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第一部
16話 サキの部屋
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「女である証拠……?」
と私はサキを眉をしかめて見た。
サキはうんうん頷いた、
「あおいくん女なら……胸があるでしょ?
見せて」
私は頷いた――「わかった」。
「近くに私の家あるの。
来てくれる?」
私は先を歩くサキの後ろ姿についていった。
※※※
「サキが男の子を家に連れてくるなんて久しぶりだなあ。
中学の頃はたまにあったんだけどね。
高校に入ってからは全くなくて、サキは男の子にモテなくなったのかな? と思っていたんだよ。
我が娘ながら、なかなか可愛いと思うんだけどね。
親馬鹿なのかな?」
とサキのイケメンお父さんが、飲みものとお菓子を差し入れてくれた。
ここはサキの家のリビングである。
「いや。
サキさんは学校でも『高嶺の花』とか言われていたりして……。
文句なしの美人って言うか……」
と私は恐縮しながら言った。
「お父さん。
私たち、私の部屋に行くね。
邪魔しないでね」
とサキは飲み物とお菓子を持つと立ち上がった。
私はぺこりと頭を下げて、サキの後ろに続いた。
これから私が女である証拠を見せなくてはならない。
たいしたことではない。
ただサキの前で胸を見せるだけだ。
しかし何となく気が重かった。
※※※
サキは部屋のドアを後ろ手に閉めると言った、
「早速だけど……脱いでくれる?」
私は頷いて、まずブレザーを脱ぎ。
カッターシャツを脱ぎ。
タンクトップ一枚の姿になった。
このタンクトップ。
一見男物のごく普通のタンクトップであるが、胸を潰す機能があるのだ。
……と言うことをサキに説明すると、
「へえ……そう言うのあるんだ。
そう言うので隠しているのね……」
とサキは興味深げに腕を組みながらタンクトップに注目した。
私はそのタンクトップを女らしく一思いにはぎとった。
「わぉ……」
わお!?
私が声の発生源のサキを見ると、サキは口元を手で隠しながら私を見ていた、
「あおいくん……。
結構、大きいのね……?」
「ははは……」
私は乾いた笑い声を発することしかできなかった。
「そうか。
あおいくん華奢なのに胸板あるなあと思っていたけど、胸を潰していたからなのね」
「ははは……」
「華奢巨乳か……」
とつぶやくサキ。
何よそれ。
しばらく胸を宙にさらしたあと、
「もういいかな?」
と私はサキに聞いた、
「それとも触る?」
と笑いながら冗談を言うと、
「……いいの?」
とサキは口元を手で隠しつつ、上目遣いで見てくる。
いや。
冗談だよ!
……と言う前に。
「そ、そうだよね!?
だって特殊メイクの可能性もあるし!?
触って確かめないとね!?」
とサキは手をぐーぱー開いたり閉じたりして、近づいてきた。
いや、なんで私、特殊メイクなんかしてるのよ!?
『こんな状況になると想定して今日は特殊メイクしてきたんだ~』なんてあるわけないでしょ!
何言っているの。
でも、まあ。
別に胸くらい触ってもイイか。
女の胸なんて、男の胸に比べたらつまらないものだし。
ただ柔らかいだけの脂肪のかたまり。
赤ちゃんのためだけに存在するものだし。
広くてペッタンコの男の胸はファンタジー(?)だけど、女の胸はただの飾り(?)だし。
サキは私の胸を手の平でそっと包んだ。
そして……
「あん……」
と吐息を漏らしたのは、私ではない。
サキだった。
「柔らかい……」
と言いながらサキは優しく指を動かす。
「もういいかな?」
と私はサキに10数秒揉ませてから、苦笑いしつつ身体を引いた、
「もうわかったよね?
私が女って……」
サキが自分の手の平をぼんやり見つめてから、顔を上げ私の目を見ながら首を振った、
「まだ……まだわからない」
「えっ」
「上はわかった。
でも下は?
下はわからない……」
サキは目線を下げていき、私の股間のところで止めた。
「えっ。
やだよ~」
「女同士じゃない」
とサキはしれっとした調子で言う、
「いいじゃない。
何が恥ずかしいの?
同じ物がついているだけじゃない」
こいつには口では勝てないのかもしれない。
と私は思った。
それに、私は逆らえる立場ではなかった。
私は制服のズボンを脱ぎ、男物のパンツを脱いだ。
男物のパンツの下に、女物のパンツをはいていた。
「リボン~」
とサキは口元に手を置きながら言った。
リボンの何がおもしろいのよ!
女子のパンツには皆付いているでしょ!
ただパンツの前後をわかりやすくするためだけのアイテムでしょ!
女子のパンツなんて何もおもしろいことなんてない。
男子のパンツはファンタジーだけど……色んな種類があるんだよね……いや、私、覗いたりなんかしていないよ!?
と思いつつ、私はパンツに手をかけたところで止め、サキを見た、
「あの……ここまでじゃダメ?」
これだけ脱いだら、『ナイ』ことがわかりそうなものだけど……。
サキはパンツを見ながらちょっと考え込み……
「できれば見たい」
と言った。
できれば見たい、って!
できなければ見なくてもいいの!?
と思ったものの、やはり私はパンツを脱いだ。
パンツを膝のあたりまで脱ぐと、サキの方を見た、
「もういい?」
サキはジッと私の股間を見てから、頷いた、
「うん。わかった。
今はもういいよ」
私はホッとしてパンツを上げた。
でも。
『今は』って何だ。
私は元通りの格好に戻るとサキと向き直った。
「わかったよ!
あおいくんは女の子!
