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第1章『ゆめのはじまり』 Side宗也
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俺たちの通う高校は、町の外れの高台にある。
それほど町は栄えているとも言えず、視界を大きく遮るような無機質な建造物は見当たらない。
三階の部室から見えるのは、人の居ないグラウンド越しに広がった民家の押し並ぶ盆地。山のふもとには田畑が広がり、トラクターのぶつ切りなエンジン音がどこからともなく聞こえてくる。
町の中央に置かれたローカル線の駅周りの商店街が、どうにか僅かながらの賑わいを見せているくらいだ。都会と言えるほど発展もせず、かといって田舎と言うほど寂れているわけでもない。
なにを取っても中途半端なこの町が、俺は嫌いではなかった。
どこか落ち着けるのだ。
安心、とも言えるだろうか。
日進月歩である文明の発展に取り残されているかのような町並みは、夜になるとすっかり眠りにつく。
そのため、星は良く見えた。
「おはよう、部長くん」
いつものように部室で文庫本を読んでいると、十分ほど遅れて菜摘がやってきた。
「もう放課後なんだけど」
「そこは気にするところじゃないよ、部長くん」
妖艶な笑みを口許に浮かべ、菜摘は部室へと足を踏み入れる。
中央に置かれた長机に鞄を置くと、俺が読んでいた文庫本をさらりと奪い取った。前かがみになり、俺の顔を覗き込んでくる。綺麗な黒髪が頬から垂れ落ち、甘いようなシャンプーの香りが漂ってきた。
近すぎる。
吐息があたりそうな距離に少し心がざわついた。
「ちょっと手伝ってほしいんだけど、いいかな」
菜摘は唐突にそう言いだし、俺の返事を待たずして踵を返して部屋の外へと出ていってしまった。
拒否することは容易だ。
それでも、そんな便利な言葉はなかなか浮かんでこなかった。
俺は重たい腰を持ち上げ、髪を掻きむしりながらも彼女の後を追った。
菜摘に連れられてたどり着いたのは、本館と部室棟の間にある中庭の、更にその外れに置かれた木造の小屋だった。
ところどころが老朽化していて、朽ちた支柱は今にも倒れそうに見える。トタン屋根も、長く雨風にさらされ続けてすっかり黒ずんでいる。よほど手入れがされていないのか、僅かな風が吹くだけでも、がたがたという不安げな音をならしていた。
「……ここって、用具倉庫じゃんか」
南京錠の鍵を開けた菜摘に、俺は言った。
イベントなどで不必要になった用具などを、一時的――という名目で、数年に一度整理されるまでずっと保存しておく場所だ。つまり、行き場に困るが、捨てるのももったいないと判断されたものが山のように詰め込まれている。
以前に俺も中の様子を見た事はあったが、そこにはまったく丁寧さがなく、無造作に積まれたごみの山そのものだ。
錆びた鉄製の重量感ある扉を菜摘が開くと、やはり知っている通りの光景が広がっていた。
「この奥にある、これくらいの箱を取り出したいんだけど」
言って、菜摘は縦に一メートルはありそうな大きさの箱を手で表す。長方形をしているらしい。それを見て俺はため息をついた。
「なんで?」
「必要だからだよ」
「どこにあるのさ?」
「一つずつ取り出して中を見るしかないね」
「それをどうして俺が?」
「わたしも一緒にやるよ。日が暮れるまでには終わるんじゃないかな、きっと」
「そういう問題じゃねえよ」
呆れ口調で言う俺に、当然のように微笑を浮かべて菜摘は返してくる。あまり喜ばしい言葉は期待できなさそうだ。
「お願い。どうしても必要なんだよ」
最後にいきなり顔を引き締めると、菜摘は俺に目を見据えて言った。重く、芯の通った声で。
どうして彼女はこんなにも一生懸命なのだろう。俺にはそれが理解しづらかった。
それほど努力をしなければいけないことなのだろうか。
菜摘は、新星を見つけたいと言った。
俺の目の前で、掲げた夢をはっきりと示した。
それはいったい、彼女にとってどれだけ重要で、どれほど多く彼女の頭の中を占めているのだろう。
ふと、俺は自分自身を見やった。
手持無沙汰な自分の身体は、驚くほどに軽く、だらしなく見えた。
「……わかった」
涼やかな風が強く吹き抜け、俺と菜摘の髪を揺らす。自嘲するようにはにかむと、俺は急ぎ早に小屋の中へと入っていった。
