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第1章『ゆめのはじまり』 Side宗也
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天乃菜摘は、どこか達観していて、まるで余裕に満ち溢れているかのような立ち振る舞いをするような少女だった。
大人びた印象。しかしどこかぎこちなく背伸びしているように感じるのは、まだ大人への成長途中だからだろうか。どうにせよ、高校生にしてはやはり随分と落ち着いている。
そんな彼女が入部早々、部長である俺に一つの提案をしたのだった。
「――新星?」
「そう、新星だよ。それを見つけることを、わたしたち天文部の目標にしないかな?」
菜摘が転入してきた翌日。しっかりと記入欄の埋められた入部届けを片手に、彼女は放課後の部室にやってきて、開口一番に言ってきたのだった。
思えば休み時間などもしきりに俺の方を見てきていたし、その様子はまるで、鼻息を荒くして落ち着かない飼い犬のようだと思ったくらいだ。顔にこそ出していないが、そんな雰囲気が滲み出ていた。
窓辺のパイプ椅子に腰を掛けていた俺は、持っていた文庫本を開いたまま伏せ、窓際に置いた。菜摘の声がイヤに耳をつんざき、顔をしかめる。
「目標? なんだよ、それ」
「目標っていうのはね、これからわたしたちが活動をする上での目指すべき指針のことだよ」
「わかってるよ、そういうのは」
「だったら訊かないで欲しいな」
菜摘は、わざとらしく頬を膨らませる。しかしすぐに口許は緩み、長く伸び垂れた鬢(びん)の髪を掻きあげながらくすくすと笑い声を上げていた。
馬鹿にされているみたいで腹が立つ。
俺はあさっての方向を見やり、窓の桟に肘をついた。
吸い込んだ空気に、多分の埃っぽさが混じる。
ろくに掃除もされていない部室。僅かな空気の動きだけでも、微量の埃が宙を舞う。窓を開けると、涼やかな風と共に、陽光に熱せられたアスファルトの土臭い香りが鼻に届いてきた。
何なのだろう、この少女は。何が目的なのだろう。
不可解さからくる彼女への苛立ちという感情を、無関心を装う事でどうにか抑え込んでいた。
他人事だ。俺には関係ない。すぐ目の前にいる天乃菜摘という転校生がなにをしたところで、どうってことないのだ。
ならばずっとこのまま無関心で居よう。
何かをしたいのなら勝手にやってくれ。
俺が一人動かなかったくらいで何も変わらないだろう。
――所詮、俺には何を成す事もできないのだから。
「……え。ねえ、聞いてくれているのかな、部長くん?」
澄んだ声が俺の意識を現実に引き戻す。覚めるように目を見開いた俺は、腰をかがめてこちらを窺う少女へと咄嗟に振り向いていた。
背筋に、気味の悪い痺れが伝った。
だがそれも気にせず、俺は呆けたように抜けて声で言葉を返した。
「なに」
「この距離で聞こえていなかったとは。わたし、それなりに声を張っていたつもりだったんだけどな。ショックだよ。うん、ショックだね」
まるで本気でそうとも思ってもいない風に、菜摘の声は平坦だ。怒っているよりも、むしろ言葉の裏に笑みを含めている。くすくすと、発してもいない声までが伝わってくるようだ。
「ああ、悪い。ちょっと眠くてさ」
俺も、適当な嘘で返した。長期休み明けの気だるさはあったものの、俺の瞳はしっかりと見開かれている。適当を言えば話も流されるだろう。
しかし菜摘は合わせるかのようにわざとらしく欠伸をし、それでもどこか余裕を持ったような口調で言った。
「ああ、いい天気だものね。でもわたし的には、すっかり眠たくなるにはちょっと日差しが強すぎるかな」
窓の外から顔をのぞかせる太陽が、容赦なく陽光を降り注がせる。お世辞にも、心地良いとは言えない暑さだ。日向に置いた腕は、皮膚を焦がされるかのように痛い。
薄らと陽炎の浮かぶグラウンドには、白いキャップをかぶった野球部員が複数人駆け回っていた。
新学期早々、ご苦労なものだ。
彼らには、しっかりとした自分の夢があるのだろう。
「それで、なんだって?」
「ああ、そうそう。部長くんって、天体写真とかに詳しかったりするのかな」
「あんまり」
「天文部の部長くんなのに?」
長い髪を揺らし、菜摘は人差し指を口許にあてて小首をかしげる。おかしな話だね、とおどけるように微笑しながら呟いていた。
