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第一部
31話 それぞれの色
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「ところで話って何?
あおいちゃん、僕に話があるんでしょ?」
とキョウが私に顔を向けた。
私は頷いた、
「キョウくん、やっぱり私たち、あまり学校で話したりしない方がいいと思うんだ」
私は昨日の帰り道、りんが私とキョウの会話を聞いたときに抱いた感想を話した。
『あおいはキョウと話すとき、何だか態度や言葉遣いが可愛い』と言う奴だ。
キョウは話を聞くと、ひゅーっと小さな口笛を吹いた、
「すごいね、りん」
「そうなの。
でも、りんがすごい、と言うより男子って皆カンが良いんじゃない?」
「多分、人によるよ。
僕はそんなに良くないよ」
とキョウは眉をしかめた。
私はサキに顔を向けて言った、
「昨日の朝、サキとりんと私とで三人で話したでしょ?
あのときサキ、私に目配せとかしたでしょ?
あれもりんに気付かれていたよ」
「加藤くん意外と怖い」
とサキが困ったような顔をした、
「ボーッとしている子だと思っていたのに……」
何だと!?
(自分も言ったことあるくせに……しかも本人に直接言った)
「エスパーりん、だね」
とキョウが言うのに、私は苦笑いした。
「で、僕と話していたら、またりんに何か感じ取られると思って、話したくないんだ?」
「うん」
「でもさ、それって、気にしなきゃいいだけじゃない?」
「えっ」
「普通、まさか、女子が男子として生活しているとは思わないからさ。
りんもあおいちゃんが女子だとまでは気付かないと思うよ。
だからあおいちゃん、多少、りんに『あおいは女言葉使うなあ』って思われてもいいんじゃない?」
「う~ん……」
「別に最悪、あおいちゃんと僕がボーイズラブに思われても良いじゃない!」
とキョウは満面の笑みで明るく言った。
「ほんとに、カンが悪いのね。
鈴木くん!
男のくせに!」
とサキがキョウをジト目で見た。
「ん?」
「あおいくんはね、加藤くんが好きなんだよ!」
とサキは宣言した。
こ、こいつ……いきなり!
「えっ」
「だから鈴木くんとボーイズラブに見られたら困るって言っているんだよ!」
キョウはしばらく目を丸くしてサキを見た後、顎に手を当てた、
「なるほど……」
とつぶやくと、私を横目でニヤリと見た、
「たしかに……。
っぽいねえ……。あおいちゃん……」
「えっ」
「りんって、あおいちゃんのタイプっぽい」
「なっ……」
「ふぅん」
とサキもニヤニヤしている、
「鈴木くん、あおいくんと幼なじみだもんねー。
あおいくんって、昔から加藤くんっぽいのが好きなんだ?」
「そだねー」
とキョウは言った(カーリング?)、
「僕、あおいちゃんが好きだっただろ?
だから、結構データ集めたんだよね、当時」
「で、データって……」
「あおいちゃんの好きなタイプのデータ」
サキが非難がましい目を私に向ける、
「あおいくん、データ作れるほど、色んな男子のこと好きになったんだ」
そんな覚えは断じてない!
「いや。
あおいちゃんが好きだという漫画とかアニメの男キャラを分析したんだよ」
何だよ、その分析。
たぶん現実には役に立たないよ!
「その結果、僕の出した結論。
あおいちゃんの好きな男のタイプは……」
と言うとキョウはサキと私の顔を交互に見た。
ためるな……!
「『青キャラ』!」
「「青キャラ……!?」」
とサキと私は声をそろえた。
その後、
「「……って何?」」
と言う言葉も二人一緒に言った。
「ほら、変身ものとか戦隊ものとか色でキャラを区別したりするだろ?
