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2. 残念美女、野獣に転がされる
残念美女、野獣に転がされる ⑫【R18】
しおりを挟む「っ……ぁ…やぁ……んっ」
決して誰にも見せる事はないだろうと信じていた秘部に、天敵の男が顔を埋め卑猥な水音をたてながら貪っている。
尖らせた舌先で秘裂を舐め上げ、赤く膨らんだ花芽をくるくると舐っては押し込み、吸い上げては甘噛みする。
崖っぷちで爪先立ちしているような、心許ない理性はいつまで保つだろう。
躰の中心でジクジクした熱の塊が、凶暴な獣のように舌舐めずりしながら暴れ出す時を待っている。
「早く、俺にすべて委ねてしまえよ」
過ぎるほど敏感な花弁に唇を寄せたまま、京平が意地悪な笑みを浮かべる。僅かな振動でも快感に心を持って行かれそうで、瀬里は息を詰めた。
快楽に堕ちてしまえと、その方が楽だと、彼は言う。
けど、頷けない。
頷いてしまったら―――その先の何かが変わってしまうであろう予感に身震いする。
見るに堪えない行為から目を逸らし、固く目を瞑れば微かに触れる京平の息遣いすら甘美な媚薬になってしまう。
花蕾を暴き、隠れていた粒をチュッと吸い出し、舌で転がされると否応なしに戦慄いた。執拗なほどの愛撫に嬌声を上げないように堪えても、京平が「飲みきれない」と嬉しそうにする蜜が溢れ出してはシーツを濡らしていた。
下腹部の奥底で滞留した熱が、酷い疼きを齎している。
湧き上がってくる泣き喚きたくなる程の渇望。
本来の瀬里ならば有り得ない懇願を声に出してしまいそうで、両手で口元を覆う。
頭がおかしくなりそうだ。
漣のようだった兆しが、瞬く間に大きなうねりとなって瀬里を呑み込む。何度も腰が大きく跳ね上がった。ビクン、ビクン、と震えながら背を弓なりに撓らせ、やがて瀬里はしなやかな肢体をシーツの上に投げ出した。
「……は……ぁ」
「ほんと強情な。躰はこんなに素直なのに」
呆れとも賞賛ともつかない声で言ったかと思えば、ひくつく蜜口に尖らせた舌を差し込んだ。達したばかりの躰が戦慄き、京平が愉悦の笑いを漏らす。
はしたない程とろとろと溢れ出す蜜を京平はぢゅるぢゅると啜っては「おいしい」と呟き、その度に瀬里は『そんな訳ない』と心中で反発しながら、消えたくなるほどの羞恥に晒されている。
最初こそは、京平の横暴を許してなるものかと暴れた。
けれど、そんな瀬里を京平はさらりとあしらう。
舌なめずりをして秘裂に唇を寄せた彼の髪の中に、両手指を突っ込んで引っ張ってやったら、プチプチと小気味よい音を立てて何本か抜けた。ざまぁとばかりに京平を見やると「痛ってぇ」と小さくボヤいただけで、掴まれた手に軽くキスを落とされた。
呆気に取られたままの瀬里を暴力的な快楽が襲う。
容赦なく官能を煽られ、絡め取られるともう抗う事が出来なくなっていた。
「ぁ……やめ……っ」
拒絶の声もどことなく甘く響く。
嫌だという気持ちに偽りはないのに、畳み掛けるように与えられる快楽。
果てがない。
どこまでも際限なく淫悦を享受しようとする浅ましい躰。
瀬里はそんな自分に嫌悪感を覚えた。
「そろそろ、かな」
何が? なんて聞き返す余裕なんてない。精一杯睨んだつもりの潤んだ瞳で京平を見返すと、小さく笑って内腿に啄むようなキスを落とした。
くぷっ、と淫靡な水音が耳を犯す。
異物が進入してくる感触に、瀬里の喉が引き攣った悲鳴を小さく漏らした。
彼女の怖いと思う心を払拭するように、京平の節榑立った指先には大凡似つかわしくない、優しく滑らかな動きで熱く熟れた隘路を拓いていく。
「……きっ、つ。こんだけ何度も達かせてんのに―――はぁ……早く挿入りてぇ」
「ぃ、や」
「心配すんな。瀬里自ら俺が欲しいと言うまで、無理に突っ込んだりしない。ゆっくり、時間かけて慣らしてやるから」
その言葉通り、というか寧ろ緩慢なくらい優しく瀬里の中を解していく。
無骨な指が蜜洞の壁を撫で擦り、指をグラインドして押し広げ、滲み出した蜜を掻き出すように蹂躙していく。決して性急に事を進めない京平の指先が、もどかしい。
(……こんなの、だめ…)
なのに抉るような快感に打ち震えた。京平の指を食い絞める様に膣襞が収斂し、逆らい難い甘美な痺れに襲われる。
追い打ちを掛けるように蜜を掻き出すような指の抽挿が激しさを増せば、ぢゅぷぢゅぷと飛沫を散らし、京平をひどく喜ばせた。
激しいけれど乱暴だと感じさせない愛撫に、悔しくも蕩かされていくのを感じ、涙がほろほろと零れてしまう。