「この間、付き合うって約束しちまったもんな」
「ふふっ、約束ってしておくものだね」
「うるさい。さっさとやるぞ」
日陰に入ったというのに、まだ皮膚の表面がじりじりと熱かった。
もう九月だというのに残暑がひどいものだ。まだどこかでセミの鳴き声が微かに聞こえるし、空を流れる雲は高くなってはきたものの、まだたまに積乱雲が山の向こうに見えたりする。
夏の嫌なものばかりが、しつこく纏わりついてきているかのようだ。
それでも、きっと少しずつ涼しくなっていくのだろう。
俺は、来るそんな日がとても待ち遠しく思えていた。
傾きながらも未だ照りつける太陽を受け、俺は額についた汗を拭う。皮膚を焼くような暑さに、気力はすぐさま奪われていった。菜摘ほどに肌が白ければ、それこそ一瞬で日差しにたおれてしまいそうなほどだろう。
かくいう菜摘は、ずっと小屋の中に居続けて陽光を避けていた。
しかし、本当に暑い。
身体を動かし続けているせいもあってか、俺の額から流れ出る汗は絶えない。
体力がそがれて眼は半開きになり、どうにか視界を確保できているといった具合だ。全身になかなか力が入らず、小さな箱さえもいやに重く感じた。
もともと体力はあるほうなのだが、これはきつい。
タオルを用意しておけばよかったと後悔したのは、倉庫の中身が半分ほど外に出された頃だった。しかし今更取りに戻るのも面倒に思いやめておいた。
菜摘が求めているという縦長の四角い箱を求め、ひたすらに作業は続いた。菜摘が中から物を受け渡し、俺が邪魔にならないよう外へと運び出す。
「数年前の雑務の書類に、こっちは文化祭で使ったボードか。何でもかんでも埃が被ってやがる」
用具倉庫の中は、すっかり破損してしまったり日にちが過ぎていて、どう考えても使い道のないようなものだらけだった。ゴミ箱ならぬゴミ小屋なのではないかと思うほどひどい有様だ。
「捨てれば良いのにね」
「なかなか捨てられないんだろ。そういうのって、誰にでもあるもんだと思うし」
いつかまた、使う時が来るかもしれない。そんな根拠のない考えだけで、答えを先延ばしにしてしまう。案外、それを使っていた頃のことを忘れられないだけなのかもしれない。
ふーん、そんなものなんだ。と菜摘は無関心そうに呟き、また小さな箱を手渡してきた。
「まったく。汚れてもいい格好ですればよかったかな。スカートもすっかり白くなってしまっているよ」
言って、菜摘は紺色のプリーツスカートの裾をぱたぱたと持ち上げ、見せ付けるように俺へと向ける。見えてはいけない布地が見えそうになり俺は咄嗟に顔を背けた。
「男の子だね」
「うっさい」
菜摘はいたずらに笑みを浮かべ、しかし用具倉庫の中を見やると、深い息を吐いて顔をしかめた。
「やっぱり、もう少し人手が必要かな」
きょろきょろと小屋の外を見回しながら言う菜摘に、俺もこくりと頷いた。
出したものを戻す事も考えるとさすがに時間が厳しそうだ。日が暮れてしまえば作業どころではなくなるし、そもそも特別な理由がない一般生徒は、六時半には完全下校が原則だ。それ以降は居残りの申請をしなくてはならない。
中庭をまたぐ渡り廊下に設けられた丸時計は、ちょうど五時ぐらいを示そうとしているところだった。陽はまだ沈んでおらず、山並みの上で、そのまん丸とした形を朱色に染め始めている。
「あ、あの子――」
不意に菜摘は言うと、渡り廊下の方向へと指をさした。俺も促されるままにそっちへと向く。そこには、一人の女子生徒が、丸時計のかかった通路を歩いて行く姿が見えた。
窓から上半身だけが窺える。制服についた胸元の青いリボンから、俺たちと同じ学年なのだとすぐに分かった。青いリボンは二年生の学年色だ。
だがリボンを見る前に、俺はその女子生徒が同学年なのだと気づいていた。
「あの子、たしか同じクラスの子じゃなかったかな」
いつもより弱々しく、自信なさげに菜摘が言う。そうだと俺が答えると、菜摘はまた気味の悪い笑みを浮かべ、
「そうかい。……うん、決めた」
大きく頷いたかと思うと、次の瞬間には校舎の方向へと走り出した。
俺はそのまま小屋に取り残されていた。
なにやらイヤな予感がするが、追いかける気にもなれない。
和らいで微かに赤みがかった日差しに背を向けながら、俺は黙々と作業を続けることにした。
