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2. 杏里 ~逃がさないから覚悟して?
杏里 ⑥
しおりを挟むエロと表記するにはほど遠い ( ̄▽ ̄;)
『杏里しっかりせーやッ!』
『お前もな』
『……はい』
**************************************
***
車中の惨劇――――杏里には惨劇以外の何ものでもない件からこっち、黒珠が黙っていてくれたお陰で瑠珠が変に構えることもなく、飲めばへべれけになって連絡が来る。
『身体に悪いからそんなに飲むなよ』と口では言っているくせに、酔っ払った彼女に『寂しい』と泣いて抱き着かれることを望んでいる浅ましい自分。
この時ばかりは少し過剰に触れても嫌がらないから、赦してくれるから、触れたい欲望を抑えられない。
良心の呵責は感じているし、瑠珠に覚えていて欲しいから、最後のラインは何とか留まっているけど、それもいつまで保つだろうか?
年が明けてしばらく経った頃、日本列島を奇妙な現象が襲った。
ソレは都内の女子高校生から発症し、十代から三十代の女性を中心に瞬く間に蔓延すると、後日 “花頭症候群” と名付けられる。
当然この現象は隣の家でも発症したが、その月、その翌月と花が咲いたのは真珠だけだった。
必ずしも適合年齢の全員が咲く訳ではないんだと、その時は誰もが軽く流していたと思う。杏里も花の香りに囲まれて “匂いがちょっと煩い” くらいにしか感じていなかったし。
研究チームが設立され、少しずつ解明されて行く。
学校に自治体からアンケートが来た。男子には一枚だけのアンケートも女子には複数枚あって、それを脇から覗き込んで見ようとする男子と、見せまいとする女子のちょっとした攻防戦なんかも有ったりしたけど、無事に集計が済むとニュースで放送していた。
杏里は “瑠珠には関係ない” と勝手に括ってぼんやり見ていた気がする。
放送の翌日は、流石にみんな妙な空気を醸し出していた。
それはそうだろう。
排卵日前一週間に花が咲くなんて聞いたら、妄想で悶々しているような思春期の青少年を刺激しないわけがない。ただでさえ芳香で妙な気分になる男子も増えていて、社会現象になっている以上、世間に公表しない選択肢も選べず、否が応でも女性の下半身事情が周知される事実には、居た堪れなさを感じた。
花の香りはフェロモンだ。
少子化のせいなのか?
これは本能のなせる技なのだろうか?
子供を望む人望まない人には、これ以上ないくらい分かり易い目安になったが、反面香りに誘われた婦女暴行事件が増え、花頭が咲いている時は夜間の外出が制限される事態にまでなった。
芳香がキツい花種の人などは、犯罪防止のため強制的にその期間は有給扱いとなるくらいだから、相当なものだろう。
そして杏里は『今月も咲かなかったな』と、瑠珠を見る度に複雑な心境を抱えつつ安堵するのだ。
三年に進級し、六月頭の誕生日を控えた五月のある日、バイトを抜けられない黒珠からの連絡で、杏里一人が瑠珠を迎えに行った。
しばらく落ち着いていたのにこの日の瑠珠は大荒れで、宥めるのに大分時間を労して連れ帰ったタクシーの中、泣き疲れてグタグタになっている瑠珠をその腕に抱き、よしよしと頭を撫でれば、時折彼女がしゃくり上げる。
今の瑠珠なら面と向かってどれだけ『好きだ』と言っても、『はいはい』と言って流したりしない。
歯の浮きそうな甘い毒の言葉を、彼女が望むまま柔らかな耳殻に注ぎ込めば、酒の力も借りて熱くなっている肌にさらなる熱が灯る。
毒がじわじわと鼓膜を溶かし、脳髄まで浸透するように、ひたすらに愛を囁く。
頑なな瑠珠から余計なものが抜け落ち、杏里に身を委ねてくれる貴重な時間。
ほの昏い悦びを感じてしまうひと時だ。
大荒れの原因は元カレの結婚式の招待が、相手の女性から直々に電話であったせいだ。
連絡先を知られる男もどうかと思うが、平然と電話してくる女の面の皮の厚さに、話を聞いた杏里が辟易するくらいだから、寝取られた上に幸せを顕示される立場としては、堪ったものじゃない。
女の優越感に浸った言葉は、屈辱的で遣る瀬無かったはずだ。
なのに瑠珠が弱っているのを見て、「これで完全に絶たれたな」と心中で呟き、酷い男だと自嘲しながらも口元が弛んでしまう。
式には行かせないけど、精々幸せになって欲しいものだ。
マンションのエレベーターで、杏里に凭れかかった瑠珠が彼の胸元を掴み、「悔しい」と消えそうな声で呟いた。
瑠珠の震える肩を抱き寄せ、杏里の胸に顔を埋める彼女の耳元に「慰めてもいい?」と囁く。瑠珠は肩をピクリとさせただけだった。
返事はない。
それでも拒否ではないと知っている。