京平が何か言っている。
脳髄が痺れている今の瀬里には理解できなかった。
何度高みに押し上げられたら、この凶悪な快楽は終わるのだろう。
花蕾を妖しく嬲る舌戯と蜜壺を愛でる指戯に為す術もなく翻弄され、何もかもがもうどうでも良くなって、思考することを放棄した。
次から次へと襲い来る逸楽に、瀬里がひゅっと息を呑んだ。
拠り所を求める指がシーツに絡みつく。
「……ゃ…んっ……あ、ああぁぁぁ……ぁっ」
電気のような痺れが躰を駆け巡り、小刻みに震える腰がやがて大きく揺らぐと、背中が撓って爪先がピンと伸びた。
頭の中で光が弾けて瞼の裏が真っ白に染まる。
ピクン、ピクンと痙攣した後、緊張した躰から力が一気に抜けた。
「……は……ぁ」
弛緩した肢体は乱れたシーツの海に呑まれていき、ふわふわする意識が波間を揺蕩う。
京平は、そのまま眠りに落ちそうになる瀬里に「まだだ」と容赦ない声を掛け、膝裏をぐっと押し上げた。
「も、やぁ」
「今度は、一緒に気持ち良くなろう」
隠しもしない情欲の瞳が瀬里を射貫く。
潤んだ双眸を向けて首を小さく横に振る瀬里の意思などお構いなしに、スウェットをずり下げた下肢を露わにした。
赤黒く張り詰めた屹立が、呻くようにピクッピクッと律動するのを目の当たりにして、瀬里は何度目かの悲鳴を呑み込んだ。そんな彼女に京平は葛藤を見せつつも微かに笑みを浮かべ、「まだ奪ったりしない」と両足を揃えて抱えると、熱く滾った雄芯を太腿の間にねじ込んだ。
「ぁ……っ」
切っ先が花蕾を抉られて、吐息のような声が漏れる。
達したばかりの敏感なそこは、冷めやらない官能に再び火を付けた。
花弁に戯れるように擦り上げる淫茎が、蜜を纏って歓喜に震える。
「っ……はっ。やべぇ。素股でこれじゃぁ、膣内に挿入ったら、どうなることやら…っ」
京平の表情には悦楽が窺えた。
緩やかな打擲は次第に加速し、赤くぷっくりとした蕾は咲く頃を待ち望んでいるかのように可憐に震えた。
鋭い快感が迸り、瀬里は白い喉を仰け反らす。
絶頂はもう目の前だった。
「……ぁ、やっ……あっあ、ぁ……」
「っ……はっ……い、きそうか?」
答えたくないとばかりに瀬里は顔を背ける。
しかし頬を紅潮させ、硬く眉を絞って唇を噛み、必死に殺そうとしても漏れ出でる嬌声を京平に隠し立て出来るわけがない。その姿はとても淫靡で、男の獣欲を煽っているのだから。
「一緒に、達くぞ」
そう言った京平を怯えた目が一瞥する。
肌を打つ音が一層早くなり、激しく揺さぶられた瀬里は無意識に枕をギュッと掴んだ。
何度でも生まれては弾ける昂りの極限を感じて、はふはふと短い呼吸を繰り返す。
止め処なく溢れる蜜に誘われて、切っ先が蜜口を引っかける度にヒヤッとしながらも、疼く最奥を宥めて欲しい欲求が湧き起こる。
酷くもどかしくて、気が狂いそうだ。
(だから、お願い……)
何を望んでの言葉だったか、それはすぐに淫楽の泥濘に沈んでいく。
物欲しそうに腰が揺れるのにも気付かずにいる瀬里に、京平は「欲しいって言えよ」と苛立ちを滲ませた嘆願を吐き出し、更に彼女を追い詰めるように腰を打ちつける。
「ぁ……は…ふぁ…………ぁ、あっ、あっ……」
脳内を光が明滅した。
「やっ……だ、めぇ」
腰が砕けそうな快感に抱き抱えられた脚が緊張する。
「そういう時は、イクって言うんだよ」
「ちがっ「違くないだろ。一緒に達こう」
否定の言葉を遮り、京平は瀬里の脚を抱え直した。
花弁を、花蕾を、解放を願ってはち切れんばかりに漲った雄茎が、微塵の快楽も逃さないと激しく擦り付けられる。
質量を増した淫茎の愛撫に背筋がゾクゾクとし、知らず漏れた吐息は甘く濡れている。それは京平を歓喜に震わせた。
全身を駆け巡る法悦に、殺せなくなった嬌声が瀬里の唇から溢れた。
「あっ、あっ、あぁ…………っ」
「っ……く……」
明滅していた光が膨れ上がって、瀬里の視界を白く染める。
彼女が達したのを追いかけるように、京平の腰が強く押し付けられた。瀬里の白くしなやかな太腿から覗いた、赤黒く猛りきった雄芯の鈴口から幾度となく噴き溢れる白濁は、穢れを知らないなだらかな柔肌を犯して、歓喜に震えているようだ。
ぼんやりとそれを眺めていた瀬里の瞼がゆっくりと落ちる。
ただただ、ようやく終わったと頭の片隅で安堵して、瀬里は引き込まれるように意識を手放した。
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