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第一部
14話 サキの心配事
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それからと言うもの、私の友達――りん、ケイ、ハヤト――は私をサキの魔の手(?)から守るべく、色々気を使ってくれることとなった。
しかし完璧にできるはずもなく……
そんな状況で一週間ほど経ったころ。一人で帰路についていると、
「あおいくん」
と言う声がして振り返る。
サキがいた――何だかハアハア息を切らしている。
「後ろ姿見えたから」
とサキは赤い顔して、にこにこしている。
走って……来たの!?
恋愛感情とか抜きに考えても『好かれている』感がして、ちょっと嬉しくなってしまった……。
サキが息を整えるのを待って、私達は並んで歩き始めた。
しばらく当たり障りのない話をしていたが、
「ねえ、あおいくん」
とサキが何気ない調子で切りだしてきたことには……
「私、あおいくんの友達に嫌われているのかなあ?」
「えっ」
「何か私があおいくんに話しかけたとき、いつも何かと横から入ってきて、あおいくんのこと連れて行ってしまうよね、最近。
最初はたまたまだと思ったけど、何回もあるからさ……」
あいつら(と言うか私達)バレバレじゃないの!
いや、待って。
そう、バレバレでいいのだ!
『あおいはサキと仲良くしたくない』と言う意思をサキにさりげなく(?)伝えるためにこう言うことをしているんだった!
「いや、嫌いとかじゃないと思うな」
とだけ私はやっと言った。
「それじゃあ……」
とサキは私に向き直った、
「あおいくんが私のこと、嫌いなのかな?
だから友達に頼んでいるのかな……。
私が話しかけてきたら間に入るようにとか……?」
美少女の真剣な顔に何だか緊張してしまった、
「いや。
サキのこと、おれ嫌いじゃないよ」
「ほんと?」
とサキの顔がパッと明るくなる。
『嫌いじゃないよ』と言う私のたった一言でこんなに表情を変えるなんて。
サキは見た目はわりとクールだが、わりと単純で人を信じやすいところがあるのかもしれない。
顔が整っているからどうしてもクールに見えてしまうだけで、普通の女の子なのかもしれない……と思い、申し訳なくなる。
私自身もサキを誤解しているかもしれないから。
「良かった」
サキはにっこり微笑んだ。
その笑顔も、私の心を重くした。
サキは私に好意を持っていてくれる。友情なのか恋心なのかはわからないけれど。
なのに、私が今していることはどうなんだろう?
私は正直に言うことにした、
「ねえ、サキ。
サキって『悪いオンナ』なのかな?」
……。
言ってから、心の中で自分に突っ込む――『正直に、ストレートに言い過ぎでしょ!』
サキは目を見開いて私を見る。
私は両手の平をサキに見せ軽く振りながら――『違う違う』のジェスチャーをしながら――弁解した、
「いや、おれがそう思っているわけじゃなくて。
ちょっと小耳に挟んだというか……。
サキがね、中学のとき色んな男子と遊んでいたとか」
私はサキへの申し訳なさを隠すため冗談めかした調子で言った、
「そんなウワサを聞いて、ケイ達、おれのこと心配してくれて……」
サキは眉をしかめながらも頷いて黙って私の話を聞いてくれている。
そんなサキにしかたなく愛想笑いを返す、
「でも、サキにとっては迷惑な話だよな?
おれもさ、ホントのこと言うと、そんなのあり得ないって思っているんだよ。
サキみたいな美人がおれのことを遊びでも狙っているなんてあり得ないと……」
不意に手に柔らかい感触がした。
何だろうと目線を落とし確かめるとサキが私の手を握っていた。
サキに視線を戻すと、サキは私の顔をジッと見ていた。
その顔は真剣そのもので――
「確かに中学の時は色んな男子と付き合った。
私に告白してきてくれた男子で、ちょっといいかなと思ったらとりあえず付き合ってた。
10人以上いたかな……だから遊びで色んな男子と付き合ったと言われても弁解できない」
す、すごい!? と私はそんな場合じゃないのに感心した。
そ、そんなに告られたの!?
「私、その頃、何だか焦っていたの」
とサキは聞き取れないほどの声でつぶやいた。
「でも私、その……そんなに『悪いオンナ』ではないよ。
そりゃ、特別好きでもない男子とも告られたからって付き合ったりもしたけど……。
でも……そんなに『遊んでいる女』じゃないと言うか……。
何て言うか」
「ビッチではない……?」
ちょっと、何言っているのよ、私!
サキはこくりと頷いた、
「私、まだ男子とキスもしたことないよ……」
ご め ん な さ い
ビッチとか言ってごめんなさい……。
「ごめん、サキ……」
「私ね、あおいくん……」
突然サキのドアップが私の目の前に現れた。
こ、これは……!
サキの形の良い唇が私の唇へと……。
私はただただ固まってしまった。
サキは唇が触れ合う寸前で止めると顔を離し、
「ごめん。
怖かった?」
と申し訳なさそうに言う。
「いや」
と言ったが私は涙目だった――視界がぼやけている、
「なんだよ~。
冗談かよ~。
ビックリした」
「冗談じゃないの。
確認だったの」
とサキも大きな目を潤ませながら私を見る。
「私ね、あおいくん」
サキは目をそらすと、再び歩き始めながら言った、
「私、男の子ってあんまり好きになったことないの」
何だか話の展開について行けない……。
しかし完璧にできるはずもなく……
そんな状況で一週間ほど経ったころ。一人で帰路についていると、
「あおいくん」
と言う声がして振り返る。
サキがいた――何だかハアハア息を切らしている。
「後ろ姿見えたから」
とサキは赤い顔して、にこにこしている。
走って……来たの!?
