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3. 架純 ~女の純情なめんなよ
架純 ⑮ 【R18】
しおりを挟むショーツ越しから黒珠に口づけを落とされた秘所は、甘く痺れるような、苦しいような、架純がこれまで知り得なかった、身の置き所がなくなる感覚を伝えてきた。
まるで全身が心臓にでもなったのではないかと思うほど脈打って、鼓膜を震わせている。なのにここに来て、架純のなけなしの乙女心が由々しき事態であることを思いだし、慌てふためく彼女の理性。
“ヤバい” の単語が頭を巡る。
「ちょ……や…ぁ」
黒珠の指がショーツのウエスト部分に掛かると、架純は咄嗟にその手を掴み、頭をグイッと押し遣る。すると僅かに仰け反った彼は「何してんの?」と不機嫌に眉を寄せて、彼の額を押さえつける手を掴み返し、脱がそうとする手を止めた架純の指に軽く口付けた。ピクリと震えた彼女の手を容易に退かせてしまう。
(ダメダメダメッ。そんなに顔を近付けちゃ……)
脚の付け根から覗く情欲も露わにした黒珠の双眸にゾクッとする。
理由を知らせず嫌がっても、決して退いてはくれないと瞬間で悟った。
「だって……下着の替えが、なかったから……汗臭い」
「? ……全然。架純の匂いが濃くて、そそられるけど?」
消え入りそうな声で言った架純に、何が問題なんだと言わんばかりの黒珠が鼻を近付けて匂いを嗅ぐ。
「やーぁ! バカッ。変態ッ」
「好きな女の匂いが嫌いな男がいるかよ」
秘所に鼻先をグリグリ押し付けられ、恥ずか死ねるアングルから見遣ってくる黒珠と目が合った。架純は一瞬遠退きかけた意識をなんとか留める。
寝ていると思ったのに。
仕事の後で汗を掻いていたし、清潔と言えない下着を着けることに抵抗があったものの、かと言って下着を身に着けないのは心許ない。如何にも期待して居るみたいで、恥ずかしくもあった。
洗面所で散々悶えて悩んだ結果、黒珠は寝てしまったのだから、今日はもうこれ以上何もないだろうと、勝手に思い込んだ自分が恨めしい。
(こんな事なら、穿かなきゃ良かったよぉ)
それはそれで、すこぶる恥ずかしい未来しか予想できない。
黒珠の手を振り解こうと試みたけど、全く歯が立たない。スルリと難なく脱がされて、架純からふにゃっとした情けない声が漏れると、「これで問題解決だろ?」と黒珠の口端に笑みが浮かんだ。
薄い下生えに彼の指が軽く撫でるように這う。架純は羞恥のあまり這いずって上に逃げようとして、がっしりと両脚を捕まえられた。
「普段は特攻隊の癖に、随分と往生際が悪いな?」
「とっ…特、攻隊と言えど、ビビる事もある」
特攻隊と言われてちょっとムッとするも、自虐的に反芻すると、黒珠がくつくつと喉を鳴らして笑った。
「俺に立て着く架純も可愛いけど、ビビって顔色窺う架純も可愛いよ」
可愛いなんて言われ慣れない言葉を吐かれ、挙動不審の架純の内腿に黒珠が唇を這わせる。チロッと舐めた後に微かな痛みが走った。
黒珠の唇が離れたそこに、紅桃色の花が咲いている――――黒珠の所有印。
「俺の……」
熱く潤んだ瞳を向けた黒珠の言葉に総毛立ち、涙がブワッと湧いてきた。
「可愛い架純、もっと見せて」
蕩けそうなくらい甘く囁かれ、架純にはもう頷く外ない。
次の瞬間、了承を得た黒珠の双眸が情欲に光ったのを、架純は見逃した。
誰にも暴かれたことのなかった秘密の場所を、愛おしそうに黒珠が口づける。
舌先がクレバスを撫で上げると、架純の躰がぶるりと戦慄いた。
初めて味わうこの感覚を、何と表現したら良いのだろう。
怖いと思うのに、奥底から湧き上がって来る甘い痺れから逃れられない。ちょっとでも気を抜いたら架純が望まない声が漏れそうで、必死に堪えていると言うのに。
「ひゃっ」
突然吸い付かれて大きく震えた。そして間髪入れずに襲い来る激しいほどの刺激に抗えない腰が、カタカタと揺れている。
無意識に逃れようとする架純の腰を強引に引き寄せた黒珠が、上目遣いのギラついた獣の眼差しで架純を捕らえ、得物を嬲るように歯を立てた。
花芽が歯で扱かれて腰が跳ねる。
子宮が甘く疼き、とろりと零れ出てくるものに、架純は戸惑いと恥ずかしさを覚えた。
「っ……ぁっ…んん……や、だ……ね、こわ…ぃ」
吐息を混ぜた架純の訴えを、黒珠は目を細めた笑みで受け流し、わざと卑猥な水音が聞こえるように舐り続ける。
自分の躰ではなくなってしまったかのように、まったく自由が利かない恐怖。それを押し遣るように突き上げて来る衝動に困惑していると、舌なめずりする彼が顔を僅かに上げた。
「大事に抱くから、俺に委ねて、感じて? ……好きだよ。架純」
隠微な眼差しと声に絡め取られて、心臓が乱打する。
好きだと言って、名前を呼ばれたら。
「ずるいぃ」
「どこが?」
くすくす笑う黒珠の指が花芽を転がし、押し潰す。
些細な時間さえも快楽を与え続けて来る黒珠に、意地悪と思いつつ快楽を快楽として拾い始めると、「もっと味わわせて」と花弁をなぞり上げた。
黒珠の舌先が敏感な所で小刻みに動き、唇で挟み込んでぢゅっと吸う。合わせるように腰の震えが止まらない。
黒珠が何度も「可愛い」「好きだよ」と繰り返すから、どんどん気持ちが昂って行き、架純は余計なことを考える暇もなくなっていた。
熱を孕んだ吐息と共に甘やかな啼き声が漏れてしまう。最初は恥ずかしくて必死に噛み殺していたのに、恥ずかしさなどとうに払い除けられてしまった。
黒珠の熱い舌が、にゅるっと架純の中に忍び込んでくる。
蜜口を抉り、しとどに溢れて来る蜜を飲んでは、もっとと強請る舌が膣内を舐り、彼の節張った長い指が赤く膨らんだ花芽を可愛がる。
「やあやあやあ……んっ……ぁ、ふぅ…ぁ……ぁぁあ…ぃやぁ……」
尾てい骨の辺りがぞわぞわして、背中を何かが這い上って行き、爪先がピンと伸びる。下腹から競り上がって来る疼きをどう躱したらいいのか分からなくて、心許なさから両手は枕を握りしめた。
「だ…だめ……や。なんか……あ…んん」
「大丈夫……感じるに任せて、イッて」
花弁から顔を上げずに話す振動すら気持ち良くて、架純は背中を弓反りに逸らすと激しく痙攣した。
ビクンビクンと大きく震えてた後、弛緩する架純の下腹に黒珠の口づけが落ちる。
「上手にイケたな」
「…………え? やっ。ちょっとぉ……」
朦朧としていた架純がハッとした顔をして、信じられないとばかりに黒珠を見る。
弛緩して柔らかくなった蜜口に滑らせた黒珠の指が潜り込むと、膣内がひくひくと震えながら彼の指に纏わりつく。架純から甘美な溜息がこぼれた。
「全然ダメって感じじゃないけど?」
そう言って膣内を擦り、黒珠がニヤッと笑ったのを見て、架純の背中がざわざわした。
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