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ピエッ だってよ

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 繭のように全身を糸でグルグルにまかれリザードマンは完全に沈黙している状態になった。

「どうなったんだ……しんだのかな……」

   マナブは新たな聖典の力を使ったはいいがその力がどう影響しているのかわからないでいた。

 静寂の中全員が一点を凝視し事の顛末は待ちわびている。
「マナブ様! なんか小さくなって来てます!! 」
「本当だ……なんだこれ……」
繭は徐々に小さくなって行きボーリングの球程のサイズまで小さくなりそこで縮小はとまっていた。
「シャーレどうなってんだこれ!! 」
「いや知りませんよ! マナブ様の魔法じゃないですか!! 」
「だよな……」

『ピキッ……ピキッ……ピキッ……ピキッピキッピキッピキッピキッ』

「おい!割れてきたぞ!! 下がれみんな!! 」

繭状の球体が、鳥が卵から孵るみたいに割れている。

「ピエッ!!」

「は!?…… はぁーーーーーーーーーー!!!!? 」
 割れた繭から小さな真っ白のリザードマンの子供が出てきた。
 「ピエッ! ピエッピエッ! 」
   小さなリザードマンは目の前のマナブの頭にちょこんと座って満足外な表情で鳴いていた。


 「えーーーっと……族長こいつはなんだ!? 」
 
「普通リザードマンは全身赤褐色でありますが……この者見た目はリザードマンの幼体に見えますが…… 白のリザードマン…… 
もしや固有種リザードキング!!? 」

「リザードキング? なんだそれ? 」

「リザードマンには百年に一度特殊な個体リザードキングが産まれると聞いたことがございます、その個体は全身真っ白でドラゴン族にも勝るパワーを持ち合わせていると聞いた事があります…… 」

「えぇぇぇぇぇえっぇ!? なんで!? 」
「シャーレが解る訳ないじゃないですか!! 」
「そりゃそうか。」

   浄化し過ぎて聖典の力が影響したのか……いや意味不明だ……

「それよりなんかマナブ様に凄いなついてますね」
「ピエッ♪ ピエッ♪ 」

   凄い上機嫌だ……
「マナブ様を親だとおもっているのでは? 」
「刷り込みってやつか……」
   雛は親の顔を生まれた時には知らず、生まれた後にそれを覚えるのである。
 具体的には、生まれた直後に目の前にあった、動いて声を出すものを親だと覚え込んでしまう。

「まーいいじゃないですか、かわいいし、ねぇピエ吉 」
「ピエッ!! 」
   シャーレの奴名前まで付けやがった……しかしセンスゼロだな。
   何がピエッだ! …ダメだ振り払っても頭に戻ってくる……

「チッ! 仕方ねーな、 シャーレが面倒をみろよ! 」
「はい!! 」
「ピエッ!! 」

何故かリザードマンキングをペットにすることになってしまった。

「しかしシャーレいいのか? こいつら亜人種を食べてたんだろ? 」

「それは大丈夫ですよ! リザードマンは最初に食べた物以外食べれないそうなのです、
だからゴブリンを最初に食べた者はゴブリンしか食べないそうです。
リザードマンは基本的に雑食ですが、木の実や雑草を食べて生きてる者もいればバラバラです。」

「なんじゃそれ!? 」
「他の物を食べると胸焼けするみたいです」
「生き辛い設定だな……」

「我々亜人種が狙われているのは飢饉で食物が育たない為です…… 」

「そうか……ん!? じゃ食べ物があれば亜人族も狙われないんだな!? 」
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