俺は窓枠に肘を付いたまま、ああ、と答える。
「顧問の先生のほうが、そういうことには詳しいと思うけど」
「そうなんだ。その先生の名前は?」
「現代文の本宮」
吐き捨てるように言った俺の言葉を聞き終わるやいなや、菜摘はそそくさと教室から出ていってしまった。ゆったりとした歩調で、しかし彼女が扉をくぐって廊下に出ると、途端に床を叩く音のテンポは速まっていた。
足音はやがて去り、部室に静寂が戻る。
俺が重苦しく肺に溜まった空気をいっきに吐き出すと、埃が勢い良く宙に舞った。
――部長、か。
伏せていた文庫を手に取る。開いたページに目をやるが、視界に入った文字はピントが合わずにぼやけ、読み進めることはできなかった。
「部長だからって、何かが変わるわけでもないもんなあ」
別に俺は、部長になりたかったわけではない。
部員が居ないから部長になっただけのことだ。そもそも俺からしてみれば、別に天文部である必要は無かった。興味があった訳でもないし、星に関しての知識など皆無に等しい。
それでも入部したのは、ただぼうっと家に居たくなかったからと、ちょっとした個人的な空間が欲しかったからだ。その点では、今年の春で部員が居なくなる天文部はうってつけだった。
ほぼ廃部同然のため部費も支給はされない。それでも、俺にはまったく問題のないことだった。
壁にかかった時計の長針が十数回ほど回った頃。慌ただしい足音が、開かれたままだった扉の向こうから迫ってきた。それは傍に来たところで不意に鳴りやんだ。
しばらくの沈黙ののち、胸に手を当てた菜摘が顔を出した。平静な表情を装っているが、僅かに息は荒くなっている。余裕ぶって浮かべた笑みとは対照的で、明らかな違和感があった。
大方無理やり息を整えたのだろう。
そんな彼女の様子に、俺はどこか安心感を覚えていた。自分でも理由はわからなかった。
「先生、協力してくれるそうだよ」
菜摘は俺に面と向かうと、やはり落ち着いた調子で言った。
「生徒の活動を拒む理由は無いって言ってくれたよ。話のわかる先生だね」
「へえ、良かったな」
ページの進まない文庫に目をやったまま、俺は適当に答える。正直、菜摘がどうしようと興味は無かった。
「それで、活動のことなのだれど」
「……ああ」
「とりあえず、わたしたちには決定的に知識が足りないんだよね。そこが問題だよ。そして問題は埋めるが一番。図書室はここの一階にあるのを確認済みだし――まずは情報集めからが妥当かな」
「そうか」
「明日ぐらいから、さっそく始めようかなって思っているんだけど……部長くん?」
「ん、なんだ?」
ふと俺が文庫本へと沈み込ませていた顔を持ち上げると、そこにはムスッとした表情の菜摘がいた。
「真面目に聞いているのかな?」
頬を膨らませ、口を尖らしている。
どうやら、俺の素っ気ない返事が気に入らないらしい。だが最後には、やはり柔らかで落ち着いた微笑が彼女の口許に浮かんでいた。
「わたしが好き勝手にやってもいいのかな? もし問題でも起こしたとなると、部長であるキミにも責任が行くことになるよ。監督不行き届きだってね」
目を細め、唇に人差し指を当てて菜摘は言う。
なにをふざけたことを。
「脅しか?」
「別に。そんなつもりは無いんだけどなぁ」
嘘付け、と内心で悪態をつく。代わりに、深いため息をこぼした。
きっと菜摘は、どうやってでも俺を巻き込むつもりなのだろう。意地の悪い笑みのようなものが彼女の背後にはっきりと見てとれる。
確かに、部長は部員の責任をとらされる立場だ。粗相をすれば、おのずと部長である俺にも非難の矛先は向けられるだろう。だがそれは、よほど彼女が無茶な事をしない限りまず考えられないことだ。
菜摘がそれほど無茶な事をするような子に見えるか――と言われれば、どうとも言葉を返せない。まったくの未知数だ。しかし、転入初日からの彼女の異様な行動力から考えると、多少の無茶は十二分に考えられそうだった。
俺は文庫本を閉じ、窓際に置いた。
ぼやけた瞳を動かして菜摘にピントを合わせる。
ふと空の青さを一瞥し、そしてまた彼女へと戻した。
「……わかったよ。ちょっとぐらいは付き合ってやる」
ああ、そうだ。
暇つぶしだと思えば問題は無い。
ちょうど、読んでいる文庫本も終盤に差し掛かっていたところだ。次の作品を選ぶまでの時間だと考えることにしよう。