あれ色ごとに性格とかタイプが似ていたりするんだよね。
似ていないときももちろんあるけど」
とキョウは説明した、
「僕が思うに、あおいちゃんは『青キャラ』が好きだね」
「青キャラってどんなの……?」
「真面目で」
とキョウは言った。
「……」
私は無言でキョウを見つめた。
ごくり……。
キョウは続ける、
「優しくて」
「……」
「どちらかと言えば大人しくて」
「……」
「でも芯が強くて」
「……」
「サワヤカ」
「……」
あ っ て る じ ゃ ね ー か
やっぱり男子って怖い……と私は思った。
「ふぅん……」
とサキはニヤニヤしている、
「なるほどねぇ……」
「僕も一時期、『青キャラ』を目指したけどね。
無理だったなあ……」
とキョウは遠い目をした。
サキは自分自身を指差しながら言った、
「ねえ、私も『青キャラ』だよね?」
自信ありげに言うサキに、キョウは首を振り満面の笑顔で言った、
「田中さんは『黒キャラ』だね!」
サキはキョウに向かって握りこぶしを振り上げた(無表情で)。
「えっ!?
何で怒るの?
『黒キャラ』はおいしいんだよ~」
サキは手を下ろし腕組みをすると、口をとがらせキョウを座った目で見る、
「ふぅん……。
おいしいって、どんな風に?」
「もとは敵だったけど、あとで味方になる、とか。
そんな感じだよね、『黒キャラ』って」
サキは少し機嫌を直した風に頷いた。
キョウは笑顔で続けた、
「ま。逆もあるけどね!」
「逆?」
「元は味方だったのに、敵になる。
闇堕ちダークヒロインキャラだね!」
サキは再びキョウに握りこぶしを振り上げた。
私はサキを止めようと、慌てて口を挟んだ、
「じゃあキョウくんは?
キョウくん自身は何キャラなの?」
キョウは頭を守るしぐさをしながらサキと向かい合っていたが、私を見ると笑顔で言った、
「僕は『緑キャラ』だね!」
「『緑キャラ』って何?」
とサキは一旦握りこぶしを下ろしたが、キョウが
「『緑キャラ』は癒やし系だね!」
と言うのを聞くと、また振り上げた、
「自分のこと、自分で『癒やし系』と言う癒やし系がどこにいるの?」
「ここに……」
とキョウは頭を抱える。
「あ、あのさー」
と私はサキを再び止めようと再び間に入った。
自分を指差しながら言う、
「私は?
私は何キャラ?」
「黄色……」
とキョウはサキに『まあまあ』と手の平を向けながら、言った。
「黄色?
『黄色キャラ』ってどんなの?」
「あざとい……」
『ふ……』と息の漏れる音が聞こえた。
その方を見ると、サキが笑いをこらえていた。握った拳もかすかに震えている。
私も握りこぶしを振り上げた。
※※※
「りんのカンが良いことと、あおいちゃんがりんを好きなことはわかった」
とキョウが言うのを私は制した、
「いや。
りんが好きって、私、まだ言っていないよ?」
「あおいくん。
ここは素直に認めなさい」
とサキが腕組みしながら真っ直ぐ私を見た、
「じゃないと、鈴木くんが余計な期待を抱くかもしれないでしょ?」
「余計な期待?」
「何も知らずに――あおいくんが加藤くんのことを好きだと知らずに――鈴木くんがあおいくんに叶わぬ恋をしたらかわいそうでしょ?」
いや。
キョウが私に叶わぬ恋をするとか……。
飛躍していると思うんだけど……。
サキは続ける、
「私はね、鈴木くんに感謝しているの。
いいものを――『みどり』ちゃんを――見せてくれて。
私、『みどり』ちゃんに萌えて、失恋の痛手を癒やそうと思っているの」
何か言っていること怖いよ、サキ!
(『あおい』に失恋して、『あおい』と同一人物の『みどり』に癒やされる!?)
「だから鈴木くんにはね、あおいくんに夢中になる前にあらかじめ引導を渡してあげたいと思ったの」
「優しいんだねえ、田中さん」
とキョウがニコニコ言った。
「そうでしょ?
