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いつもアル様は可愛いと誉めてくれる。だけど、不安になる。レベッカ様も、キャサリン王女も大人っぽくて素敵だ。キャサリン王女をエスコートするアル様は、堂々としていて王族の風格があった。ステージで歌うアル様とは違う、王者の風格。
キャサリン王女ともお似合いだった。
マリオン殿下も、アル様を嫌っているのにこの場では文句を言わない。以前だったら、アル様の前で堂々と悪口を言っていた。
アル様はきっと、お城で着々とご自分の地位を築いておられるのだろう。
わたくしは、どうだろう。
妃教育も、半年で終わってしまった。それからは家庭教師を雇う事は許されず、独学で勉強しただけ。せめて貴族の事は全て覚えようと思って、貴族名鑑は全て覚えた。
他にも、隣り合っている国の言葉は全て流暢に話せるし、文字も書ける。大学は理系だったからそこそこの計算は出来るし、自宅にある本はほとんど読んだ。
けど、まだ足りない気がする。
アル様も隣国の言葉は完璧。それにお兄様とお店をやってものすごく稼いでいる。その上、お城に戻られてからは王家の仕事も積極的にこなしておられるらしい。
「アル様、わたくしもっと……アル様のお役に立ちたいですわ」
「アマンダは充分良くやってるよ。だから、今日はキャサリン王女に挨拶したら帰ろう。ね?」
「かしこまりました」
やっぱり、わたくしはアル様のお役に立てない……。どうしよう。このままじゃ……。
穏やかな湖に石を投げ入れられ、広がった波紋のように心が騒めく。波紋なら、いつかは消える。そのはずなのに、いつまで経っても心が落ち着かない。
まるで次から次へと石を投げ入れられたかのようだ。今までの穏やかな5年間は夢だったのではないか。目が覚めたら違う人生が始まるのではないか。
荒唐無稽だと分かってる。でも、一度人生が終わってしまった経験は予測以上にわたくしの心に重く、重くのしかかっていた。
キャサリン王女ともお似合いだった。
マリオン殿下も、アル様を嫌っているのにこの場では文句を言わない。以前だったら、アル様の前で堂々と悪口を言っていた。
アル様はきっと、お城で着々とご自分の地位を築いておられるのだろう。
わたくしは、どうだろう。
妃教育も、半年で終わってしまった。それからは家庭教師を雇う事は許されず、独学で勉強しただけ。せめて貴族の事は全て覚えようと思って、貴族名鑑は全て覚えた。
他にも、隣り合っている国の言葉は全て流暢に話せるし、文字も書ける。大学は理系だったからそこそこの計算は出来るし、自宅にある本はほとんど読んだ。
けど、まだ足りない気がする。
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「アル様、わたくしもっと……アル様のお役に立ちたいですわ」
「アマンダは充分良くやってるよ。だから、今日はキャサリン王女に挨拶したら帰ろう。ね?」
「かしこまりました」
やっぱり、わたくしはアル様のお役に立てない……。どうしよう。このままじゃ……。
穏やかな湖に石を投げ入れられ、広がった波紋のように心が騒めく。波紋なら、いつかは消える。そのはずなのに、いつまで経っても心が落ち着かない。
まるで次から次へと石を投げ入れられたかのようだ。今までの穏やかな5年間は夢だったのではないか。目が覚めたら違う人生が始まるのではないか。
荒唐無稽だと分かってる。でも、一度人生が終わってしまった経験は予測以上にわたくしの心に重く、重くのしかかっていた。
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