恋愛感情とか抜きに考えても『好かれている』感がして、ちょっと嬉しくなってしまった……。
サキが息を整えるのを待って、私達は並んで歩き始めた。
しばらく当たり障りのない話をしていたが、
「ねえ、あおいくん」
とサキが何気ない調子で切りだしてきたことには……
「私、あおいくんの友達に嫌われているのかなあ?」
「えっ」
「何か私があおいくんに話しかけたとき、いつも何かと横から入ってきて、あおいくんのこと連れて行ってしまうよね、最近。
最初はたまたまだと思ったけど、何回もあるからさ……」
あいつら(と言うか私達)バレバレじゃないの!
いや、待って。
そう、バレバレでいいのだ!
『あおいはサキと仲良くしたくない』と言う意思をサキにさりげなく(?)伝えるためにこう言うことをしているんだった!
「いや、嫌いとかじゃないと思うな」
とだけ私はやっと言った。
「それじゃあ……」
とサキは私に向き直った、
「あおいくんが私のこと、嫌いなのかな?
だから友達に頼んでいるのかな……。
私が話しかけてきたら間に入るようにとか……?」
美少女の真剣な顔に何だか緊張してしまった、
「いや。
サキのこと、おれ嫌いじゃないよ」
「ほんと?」
とサキの顔がパッと明るくなる。
『嫌いじゃないよ』と言う私のたった一言でこんなに表情を変えるなんて。
サキは見た目はわりとクールだが、わりと単純で人を信じやすいところがあるのかもしれない。
顔が整っているからどうしてもクールに見えてしまうだけで、普通の女の子なのかもしれない……と思い、申し訳なくなる。
私自身もサキを誤解しているかもしれないから。
「良かった」
サキはにっこり微笑んだ。
その笑顔も、私の心を重くした。
サキは私に好意を持っていてくれる。友情なのか恋心なのかはわからないけれど。
なのに、私が今していることはどうなんだろう?
私は正直に言うことにした、
「ねえ、サキ。
サキって『悪いオンナ』なのかな?」
……。
言ってから、心の中で自分に突っ込む――『正直に、ストレートに言い過ぎでしょ!』
サキは目を見開いて私を見る。
私は両手の平をサキに見せ軽く振りながら――『違う違う』のジェスチャーをしながら――弁解した、
「いや、おれがそう思っているわけじゃなくて。
ちょっと小耳に挟んだというか……。
サキがね、中学のとき色んな男子と遊んでいたとか」
私はサキへの申し訳なさを隠すため冗談めかした調子で言った、
「そんなウワサを聞いて、ケイ達、おれのこと心配してくれて……」
サキは眉をしかめながらも頷いて黙って私の話を聞いてくれている。
そんなサキにしかたなく愛想笑いを返す、
「でも、サキにとっては迷惑な話だよな?
おれもさ、ホントのこと言うと、そんなのあり得ないって思っているんだよ。
サキみたいな美人がおれのことを遊びでも狙っているなんてあり得ないと……」
不意に手に柔らかい感触がした。
何だろうと目線を落とし確かめるとサキが私の手を握っていた。
サキに視線を戻すと、サキは私の顔をジッと見ていた。
その顔は真剣そのもので――
「確かに中学の時は色んな男子と付き合った。
私に告白してきてくれた男子で、ちょっといいかなと思ったらとりあえず付き合ってた。
10人以上いたかな……だから遊びで色んな男子と付き合ったと言われても弁解できない」
す、すごい!? と私はそんな場合じゃないのに感心した。
そ、そんなに告られたの!?
「私、その頃、何だか焦っていたの」
とサキは聞き取れないほどの声でつぶやいた。
「でも私、その……そんなに『悪いオンナ』ではないよ。
そりゃ、特別好きでもない男子とも告られたからって付き合ったりもしたけど……。
でも……そんなに『遊んでいる女』じゃないと言うか……。
何て言うか」
「ビッチではない……?」
ちょっと、何言っているのよ、私!
サキはこくりと頷いた、
「私、まだ男子とキスもしたことないよ……」
ご め ん な さ い
ビッチとか言ってごめんなさい……。
「ごめん、サキ……」
「私ね、あおいくん……」
突然サキのドアップが私の目の前に現れた。
こ、これは……!
サキの形の良い唇が私の唇へと……。
私はただただ固まってしまった。
サキは唇が触れ合う寸前で止めると顔を離し、
「ごめん。
怖かった?」
と申し訳なさそうに言う。
「いや」
と言ったが私は涙目だった――視界がぼやけている、
「なんだよ~。
冗談かよ~。
ビックリした」
「冗談じゃないの。
確認だったの」
とサキも大きな目を潤ませながら私を見る。
「私ね、あおいくん」
サキは目をそらすと、再び歩き始めながら言った、
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何だか話の展開について行けない……。
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