やっぱり私『青キャラ』でしょ?」
「いや、やっぱり『黒キャラ』だよ。
だって言っていること、黒いもん。
青だったら、
『誰かを好きになるのは誰にせよ、どんな状況にせよ、素晴らしいこと。
誰を好きになっても私は見守る。
あなたの味方』
とか言う感じのことを言うと思う」
サキは少し落ち込んだ。
「それにしても田中さん最近失恋したの?
田中さんでもフラれたりするんだね?」
とキョウが興味深げに聞いてくるのを私たちはスルーした。
「でもキョウくん。
別にキョウくん、私のこと好きじゃないよね?
サキは、キョウくんが私のこと好きになる前提で話している感じだけど……」
「なるほど、あざとい」
とサキはつぶやいた。
何だと!?
「僕、あおいちゃんのこと好きだよ」
とキョウはアッサリ言った。
「えっ……」
「だって、初恋の人が、全然変わっていない状態で――成長である程度は変わっているけど――目の前に現れたら、そりゃ普通好きになるでしょ?」
こ、これは、告白なの……?
わからない。
だって告白なら、第三者(サキ)のいる前でしなくない?
わからない……。
私は混乱した。いや、ずっと前から混乱しているけど……(『ギャップ萌え』とか二人が言い出したあたりから)。
「それに僕も、あおいちゃん同様『三つ子の魂百まで』と言うか。
好きなタイプが小学生時代から変わっていないんだよね」
キョウは私を上目遣いで、ニヤリと笑いながら見た、
「残念だけど、僕、あざとい系の可愛い女の子が好きなんだ」
……。
色々つっこみどころがあると思うんだ。
「と言うことで。
僕も失恋しちゃったんだねぇ」
とキョウはパッと満面の笑顔になって明るく言った。
「鈴木くん」
とサキはキョウの肩をポンッと叩いた、
「『みどり』ちゃんで癒やそう!」
「そだねー」
ふ、二人とも怖いよ……!
(どこから冗談でどこから本気なの?)
あおいちゃん、僕に話があるんでしょ?」
とキョウが私に顔を向けた。
私は頷いた、
「キョウくん、やっぱり私たち、あまり学校で話したりしない方がいいと思うんだ」
私は昨日の帰り道、りんが私とキョウの会話を聞いたときに抱いた感想を話した。
『あおいはキョウと話すとき、何だか態度や言葉遣いが可愛い』と言う奴だ。
キョウは話を聞くと、ひゅーっと小さな口笛を吹いた、
「すごいね、りん」
「そうなの。
でも、りんがすごい、と言うより男子って皆カンが良いんじゃない?」
「多分、人によるよ。
僕はそんなに良くないよ」
とキョウは眉をしかめた。
私はサキに顔を向けて言った、
「昨日の朝、サキとりんと私とで三人で話したでしょ?
あのときサキ、私に目配せとかしたでしょ?
あれもりんに気付かれていたよ」
「加藤くん意外と怖い」
とサキが困ったような顔をした、
「ボーッとしている子だと思っていたのに……」
何だと!?
(自分も言ったことあるくせに……しかも本人に直接言った)
「エスパーりん、だね」
とキョウが言うのに、私は苦笑いした。
「で、僕と話していたら、またりんに何か感じ取られると思って、話したくないんだ?」
「うん」
「でもさ、それって、気にしなきゃいいだけじゃない?」
「えっ」
「普通、まさか、女子が男子として生活しているとは思わないからさ。
りんもあおいちゃんが女子だとまでは気付かないと思うよ。
だからあおいちゃん、多少、りんに『あおいは女言葉使うなあ』って思われてもいいんじゃない?」
「う~ん……」
「別に最悪、あおいちゃんと僕がボーイズラブに思われても良いじゃない!」
とキョウは満面の笑みで明るく言った。
「ほんとに、カンが悪いのね。
鈴木くん!
