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第一部
5話 高嶺の花
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プリントをコピーして、教室で配るところまでサキを手伝うと、私は元いた場所に戻った。
私がイスに座ると、3人がにやにやと見てくる。
「どうだった?」
どうだった、って言われても。
「プリントをコピーした。配った。それだけ」
「いや、それだけなわけねーだろ」
とケイがむくれながら言った、
「と言うか、『それだけ』ってなんだよ!
もっとさあ……テンション上げるところだろ!」
「いいよなあ。
一緒に並んで歩いただけで、うらやましいよ……」
とハヤトが夢見る 乙男の顔をした。
私は肩をすくめるしかなかった。
私は二人の反応を見て、思った。
たしかにサキはすごい美少女だけど、そんなに男にとって魅力的なんだろうか?
私は女だから、ちょっとよくわからない。
こんな生活――女なのに男として生活――しているから、たまに男の気持ちとか考えてみるけど……。
もし私が男ならサキみたいな美人より、もうちょっと平凡で可愛い女の子の方が気になると思うんだけどなあ……。
いわゆるフツウーメンって言う感じの子ね。
(※フツウーメン……普通のwoman。顔面偏差値が普通クラスの女性)
でも、私もりんみたいなかっこいい男子が好きなんだから、サキみたいな美人を好きになる男子のことよくわからないとか言えないかな……。
『あん言う』ってやつね!
(『あん言う』……『あんたがそれ言うの?』の略語。ブーメランと言う意味)
そんなことを考えながら、りんを見る。
りんはケイとハヤトの反応に笑いながら言った、
「ま、どちらにしろ、高嶺の花だし!」
「それを言うなよ~」
とケイとハヤトがオーバーに落ち込む素振りをした。
私も笑いながら「だよな~」とりんに同意したものの思う……
『高嶺の花』……そうかなあ?
りんなら……サキとお似合いだと思うけど……。
って、そんなこと口に出しては言わないけれど。
『高嶺の花』と思っていてもらった方がこっちとしてはありがたいし!
……なんて、嫌な女かな……。
「ま、あおいなら田中さんと……、ってのもありえるかもな~」
とりんは私に微笑んだ。
私は驚いて、りんを見る、
「えっ?」
「だって、田中さん、あおいのことやたら構うじゃん。
あおいのこと気になっているのかもよ?」
そうかなあ……。
ないと思うけど、もしそうならちょっと困るって言うか、申し訳ないなあ(私、女だからね)。
って私、なんであんな美少女に対して上から目線になっているんだか。
「いや、おれちょっと女らしいところあるだろ?
だから女子にとって話し掛けやすい存在ってだけなんじゃないかな?」
と私が考え考え言うと、
「あおい、自分が可愛いって自覚あったんだ」
とりんはニヤリとした。
「バッ……。
ちげーよ!」
「可愛いなあ、あおい。
すぐ照れるよな」
とりんは私に手を伸ばしてくる。
やめて!
「やめろ!」
「可愛い」
とりんは私の顔を広い胸に軽く押し当てた。
先ほど私が強く拒絶を示したからか、『軽く』。
ま。まあこれくらいなら……自分に許してもいいんじゃないかなあ……。
役得と言うか……?
って私、サイテー女じゃないの!
こんなの淑女的じゃない!
私がりんから離れようとする前に
「またBL展開かよ~」
「そりゃおれら彼女できないよな~」
とケイとハヤトのあきれたような声が聞こえてきた。
いや、今離れるところだったのよ!
……。
『BL展開』と言えば!
気が重いことを思い出した……。
「そう言えばさあ、サキがお前らと話をしたいって言っていたよ」
と私は『良いニュース』の方を先に行った。
ケイとハヤトは明らかにテンションを上げ、りんも驚いた顔をしていた。
「えっ。ほんとかよ」
「なんでだよ~まじか」
「でもさ、何話せばいいんだよ?」
3人が当惑しながらもワクワクしているところへ、私は『悪いニュース』の方を告げた、
「なんかさ~。サキ、GLの話をお前らとしたいんだって」
私はつとめて明るく言ったが、私の目の前の3人はピシッと固まった。
「えっ。なんでGL……」
とケイが半笑いで言った。
「てかなんで田中さんが、おれらとGLの話なんか……」
とハヤトが眉間にしわをよせた。
「もしかして、おれらがさっきGLの話していたの、聞こえていたんじゃね?」
とりんがあせった調子で言う。
「ま、まじか……。
ここ、教室の端だから誰も聞いてないと思っていたけど……」
とケイも青い顔をした。
「もしかしておれら、思っていたより声デカかったのかな」
ハヤトは軽く落ち込み始めた。
「や、やめろ~。
もしそうなら、他にも聞いている人いるかもしれないってことじゃん」
ケイが頭を抱えた。
ふとハヤトが何かを思いついたような顔をした、
「あ、あれだ!
田中さんがあおいに声かけにきたとき!
そのときに聞こえたんだよ!
だから、きっと田中さんだけだよ!