一時凌ぎだ。
そんなの分かっている。
でもこのまま放って置いたら、瑠珠はまたボロボロになっていきそうな危機感。
そうならないように、自分色に塗り替えてしまいたい。
エレベーターの自動ドアが開き、瑠珠の肩を抱いて金子家の前を通り過ぎる。無意識に肩を抱く指に力が入ったが、大人しく付いて来てくれる彼女に指はすぐ弛緩した。
(けど、酔いが醒めたら覚えてないんだよな。悲しいことに)
そう仕向けているのは杏里だ。
目が覚めた時、瑠珠がショックを受けたり、杏里と距離を置いたりしないように、注意してる。バレたら腹を括るまでだと思っているけど、今のところ瑠珠が気付いている様子は見られない。
夢と現の曖昧な境界線を瑠珠は揺蕩う。
朧気な記憶は全て夢でいい。今はまだ。
オートロックの扉が、ゆっくりと背中越しに閉まる音を聞く。
瑠珠を横抱きにして靴を脱がせると、そのまま寝室のベッドに彼女を下ろした。このまま放って置いたら、数分も経たないうちに瑠珠は夢の住人だ。
(寝かせてあげるのが優しさなんだろうけど、ごめんね瑠珠)
ベッドの傍らに跪き、露わになった額に軽く口付け、彼女の頬に触れた。
瑠珠の瞼がピクピクし、うっすらと開いた目と目が合う。
「大好きだよ瑠珠」
口角を上げて微笑むと、彼女の腕が伸びてくる。襟足に回された熱としっとりした感触で、電気のような震えが背筋を駆け巡る。
杏里はゆっくり顔を下ろしていき、甘い吐息が漏れてくる唇に自分のそれを重ね合わせた。彼の舌先が彼女の唇をチロチロと舐めると、僅かに開かれた唇から怖ず怖ずと瑠珠が迎えに来る。互いの舌先を擦り付け、くるくると絡め合う。そうして我慢できなくなった彼女の舌が杏里の口中に潜り込んできたら、頭がおかしくなりそうな程の甘美な時間の合図だ。
差し込まれた瑠珠の舌が、まどろっこしそうに絡み付こうとするのをスルリと躱すと、必死になって追いかけて来る。誘い込んだところで杏里の舌先が縁をなぞり上げれば、彼女の舌が小刻みに震えて、もっとと差し出されてくる。
彼女の舌にそっと歯を立てて滑らせ、縁を少し強めに噛んで歯を落とした。そうすると瑠珠は堪らなさそうに身体を小さく震わせて、舌の愛撫をせがんでくる。
この戯れるようなキスが彼女の好みで、杏里には些か物足りない。けどウツラウツラしてても、このキスには瑠珠自ら応えてくれるから好きだ。
淫靡な水音と吐息、偶に衣擦れの音だけが空気に溶けていく。
『杏里しっかりせーやッ!』
『お前もな』
『……はい』
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車中の惨劇――――杏里には惨劇以外の何ものでもない件からこっち、黒珠が黙っていてくれたお陰で瑠珠が変に構えることもなく、飲めばへべれけになって連絡が来る。
『身体に悪いからそんなに飲むなよ』と口では言っているくせに、酔っ払った彼女に『寂しい』と泣いて抱き着かれることを望んでいる浅ましい自分。
この時ばかりは少し過剰に触れても嫌がらないから、赦してくれるから、触れたい欲望を抑えられない。
良心の呵責は感じているし、瑠珠に覚えていて欲しいから、最後のラインは何とか留まっているけど、それもいつまで保つだろうか?
年が明けてしばらく経った頃、日本列島を奇妙な現象が襲った。
ソレは都内の女子高校生から発症し、十代から三十代の女性を中心に瞬く間に蔓延すると、後日 “花頭症候群” と名付けられる。
当然この現象は隣の家でも発症したが、その月、その翌月と花が咲いたのは真珠だけだった。
必ずしも適合年齢の全員が咲く訳ではないんだと、その時は誰もが軽く流していたと思う。杏里も花の香りに囲まれて “匂いがちょっと煩い” くらいにしか感じていなかったし。
研究チームが設立され、少しずつ解明されて行く。
学校に自治体からアンケートが来た。男子には一枚だけのアンケートも女子には複数枚あって、それを脇から覗き込んで見ようとする男子と、見せまいとする女子のちょっとした攻防戦なんかも有ったりしたけど、無事に集計が済むとニュースで放送していた。
杏里は “瑠珠には関係ない” と勝手に括ってぼんやり見ていた気がする。
放送の翌日は、流石にみんな妙な空気を醸し出していた。
それはそうだろう。
排卵日前一週間に花が咲くなんて聞いたら、妄想で悶々しているような思春期の青少年を刺激しないわけがない。ただでさえ芳香で妙な気分になる男子も増えていて、社会現象になっている以上、世間に公表しない選択肢も選べず、否が応でも女性の下半身事情が周知される事実には、居た堪れなさを感じた。
花の香りはフェロモンだ。
少子化のせいなのか?
これは本能のなせる技なのだろうか?