男のくせに!」
とサキがキョウをジト目で見た。
「ん?」
「あおいくんはね、加藤くんが好きなんだよ!」
とサキは宣言した。
こ、こいつ……いきなり!
「えっ」
「だから鈴木くんとボーイズラブに見られたら困るって言っているんだよ!」
キョウはしばらく目を丸くしてサキを見た後、顎に手を当てた、
「なるほど……」
とつぶやくと、私を横目でニヤリと見た、
「たしかに……。
っぽいねえ……。あおいちゃん……」
「えっ」
「りんって、あおいちゃんのタイプっぽい」
「なっ……」
「ふぅん」
とサキもニヤニヤしている、
「鈴木くん、あおいくんと幼なじみだもんねー。
あおいくんって、昔から加藤くんっぽいのが好きなんだ?」
「そだねー」
とキョウは言った(カーリング?)、
「僕、あおいちゃんが好きだっただろ?
だから、結構データ集めたんだよね、当時」
「で、データって……」
「あおいちゃんの好きなタイプのデータ」
サキが非難がましい目を私に向ける、
「あおいくん、データ作れるほど、色んな男子のこと好きになったんだ」
そんな覚えは断じてない!
「いや。
あおいちゃんが好きだという漫画とかアニメの男キャラを分析したんだよ」
何だよ、その分析。
たぶん現実には役に立たないよ!
「その結果、僕の出した結論。
あおいちゃんの好きな男のタイプは……」
と言うとキョウはサキと私の顔を交互に見た。
ためるな……!
「『青キャラ』!」
「「青キャラ……!?」」
とサキと私は声をそろえた。
その後、
「「……って何?」」
と言う言葉も二人一緒に言った。
「ほら、変身ものとか戦隊ものとか色でキャラを区別したりするだろ?
あれ色ごとに性格とかタイプが似ていたりするんだよね。
似ていないときももちろんあるけど」
とキョウは説明した、
「僕が思うに、あおいちゃんは『青キャラ』が好きだね」
「青キャラってどんなの……?」
「真面目で」
とキョウは言った。
「……」
私は無言でキョウを見つめた。
ごくり……。
キョウは続ける、
「優しくて」
「……」
「どちらかと言えば大人しくて」
「……」
「でも芯が強くて」
「……」
「サワヤカ」
「……」
あ っ て る じ ゃ ね ー か
やっぱり男子って怖い……と私は思った。
「ふぅん……」
とサキはニヤニヤしている、
「なるほどねぇ……」
「僕も一時期、『青キャラ』を目指したけどね。
無理だったなあ……」
とキョウは遠い目をした。
サキは自分自身を指差しながら言った、
「ねえ、私も『青キャラ』だよね?」
自信ありげに言うサキに、キョウは首を振り満面の笑顔で言った、
「田中さんは『黒キャラ』だね!」
サキはキョウに向かって握りこぶしを振り上げた(無表情で)。
「えっ!?
何で怒るの?
『黒キャラ』はおいしいんだよ~」
サキは手を下ろし腕組みをすると、口をとがらせキョウを座った目で見る、
「ふぅん……。
おいしいって、どんな風に?」
「もとは敵だったけど、あとで味方になる、とか。
そんな感じだよね、『黒キャラ』って」
サキは少し機嫌を直した風に頷いた。
キョウは笑顔で続けた、
「ま。逆もあるけどね!」
「逆?」
「元は味方だったのに、敵になる。
闇堕ちダークヒロインキャラだね!」
サキは再びキョウに握りこぶしを振り上げた。
私はサキを止めようと、慌てて口を挟んだ、
「じゃあキョウくんは?
キョウくん自身は何キャラなの?」
キョウは頭を守るしぐさをしながらサキと向かい合っていたが、私を見ると笑顔で言った、
「僕は『緑キャラ』だね!」
「『緑キャラ』って何?」
とサキは一旦握りこぶしを下ろしたが、キョウが
「『緑キャラ』は癒やし系だね!」
と言うのを聞くと、また振り上げた、
「自分のこと、自分で『癒やし系』と言う癒やし系がどこにいるの?」
「ここに……」
とキョウは頭を抱える。
「あ、あのさー」
と私はサキを再び止めようと再び間に入った。
自分を指差しながら言う、
「私は?