田中さんしか聞いていないよ!」
明るく希望的観測を言うハヤトに、ケイは腕組みをしながら渋い顔で言った、
「それでも田中さんには聞かれたわけだが……」
「そう言うわけだ……」
美少女にGL趣味を知られて落ち込む3人に、私は心の中で謝る。
ごめん。
サキにバラしたの私なんだ……。
私がイスに座ると、3人がにやにやと見てくる。
「どうだった?」
どうだった、って言われても。
「プリントをコピーした。配った。それだけ」
「いや、それだけなわけねーだろ」
とケイがむくれながら言った、
「と言うか、『それだけ』ってなんだよ!
もっとさあ……テンション上げるところだろ!」
「いいよなあ。
一緒に並んで歩いただけで、うらやましいよ……」
とハヤトが夢見る 乙男の顔をした。
私は肩をすくめるしかなかった。
私は二人の反応を見て、思った。
たしかにサキはすごい美少女だけど、そんなに男にとって魅力的なんだろうか?
私は女だから、ちょっとよくわからない。
こんな生活――女なのに男として生活――しているから、たまに男の気持ちとか考えてみるけど……。
もし私が男ならサキみたいな美人より、もうちょっと平凡で可愛い女の子の方が気になると思うんだけどなあ……。
いわゆるフツウーメンって言う感じの子ね。
(※フツウーメン……普通のwoman。顔面偏差値が普通クラスの女性)
でも、私もりんみたいなかっこいい男子が好きなんだから、サキみたいな美人を好きになる男子のことよくわからないとか言えないかな……。
『あん言う』ってやつね!
(『あん言う』……『あんたがそれ言うの?』の略語。ブーメランと言う意味)
そんなことを考えながら、りんを見る。
りんはケイとハヤトの反応に笑いながら言った、
「ま、どちらにしろ、高嶺の花だし!」
「それを言うなよ~」
とケイとハヤトがオーバーに落ち込む素振りをした。
私も笑いながら「だよな~」とりんに同意したものの思う……
『高嶺の花』……そうかなあ?
りんなら……サキとお似合いだと思うけど……。
って、そんなこと口に出しては言わないけれど。
『高嶺の花』と思っていてもらった方がこっちとしてはありがたいし!
……なんて、嫌な女かな……。
「ま、あおいなら田中さんと……、ってのもありえるかもな~」
とりんは私に微笑んだ。
私は驚いて、りんを見る、
「えっ?」
「だって、田中さん、あおいのことやたら構うじゃん。
あおいのこと気になっているのかもよ?」
そうかなあ……。
ないと思うけど、もしそうならちょっと困るって言うか、申し訳ないなあ(私、女だからね)。
って私、なんであんな美少女に対して上から目線になっているんだか。
「いや、おれちょっと女らしいところあるだろ?
だから女子にとって話し掛けやすい存在ってだけなんじゃないかな?」
と私が考え考え言うと、
「あおい、自分が可愛いって自覚あったんだ」
とりんはニヤリとした。
「バッ……。
ちげーよ!」
「可愛いなあ、あおい。
すぐ照れるよな」
とりんは私に手を伸ばしてくる。
やめて!
「やめろ!」
「可愛い」
とりんは私の顔を広い胸に軽く押し当てた。
先ほど私が強く拒絶を示したからか、『軽く』。
ま。まあこれくらいなら……自分に許してもいいんじゃないかなあ……。
役得と言うか……?
って私、サイテー女じゃないの!
こんなの淑女的じゃない!
私がりんから離れようとする前に
「またBL展開かよ~」
「そりゃおれら彼女できないよな~」
とケイとハヤトのあきれたような声が聞こえてきた。
いや、今離れるところだったのよ!
……。
『BL展開』と言えば!
気が重いことを思い出した……。
「そう言えばさあ、サキがお前らと話をしたいって言っていたよ」
と私は『良いニュース』の方を先に行った。
ケイとハヤトは明らかにテンションを上げ、りんも驚いた顔をしていた。
「えっ。ほんとかよ」
「なんでだよ~まじか」
「でもさ、何話せばいいんだよ?」
3人が当惑しながらもワクワクしているところへ、私は『悪いニュース』の方を告げた、
「なんかさ~。サキ、GLの話をお前らとしたいんだって」
私はつとめて明るく言ったが、私の目の前の3人はピシッと固まった。
「えっ。なんでGL……」
とケイが半笑いで言った。
「てかなんで田中さんが、おれらとGLの話なんか……」
とハヤトが眉間にしわをよせた。
「もしかして、おれらがさっきGLの話していたの、聞こえていたんじゃね?」
とりんがあせった調子で言う。
「ま、まじか……。
ここ、教室の端だから誰も聞いてないと思っていたけど……」
とケイも青い顔をした。
「もしかしておれら、思っていたより声デカかったのかな」
ハヤトは軽く落ち込み始めた。
「や、やめろ~。
もしそうなら、他にも聞いている人いるかもしれないってことじゃん」
ケイが頭を抱えた。
ふとハヤトが何かを思いついたような顔をした、
「あ、あれだ!
田中さんがあおいに声かけにきたとき!
そのときに聞こえたんだよ!
だから、きっと田中さんだけだよ!
田中さんしか聞いていないよ!」
明るく希望的観測を言うハヤトに、ケイは腕組みをしながら渋い顔で言った、
「それでも田中さんには聞かれたわけだが……」
「そう言うわけだ……」
美少女にGL趣味を知られて落ち込む3人に、私は心の中で謝る。
ごめん。
サキにバラしたの私なんだ……。
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