「ありがと。さすがは部長くんだね」
微笑む少女は、とても可愛らしく、輝いて見えた。
その明るさは、今の俺にはまぶしすぎるくらいだった。
大人びた印象。しかしどこかぎこちなく背伸びしているように感じるのは、まだ大人への成長途中だからだろうか。どうにせよ、高校生にしてはやはり随分と落ち着いている。
そんな彼女が入部早々、部長である俺に一つの提案をしたのだった。
「――新星?」
「そう、新星だよ。それを見つけることを、わたしたち天文部の目標にしないかな?」
菜摘が転入してきた翌日。しっかりと記入欄の埋められた入部届けを片手に、彼女は放課後の部室にやってきて、開口一番に言ってきたのだった。
思えば休み時間などもしきりに俺の方を見てきていたし、その様子はまるで、鼻息を荒くして落ち着かない飼い犬のようだと思ったくらいだ。顔にこそ出していないが、そんな雰囲気が滲み出ていた。
窓辺のパイプ椅子に腰を掛けていた俺は、持っていた文庫本を開いたまま伏せ、窓際に置いた。菜摘の声がイヤに耳をつんざき、顔をしかめる。
「目標? なんだよ、それ」
「目標っていうのはね、これからわたしたちが活動をする上での目指すべき指針のことだよ」
「わかってるよ、そういうのは」
「だったら訊かないで欲しいな」
菜摘は、わざとらしく頬を膨らませる。しかしすぐに口許は緩み、長く伸び垂れた鬢(びん)の髪を掻きあげながらくすくすと笑い声を上げていた。
馬鹿にされているみたいで腹が立つ。
俺はあさっての方向を見やり、窓の桟に肘をついた。
吸い込んだ空気に、多分の埃っぽさが混じる。
ろくに掃除もされていない部室。僅かな空気の動きだけでも、微量の埃が宙を舞う。窓を開けると、涼やかな風と共に、陽光に熱せられたアスファルトの土臭い香りが鼻に届いてきた。
何なのだろう、この少女は。何が目的なのだろう。
不可解さからくる彼女への苛立ちという感情を、無関心を装う事でどうにか抑え込んでいた。
他人事だ。俺には関係ない。すぐ目の前にいる天乃菜摘という転校生がなにをしたところで、どうってことないのだ。
ならばずっとこのまま無関心で居よう。
何かをしたいのなら勝手にやってくれ。
俺が一人動かなかったくらいで何も変わらないだろう。
――所詮、俺には何を成す事もできないのだから。
「……え。ねえ、聞いてくれているのかな、部長くん?」
澄んだ声が俺の意識を現実に引き戻す。覚めるように目を見開いた俺は、腰をかがめてこちらを窺う少女へと咄嗟に振り向いていた。
背筋に、気味の悪い痺れが伝った。
だがそれも気にせず、俺は呆けたように抜けて声で言葉を返した。
「なに」
「この距離で聞こえていなかったとは。わたし、それなりに声を張っていたつもりだったんだけどな。ショックだよ。うん、ショックだね」
まるで本気でそうとも思ってもいない風に、菜摘の声は平坦だ。怒っているよりも、むしろ言葉の裏に笑みを含めている。くすくすと、発してもいない声までが伝わってくるようだ。
「ああ、悪い。ちょっと眠くてさ」
俺も、適当な嘘で返した。長期休み明けの気だるさはあったものの、俺の瞳はしっかりと見開かれている。適当を言えば話も流されるだろう。
しかし菜摘は合わせるかのようにわざとらしく欠伸をし、それでもどこか余裕を持ったような口調で言った。
「ああ、いい天気だものね。でもわたし的には、すっかり眠たくなるにはちょっと日差しが強すぎるかな」
窓の外から顔をのぞかせる太陽が、容赦なく陽光を降り注がせる。お世辞にも、心地良いとは言えない暑さだ。日向に置いた腕は、皮膚を焦がされるかのように痛い。
薄らと陽炎の浮かぶグラウンドには、白いキャップをかぶった野球部員が複数人駆け回っていた。
新学期早々、ご苦労なものだ。
彼らには、しっかりとした自分の夢があるのだろう。
「それで、なんだって?」
「ああ、そうそう。部長くんって、天体写真とかに詳しかったりするのかな」
「あんまり」
「天文部の部長くんなのに?」
長い髪を揺らし、菜摘は人差し指を口許にあてて小首をかしげる。おかしな話だね、とおどけるように微笑しながら呟いていた。
俺は窓枠に肘を付いたまま、ああ、と答える。
「顧問の先生のほうが、そういうことには詳しいと思うけど」
「そうなんだ。その先生の名前は?」
「現代文の本宮」
