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番外編
マリオン視点 2
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全てを終えた悪魔は、美しい笑みを浮かべて僕の部屋を訪問した。
それからの先の事は、誰にも言いたくない。思い出すのも恐ろしい。
兄達は悪魔の所業を知っているのだろうか?
嫌だ、尊敬する兄達には絶対に知られたくない。
「アルフレッドに何をされたかは知らないが、アマンダに感謝するんだな。アルフレッドを馬鹿にしたのは許せないと怒っていたが、自分がされた事は一切気にしていなかった。明日はマリオンと会うが大丈夫かと聞いたら、キョトンとしていたよ。アルフレッドは、そんなアマンダを愛でていた。邪魔にならないように退室したが、もし僅かでもアマンダがマリオンを嫌がったらもっと酷い事になっていただろうな」
「あ……あ……」
悪魔の笑みを思い出すと、また身体が震えた。
兄達が悪魔の所業を知らない……それだけで安心できた。だが、再び恐怖が襲う。
もし……悪魔が……兄達にあのことを知らせたら……?
知らないという事は、いつか知るかもしれないという事。
「アルフレッドから手紙を預かっている。怖いなら私が読もうか?」
優しい兄が、手紙を開こうとした。
駄目だ! もし、あの事が書かれていたら……!
「大丈夫です! 自分で読みます!」
震えながら手紙を開く。兄に読まれる前に内容を確認しなくては。読まずに捨てるなんて怖くて出来ん。
『最近頑張っているそうだな。だが、あまり無理をしすぎるなよ。勉強ばかりでなく、きちんと婚約者も大事にしろよ。では、明日会うのを楽しみにしているよ』
「あ、あにうぇ……」
「どうした? そんなに怖い事が書いてあったか? アマンダに近寄るなとか、アマンダに話しかけたら許さないとかそんな感じか?」
「い、いえ……それが……」
僕は兄上に手紙を見せた。兄上も面食らっている。
「これは……間違いなくアルフレッドの字だな。良かったではないか。アルフレッドはマリオンの事を許しているんだ。あとは、明日アマンダに馴れ馴れしく話しかけなければ大丈夫だ。アルフレッドはアマンダが男と一対一で話すと嫉妬するんだ。うっかりアマンダと親しく話すと黒歴史を暴かれるぞ。既に何名か騎士が犠牲になっている。私も危なかった。だが、隣に他の女性が居れば大丈夫だ。私はアマンダと話す時は妻と一緒に居るように心掛けている」
黒歴史を暴く。悪魔の所業にしては優しい。
やはり、悪魔といえど兄上や騎士達には甘いのだ。
なんだかんだと悪魔を気にかけていた優しい兄達と、悪魔を散々馬鹿にしてきた僕では立場が違い過ぎる。
それからの先の事は、誰にも言いたくない。思い出すのも恐ろしい。
兄達は悪魔の所業を知っているのだろうか?
嫌だ、尊敬する兄達には絶対に知られたくない。
「アルフレッドに何をされたかは知らないが、アマンダに感謝するんだな。アルフレッドを馬鹿にしたのは許せないと怒っていたが、自分がされた事は一切気にしていなかった。明日はマリオンと会うが大丈夫かと聞いたら、キョトンとしていたよ。アルフレッドは、そんなアマンダを愛でていた。邪魔にならないように退室したが、もし僅かでもアマンダがマリオンを嫌がったらもっと酷い事になっていただろうな」
「あ……あ……」
悪魔の笑みを思い出すと、また身体が震えた。
兄達が悪魔の所業を知らない……それだけで安心できた。だが、再び恐怖が襲う。
もし……悪魔が……兄達にあのことを知らせたら……?
知らないという事は、いつか知るかもしれないという事。
「アルフレッドから手紙を預かっている。怖いなら私が読もうか?」
優しい兄が、手紙を開こうとした。
駄目だ! もし、あの事が書かれていたら……!
「大丈夫です! 自分で読みます!」
震えながら手紙を開く。兄に読まれる前に内容を確認しなくては。読まずに捨てるなんて怖くて出来ん。
『最近頑張っているそうだな。だが、あまり無理をしすぎるなよ。勉強ばかりでなく、きちんと婚約者も大事にしろよ。では、明日会うのを楽しみにしているよ』
「あ、あにうぇ……」
「どうした? そんなに怖い事が書いてあったか? アマンダに近寄るなとか、アマンダに話しかけたら許さないとかそんな感じか?」
「い、いえ……それが……」
僕は兄上に手紙を見せた。兄上も面食らっている。
「これは……間違いなくアルフレッドの字だな。良かったではないか。アルフレッドはマリオンの事を許しているんだ。あとは、明日アマンダに馴れ馴れしく話しかけなければ大丈夫だ。アルフレッドはアマンダが男と一対一で話すと嫉妬するんだ。うっかりアマンダと親しく話すと黒歴史を暴かれるぞ。既に何名か騎士が犠牲になっている。私も危なかった。だが、隣に他の女性が居れば大丈夫だ。私はアマンダと話す時は妻と一緒に居るように心掛けている」
黒歴史を暴く。悪魔の所業にしては優しい。
やはり、悪魔といえど兄上や騎士達には甘いのだ。
なんだかんだと悪魔を気にかけていた優しい兄達と、悪魔を散々馬鹿にしてきた僕では立場が違い過ぎる。
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