45 / 51
3. 架純 ~女の純情なめんなよ
架純 ⑯ 【R18】
しおりを挟む貪る口づけを繰り返す黒珠に応える架純の思考は途絶え、ただ本能に揺り動かされるまま舌を絡めていた。
唇から漏れてしまう吐息やそれに混じる微かな声すらも彼に貪られ、頭に靄が掛かってジンジンと痺れ、意識が泥濘に落ち掛けては淫猥な水音と、彼女の中を蹂躙する長い指に邪魔をされる。
もうダメと、何度喘いだ声に織り交ぜて、彼に縋りついて懇願しただろう?
その度に黒珠は「まだ狭いから」「少しでも痛くないように」と、架純の願いを聞き入れてくれない。
赤く色づく唇ははふはふと喘ぐばかりで、息がままならない。
躰の震えが止まらない。
臍の下の奥が疼く。
切ないほど苦しくて、夥しいほどの熱が蠢いている。
早く開放して楽になりたい。
架純の中を捏ね回し、押し上げ、繰り返される注挿。
コポリ……とまた溢れ出した愛蜜が彼の指に掻き混ぜられ、淫らな音が増していく。
頭がおかしくなりそうだ。
悲しくもないのに、涙が勝手に溢れて来た。
「……架純?」
気付いた黒珠が心配そうに眉を下げ、架純を見つめている。
「痛い?」
その言葉に大きく首を振り、
「くるし…ぃのぉ……どーにか、なっちゃぃ…そで……かね、こくぅん……たす、け…てぇ」
「黒珠、だろ?」
彼の指が意地悪く浅瀬を擦り上げ、架純の良い所を強く刺激した。すると彼女の腰がガクガクと跳ねだす。
「あ、あ、あ…ぁぁぁぁ…んっ」
「架純。俺の名前、呼んで。可愛く強請って?」
愉悦を含んだ彼の言葉が耳朶をくすぐり、唇が甘く食む。ゾクゾクした痺れが背中を走り、架純から蕩けた微かな声が零れた。
耳殻をなぞる舌先と中を抉る快感に、彼女は細い喉を息の根を止めてくれとばかりに、獣の前に晒す。黒珠はそれに応えるように白い喉を舐め上げる。黒珠の吐息が耳朶をくすぐり「好きだよ」と囁けば、さらなる官能に追い立てられた。
もう少しで達する―――感覚で分かるようになってきた架純が、躰を緊張させる。
なのに、架純に纏わりつき熱を生み出していた全てが、彼女の元から離れて行った。切なくも困惑に揺れる瞳で黒珠を見る。
(……イキそう…だったのに……どうして?)
恥ずかしくて口に出せない思いを刷いた架純の双眸に、黒珠がくつくつと喉を鳴らして意地悪く笑う。
架純の奥で燻る火がもどかしくて、「やだぁ」と涙声で呟いていた。黒珠はそんな架純に優し気に微笑むけれど、彼女を映す瞳に愉悦が踊っている。
「何が嫌なんだ?」
「いじわるぅ」
「名前を呼んでくれない架純の方が意地悪だろ? ほら。黒珠って呼んでみろよ。で。俺にどうして欲しいのか、言ってみな?」
(いきなり呼び捨てにしろとか、ハードル高いからぁ……)
架純が躊躇っていると、黒珠の指が秘所をくすぐるように撫で上げ、花芽を押し潰す。ぷるっと震えた架純が脚を擦り合わせると、また手が離れて行ってしまう。
何度も焦らされた。
もういい、と言って彼に背中を向けてしまえたら、気分が晴れるだろうか。そんな事を考えるけど、でも出来ない。
黒珠がそれで怒ったらとか、嫌われたりしたらもう絶対に立ち直れないし、それよりも何よりも、架純が持て余している快楽の熱をどうにかして欲しかった。
「く…ろすぅ」
「ん? どうした?」
「このおくに、くろす、ちょうだい?」
両手が下腹を覆う。
羞恥で肌を染める架純を見下ろし、黒珠の唇が弧を描く。
「俺も、架純が欲しい」
架純の唇を啄んで艶然と微笑んだ。
ぽおっとしている架純を嬉しそうに眺めながら、黒珠はバスローブを床に脱ぎ捨てる。薄暗い中でも、均整がとれた黒珠のしなやかな筋肉が見て取れた。間近に見る黒珠の肉体に蕩けた視線を滑らせ、下腹にそそり立ったモノを見た瞬間、架純が慌てて瞼を閉じるのを目撃した黒珠は「先刻触った癖に」と彼女を揶揄ってくる。
「あ……あれはっ。不可抗力」
反論を口にするのに黒珠を睨む心算が、無意識に視線は彼の雄に向けられる。臍に着きそうなくらい猛々しく反り勃ち、そこだけが他の肌の色と違う。血管が青く浮いて、ピクピクと小さく刻んでいた。
(…………ま、マジですか? あんなのが、ホントに挿入るの……?)
さーっと血の気が引いていく。
(タンポンの異物感だって、未だ慣れないのに……)
とても挿入る気がしない。
怖じ気て、愕然と見入ってしまった架純の手を取り、黒珠がニヤリと笑う。
「もっと触っても良いんだよ?」
「さ…っ! ……へ、へんたいっ!」
「架純だから、触って欲しいんだろ。触る?」
「む、むりぃ。これ以上、ハードル上げないでぇ」
全身真っ赤になった手で顔を覆って身悶えると、黒珠が「これからじっくり慣れて貰うから」と、彼女の手の甲にキスを落とす。その序とばかりにベッドヘッドの小物入れへ手を伸ばすとベッドが撓んで、架純は指の間から黒珠を窺った。
彼の指に抓まれた正方形のパッケージが何なのか、経験のない架純にも分かって一層顔が熱くなる。黒珠は赤黒く張り詰めた雄芯に避妊具を装着すると、小さく息を吐き出した。
「中に挿入るよ? 大丈夫?」
そう言って切っ先を愛蜜で濡れそぼったクレバスに滑らせる。架純が頷くのを見、じわじわと蜜口を押し広げ始めた。
「痛かったら言って。止めるのは、多分無理だけど。ゆっくり慣らすから」
「ん……っふぅ……だ、いじょぶ」
圧迫感に架純の眉が寄せられた。
0
お気に入りに追加
74
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
隠れドS上司をうっかり襲ったら、独占愛で縛られました
加地アヤメ
恋愛
商品企画部で働く三十歳の春陽は、周囲の怒涛の結婚ラッシュに財布と心を痛める日々。結婚相手どころか何年も恋人すらいない自分は、このまま一生独り身かも――と盛大に凹んでいたある日、酔った勢いでクールな上司・千木良を押し倒してしまった!? 幸か不幸か何も覚えていない春陽に、全てなかったことにしてくれた千木良。だけど、不意打ちのように甘やかしてくる彼の思わせぶりな言動に、どうしようもなく心と体が疼いてしまい……。「どうやら私は、かなり独占欲が強い、嫉妬深い男のようだよ」クールな隠れドS上司をうっかりその気にさせてしまったアラサー女子の、甘すぎる受難!
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される
奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。
けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。
そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。
2人の出会いを描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630
2人の誓約の儀を描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041
淫らな蜜に狂わされ
歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。
全体的に性的表現・性行為あり。
他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。
全3話完結済みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる