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呪いのリング だってよ

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「ふぅ……取敢えず王は死んでるのな」
   なんで王自ら攻めてきてるんだよ!等々突っ込みどころは多かったがもう疲れた。

「取り合えす族長、アビルにキッスをしてやれ 」

「なな…何をおっしゃるのですか!!」
「だってシャーレにやらす訳にいかねーじゃん」
 「それなら他の者で……」


しーん


 
   マナブ・シャーレ・ピエ吉・族長・アビルを残してすでにその場に誰もいなかった。

「この裏切り者共―――――!!! 切り者共――――!!! り者共―――!! 共―――!!! 」
   族長の悲痛な声だけ洞窟内に木霊していた。


「諦めろって族長、うまく行けば良いものやるから!! 」
「むっ! いいものですか!! それは? 」

   マナブは聖典を手に願を唱えた。
『ブゥワーン!!! 』
   マナブは大間のクロマグロを召喚した。

「ななな!!! なんですこれは!!!!??? 」
   族長とシャーレは口いっぱいにヨダレをたらし召喚したマグロに飛びついた。
   やっぱ猫だから魚好きなんだな。

   マナブはクロマグロを抱え飛びつく族長とシャーレをうまくかわした。
「おっと……これはまだだぜ族長! これは俺の国の最高の魚だ! 食べたいよな!!? 最高だぜこのクロマグロは! どうする族長!? 独り占めできるぜ!!? 」

「シャーレもシャーレも!! マナブ様シャーレも!!! 」
「ダメだシャーレこれは族長の報酬なんだよ」
   シャーレはムスッとした顔でプイッとそっぽを向いてすねている。

「ぬぬぬぬっ!! 食べたい……しかしアビルとのキッス……俺は族長ですぞ!! 
そんな恥ずかしい真似など!!!
…………アビル殿目を閉じてくれ」
うん、凄い積極的だな。
今度シャーレにも渡してパンツ見せてもらうか……。

   族長とアビルの視線が合った、そっとアビルは瞳を閉じその時を待っていた。
   族長は歩を一歩また一歩アビルの前約10㎝の所まで進めた。
 ゆっくりと族長がアビルの少し火照った顔に近づいていく。
  まるでこの空間が二人の世界かのようにきらめいていた。
「ぶちゅーーーーー!!!」

   うええぇぇぇぇ!! 気持ち悪い、異世界でもおっさんどうしのチューほど気持ち悪いものは無いな。
「うっぷ……取敢えずアビルどうだ? 」
「我が主それが、リングに変化は……」

アビルはそっとリングに触れようと手をかけた。
 その時リングは砂のように細かな粒子になり空中で消え去った。

「うぉおお!!! 消えた!! 我が主消えました!!! 族長殿感謝申し上げる!!! 本当にありがとう……うっ……うっ……」
   本当に辛かったんだな……
   マナブはこの時貴族に対しての怒りがより一層増した気がした。


「いや中々いいキッスでしたぞアビル殿……むふっ」
約一名変な方向へ進みそうだが何とか活路を見出した感じだな。

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