子供を望む人望まない人には、これ以上ないくらい分かり易い目安になったが、反面香りに誘われた婦女暴行事件が増え、花頭が咲いている時は夜間の外出が制限される事態にまでなった。
芳香がキツい花種の人などは、犯罪防止のため強制的にその期間は有給扱いとなるくらいだから、相当なものだろう。
そして杏里は『今月も咲かなかったな』と、瑠珠を見る度に複雑な心境を抱えつつ安堵するのだ。
三年に進級し、六月頭の誕生日を控えた五月のある日、バイトを抜けられない黒珠からの連絡で、杏里一人が瑠珠を迎えに行った。
しばらく落ち着いていたのにこの日の瑠珠は大荒れで、宥めるのに大分時間を労して連れ帰ったタクシーの中、泣き疲れてグタグタになっている瑠珠をその腕に抱き、よしよしと頭を撫でれば、時折彼女がしゃくり上げる。
今の瑠珠なら面と向かってどれだけ『好きだ』と言っても、『はいはい』と言って流したりしない。
歯の浮きそうな甘い毒の言葉を、彼女が望むまま柔らかな耳殻に注ぎ込めば、酒の力も借りて熱くなっている肌にさらなる熱が灯る。
毒がじわじわと鼓膜を溶かし、脳髄まで浸透するように、ひたすらに愛を囁く。
頑なな瑠珠から余計なものが抜け落ち、杏里に身を委ねてくれる貴重な時間。
ほの昏い悦びを感じてしまうひと時だ。
大荒れの原因は元カレの結婚式の招待が、相手の女性から直々に電話であったせいだ。
連絡先を知られる男もどうかと思うが、平然と電話してくる女の面の皮の厚さに、話を聞いた杏里が辟易するくらいだから、寝取られた上に幸せを顕示される立場としては、堪ったものじゃない。
女の優越感に浸った言葉は、屈辱的で遣る瀬無かったはずだ。
なのに瑠珠が弱っているのを見て、「これで完全に絶たれたな」と心中で呟き、酷い男だと自嘲しながらも口元が弛んでしまう。
式には行かせないけど、精々幸せになって欲しいものだ。
マンションのエレベーターで、杏里に凭れかかった瑠珠が彼の胸元を掴み、「悔しい」と消えそうな声で呟いた。
瑠珠の震える肩を抱き寄せ、杏里の胸に顔を埋める彼女の耳元に「慰めてもいい?」と囁く。瑠珠は肩をピクリとさせただけだった。
返事はない。
それでも拒否ではないと知っている。
一時凌ぎだ。
そんなの分かっている。
でもこのまま放って置いたら、瑠珠はまたボロボロになっていきそうな危機感。
そうならないように、自分色に塗り替えてしまいたい。
エレベーターの自動ドアが開き、瑠珠の肩を抱いて金子家の前を通り過ぎる。無意識に肩を抱く指に力が入ったが、大人しく付いて来てくれる彼女に指はすぐ弛緩した。
(けど、酔いが醒めたら覚えてないんだよな。悲しいことに)
そう仕向けているのは杏里だ。
目が覚めた時、瑠珠がショックを受けたり、杏里と距離を置いたりしないように、注意してる。バレたら腹を括るまでだと思っているけど、今のところ瑠珠が気付いている様子は見られない。
夢と現の曖昧な境界線を瑠珠は揺蕩う。
朧気な記憶は全て夢でいい。今はまだ。
オートロックの扉が、ゆっくりと背中越しに閉まる音を聞く。
瑠珠を横抱きにして靴を脱がせると、そのまま寝室のベッドに彼女を下ろした。このまま放って置いたら、数分も経たないうちに瑠珠は夢の住人だ。
(寝かせてあげるのが優しさなんだろうけど、ごめんね瑠珠)
ベッドの傍らに跪き、露わになった額に軽く口付け、彼女の頬に触れた。
瑠珠の瞼がピクピクし、うっすらと開いた目と目が合う。
「大好きだよ瑠珠」
口角を上げて微笑むと、彼女の腕が伸びてくる。襟足に回された熱としっとりした感触で、電気のような震えが背筋を駆け巡る。
杏里はゆっくり顔を下ろしていき、甘い吐息が漏れてくる唇に自分のそれを重ね合わせた。彼の舌先が彼女の唇をチロチロと舐めると、僅かに開かれた唇から怖ず怖ずと瑠珠が迎えに来る。互いの舌先を擦り付け、くるくると絡め合う。そうして我慢できなくなった彼女の舌が杏里の口中に潜り込んできたら、頭がおかしくなりそうな程の甘美な時間の合図だ。
差し込まれた瑠珠の舌が、まどろっこしそうに絡み付こうとするのをスルリと躱すと、必死になって追いかけて来る。誘い込んだところで杏里の舌先が縁をなぞり上げれば、彼女の舌が小刻みに震えて、もっとと差し出されてくる。
彼女の舌にそっと歯を立てて滑らせ、縁を少し強めに噛んで歯を落とした。そうすると瑠珠は堪らなさそうに身体を小さく震わせて、舌の愛撫をせがんでくる。
この戯れるようなキスが彼女の好みで、杏里には些か物足りない。けどウツラウツラしてても、このキスには瑠珠自ら応えてくれるから好きだ。
淫靡な水音と吐息、偶に衣擦れの音だけが空気に溶けていく。
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