私は何キャラ?」
「黄色……」
とキョウはサキに『まあまあ』と手の平を向けながら、言った。
「黄色?
『黄色キャラ』ってどんなの?」
「あざとい……」
『ふ……』と息の漏れる音が聞こえた。
その方を見ると、サキが笑いをこらえていた。握った拳もかすかに震えている。
私も握りこぶしを振り上げた。
※※※
「りんのカンが良いことと、あおいちゃんがりんを好きなことはわかった」
とキョウが言うのを私は制した、
「いや。
りんが好きって、私、まだ言っていないよ?」
「あおいくん。
ここは素直に認めなさい」
とサキが腕組みしながら真っ直ぐ私を見た、
「じゃないと、鈴木くんが余計な期待を抱くかもしれないでしょ?」
「余計な期待?」
「何も知らずに――あおいくんが加藤くんのことを好きだと知らずに――鈴木くんがあおいくんに叶わぬ恋をしたらかわいそうでしょ?」
いや。
キョウが私に叶わぬ恋をするとか……。
飛躍していると思うんだけど……。
サキは続ける、
「私はね、鈴木くんに感謝しているの。
いいものを――『みどり』ちゃんを――見せてくれて。
私、『みどり』ちゃんに萌えて、失恋の痛手を癒やそうと思っているの」
何か言っていること怖いよ、サキ!
(『あおい』に失恋して、『あおい』と同一人物の『みどり』に癒やされる!?)
「だから鈴木くんにはね、あおいくんに夢中になる前にあらかじめ引導を渡してあげたいと思ったの」
「優しいんだねえ、田中さん」
とキョウがニコニコ言った。
「そうでしょ?
やっぱり私『青キャラ』でしょ?」
「いや、やっぱり『黒キャラ』だよ。
だって言っていること、黒いもん。
青だったら、
『誰かを好きになるのは誰にせよ、どんな状況にせよ、素晴らしいこと。
誰を好きになっても私は見守る。
あなたの味方』
とか言う感じのことを言うと思う」
サキは少し落ち込んだ。
「それにしても田中さん最近失恋したの?
田中さんでもフラれたりするんだね?」
とキョウが興味深げに聞いてくるのを私たちはスルーした。
「でもキョウくん。
別にキョウくん、私のこと好きじゃないよね?
サキは、キョウくんが私のこと好きになる前提で話している感じだけど……」
「なるほど、あざとい」
とサキはつぶやいた。
何だと!?
「僕、あおいちゃんのこと好きだよ」
とキョウはアッサリ言った。
「えっ……」
「だって、初恋の人が、全然変わっていない状態で――成長である程度は変わっているけど――目の前に現れたら、そりゃ普通好きになるでしょ?」
こ、これは、告白なの……?
わからない。
だって告白なら、第三者(サキ)のいる前でしなくない?
わからない……。
私は混乱した。いや、ずっと前から混乱しているけど……(『ギャップ萌え』とか二人が言い出したあたりから)。
「それに僕も、あおいちゃん同様『三つ子の魂百まで』と言うか。
好きなタイプが小学生時代から変わっていないんだよね」
キョウは私を上目遣いで、ニヤリと笑いながら見た、
「残念だけど、僕、あざとい系の可愛い女の子が好きなんだ」
……。
色々つっこみどころがあると思うんだ。
「と言うことで。
僕も失恋しちゃったんだねぇ」
とキョウはパッと満面の笑顔になって明るく言った。
「鈴木くん」
とサキはキョウの肩をポンッと叩いた、
「『みどり』ちゃんで癒やそう!」
「そだねー」
ふ、二人とも怖いよ……!
(どこから冗談でどこから本気なの?)
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