吐き捨てるように言った俺の言葉を聞き終わるやいなや、菜摘はそそくさと教室から出ていってしまった。ゆったりとした歩調で、しかし彼女が扉をくぐって廊下に出ると、途端に床を叩く音のテンポは速まっていた。
足音はやがて去り、部室に静寂が戻る。
俺が重苦しく肺に溜まった空気をいっきに吐き出すと、埃が勢い良く宙に舞った。
――部長、か。
伏せていた文庫を手に取る。開いたページに目をやるが、視界に入った文字はピントが合わずにぼやけ、読み進めることはできなかった。
「部長だからって、何かが変わるわけでもないもんなあ」
別に俺は、部長になりたかったわけではない。
部員が居ないから部長になっただけのことだ。そもそも俺からしてみれば、別に天文部である必要は無かった。興味があった訳でもないし、星に関しての知識など皆無に等しい。
それでも入部したのは、ただぼうっと家に居たくなかったからと、ちょっとした個人的な空間が欲しかったからだ。その点では、今年の春で部員が居なくなる天文部はうってつけだった。
ほぼ廃部同然のため部費も支給はされない。それでも、俺にはまったく問題のないことだった。
壁にかかった時計の長針が十数回ほど回った頃。慌ただしい足音が、開かれたままだった扉の向こうから迫ってきた。それは傍に来たところで不意に鳴りやんだ。
しばらくの沈黙ののち、胸に手を当てた菜摘が顔を出した。平静な表情を装っているが、僅かに息は荒くなっている。余裕ぶって浮かべた笑みとは対照的で、明らかな違和感があった。
大方無理やり息を整えたのだろう。
そんな彼女の様子に、俺はどこか安心感を覚えていた。自分でも理由はわからなかった。
「先生、協力してくれるそうだよ」
菜摘は俺に面と向かうと、やはり落ち着いた調子で言った。
「生徒の活動を拒む理由は無いって言ってくれたよ。話のわかる先生だね」
「へえ、良かったな」
ページの進まない文庫に目をやったまま、俺は適当に答える。正直、菜摘がどうしようと興味は無かった。
「それで、活動のことなのだれど」
「……ああ」
「とりあえず、わたしたちには決定的に知識が足りないんだよね。そこが問題だよ。そして問題は埋めるが一番。図書室はここの一階にあるのを確認済みだし――まずは情報集めからが妥当かな」
「そうか」
「明日ぐらいから、さっそく始めようかなって思っているんだけど……部長くん?」
「ん、なんだ?」
ふと俺が文庫本へと沈み込ませていた顔を持ち上げると、そこにはムスッとした表情の菜摘がいた。
「真面目に聞いているのかな?」
頬を膨らませ、口を尖らしている。
どうやら、俺の素っ気ない返事が気に入らないらしい。だが最後には、やはり柔らかで落ち着いた微笑が彼女の口許に浮かんでいた。
「わたしが好き勝手にやってもいいのかな? もし問題でも起こしたとなると、部長であるキミにも責任が行くことになるよ。監督不行き届きだってね」
目を細め、唇に人差し指を当てて菜摘は言う。
なにをふざけたことを。
「脅しか?」
「別に。そんなつもりは無いんだけどなぁ」
嘘付け、と内心で悪態をつく。代わりに、深いため息をこぼした。
きっと菜摘は、どうやってでも俺を巻き込むつもりなのだろう。意地の悪い笑みのようなものが彼女の背後にはっきりと見てとれる。
確かに、部長は部員の責任をとらされる立場だ。粗相をすれば、おのずと部長である俺にも非難の矛先は向けられるだろう。だがそれは、よほど彼女が無茶な事をしない限りまず考えられないことだ。
菜摘がそれほど無茶な事をするような子に見えるか――と言われれば、どうとも言葉を返せない。まったくの未知数だ。しかし、転入初日からの彼女の異様な行動力から考えると、多少の無茶は十二分に考えられそうだった。
俺は文庫本を閉じ、窓際に置いた。
ぼやけた瞳を動かして菜摘にピントを合わせる。
ふと空の青さを一瞥し、そしてまた彼女へと戻した。
「……わかったよ。ちょっとぐらいは付き合ってやる」
ああ、そうだ。
暇つぶしだと思えば問題は無い。
ちょうど、読んでいる文庫本も終盤に差し掛かっていたところだ。次の作品を選ぶまでの時間だと考えることにしよう。
「ありがと。さすがは部長くんだね」
微笑む少女は、とても可愛らしく、輝いて見えた。
その明るさは、今の俺にはまぶしすぎるくらいだった。
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