【R18】残念美女と野獣の×××

優奎 日伽 (うけい にちか)

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2. 残念美女、野獣に転がされる

残念美女、野獣に転がされる ⑪ 【R18】

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いつも有り難うございます m(_ _"m)ペコリ

最近お騒がせの病原菌せいで自宅待機が増えて、小説サイト等で暇を潰す方も増えてるとか。
少しでも、そんな方々の慰めになれば嬉しいのですが……。
中野の生息地は今はまだ “自粛” なので、細々稼いでますけどね、日増しに増えてるから他人事じゃないです。
皆さんも、呉々もお気をつけ下さいね!


********************************************


 

 これが本当に怪我している人間の行動だろうか。
 普通はもう少し怪我を庇うものじゃないのか。

 深紅が散る瞬間を目の前で見たにも拘わらずそんな事を考えてから、京平という男は、瀬里の考える常識から激しく逸脱していることに思い至り、ちょっとばかり投げ遣りな笑みを浮かべる。

(ふふふ……そもそもが人外だったわ。馬鹿ね、あたしったら)

 掴んだ瀬里の手の中で、指が逃れようとしている。けれど本気で逃げようとしている感じではなく、どこか瀬里を揶揄っている風にも感じた。

(腹立つから、いっそ指をへし折ってやろうか)

 瀬里に折れるならば、だけど。

「なんでって、瀬里の荷物を勝手に漁る訳にいかないだろ?」
「そりゃ、そうなんだけど」

 Tシャツ一枚の理由を当然とばかりの表情で言った京平に、その辺の常識はあるんだ、と半ばぽかーんとしながら頷いていると、腕枕が抜かれてコロンと仰向けになる。眼前に京平の顔が迫っていた。瀬里が目を剥くのとそう間を置かずに、唇に軽く触れるキスが落とされる。

「どうせ脱がすんだし、Tシャツも正直悩んだんだけどな」

 唖然とする瀬里に再び唇が軽く触れた。
 怒りとも羞恥ともつかない感情がぶわっと噴き出し、忽ち瀬里の顔が真っ赤に染まった。

「ど……どさくさに何してんのよ!」
「キス」
「行為の話じゃな……んーんっ!?」

 言葉を遮るように唇が塞がれた。俊敏な動きで両手は頭の上に押さえつけられ、両足は京平の脚に絡め捕られている。
 驚愕を面に浮かべたのはほんの一瞬。次には怒りを露わにし、組み敷かれても必死で抵抗するそんな彼女の唇を割って、尖らせた舌先が潜り込んできた。歯を食いしばって拒む彼女の歯列を撫で、歯茎を舐める。

「口、開けて」

 京平が離れた瞬間に瀬里は唇を巻き込んで睨み上げると、彼は駄々っ子を窘めるような目で嘆息して「心を鬼にして我慢したんだから、介抱したご褒美くらい良くない?」と捲れ上がったTシャツの裾から、空いた右手で掬うように乳房を掌に納めた。
 ふにふにと柔らかさを楽しんでいた指先が尖端を指の腹で転がし、硬くなり始めた頂を摘まんだ。捻るように弄ばれるそこは彼女の意志とは裏腹に芯を持ち、腹の奥ではジクジクと瀬里に何かを訴えてくる。

 それは、つい先日強引に与えられたものを揺り起こす。
 その時の瀬里の胸中に生まれた感情は、多分、怒り……だけではなかった。
 酷く苦い、なのに甘く感じ取ってしまう、何か。
 ぶるりと震えた。
 本能が震え上がる。
 目の前の男から齎されようとしているこの感覚のその先が、どうしようもなく怖い。

 京平はイヤイヤする瀬里を一瞥し、唇で乳嘴を捕らえる。舌先が淫靡に尖端に纏わりつけば、瀬里の唇から小さな吐息が漏れた。
 媚びるような甘く小さな声が鼓膜を打つ。それが自分の唇から漏れ出たものだと自覚した途端、羞恥が襲いかかってきた。

「ぁ……いや。やめ……っ」
「ふ~ん? 可愛い声、聞こえたけど?」
「ち、がうっ」
「ならそれでもいいけど。否定できないくらい、可愛がってやるから」
「ひぃっ……だめ」
「なんで? 気持ち好いだろ」

 会話の間も休むことなく、京平の指先が赤く熟れた胸の尖端に戯れる。言葉に窮した瀬里に厭味じゃない笑みを浮かべて、手付かずの乳房に唇を寄せた。
 赤く熟した果実を啄むような仕草が妙にくすぐったい、と言うか、痒い、と言うか。どうにも変な感じがして、瀬里はもじもじと身をくねらせる。と、京平はしばし尖端に目を落とし、かぷりと音を立てて喰ついた。

 瀬里は喉をひゅっと鳴らして、短く息を吸い込んだ。
 強く吸い、舌を絡め、小刻みに震わせて舐り、甘噛みする。
 淫猥な水音が鼓膜を犯し、羞恥で瀬里の脳裡を赤く染めていった。
 絶え間なく二つの頂を責める一連の行為から意識を逸らしたいのに、認めたくない甘美な刺激がそうはさせてくれない。

(……おかしく、なる)

 望んでいない行為の筈なのに躰が、ピクン、ピクン、と小さく跳ね、どう仕様もないほど甘ったるい吐息が漏れてしまう。
 思考は靄がかかったように覚束なくなってきていた。シーツに縫い止められていた手首が解放された事にも、すぐには気付かなかったほどに。

 かたん、と硬質な何かが動いた音がした。
 瀬里はビクッと肩を震わせ、靄のかかっていた頭が一気にクリアになる。

「やっ! やめてっ」
「……」
「いま、何か音がした、から……お願い」

 瀬里の懇願する声の響きに、京平がゆっくり顔を上げる。邪魔された苛立ちのせいか、不機嫌そうに瀬里と目を合わせ、すぐに彼女の頭上に視線を滑らせると、「時計に手が当たっただけだろ」と素気ない言葉を返してきた。瀬里は言われて初めて手が自由になっていた事を知り、恥ずかしく思いながらそろそろと下に降ろす。
 それはそれとして。

「と、兎に角、これでお終い。勝明先生だって起きてくるかも知れないし」

 口実としてはまずまずだろう、とほくそ笑み、瀬里の上から躰を浮かし、足元に移動する京平にささやかな勝利を味わって頷いた……のだが。

「うぇっ!? な、ななななんでっ!?」

 膝裏を押し上げられ、大きく開かれた脚の間に京平が滑り込んでいた。腰が高く持ち上げられ、京平は鼻先を近付けてくんくんと鼻を鳴らす。

「甘い、雌の匂いだ」

 喜悦を面に刷かせ、瀬里を見据える双眸は、狙いを定めた捕食者のソレだった。

「ああ。瀬里が気にしてる親父だけど、昨日の夕方からふらっと出掛けたから。早くても二、三日は戻らないぞ」
「はいぃ!? そんな事、ひとっことも」
「訊かれなかったし?」
「そーゆーことは訊かれなくても連絡するもんでしょ」
「今言った。んじゃ、続きするぞ」

 にっこり、と微笑んだ京平に、瀬里は戦慄を覚えるのだった。
    
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