証明終わり!」
とサキは投げやりな調子で言った。
「ごめんね、サキ。
ほんとにごめん」
私は改めて頭を下げた。
と私はサキを眉をしかめて見た。
サキはうんうん頷いた、
「あおいくん女なら……胸があるでしょ?
見せて」
私は頷いた――「わかった」。
「近くに私の家あるの。
来てくれる?」
私は先を歩くサキの後ろ姿についていった。
※※※
「サキが男の子を家に連れてくるなんて久しぶりだなあ。
中学の頃はたまにあったんだけどね。
高校に入ってからは全くなくて、サキは男の子にモテなくなったのかな? と思っていたんだよ。
我が娘ながら、なかなか可愛いと思うんだけどね。
親馬鹿なのかな?」
とサキのイケメンお父さんが、飲みものとお菓子を差し入れてくれた。
ここはサキの家のリビングである。
「いや。
サキさんは学校でも『高嶺の花』とか言われていたりして……。
文句なしの美人って言うか……」
と私は恐縮しながら言った。
「お父さん。
私たち、私の部屋に行くね。
邪魔しないでね」
とサキは飲み物とお菓子を持つと立ち上がった。
私はぺこりと頭を下げて、サキの後ろに続いた。
これから私が女である証拠を見せなくてはならない。
たいしたことではない。
ただサキの前で胸を見せるだけだ。
しかし何となく気が重かった。
※※※
サキは部屋のドアを後ろ手に閉めると言った、
「早速だけど……脱いでくれる?」
私は頷いて、まずブレザーを脱ぎ。
カッターシャツを脱ぎ。
タンクトップ一枚の姿になった。
このタンクトップ。
一見男物のごく普通のタンクトップであるが、胸を潰す機能があるのだ。
……と言うことをサキに説明すると、
「へえ……そう言うのあるんだ。
そう言うので隠しているのね……」
とサキは興味深げに腕を組みながらタンクトップに注目した。
私はそのタンクトップを女らしく一思いにはぎとった。
「わぉ……」
わお!?
私が声の発生源のサキを見ると、サキは口元を手で隠しながら私を見ていた、
「あおいくん……。
結構、大きいのね……?」
「ははは……」
私は乾いた笑い声を発することしかできなかった。
「そうか。
あおいくん華奢なのに胸板あるなあと思っていたけど、胸を潰していたからなのね」
「ははは……」
「華奢巨乳か……」
とつぶやくサキ。
何よそれ。
しばらく胸を宙にさらしたあと、
「もういいかな?」
と私はサキに聞いた、
「それとも触る?」
と笑いながら冗談を言うと、
「……いいの?」
とサキは口元を手で隠しつつ、上目遣いで見てくる。
いや。
冗談だよ!
……と言う前に。
「そ、そうだよね!?
だって特殊メイクの可能性もあるし!?
触って確かめないとね!?」
とサキは手をぐーぱー開いたり閉じたりして、近づいてきた。
いや、なんで私、特殊メイクなんかしてるのよ!?
『こんな状況になると想定して今日は特殊メイクしてきたんだ~』なんてあるわけないでしょ!
何言っているの。
でも、まあ。
別に胸くらい触ってもイイか。
女の胸なんて、男の胸に比べたらつまらないものだし。
ただ柔らかいだけの脂肪のかたまり。
赤ちゃんのためだけに存在するものだし。
広くてペッタンコの男の胸はファンタジー(?)だけど、女の胸はただの飾り(?)だし。
サキは私の胸を手の平でそっと包んだ。
そして……
「あん……」
と吐息を漏らしたのは、私ではない。
サキだった。
「柔らかい……」
と言いながらサキは優しく指を動かす。
「もういいかな?」
と私はサキに10数秒揉ませてから、苦笑いしつつ身体を引いた、
「もうわかったよね?
私が女って……」
サキが自分の手の平をぼんやり見つめてから、顔を上げ私の目を見ながら首を振った、
「まだ……まだわからない」
「えっ」
「上はわかった。
でも下は?
下はわからない……」
サキは目線を下げていき、私の股間のところで止めた。
「えっ。
やだよ~」
「女同士じゃない」
とサキはしれっとした調子で言う、
「いいじゃない。
何が恥ずかしいの?
同じ物がついているだけじゃない」
こいつには口では勝てないのかもしれない。
と私は思った。
それに、私は逆らえる立場ではなかった。
私は制服のズボンを脱ぎ、男物のパンツを脱いだ。
男物のパンツの下に、女物のパンツをはいていた。
「リボン~」
とサキは口元に手を置きながら言った。
リボンの何がおもしろいのよ!
女子のパンツには皆付いているでしょ!
ただパンツの前後をわかりやすくするためだけのアイテムでしょ!
女子のパンツなんて何もおもしろいことなんてない。
男子のパンツはファンタジーだけど……色んな種類があるんだよね……いや、私、覗いたりなんかしていないよ!?
と思いつつ、私はパンツに手をかけたところで止め、サキを見た、
「あの……ここまでじゃダメ?」
これだけ脱いだら、『ナイ』ことがわかりそうなものだけど……。
サキはパンツを見ながらちょっと考え込み……
「できれば見たい」
と言った。
できれば見たい、って!
できなければ見なくてもいいの!?
と思ったものの、やはり私はパンツを脱いだ。
パンツを膝のあたりまで脱ぐと、サキの方を見た、
「もういい?」
サキはジッと私の股間を見てから、頷いた、
「うん。わかった。
今はもういいよ」
私はホッとしてパンツを上げた。
でも。
『今は』って何だ。
私は元通りの格好に戻るとサキと向き直った。
「わかったよ!
あおいくんは女の子!
証明終わり!」
とサキは投げやりな調子で言った。
「ごめんね、サキ。
ほんとにごめん」
私は改めて頭を下げた。
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