かわらないもの

ゆゆゆ

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弟さんさい兄ごさい。 -4※

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「……ぅ、う、ん“ん”ん……!」
「硬かった……。また閉じてんね。力抜いててよ。」
「もう、一回抜いたし良いだろ……。っ、いって、無理矢理やめろ、」

 乳首を弄りながら後孔を解す。前回二人が身体を重ねたのは何ヶ月前になるか。妻と出会うまでは消極的に女遊びをしていた悠介に、後ろの穴を弄る趣味はない。こんなところを触れ、ほじろうとするのは俊介くらいだ。

「ゆっくりできないのになあ、悠介が日々ほぐしてくれてたらなあ」
「ふざけんな。」
「今日は無理か。……なあ、明日、…てか今日さ、ウチ来てよ……仕事帰りでも。」
「あ? っんんっ! 手ぇ止めて喋れ」
「やだよ、時間ないし」

『ピロリロリロリロリ』

 その時、大きくはないが、よく通る音がリビングに響いた。

「絞まった。……あー、挿れたかったなあ~……」
「っ……、ん、趣味悪ぃんだよ、まじで……。はあ、もう」
「これでも仕事終わって飛んできたんだよ。大分巻いたし。」

 音源は寝室と繋いでいるベビーモニターだった。寝ている乳児の異常を知らせる機器だが、子供が乳児を脱した今もこの家では継続して使用していた。寝室の様子を見ることができるそれは晩酌時からソファ前のローテーブルに置かれており、音が鳴ったのは子供が寝返りを打った為だったらしい。

「急に明日休みになったんだよ。明日月曜だし、練習ないだろ。」
「うるせえ、もう、乳首、やめろ」
「え、乳首弄る度ナカびっくびくしてるよ。」
「まじで黙れよ、……っ、ぅ」

 断続的に話しながら、指が二本は挿入できるようになっていた。しかしもう深夜二時半を過ぎた頃、ゆっくりほぐしている時間はなかった。
 俊介は悠介の身体を返し、尻を高く上げた。そしてローションを取り、自分の一物に塗りつける。

「はあ、最悪……。」
「譲歩してんのはこっちだよ。脚閉じて。」
「いや、明日仕事だってのに付き合ってやってる俺の方が、……んッ」

 プロ選手ではない。しかし一般人ではないスポーツ選手の太腿は、程良い弾力がある。両膝を付けて閉じてしまうと発達した内転筋で強く締め過ぎてしまう。経験から悠介が適度の隙間を開けた太腿の間に、俊介がぬるつく自身を差し込んだ。

「あー、最高……。」
「んっ、当てんな、」
「当ててんだよ。一緒にいこうぜ。」
「何キャラだよ、……はあ、う、」

 悠介の尻は上がっているが、頭はソファに突っ伏している。そのせいで角度がつき、余計俊介のモノと擦れる。
 俊介は腰を前後させながら、飽きもせずアナも弄る。もう少しでもう一本指を増やせそうだが、悠介の尻と、続く脚が小刻みに震えている。前立腺の感度は衰えておらず楽しく弄っているが、それよりも程良く締められながら震えられると挿れている俊介の方も余裕がない。

「はあ、もう無理。」

 そう呟いて、右手に新たなローションを振り、悠介の股間へ。左手は腰を掴み、音がするほど腰を振り出した。

「あ、っあ、お前、離せっ、それ、は、あ…ッ!」
「はあ、は、感じてんじゃんっ……、痛かったら言って。」
「ぁあ、やめ、も、いく、でるっ、から、」
「おっけ、俺も、っ、出す、」

 そう時間差もなく、二人はほぼ同時に射精した。二人分の精液は俊介が両手で受け止めた。

「はあっ……、は、ぁ、はあ、」
「おーすげえ、すごくね、ソファ一切汚さなかった。」
「うるせえ。……はあ、……またシャワー浴びないと」
「俺はティッシュで良いや。」
「フロ貸すわけねーだろ……、せめてタオル使えよ。」
「やり、貸してくれんの。」

 二人して息を整えて大まかな汚れはティッシュで拭い、手を洗って悠介が洗面所から持ってきたタオルを俊介に渡す。

「そろそろ」

 粗方身支度を整え、俊介が玄関に放りっぱなしだった鞄を持って玄関を出る。

「まあ、気が向いたら来てよ。」
「久しぶりの休みなんだろ。どっか遊びに行けよ。」
「冗談……、ゆっくり寝かせてよ。」
「今日に関しては俺のセリフなんだけど」
「ごめんって。」

 悠介も上着を着て玄関前の共用廊下に出た。このマンションは外から共用廊下も目隠しされて見えないようになっている。周囲は車も通っておらず静かだ。

「まあ、ほんとに昼間は寝てるし、期待せず待ってるよ。」
「ああ……。まあ、万が一行く時は連絡するわ。」
「来るなら悠介の好物でも出前取るよ。」
「なんだそれ、食い物でつられるか。」

 その時、マンションの下にタクシーが停まった。後片付けをしながら俊介が呼んでいたタクシーだった。

「はーや。……じゃ、もう行く。おやすみ。」
「ああ。」

 そうして兄弟の短い逢瀬が終わった。

「あーさむ。」

 俊介が角を曲がる前には、悠介は肩を震わせて玄関に入った。
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