近頃はあまり運動もしていなかったため、足腰はすっかりやられてしまっていた。
それほど町は栄えているとも言えず、視界を大きく遮るような無機質な建造物は見当たらない。
三階の部室から見えるのは、人の居ないグラウンド越しに広がった民家の押し並ぶ盆地。山のふもとには田畑が広がり、トラクターのぶつ切りなエンジン音がどこからともなく聞こえてくる。
町の中央に置かれたローカル線の駅周りの商店街が、どうにか僅かながらの賑わいを見せているくらいだ。都会と言えるほど発展もせず、かといって田舎と言うほど寂れているわけでもない。
なにを取っても中途半端なこの町が、俺は嫌いではなかった。
どこか落ち着けるのだ。
安心、とも言えるだろうか。
日進月歩である文明の発展に取り残されているかのような町並みは、夜になるとすっかり眠りにつく。
そのため、星は良く見えた。
「おはよう、部長くん」
いつものように部室で文庫本を読んでいると、十分ほど遅れて菜摘がやってきた。
「もう放課後なんだけど」
「そこは気にするところじゃないよ、部長くん」
妖艶な笑みを口許に浮かべ、菜摘は部室へと足を踏み入れる。
中央に置かれた長机に鞄を置くと、俺が読んでいた文庫本をさらりと奪い取った。前かがみになり、俺の顔を覗き込んでくる。綺麗な黒髪が頬から垂れ落ち、甘いようなシャンプーの香りが漂ってきた。
近すぎる。
吐息があたりそうな距離に少し心がざわついた。
「ちょっと手伝ってほしいんだけど、いいかな」
菜摘は唐突にそう言いだし、俺の返事を待たずして踵を返して部屋の外へと出ていってしまった。
拒否することは容易だ。
それでも、そんな便利な言葉はなかなか浮かんでこなかった。
俺は重たい腰を持ち上げ、髪を掻きむしりながらも彼女の後を追った。
菜摘に連れられてたどり着いたのは、本館と部室棟の間にある中庭の、更にその外れに置かれた木造の小屋だった。
ところどころが老朽化していて、朽ちた支柱は今にも倒れそうに見える。トタン屋根も、長く雨風にさらされ続けてすっかり黒ずんでいる。よほど手入れがされていないのか、僅かな風が吹くだけでも、がたがたという不安げな音をならしていた。
「……ここって、用具倉庫じゃんか」
南京錠の鍵を開けた菜摘に、俺は言った。
イベントなどで不必要になった用具などを、一時的――という名目で、数年に一度整理されるまでずっと保存しておく場所だ。つまり、行き場に困るが、捨てるのももったいないと判断されたものが山のように詰め込まれている。
以前に俺も中の様子を見た事はあったが、そこにはまったく丁寧さがなく、無造作に積まれたごみの山そのものだ。
錆びた鉄製の重量感ある扉を菜摘が開くと、やはり知っている通りの光景が広がっていた。
「この奥にある、これくらいの箱を取り出したいんだけど」
言って、菜摘は縦に一メートルはありそうな大きさの箱を手で表す。長方形をしているらしい。それを見て俺はため息をついた。
「なんで?」
「必要だからだよ」
「どこにあるのさ?」
「一つずつ取り出して中を見るしかないね」
「それをどうして俺が?」
「わたしも一緒にやるよ。日が暮れるまでには終わるんじゃないかな、きっと」
「そういう問題じゃねえよ」
呆れ口調で言う俺に、当然のように微笑を浮かべて菜摘は返してくる。あまり喜ばしい言葉は期待できなさそうだ。
「お願い。どうしても必要なんだよ」
最後にいきなり顔を引き締めると、菜摘は俺に目を見据えて言った。重く、芯の通った声で。
どうして彼女はこんなにも一生懸命なのだろう。俺にはそれが理解しづらかった。
それほど努力をしなければいけないことなのだろうか。
菜摘は、新星を見つけたいと言った。
俺の目の前で、掲げた夢をはっきりと示した。
それはいったい、彼女にとってどれだけ重要で、どれほど多く彼女の頭の中を占めているのだろう。
ふと、俺は自分自身を見やった。
手持無沙汰な自分の身体は、驚くほどに軽く、だらしなく見えた。
「……わかった」
涼やかな風が強く吹き抜け、俺と菜摘の髪を揺らす。自嘲するようにはにかむと、俺は急ぎ早に小屋の中へと入っていった。
「この間、付き合うって約束しちまったもんな」
「ふふっ、約束ってしておくものだね」
「うるさい。さっさとやるぞ」
