみでもあります。
いい結果に終わって欲しいと思います。
正直初日に飛ばしすぎてキスまでいってしまったのは想定外でした。
案外僕も浮かれてしまいましたね。
それにしても魔法で動くアトラクションは本当にすごかったですね。
前世のそれとはレベルが違いすぎました。
この世界特有のアトラクションもいくつかありましたし、本当に楽しかったです。
まぁ、今日は昨日たくさんはしゃいだのでのんびりとした日にしたいところです。
おっと、どうやら炎華さんが迎えに来てくれたみたいですね。さて、行きましょうか。
「やはりカール王は偉大ですね……」
「うんうん!」
朝に迎えに来てもらってから、前後編で4時間あるカール王の映画を見た。
今世の男は仲間意識が強くて、男同士ならほとんどの事が肯定される。
例えば僕が今世では超絶不細工といわれるような炎華さんと一緒にいても見られることはあっても不快感をもって陰口のようなものは無い。
ちょっと個性的だよねあの子程度の認識です。
だからなのか、男が活躍する映画は男に人気だし常にリメイクがあったりする。
もちろんそんな映画を女性も好きだったりします。
カール王についてはそのうち話そうと思うけど彼の偉大な功績としては言語の普及による男女の意思疎通を可能──女は女同士でテレパシーのようなもので行動できていたため言葉がなかった──にしたことや、周りの部族を集めて1つに纏め上げて文明を築きあげたことなどがあげられる。
事実がどのようなものかは分からないがなかなか面白い作品ではある。
カール王については不明点も多いが、それはそれとして人気なのである。実在したことも確かである事がその人気を後押ししているのだろう。
4時間の映画は長いとは思うが、肩こりや腰痛にならない魔法を掛けられた座席は本当に素晴らしいと思う。
「どこかでお昼を取ったら少し本屋によってもいいですか?」
「はい!」
お昼はおしゃれなカフェで軽食を取る。
本屋ではいくつか気になっていた本の取り寄せをお願いして店内を見回って新刊をいくつか買って事務所に配達を頼む。
「本好きなんだね?」
「はい。僕は南人ですからね。好奇心が強いほうなんです」
南人とはその名の通り南の人という意味なのだが、カール王の時代に北の部族と南の部族が合流したことで出来た分類である。
カール王は元々もう少し北の部族出身で北人と呼ばれ、基本的に金髪で白い肌、青い目をした前世でいうコーカソイドタイプであり、それに対して南人というのはモンゴロイドタイプという感じになる。
まぁ、今の世代は大体両方とも混じっているため見た目と微妙に性格が合わないこともあるが、基本的に北人の男は警戒心の強い猫系であり、南人の男は好奇心旺盛で愛想のいい犬系という感じだ。
「あー、うん。その、なら香水とか送りたいんだけど……いいですか?」
「本当ですか!? 嬉しいです!」
あと、変わった文化としては香水文化が流行っている。
それというのも魔法により無臭を保つのは簡単なのだが匂い付けとなると女ならまだしも男が自分で選べないので、男はお気に入りの香水を持ち、それらを交換するという文化がある。
そのお気に入りの香水は身にまとう香りである以上、大抵は家族の誰かか恋人に作ってもらうものです。
男の香水の数はそのまま友好関係の広さだったりもする。ちなみに僕は柑橘系がベースである香水をよく使用する。
それから、南人の男はプレゼントに弱い。
これは、南人には昔から女から男へのプレゼントがよく行なわれていたことであり、そのプレゼントこそが男の好奇心を満たし、また生きるための食料だったりしたかららしいです。
だから基本的に南人の男はプレゼントを喜ぶし、それで相手への好感度が上がります。
「これ、作ってきました。ベースは柑橘系でジャスミンをブレンドした感じです」
「わぁ、ありがとうございます! テイスティングしたいので無臭の魔法掛けてもらってもいいですか?」
「う、うん」
一応この世界で生まれなおしたためかこういう文化面でもよく理解できるし、他の男と変わらないように行動ができます。
無臭の魔法を掛けてもらった後は試香紙を取り出して香水を吹きかけてテイスティングを行ない、次は体温でどう変わるかという面で、手首につけてしばらく待ってから香りを確かめる。
「グレープフルーツメインでそれにやさしくジャスミンが絡み合ってとってもいい感じですね! これにつけなおしたいのでもう一度無臭の魔法を掛けてもらってもいいですか?」
「うん!」
うーん、やっぱりこの世界の女性はハイスペックだから基礎さえ分かっていればすごくセンスがあります。
本能がいい感じに受け入れたのでお母さんが作ってくれた香水から香りを変えることにしました。
香水の交換やプレゼントがあるためか香水室と呼ばれる場所が公共施設としてあるのでそこに入って香水をつける。
「お気に入りの香水が増えて嬉しいです」
「そ、そっか、よかったれしゅ」
香水に関しては本当に今世の男たちはガチで仲間意識が強い中でこれだけは喧嘩をしてでも教育される。
まぁ、そもそも香水を嫌いな男はいないレベルだからそのうち良さに気付いて沢山の香水を持つようになる。
香水を送ってくれたお礼として炎華さんの手を握り、なるべく体を寄せてわずかな残り香をつけます。
一応、この人からこの香りを送られましたというアピールになるし、そういった行為はお礼としてはよくあることで、女で残り香をつけてもらうと女の中でもステータスが上がるらしいです。
そして、2人でモールの中を歩いていくつかの店で買い物をしたり冷やかした後は雰囲気のいいレストランで食事をして、家まで送ってもらいキスをしてその日は分かれました。
さて、明日は最終日……お家デートですか、初体験なので不安でもあり楽しみでもあります。
いい結果に終わって欲しいと思います。
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