日陰に入ったというのに、まだ皮膚の表面がじりじりと熱かった。
もう九月だというのに残暑がひどいものだ。まだどこかでセミの鳴き声が微かに聞こえるし、空を流れる雲は高くなってはきたものの、まだたまに積乱雲が山の向こうに見えたりする。
夏の嫌なものばかりが、しつこく纏わりついてきているかのようだ。
それでも、きっと少しずつ涼しくなっていくのだろう。
俺は、来るそんな日がとても待ち遠しく思えていた。
傾きながらも未だ照りつける太陽を受け、俺は額についた汗を拭う。皮膚を焼くような暑さに、気力はすぐさま奪われていった。菜摘ほどに肌が白ければ、それこそ一瞬で日差しにたおれてしまいそうなほどだろう。
かくいう菜摘は、ずっと小屋の中に居続けて陽光を避けていた。
しかし、本当に暑い。
身体を動かし続けているせいもあってか、俺の額から流れ出る汗は絶えない。
体力がそがれて眼は半開きになり、どうにか視界を確保できているといった具合だ。全身になかなか力が入らず、小さな箱さえもいやに重く感じた。
もともと体力はあるほうなのだが、これはきつい。
タオルを用意しておけばよかったと後悔したのは、倉庫の中身が半分ほど外に出された頃だった。しかし今更取りに戻るのも面倒に思いやめておいた。
菜摘が求めているという縦長の四角い箱を求め、ひたすらに作業は続いた。菜摘が中から物を受け渡し、俺が邪魔にならないよう外へと運び出す。
「数年前の雑務の書類に、こっちは文化祭で使ったボードか。何でもかんでも埃が被ってやがる」
用具倉庫の中は、すっかり破損してしまったり日にちが過ぎていて、どう考えても使い道のないようなものだらけだった。ゴミ箱ならぬゴミ小屋なのではないかと思うほどひどい有様だ。
「捨てれば良いのにね」
「なかなか捨てられないんだろ。そういうのって、誰にでもあるもんだと思うし」
いつかまた、使う時が来るかもしれない。そんな根拠のない考えだけで、答えを先延ばしにしてしまう。案外、それを使っていた頃のことを忘れられないだけなのかもしれない。
ふーん、そんなものなんだ。と菜摘は無関心そうに呟き、また小さな箱を手渡してきた。
「まったく。汚れてもいい格好ですればよかったかな。スカートもすっかり白くなってしまっているよ」
言って、菜摘は紺色のプリーツスカートの裾をぱたぱたと持ち上げ、見せ付けるように俺へと向ける。見えてはいけない布地が見えそうになり俺は咄嗟に顔を背けた。
「男の子だね」
「うっさい」
菜摘はいたずらに笑みを浮かべ、しかし用具倉庫の中を見やると、深い息を吐いて顔をしかめた。
「やっぱり、もう少し人手が必要かな」
きょろきょろと小屋の外を見回しながら言う菜摘に、俺もこくりと頷いた。
出したものを戻す事も考えるとさすがに時間が厳しそうだ。日が暮れてしまえば作業どころではなくなるし、そもそも特別な理由がない一般生徒は、六時半には完全下校が原則だ。それ以降は居残りの申請をしなくてはならない。
中庭をまたぐ渡り廊下に設けられた丸時計は、ちょうど五時ぐらいを示そうとしているところだった。陽はまだ沈んでおらず、山並みの上で、そのまん丸とした形を朱色に染め始めている。
「あ、あの子――」
不意に菜摘は言うと、渡り廊下の方向へと指をさした。俺も促されるままにそっちへと向く。そこには、一人の女子生徒が、丸時計のかかった通路を歩いて行く姿が見えた。
窓から上半身だけが窺える。制服についた胸元の青いリボンから、俺たちと同じ学年なのだとすぐに分かった。青いリボンは二年生の学年色だ。
だがリボンを見る前に、俺はその女子生徒が同学年なのだと気づいていた。
「あの子、たしか同じクラスの子じゃなかったかな」
いつもより弱々しく、自信なさげに菜摘が言う。そうだと俺が答えると、菜摘はまた気味の悪い笑みを浮かべ、
「そうかい。……うん、決めた」
大きく頷いたかと思うと、次の瞬間には校舎の方向へと走り出した。
俺はそのまま小屋に取り残されていた。
なにやらイヤな予感がするが、追いかける気にもなれない。
和らいで微かに赤みがかった日差しに背を向けながら、俺は黙々と作業を続けることにした。
近頃はあまり運動もしていなかったため、足腰はすっかりやられてしまっていた。
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